「嫌ですぅ…」
義光様からご命令はどうにかできそうです。どうにかしなきゃいけないんですけどね!!
「はぁ〜、何時もみたいに行かへんなぁ〜!」
何時もは矢印とか入れちゃえば良いんだけどね〜、それにしても神隠しにあってから1年がたった。
「橘様っ!」
「うわ出た」
「うわ、とは何ですか!」
「あ、いえ。何でも無いです…で、どうされました?」
「お茶を入れて来ました」
「あ、そうなんですか。美味しそうですね」
そういうと、パッといい笑顔になった。
「飲みたいですか!?飲みたいですか!?」
「あ、はい」
この10歳児元気過ぎる。
「では入れて差し上げましょう!」
「ありがとうございます」
フンスっていう音が聞こえる。
美味しかったです。
◆
ある日、武士達が訓練してるのを見かけた。凄い筋肉だな〜
「ん?橘様!もし良かったらご一緒に素振りでもしませんか!」
「あぁー、いえ。自分は剣を握るのは苦手で…」
「ふむ、だったら…拳っていうのもありますよ?」
「拳…ですか?」
喧嘩は昔した事あるけど、今はからっきしだもんな〜…まぁ、今の時代に拳で戦場に出るとか有り得ないし…いっか
「じゃあ、勝本さん。よろしくお願いします」
「おう!」
それから、運動したけど…
「強かったんですね…」
俺はどうやら未だに強かったみたいです。
腕を回す事にどんどん威力が上がっていく…ふはは!まじかよ…
「橘よ!」
「はっはい!」
「ワシともやろう!」
ちゃんと負けました。手を抜いたわけではないですよ?ちゃんと全力でやって負けました。少し悔しいので、暇な時やイメージが湧かない時はまた来ようかと思います。
「はっ!思い付いた!!」
紙に描きたい気持ちが抑えられないけど、体が動けねぇ〜
◆
ある日、いつも通りデザインを考えていたらドタドタと城内が騒がしかった。
「駒姫様が結婚!?」
「あの秀次様から来たらしい…」
「本当かよ…年の差あり過ぎじゃない?」
そういえば、今の時代は豊臣秀吉が天下統一した後らしい。関ヶ原が控えてるってマジ?戦場に出たくねぇな〜
「それにしてもあのじゃじゃ馬姫様がね〜…マジでロリコンか?いやでも、今の時代だと…でもアウトだろ。キッモ」
「橘様っ…」
うおっって言える雰囲気じゃないのよね
「駒姫様…ご結婚されるんですね」
「橘様も知られてましたか…はい、そうみたいです。来月出立致します」
「そうですか…幸せになられてください」
急に結婚するとか思わなかったんだろうな。何時もの元気は一切ない。泣きそうだ
「嫌です…行きとうありませんっ」
「姫様…」
「だって、私が好きなのは…嫌です。もうこんな時代。好きに恋をする事もできないっ!」
俺ができる事はないんだよね…いや、ある。
駒姫様の為に着物を作る
「姫様、俺は姫様の幸せを祈ってます」
俺はこの子の気持ちには気付いている。だが、それは口に出しちゃいけない。それは俺は平民で彼女が姫様だから
「姫様、けっぱれ」
そうして、俺は出立なさる直前に駒姫様専用の着物を作製した。それは、基本黒いが、所々赤や白を入れて現代でも通用するようなデザインにしてみた。
「お待たせしました。駒姫様っ!」
「橘様…これは…」
「駒姫様のお着物です。一点物ですよ?大事にして下さいね」
「はいっ!」
そうして1週間後、駒姫様の虐殺の報を耳に入れた。