ハッピー至上主義のヒロアカ冒険譚 作:もーまんたい
cbdoolさん、☆9ありがとうごさいます!
感謝しかないです。
平均☆7に踏み止まれました!ありがとうございます!!
体育祭の入場。
A組の入場が完了次第、続々と生徒たちが入場してくる。一年生クラスはAからK組まであるため、1クラスずつの入場だと相当な時間を食ってしまう。よって、一斉入場という事になっている。
つまり、その中で最初から入場し、定位置にいるA組は特別扱いされていることになる。
その事に物間だけでなくB組全員が悔しそうに苦笑いしながら、入場して来た。悔しさを原動力に彼らは、A組に勝たんと闘志を燃やしていた。
それに気づいているA組。
俺たちが勝つと、B組を睨みつける。
既に戦いは始まっているのだ。
そんな睨み合いの中、物間達B組は気づくーー
ーー最大のライバル・影山モブ男がいないことに。
★★★★☆☆☆
体育祭会場の学生専用トイレ。
モブ男はそこにいた。
ギュルル、
「絶ッ対、ミッドナイト先生の飯のせいだ……(ギュルル)はぅ!」
めちゃくそにお腹を下した状態で、トイレに篭っているモブ男。なぜこんな状態になっているかというと……
……それは今朝に遡る。
いつものように5時に起き、ミッドナイト先生のために洗濯と料理をし始めようとしていた俺。しかし、キッチンから何やら匂いがする。その匂いの元を探るべく、俺はキッチンへ向かう。
「あら、もう起きたの?」
キッチンにミッドナイト先生が立っていた。その手にはフライパンと包丁が持たれている。どうやら料理をしてくれていたみたいだ。俺が感謝と疑問を伝える前にミッドナイト先生が口を開いた。
「いつもお世話になってるから、お弁当と朝ごはんを作ってあげようと思って……ダメだったかしら……?」
上目遣いで俺のことを見てくるミッドナイト先生。30代の人が男に上目遣いなんてするな、と言いたくなるが、ミッドナイト先生がやると可愛い。
その可愛すぎる姿に、俺は疑問を投げ捨て、叫ぶ。
「可愛いすぎかよ!!(ガチギレ)」
「…………あ、ありがとうね……?」
そんな事に言ってしまった俺は、ミッドナイト先生にドン引きされてしまう。でも後悔はない。
だって俺は、本心を語ったのだから。
「いえ、こちらこそ……色々とありがとうございます。ご馳走様です」
「まだ食べて無いわよね……?」
本気で困惑するミッドナイト先生。
コレくらいの下ネタならいけると思ったが、意味すらわからないとは……。
俺は話題を変えるために、さっき抱いていた疑問を先生に投げかける。
「先生、その聞きにくいんですけど……何故、右手に包丁と左手にフライパンを? 何かと戦ってるんですか?」
パッと見、ドラ◯エのような格好になっている。ただし、剣の代わりに包丁、そして盾の代わりにフライパンを持っている。今から魔王でも倒しに行くのだろうか。
その問いにミッドナイト先生は答える。
「え……だって料理をするのに包丁とフライパンは使うでしょ……?」
「え、先生ってもしかして……」
「な、何よ」
この人、料理下手だわ。
いやー、まさかまさかですよ。出来る女感を出しているミッドナイト先生がまさかの女子力ゼロで一人暮らしのアラサー。
多分、今までは全てレンチンで生きてきたのだろう。ご飯は全部、佐◯のご飯だな。
先生の女子力ゼロにガッカリしていた俺は目撃してしまう。
「先生……ソレはまさか……」
「ん? コレ?」
「ソレは……」
「目玉焼kー「
はい、出てきました……料理が極端に出来ないキャラ御用達の、未知の物質。その名を
確実に俺を殺すために運命が動いているのを感じる。相澤先生のあの家と言い、ミッドナイト先生の料理。どちらも特級呪物だ。
「先生、どう見たら目玉焼きにコレが見えるんすか。目まで
「……た、多少は焦げてても大丈夫かなーって……」
「や、多少ってレベルで済んでないから。もう黒すぎて原型ないじゃん。なんか黒いモヤみたいなの出ちゃってるし……」
そんな事を言っていると先生の目尻に涙が溜まってきた。
「…………」
「…………」
なんか俺が食べないと収集つかない雰囲気になってない?
「…………」
「…………」
いやいや、無理だって!食うのは無理! 死んじゃう!死んじゃうから! 黒いモヤだか、オーラだかわかんないの出てる奴はダメ! 食べちゃダメなやつだって……!
「…………」
「…………」
もう、コレ、『YES』以外認められない感じだよね? 酷くない? 切腹しろってこと? 確かに前回、ミッドナイト先生に一生ついていく所存、とか言ったけどさ……。ココまで料理が下手とは思わないじゃん。コレ、人が死ぬレベルだよ?
