ハッピー至上主義のヒロアカ冒険譚   作:もーまんたい

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感想と同じように評価に関しても、返信するのを控えさせていただきます。高評価して下さった方にお礼を言いたいのですが、名前を書かれたくない方が評価し辛くなっているかと……。
今までにもいたと思います……思いが至らず申し訳ない。

最近謝ってばかりですね……申し訳ねえ。


第2章 曇らせキャラを救え
体育祭告知


 

3日後。

 

退学騒動と臨時休校を終えて、雄英は本来の役割を取り戻していった。

 

そして、1-A組ではーー

 

「ーーチャイムが鳴ったら席につけ」

 

寝袋を被った相澤先生が教室の扉で立っている。

 

「先生ッ、影山は!?」

「相澤先生、影山くんは!?」

 

USJ襲撃事件のときから姿を見せないモブ男のことを心配したクラスメイトたちが、モブ男の安否を確認するために相澤先生に駆け寄っていく。

 

それに対して相澤先生はーー

 

 

「ああ、アイツは……」

 

 

静寂が教室を包む。

 

誰もが先生の言葉を聞き損じまいと耳を澄ます。

 

ごくり、

 

クラスメイト全員が唾を飲む。

 

 

「影山はーー

 

 ーー()調()()()で休みだ」

 

 

しみじみとした雰囲気だったのに、まさかの体調不良。どう考えても風邪を引かなさそうな奴が体調を崩したらしい。

 

「だっはーー」

「なーんだ、体調不良かぁーー……」

 

安堵するクラスメイトたち。

ホッ、としているのが目に見えてわかる。

 

「影山でも風邪引くんだな……じゃあオールマイトも風邪引くってことかぁ……なんか俺らと変わらんくね?」

「影山くんも人だったってことだねー」

「人ではあるだろ!? 今までどんな認識だったんだよ!?」

「いやー、なんか生き物としての格が違う気がしてさー……」

「「「それは分かる」」」

 

ざわつく教室。

 

ザワザワ、ザワザワ……

 

ゴゴゴーー

 

ーー相澤先生の髪が逆立つ。

 

「良い加減に座れ」

「「「はーい……」」」

 

シーン、

 

先ほどのざわつきは嘘のように静かになり、全員が着席していた。この2週間で学んだことがココに詰まっているようだ。

 

「影山のことは心配するな、アイツなら大丈夫だ……多分。そんな事よりもーー」

(((多分!?心配だ!!)))

 

余計に心配を煽るようなことを言う相澤先生。しかし、そんな心配も次の発言で吹き飛ぶ。

 

「そんな事よりもーー雄英体育祭が迫ってる」

「「「クソ学校ぽいの来たァァアアアア!!!」」」

 

 

 

 

全員がモブ男のことを忘れた頃。

そのモブ男はというと……

 

 

「ゴホッゴホッ、ああーー……死ぬ」

 

……かなり重めの風邪にかかっていた。

 

「コレも全部……相澤先生のゴミ屋敷のせいだ……ゴホッゴホッ」

 

退学騒動後に泊まることとなった相澤先生宅。男1人暮らし。しかも、身なりを気にしない。そんな人の家が綺麗なわけが無かった。

 

もちろん、そんなことはモブ男も理解していた。

 

だが、見立てが甘かった。

 

相澤先生宅はーー

 

ーーモブ男の想像を遥かに超える汚さだったのだ。

 

いつも合理性だのウンだの言っている人からは想像もつかない汚部屋。不合理極まった家だった。

 

その汚部屋に一泊もしてしまったモブ男。

 

そして、風邪を引く。

 

しかし、風邪を引いても運命(ストーリー)は待ってはくれない。それに気づいているモブ男は完全自律型AIであるアイに脳内で呼びかける。

 

『アイ、まだナノマシーンで殺せないのか?』

『はい、かなり強いウイルスのようで……』

 

脳内での呼びかけにアイの返答はNOだった。

 

ナノマシーンでも殺せないウイルスって何だよ……つーか、なんでそんなの部屋で発生してんだ……。

 

