怪獣バスターズ 星征大乱   作:雪晒

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第70話 ストーリー

「……はあ」

 

 ため息をついた。眼前にはPC。そこには、湖田が消息を絶った航行機事故に関する調査・考察を述べた記事が表示されている。もう今日だけで、既に5つの資料を目にした。鹿津宮は自己流で情報を集めるために、航行機事故関連に限定してネットサーフィンを続けていた。クイロと出会った夜から3日、八十川・安生と話した日から1日しか経っていないが、すでにかなりの数を読んでいる。論文のように当時の状況を精査したものから素人のまとめサイトまで、目に付いたものは片っ端から開いてみた。内容の質に問わず、隅々まで読み解こうとすると存外疲れる。

 

 今しがた開いたのは、インタビュー形式の記事だ。インタビュアーが、宇宙工学と航行機の仕組みに精通する研究者に質問を投げかけ、研究者は答える。情報の信頼性としては、当たりの部類に入るだろう。

 

 記事の内容を追った。

 

 

Q.そもそも今回の墜落事故、原因はどういったことにあったのでしょう?

 

A.端的に言えば、『電磁ホール』の破損により、航行機の推進が保てなくなったことにあります。現在の一般的な技術では、宇宙船に強力な磁場を生み出し、同時にエネルギーを放出する『電磁ホール』が備わっています。ここの機能は』

 

 

「あぁはいはい。もう見た」

 

 事故原因に関する資料には、決まってこのような宇宙航行機の仕組みに関する解説が挟まれる。はじめこそ一字一句を調べ、内容を理解しようと画面の前で奮闘していた鹿津宮だが、その量は膨大。科学や物理に関する前提知識も要求され、今は完全に読み解くのを諦めていた。詳しいことはわからないが、航行機が進むために不可欠となる部分が『2箇所』破損したらしい。

 

 そして肝心の記事の問答は、見たことがあるものばかりだった。

 

 

Q.破損の原因は何か?A.長距離移動に伴う継続的な電磁ホールの負荷と経年劣化が合わさったため。

 

Q.異常発生後の安全維持システムは作動しなかったのか?A.作動はしていたが完璧な制御までは至らず、墜落という形になった。

 

 

(新しい発見はなさそうだな)

 

 落胆しかけていたが、次の問いに目を引かれる。

 

 

Q.電磁ホールの破損に関して、外星人による攻撃の可能性はないのか?

 

 今読んでいるこの記事は、バルタン星人による「ダーク族が墜落に関わっている」という声明よりも前に出されている。すなわち、今からふた月ほど前、モシリスの怪獣侵攻が起こる以前に書かれた記事だ。というよりも、鹿津宮は声明後に出された記事には触れていない。記事の内容が信用に足らないからだ。外星人の攻撃であるという可能性が示された途端、マスコミはこぞって関連の研究所に押しかけ、「外星人による攻撃があったという証拠」を引き出そうと躍起になっている。研究所の学者陣もまた、もともとなかった証拠を出せるわけもなく、茶を濁したような内容の記事が増えた。

 

 逆に、今見ている記事はまっさらな状態で手がけられたものだ。「外星人の攻撃」の可能性にどんな反応を示すのか。少し期待してスクロールする。

 

 

A.可能性は著しく低いと言わざるをえません。

 

 

「バッサリ斬るねぇ」

 

 鹿津宮は失笑した。応答はこう続く。

 

 

A.フライトレコーダーや航行管制データに残るレーダー反応から見ても、外星人によるUFOや戦闘機の存在を示すものは見つかっていません。また、外星人によるビーム攻撃の可能性も否定はできませんが、電磁ホール内の二箇所の破損とビームの軌道を合わせることは正直無理があります。

 

「まあレーダーは外星人がかいくぐる技術を持ってる可能性もあるが……攻撃の軌道はたしかにな」

 

 鹿津宮はクイロから送られてきた資料に目を通す。姉がまとめた航行機の破損概要だ。記事で触れられている通り、電磁ホール内の破損は直線上になっていない。ビームやスペースデブリの衝突など、外部からの衝撃を受けたようには見えなかった。

