ネス「モードレット卿、それがおよそ期待通りのアーティファクトか?」
モー「あぁそうだ。だが、相当ひどい状態でな。私でも修復は無理だったよ。末席殿。」
ネス「すぐに使うという訳でもない。直す方法は後から準備する。」
モー「だが、そのシャドウガーデンとやらは本当に脅威なのか?小規模拠点しか襲撃を受けていないようじゃないか。」
ネス「『今はまだ』というだけだ。奴らの実力は相当なものだ。俺ほどまでとは行かないものの、数は居る。ラウンズで俺に勝負を挑んで勝った奴は居ないのだから、十分にやられうるだろう。恐らく、中規模拠点なら壊滅。大規模拠点にも相当なダメージを入れることができるだろう。」
モー「それであれば...」
ネス「力をつけて居ない今の内に叩いた方が良いかもしれないが、まだ奴らの拠点位置が不明確なのに加え、まだ戦力を持っているかもしれない。故に俺がメインで対応に動く。だが、襲撃には十分に気をつけろ。」
(戦闘力だけでなく、知識も身につけなければな。そのための2年だ。)
そして月日が流れ、ブシン祭がやって来た。
(2年に1度の国際大会『ブシン祭』。剣術大会で優勝したアイリスが本選から参加で、その妹に当たるアレクシア王女も予選から参加するらしい。なら、アイリスを戦力ダウンさせたついでに、アレクシアの方も潰しておくか。アレクシア程度なら普通に勝っても何らおかしくない。)
ハイ「どうしたんですか?お兄様。何か考え込んで、」
(ハイカは夏休みって事でわざわざ王都に来たらしい。ファーストとしては王都ですることも無いので、引き続きカゲノー領の様子を伺ってくれてても良かったんだが、それ以外にやる事もないしな。別に良いかと言ったところだ。)
アー「世界各国から強い魔剣士が集まるらしいから、予選から出場してみてるのも良いかなと悩んでいたんだ。」
ハイ「なるほど。さすがお兄様!ブシン祭すら鍛錬の場所と見ているのですね。では、私ができるだけ多く、出場する魔剣士の情報を集めて来ます!」
(学園の生徒全員の顔を覚えてるくらいなんだから、そのくらいやったに決まってるんだけどな。まぁ、ハイカの情報収集能力の確認でもするか。)
ハイ「お兄様、ブシン祭出場者の内、強いと思われる魔剣士の情報を集めて来ました。」
アー「そうか。」
ハイ「まず、アイリス王女とアレクシア王女。」
(目的はアレクシアの方だな。)
ハイ「次に、ブシン祭常連のクイントン。」
(常連の情報は集められて当然。)
ハイ「ツギーデ•マッケンジー。」
(クイントンより少し弱いくらいの魔剣士だな。)
ハイ「そして、初出場のツヨソウ•デモヨワイ。メチャツヨ•デワナイ。」
(実力を測る能力はあまりないか。今度、ネスとして訓練させておこう。)
アー「6人か。分かった。ありがとう。」
ハイ「いえいえ。」
そして、予選は楽々突破し、本選が始まった。
(アイリス対アレクシア。巷で言う、才能を持つ者の剣『天才の剣』と持たざる者の剣『凡人の剣』。どちらも強くなる剣だが、今のままじゃダメだな。アイリスはあの試合以降、何かに取り憑かれたかのように基礎から剣技をやり直しているとの噂を聞いたから、マシではあるが、それは最初の一歩に過ぎない。だが、アイリスの様子を見るに、その一歩すら上手くいっていないのだろう。想像以上に戦力ダウンしてくれたな。つまり、これはアレクシアに賭けるべきだな。)
審判「本選一回戦第一試合、アイリス•ミドガル対アレクシア•ミドガル。試合、開始!」
(やはり、アイリスは努力のせいでむしろ弱くなっているようだな。)
(努力量に実力が比例する剣である凡人の剣は、確かに初動に強い天才の剣を越す強者になる可能性はある。だが、凡人の剣は扱った時間が全てだ。)
(アイリスは凡人の剣に意識を吸われすぎている。それゆえに、昔から凡人の剣を扱っているアレクシアが勝つだろう。そして、そのおかげでアレクシアを簡単に潰す方法ができた。)
審判「勝者、アレクシア•ミドガル!」
(オッズも良かったから、割と儲かったな。別に使い道もないんだが、)