「ゴホッゴホッ」

 

いや、この部屋なら発生するか……。

 

俺は汚ったない部屋を見ながら心の中でそう呟く。

 

ま、ナノマシーンに後は任せて俺は()()()だな。

 

そう言って俺は目を閉じた。

 

 

 

 

★★★★☆☆☆

 

 

 

 

「はっ、はっ、はっ……!」

 

路地裏に、呼吸音が響き渡る。

 

体には至る所に()()()のある男。

 

その服装はヒーローコスチュームに見える。

()を地面に垂らしながら、彼は逃げていた。

 

何度も背後を振り返りながら。

 

ーー追跡者を振り切るために。

 

「……ッ!!」

 

だが、その表情は、絶望へと変わる。

 

彼の前に、そびえる建物。

 

四方を10メートルを超える建物で囲われてしまった。10メートルの建物は、彼の個性ではとても越えられるようなものではない。

 

「……無駄だ、贋物(にせもの)

 

びくりと、身じろぎして、彼は振り向く。

 

そこにはーー

 

 

ーー37名殺傷犯・ヒーロー殺し「ステイン」

 

 

包帯状のマスクを身に着け、赤のマフラーとバンダナ、プロテクター。そしてーー全身の至る所にある刃物。

 

小型ナイフ、サバイバルナイフ、日本刀、と刃物の種類は豊富なようで、まだ刃物を隠し持っていそうだ。

 

べろん、と舌を出し血のついた日本刀を舐める。

 

「うぐっ!」

 

その瞬間、体をこわばらせ、動かなくなってしまったヒーローらしき男。体は動かないものの、その呼吸は荒くなっていく。

 

鋭利な顎とブツブツの細長い舌のヒーロー殺し(ステイン)に血を舐められたことが関係しているのだろう。

 

贋物(にせもの)には粛清を……」

「や、やめろ……」

 

ヒーローらしき男は懇願する。

 

しかしーー

 

「ーーダメだ。全ては正しき社会のために」

 

ヒーロー殺し(ステイン)は男の懇願を斬り捨て、信念を語り、刀を振り下ろしたーー

 

バキッ、

 

ーー刀が折れる。

 

 

「…………ッ!!」

 

刀を折ったと思わしき男がヒーローを守るようにして……立っていた。薄暗くて少し見えないが、木製の肌、くるみ割り人形のような口に、まぶたのない緑色の目。いや、目ではなく……レンズ。

 

何者だ……とステインは男を注視する。

 

「うし、今回は間に合ったな……」

 

機会的な声がその木製の男から漏れる。

 

「貴様、何者だ……」

「あ? 何回も会ってるだろ。もう忘れたのか?……ヒーロー殺し・ステインさんよォ……」

「…………貴様なんぞ知らん」

 

おいおい、嘘だろ。

最近の方がよく会ってただろうが。

 

そんな声が聞こえてくる。

 

「本当に忘れちゃったの?」

「くどい」

「そっかーー……残念ーーいや、別に残念でもねえな」

 

まあ良いや、と男が呟く。

そして、男がこちらに掌を向けた。

 

ステインは男の攻撃を警戒して射線から外れようと建物の壁を蹴り、上へと消えるように飛び上がる。忍者のような素早い動き。

 

だが、

 

その動きに反応する木製の男。

掌が、射線が、完全にステインを捉える。

 

(マズい……ッ)

 

咄嗟にガードを固めるステイン。

 

次の瞬間ーー

 

大祓砲(ウルトラキャノン)

 

ーー男の左掌から()()が放たれる。

 

「グァッ……!!」

 

苦痛からステインが(うめ)く。

 

バトッ、

 

ステインの皮膚、そして包帯状のマスクが焼け落ちる。

 

「…………なッ」

 

未だ動かずにいるヒーローが驚嘆する。

 

なぜならーーステインの顔面は……鼻が削がれていたような見た目をしていたから……。

 

「ぐっ」

 

ステインはよろけながらも、立っている。

どんな執念が彼を立たせているのだろうか。

 

「思い出したか? ステイン」

「お前は……」

 