 

 普通に考えれば攻撃の起動だとは思えない。だが、鹿津宮の頭にある疑惑が浮かんだ。

 

()()()()()()()()()()()()……?」

 

 無理矢理にでも、ビーム攻撃と仮定してみてはどうか。

 そもそも、外星人の技術は底知れない。曲線を描く光線やビームを撃ち込まれた可能性がある。外部からの攻撃説は、完全に切り捨ててはならない気がした。

 

 が、違和感にぶち当たる。

 

「下手すぎだろ」

 

 電磁ホールの2箇所の損傷を1つの攻撃の軌道だと仮定すると、大きく緩やかな弧を描いていることになる。ほぼ掠ったような軌道であり、狙って撃ったにしては狙いが定まっていない。かといって、2つの攻撃だとすると貫通部分がないため、それはそれでおかしい。

 

 可能性があるとすれば、1本の直線ビームが途中で変化して大きく反れたことによる損傷。それにより軌道が反れ、損傷が2箇所になった。

 

(ビームが……弾かれた?)

 

 つまり、何者かがバリアを発生させて、外部の攻撃から航行機を守ったという説だ。

 

 また荒唐無稽な着地点に行き着いてしまった。が、行き着いたのには理由がある。この「航行機を守る何者か」の存在を、鹿津宮は感じ始めていたからだ。

 事の発端は先日の鹿津宮と安生の話。その中で、墜落し、メッセージを録音した後の動向についても聞いてみた。

 

「私たち、録音を終えた後はじっとしていました。助けは来ないし、食料も飲み物も限られていたから、あまり動かず体力を温存しようと思って」

 

「それで、俺も百合も一度長い時間眠っちまって……丁度救助隊が来てくれたタイミングで、目が覚めました。墜落から30時間くらい経過していたみたいです」

 

 安生と八十川はこう語った。つまり二人とも、湖田が姿を消す瞬間を見ていないと。

 

 だが引っかかったのは別の部分だ。これは二人に限った話ではないが、墜落の衝撃以外の死因でなくなった乗客がいないということ。つまり、墜落後30時間以上放置された現場で、衰弱死は出なかったのだ。

 30時間程度なら、と鹿津宮も当初思いかけたが、イメルの平均気温を知って驚愕した。約摂氏5度。関東なら真冬並みの気温だ。この環境に放置されれば命に関わる。それに、落下地点はリカバーネットの範囲外。宇宙線の人体への影響も考えられた。にもかかわらず、二人は体調不良については訴えていない。「寒い」という言葉すら出なかった。

 

 これはすなわち、生存可能な環境を何者かが維持していたことを示す。航行機の非常システムにこのような設備はなかった。では地球人以外の誰が。何のために。疑問は尽きないが、そうでなければ説明がつかない事態だ。

 

 ここから導かれる、湖田たちが乗っていた宇宙航行機を守ろうとした存在。ビームを弾いた者=環境を維持した者、という図式が出来上がる。

 

――湖田は、事故後に録音したメッセージの中でも、この『UFOを見た』という発言をしている。

 

 ここにきて、クイロの発言が思い起こされる。地球における最先端のレーダーにすら感知されない外星人のUFO。実在していたのなら、それを察知した湖田は何者だ。何か驚異的な勘や、並外れた危機察知能力があったのか?

