やぁ、独立傭兵のアルノさんだよ   作:上代わちき

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五話「ガリア多重ダム襲撃・アーキバス部隊排除」

 

 

 

 やぁ、独立傭兵のアルノさんだよ。

 

 ヴェスパー第四隊長のラスティとちょっとお話したよ。

 どうにも、壁越えの傭兵の力を借りたいんだってねぇ。

 

 

 

『おい姉貴。それってマジか』

 

 おう、マジマジ。

 デートの話かと思って一度は断ったんだけど、自意識過剰だったよ。

 はっはっは。

 

 

 

『笑い事じゃねぇよ! アーキバスの役人が、ベイラム寄りの傭兵に接触だなんて普通じゃねぇ。なんか変なことされなかったか?!』

 

 いんやとくに?

 仕事の話以外は、ちょっと雑談しただけだよ。

 

 星系外では見られない限定タバコがルビコンのどこかで製造されているらしいとか、そういう世間話。

 堅物のようで、意外と知ってるんだねぇあいつ。

 

 

 

『……っ。姉貴、状況わかってるのかよ』

 

 いやだって、今回の仕事ってアーキバスと解放戦線の小競り合いなんだよねぇ。

 話を精査した感じベイラムの損にならなさそうだから小遣い稼ぎにはぴったりだ。

 一応ボク独立傭兵なんだよ?

 

 

 

『金に困ってるってのか? それならレッドガンに入隊すりゃいいじゃねぇか。姉貴ならいきなりG1とか勲章とか夢じゃねぇだろ』

 

 やだよ。

 

 

『なんでだよ』

 

 だってイグアスいつかレッドガン抜けるでしょ?

 じゃああんまり入る意味はないなぁ。

 

 

 

 

『っ……とにかく、次に中立地帯行くときは俺を連れていけ。男避けにはなるだろ』

 

 ん、デートのお誘いかい?

 

 

『そんなんじゃねぇよ! 俺はただ姉貴が心配で……』

 

 じゃあ、せっかくだし今度二人きりで遊びにいこっか。

 

 

 

 

『……っ??!!!』

 

 それじゃあそろそろ切るよ。

 楽しみにしてるね、二人でのデート。

 

 

 

『くぁwせdrftgyふじこlp??!!!』

 

 

 はっはっは。

 これだから本当にかわいいんだよねぇ、イグアス。

 

 ……ちゃんと頑張って、デートプラン考えよ。

 

 

 

 

 

 

 改めて。

 アーキバスからの仕事だ。

 

 目標は、解放戦線のガリア多重ダム。

 以前レッドガンが制圧しようとした場所で、独立傭兵レイヴンがイグアスとヴォルタ君を裏切ったことで作戦失敗したアレ。

 

 

 それを、アーキバスがやろうというわけさ。

 今のアーキバスって、ベイラムと比べるとかなり遅れている状況だからねぇ。

 

 いい加減何か結果を出したくて、そのために何かしら布石を打とうということかな。

 ヴェスパーの七番手であるスウィンバーンとMT部隊も一緒に来ているってことは、単なるダム制圧以上の何かがしたいってことだろうねぇ。

 例えば、宣伝とか?

 まぁ、どうでもいいけど。

 

 

 

 

 ん?

 暗号通信?

 

 

 

『独立傭兵アルノ。こちらルビコン解放戦線だ』

 

『要件は一つ。こちらに付き、ヴェスパーの番号付きとMT部隊を排除してもらいたい』

 

『報酬はアーキバス提示の二倍。……そして、解放戦線の方で確保した限定タバコが一カートン』

 

『これは、ルビコンでしか製造されていない貴重なものだ。貴殿はタバコに目がないと聞いた。悪い話ではないと思うぞ』

 

 

 

 ……へぇ。

 やってくれるじゃん。

 

 あいつ、そのつもりでこの話を持ってきたなぁ?

 

 

 いいだろう。

 あくまでアーキバスのACとMTを倒すという話なら、いくらでもやってやるよ。

 

 

 

『独立傭兵アルノ。貴殿の協力に感謝する』

 

 

 

 

 

 

「おあーっ??!!!」

 

 

 だまして悪いが、仕事なのでね。

 

 

 そういうわけでスウィンバーンを拡散バズーカで奇襲!

 ガトリングと十連装ミサイルで追撃!

 それでも足んないから重ショとブーストキックで吹き飛ばす!

 もひとつおまけに拡散バズーカおかわり!

 

 そしたらスウィンバーンは灰になりました。

 

 

 え、MT部隊?

 スウィンバーンの後ろでみんなアツアツのローストチキンになってるよ。

 生きてるうちはスウィンバーンとセットで数の暴力仕掛けて来たけど、逆関節でぴょんぴょんしてたらだいたいの攻撃は避けれるから問題ないんだよねぇ。

 ベイラムの拡散バズーカをぶっ放して爆破するの、本当に気持ちいい!!!

 ぶい。

 

 

 

 いやぁ、今回は楽しかった。

 解放戦線から報酬としてもらった限定タバコもいい。

 味自体はクソ不味いけど、不思議なクセがある。

 存外悪くないもんだねぇ。

 

 

 

 

 

『……やってくれたな』

 

 おんや?

 ラスティじゃないか。

 今回は世話になったよ。

 

 

 

『君のおかげで私の面目は丸つぶれだ。この借りは必ず返す』

 

 あーはいはい。

 そういう見え見えのお芝居とかいいから。

 

 どうせそういう話なんでしょ。

 思ったより見どころがありそうでちょっと見直したよ。

 デートはお断りだけど。

 

 

 

『……』

 

 ま、それはそれとしてボクのスタンスを示す都合のいい宣伝にはなったよ。

 

 ボクは独立傭兵だ。

 アーキバスだろうと解放戦線だろうと金になるなら仕事はするさ。

 もとよりドーザーの仕事は前々から受けてたしね。

 そこのところは、今回よぉくわかったでしょ?

 

 

 

『あぁ……痛いほどにな』

 

 

 ただし。

 先に言っておくけどベイラムを叩くような依頼だけはお断りだ。

 

 どれだけ大金を積まれようと今回みたいな裏切りは絶対にしない。

 ボクに仕事を持ってくるときは、そこのところを弁えてくれたまえよ?

 

 

 

『それが、君の理由か』

 

 なんのことやら。

 

 

 

『いいだろう。今回に限っては目をつぶろう。……次は、私の戦友になってくれることを期待している』

 

 

 あ、切っちゃった。

 

 戦友、ねぇ。

 タバコで動く安いチンピラに、一体何を期待しているんだか。

 

 

 

 

 

 

「あくまでベイラム寄りの姿勢は崩さない、か。やはり焦りすぎたか……?」

 

 

 

 

 

「第四隊長。スネイル閣下がお呼びです」

 

 

 




ヴェスパー第四隊長ラスティ
原作にも登場する、アーキバス所属のAC乗り。
シュナイダー経由で、アーキバスに入ったらしい。
だがその正体は、ルビコン解放戦線からのスパイ。本質的にはアーキバスと敵対関係。
今回は、アーキバスのスウィンバーン暗殺とランク1のアルノの動向把握を目的に場を整えた。

壁越えの実績をベイラム側に取られたせいか、解放戦線に与してくれるかもしれない戦友を見つけられずにいる。
あるいはアルノがそうかもしれないと縋りかけた程度には、滅茶苦茶焦ってる。
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