機械的な声で男がステインへ問いかける。

ステインはくぐもった声で答えた。

 

「お前はーー『正義を騙る者(ディルージョン)』……か」

 

やっと思い出してくれたか、と木製の男は言うが、全身を高熱で焼かれたステインにその声は届かない。

 

意識が朦朧としているせいか、ステインがボソボソと囁くように話し始める。

 

「正義を騙り、人々を救い、悪を打ち滅ぼす真のヒーロー・正義を騙る者(ディルージョン)。奴に倒された悪は数知れず……だが、俺は幾度なく貴様の襲撃を回避し、勝利してきた。今回もそうだ……俺の執念は貴様を超越する。

 

 ーー戦いは始まったばかりだ。

 

 行くぞ、正義を騙る者(ディルージョン)……」

 

高熱の日本刀に手が焼かれながらもステインは構えるーー

 

 

ーー居合の姿勢。

 

手を鞘に見立てて刀を腰に構えたステイン。

 

絶対領域ーー

 

ーー入って来た者を必ず斬るという領域。

 

その想いは鞘代わりにしている手からも読み取れる。刀を強く握っている手からは血が留めなく流れていた。

 

ごくり、

 

ステインの個性が切れ動けるようになったヒーローの男が唾を飲む。

 

それもそのはず、先程まで強烈な殺気を振り撒いていたヒーロー殺し(ステイン)から殺気が()()()()()()()のだから。

 

ステインの気は「斬る」という一点に集中していた。

 

そのステインをどのように撃破するのか……

 

もし撃破出来なければ自身がこのヒーロー殺し(ステイン)を相手取ることになるーー

 

ーーつまり、死だ。

 

自身の命が掛かった戦いが始まる……

 

……しかし、勝負は一瞬で着くこととなった。

 

 

 

「ーー大祓砲(ウルトラキャノン)

 

ステインが高熱のレーザーで焼かれる。

 

バタリ、

 

受け身を取ることもなく地面に突っ伏すステイン。

 

「…………」

「いや、その……ごめんな」

 

その謝罪と共にステインは意識を失った。

 

「…………」

「…………」

 

木製の男とヒーローの男は気まずい空気になった。

 

 

((居合に対して、遠距離攻撃はダメだろ!))

 

 

お互いに同じ事を思っていた。

 

しかし、木製の男は真剣勝負をしているわけであって、ステインと居合勝負がしたいわけではない。

だから、命懸けの勝負をしたとするためにツッコミはしない。

 

ヒーローの男も同じで、

命の恩人にそんな事を言えるはずもなく、彼は喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。

 

「じゃあ俺……ステイン警察に届けてくるからさ……」

 

じゃあ、と言って消えてしまった正義を騙る者(ディルージョン)と呼ばれる彼は一体誰だったのか、それをこの男が知る事は一度としてない。

 

 

 

 

そうして、ヒーロー殺し・ステインは確保されーー彼の命は救われた。ーー病院にて手当を受け

ーー警察からの事情聴取され

ーー家に帰って彼は叫ぶ。

 

 

「居合に遠距離攻撃はダメだろォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」

 

 

この男が近所の女性から苦情を言われ、

 

……そこから恋に落ちる話は、また別のお話。





裏設定。
モブ男が風邪を引いた理由は相澤先生のせいだけではありません。運命がモブ男を殺そうとしていたのです。
たまたま汚部屋に発生した致死率100%のウイルスがモブ男に感染。モブ男の強靭な免疫によってモブ男の体内では、激しい戦いが繰り広げられていた。あとプラス、傍観ナノマシーン。

免疫「しねぇええええええええええええええええええええええええええええ!!オラッ!!」
ウイルス「こっちのセリフじゃあああああああああああああああああああ!!クソがァッ!!」
ナノマシーン「あ、出来ることなんもないわ……」


はい、以上「実は死にかけていたモブ男」でした。

ステイン戦について

  • 原作通りのタイミングで出して欲しい
  • ステインをもっと強くして欲しい
  • 今のでOKだから先に進めて欲しい
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