 

 そして、「航行機を守ろうとした存在」。ビームを防ぎ、墜落後の環境を一定に保った。明らかに人智を越えた能力だ。

 

――揺れた時、湖田は席を外してたんです。トイレに行くって言って

 

――冷静だなとは思いましたが、元々湖田はそういう奴でしたし。

 

――よく考えたらあんまり自分のこと話さなねえなって思ってたけど。

 

 八十川の言葉が脳内を巡る。

 

「は、ははは」

 

 目元を抑えた。なんだか笑えてくる。

 謎の多い人物、湖田永晴。彼にもし、超常的な力があったのなら。

 

 きっと自分が考えているのはおかしいことだ。別々の日に見た夢を関連付けるような荒技。誇大妄想。

 でもまさか。もしかしたら。そんな風に思えてしまう湖田永晴の存在と、自分は対峙している。

 

「はは、ははは、は」

 

 笑い声を出しても、口が笑みの形を作らない。

 

「湖田永晴。お前、一体何者なんだ?」

 

 答えのない問いを投げかける。

 

 静かだった。静寂が降り積もって、自分の心臓が動いているかすら怪しくなる。

 鹿津宮はタバコを取り出し、加熱デバイスに差し込む。2本立て続けに吸い、ケータイを手に取った。

 

「あ、もしもし鹿津宮です。すみません八十川さん、今お時間よろしいでしょうか」

 

 空いてる方の手で、PCを操作する。

 

「すみません。またちょっと事故のことで……あ、あとそれから、差し支えなければ所属している研究室についても……」

 

 電話をしながら、以前保存しておいたニュース——航行機の墜落事故とは()()()——の記事をクリックした。

 

 

 

 

 

 

 『CLOSE』の札が下がっているのを確認し、扉を開く。ふわりと涼しい空気が迎えてくれた。バーの中に、やはり人はいない。

 

「やあ」

 

 唯一、マスターであるクイロがカウンターで例の紙束を広げている。その姿は地球人ではなく、ありのままのペガッサ星人の姿でいた。擬態装置は切ってあるのか。

 

「来てくれたのか」

 

「またのお越しをって、お前が言ったんだろう。つーか、いつ営業してんだよこの店は」

 

 定休日に店を尋ねれば、クイロは待っているような気がしていた。

 鹿津宮は歩み寄り、カウンター席に腰掛ける。

 

「注文は後でいいか。先に話をしておきたい」

 

「何かわかったのか」

 

「俺なりに調べてみた上での、一つの見解だ」

 

 それをクイロに話しておきたくて、再度店を訪れたのだ。

 クイロを見る。必要以上に背を伸ばし、突き出た目はいやにまばたきが多い。ペガッサ星人の表情であってもわかるほどに緊張をしている。

 

「やっぱり、軽いのを一杯もらうわ。お前も飲めよ」

 

 クイロは少し鼻白んだ様子だったが、すぐにバックバーから2種類の瓶を取った。

 

 たちまち液体の満たされたグラスが目の前に差し出される。ビールに似ているが、黄色が濃く泡の層が薄い。

 

「ラドラー。ビールをレモネードで割った、さっぱりしたビアカクテルだ」

 

 クイロの手元にも同じ色出満たされたグラスがあった。

 乾杯し、口に運ぶ。初めて飲んだが、美味い。スイスイいけてしまう。

 

「杏次」

 

「ああ、普通に飲んでたわ悪い。航行機墜落事故に関する俺の見解だったな」

 

 グラスからクイロへ視線を移す。

 

「概ね、『姉貴が予想していた通り』。これが俺が出した結論だ」

 

 クイロの目が見開かれる。

 

「おぉ……!それでは」

 

「ダークバルタンは航行機を墜落させていない。というよりも、おそらく航行機を守ろうとしていたんだ」

 

 クイロの表情が、喜びから驚きへと移り変わった。

 

「順を追って説明する。まず、宇宙航行機はおそらく何者かによる外部からの攻撃でコントロールを失った。今地球では電磁ホールが負荷の許容値をオーバーした事による損傷説が有力だが、俺の見立てでは違う。外部から発射されたビームが、この電磁ホールを撃ち抜いていたんだ」

 

「では、先ほどの守ろうとしたというのは」

 

「電磁ホールの損傷部分の位置がな、おかしかったんだよ。真っ直ぐじゃなかった。軌道から見るに、おそらくビームが弾かれ、反れた軌道だ。攻撃に気づいたダークバルタンはおそらく、飛行中の航行機の周囲にバリアみてえなものを張り巡らせ――」

 

「反射してしまったビームの軌道が電磁ホールを貫いた、というわけか。だが、なぜ外部からのビーム攻撃によるものだと?」

 

「あー……」

 

 痛いところを突かれてしまった。酒の苦味が増す。

 

「……その辺は、仮定ってことにしといてくれ。主流説を否定できるほどの材料集めはできなかったんだ」

 

「そうなのか。いや、構わないさ。続きが聞きたい」

 

「ああ。コントロールを失った宇宙航行機は不時着みたいな形で墜ちた。その時の衝撃で乗客の4割が死んだが、残りは約35時間後に救出されている。全員生存していたんだ。だが、墜落先のイメルの気候は生身の人間には厳しい環境だ。さみいし、宇宙線だって浴びる。機内にはそこまで厚着してた奴なんかいなかっただろうし、八十川なんてアロハシャツだったみたいだ」

 

「行き先のワッカは、地球で言うハワイのような気候だからな」

 

「そう。それに怪我人だっていたはずだ。だから衰弱死が一人も出ないなんてのはおかしい。誰かが、外部の環境から守らない限りはな」

 

 ビームの軌道と墜落後の平穏。鹿津宮はこの状況から、ある意思を感じ取る。

 

「何者かの、『守らなきゃいけない』みたいな意思があるような気がする。変な話だけどな」

 

「それが、ダークバルタンによるものだと」

 

 鹿津宮は頷いた。

 

 先日、一瞬(いぶか)った湖田永晴の正体。もしかしたら、彼に何か超常的な力があって乗客の半数以上を救ったのではないか。そんな考えもあったのだが、早々に潰した。

 冷静に考えておかしすぎる。流石のクイロも愛想を尽かすだろう。人は疲れると、あらぬ方向に思考を割いてしまうのだと実感した。

 

「たしかに、墜落後新たに死者が出なかったことを『幸運だった』片付けるのは難しいと思っていた。守ろうとした存在がいる……なるほどな。しかし」

 

 クイロは目を光らせた。

 

「航行機を守ったのがダークバルタンだと考える根拠は何だ。これも仮定なのか?」

 

「いや、一応根拠はある」

 

 鹿津宮は薄く笑う。

 

「唯一行方不明になった乗客、湖田永晴を救うためだ」

 

 湖田が絡んでくるのは、こちらの文脈だ。

 「湖田を?」とクイロが聞き返す。

 

「ああ。さっきは宇宙航行機を守る存在がいるって言ったが、正確に言えば連中は湖田を守ろうとしていた」

 

「なぜ……湖田をそこまで特別視する?」

 

 鹿津宮はケータイを取り出し、自身でまとめたメモ画面を開く。

 

「実は……以前ここで話したダークバルタンを取り巻く状況と、湖田が大学で研究しているトピック、そして墜落事故とは別のあるニュースから結論を導き出した。たしかダークバルタンは、バルタン星人の種族体系から独立を目論んでるって話だったよな」

 

「その通りだ。支配的地位のシルバーバルタンに服従している現状を打破しようとしている」

 

「異星人の生活なんざ皆目見当もつかねえが、独立する以上今バルタン星人が住んでる星を出なきゃならねえのは想像できる。つまり、独立に必要なのは新しい土地と、そこで生活していくための基盤だ」

 

 目配せをすると、クイロは頷く。間違いではないらしい。

 

「ここで、さっき言った『別のニュース』の話。最近、地球人が居住する外惑星の一つ『アペヌイ』で、正体不明の飛行円盤が惑星周上に目撃されている」

 

 鹿津宮はケータイ画面にニュース記事を表示し、クイロに向ける。

 

「今のところ侵略行為はないが情報もない。何星人のUFOかわからないんだが、俺はダークバルタンのものなんじゃないかと踏んでる」

 

「なるほど。ダークバルタンはアペヌイの土地を拠点にしようとしてるんじゃないか、という推論か」

 

「そう。そして」

 

 今度は自信でまとめたメモを再度クイロに見せつけた。

 

「湖田永晴が所属していた大学の研究室、その専攻分野は惑星アペヌイに大きく関連している」

 

 これも八十川と安生から詳しく聞いて知った。湖田・八十川・安生が入っていた城南(じょうなん)大学理工学部諸星(モロボシ)研究室の専攻内容は、宇宙システムを利用した持続可能エネルギーの模索。特に湖田たちの代が力を入れていたのは、宇宙で巨大な太陽光パネルを展開し電力を生み出す研究だ。

 

 宇宙空間のパネルで恒星の光を受け止め、電力に還元、それをマイクロ波や赤外線レーザーなど、送信可能な波長に変換し地上へと照射することで、昼夜を問わず太陽光発電が可能になる。諸星研究室はこれを太陽系の外、外惑星でも行おうとしていた。

 

 アペヌイは非常に気温が高い惑星だ。理由は二つ。一つは火山活動が活発であること、そしてもう一つは単純に恒星からの距離が近いことだ。アペヌイが公転する中心の恒星ディアモンから光を受け取り、エネルギーをアペヌイに照射する。仕組みは太陽光の場合と同じだが、その具体的なアプローチの術を教授の諸星佳弾(カダン)、ならびに所属学生が模索していた。

 

「城南大っていやあ国内トップクラスの学力だが、学内でも湖田は優秀な生徒だったらしい。成績も人当たりも良く、特に研究に関しては強い意欲を持って取り組んでいた。計画全体に貢献することも珍しくなかったってよ。ダークバルタンは、湖田の頭脳を買っていた」

 

「まさか……ダークバルタンは恒星発電技術に精通する湖田を生きたまま引き込むために航行機を守ったと」

 

「弱小勢力の外星人だ。藁にも縋る思いで地球人を頼っても不思議じゃないと俺は思うね」

 

 クイロが困惑した様子でカウンターに手を突いた。

 

「なぜダークバルタンが湖田の研究室のことを知っているんだ。それに、湖田が優秀という情報まで」

 

「諸星研究室が置かれるキャンパスは都内にあったし、つるんでた八十川の自宅は住宅街の中だった」

 

「都内……異星宥和(いせいゆうわ)政策か!」

 

 23区であれば、国から許可を得て店舗や生活を営んでいる外星人がいてもおかしくはない。

 

「湖田たちが偶然入った飲み屋やなんかで研究の話をしてたら、嗅ぎつけられた可能性はあるな。もちろん、バルタン星人は異星宥和政策の登録をしていないだろうが、宇宙人同士のつながりで情報がダークバルタンの耳まで届く、みたいなルートはありえる」

 

「では、外惑星で旅行に行く話ももしかしたら」

 

「異星宥和の店で旅行計画を話していて、それを拾われたんだろう。もしかしたら、元々は湖田の身柄を攫うだけの予定だったのかもな。でも、航行機が外部から攻撃されるっていう予想外の事態に直面した。それで湖田を死なせないために、航行機を防衛した」

 

 まとめると、こうだ。

 

 ダークバルタンは領地を確保して独立を果たすために、エネルギー開発技術を欲していた。そこで、発電知識の豊富な湖田の存在を異星宥和地区の異星人伝手で知る。湖田の身柄を確保しようと宇宙航行機を追跡していたが、途中で外部からの攻撃を受け、湖田を守るために防御バリアの展開、及び墜落地点周辺の環境もケアしていた。

 

 電磁ホールの破損を「敵性人による外部からの攻撃」と仮定したのは、「ダークバルタンが航行機を防衛した」という話の筋を通すため。一応は、内容に繋がりができる。

 

「以上。……その、どんなもんだ?」

 

 なんだか、こちらも少し緊張する。見解を披瀝した鹿津宮は、さながら挑戦者。クイロは審査員だ。

 クイロは頭の中を整理しているのか、目を閉じて考え込む。挑戦者はただ、評定を待つほかない。

 

 やがて、クイロは目を開けた。

 

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