「……ごめんね先生が変なもの作ったばっかりに困らせちゃって……」
ぐすっ、と鼻を啜ったミッドナイト先生。
「やっぱり、こんなの食べるの嫌――」
「いっただっきまぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああすぅ!!お、美味しいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」
南無三!、と俺は自身の口に
美味しいと自身に暗示をかけながら、ゴクリと
「ガハッ……最高に美味しいっす!」
「…………影山くんっ!」
さっきの涙は嘘だったかのようにパァと、ミッドナイト先生の表情が明るくなる。
え、もしかして嘘泣き? もしそうならヤちゃっうよ?マジで。 ココまで体張ったのに、嘘泣きでしたは酷すぎやしませんか?
「じゃあお弁当にも詰めちゃうね!!」
「……ちょっとまーーゴホッ」
俺になす術は無かった。
こうしてミッドナイト先生作
「なーんだ、
なんて事をほざいていた。
そして、3時間後に地獄をみる。
入場口にて待機する俺たちA組。
もちろん、俺も皆んなと一緒に整列していた。
だが、悲劇は突如として起こる。
「(ギュルル)はぅ……!」
腸が捻じ切れるかと思うほどの腹痛が俺を襲う。即座に腹を押さえ、蹲る俺。
ポタポタと、冷や汗が垂れる。
飯田たちが大丈夫かと駆け寄ってくれるが、その声にすら反応出来ない。それほどの痛み。
俺は一言、トイレ行ってくる、と言い残してトイレへと駆け込んだ。
そして、現在へと至る。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
明らかに食った以上に出ている。多分、内臓が出てるんじゃないだろうか。あ、今心臓が出たわ。
トイレが詰まらないように何回流したことか。完全に舐めてた……所詮焦げなどと、思っていたばっかりに。
「ノゥォオおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーー!!」
トイレに嘆きの咆哮が轟く。
★★★★☆☆☆
そんなモブ男がトイレと親友になっている時。
会場の方では、開会式が始まっていた。
「選手宣誓!! 選手代表!!1ーA爆豪勝己!!」
ミッドナイトが、壇上に立ちピシャンと鞭を鳴らしながら爆豪の名を呼ぶ。主席は影山モブ男って奴じゃないのか、と生徒たちがざわつく。
主席のモブ男がトイレに篭っていないため、代わりに入試成績第2位の爆豪が呼ばれたのだ。だが、その事に生徒たちが知る由もない。
そのモブ男の代わりに呼ばれた爆豪は、苦虫を噛み潰したような顔で壇上に上がっていく。
そして、宣言する。
「宣誓ーー俺が全員ぶっ潰すッ!!」
爆豪の宣誓にA組B組以外の生徒からブーイングの嵐が巻き起こる。宣誓とは、自己の主張が真実であること、あるいは自己の行動がある規範に則っていることを、特に多数の人々に対して言明することである。
つまり「俺が勝つのは当たり前だ、ボケナス共がァァアアアア!!」ということだ。
爆豪らしい先制攻撃いや、宣誓攻撃。
「「「BOOOOOOO!!」」」
大ブーイングの中、爆豪が壇上から降りる。
そんな中で他の生徒と違い、静かにしているAB組の生徒達。彼らも爆豪と同じ事を考えていたのだ。
A組B組全員が爆豪同様、心の中で宣言する。
(((俺が/私が勝つッ!!)))
静かにその闘志を燃やす彼らを実況席から見ている2人。プレゼントマイクそして、プレゼントマイクに解説役として連れて来られた相澤。その2人はAB組の生徒を見ていた。
他の科の生徒が騒ぐ中、微動だにしないその背中。
そんな彼らの背中を見て、相澤はニヤリと笑う。
(……成ったな)
彼らがすでにプロ並みの志を得ていることに気付いたのだ。自身が友を失って初めて得られた燃え盛る闘志を彼らはすでに身につけている。
(これも全て、影山のお陰かもな……)
そんな風に思う相澤だったが、当のモブ男がいないことに怒っていた。
「影山……しばく絶対に」
「おいおい、イレイザー。怖い顔すんなよ〜〜……めでたき体育祭なんだぜェ? 愛弟子の影山きゅんがいないだけで怒んなって!」
実況席に無理矢理、相澤を連れて来たプレゼントマイクが相澤を宥めようと声をかけるが、煽っているようにしか見えない。そんな友人に相澤は、コイツもあとでしばくッ!!、と心に決め、黙ってしまった。
「お、第一競技が早速出たな」
「…………」
プレゼントマイクの言葉に反応し、相澤が会場のスクリーンを見ると……
「……第一競技『障害物競走』」
未だ、モブ男の姿は見えない。
★★★★☆☆☆
「宣誓、俺が全員ぶっ潰すッ!!」
俺こと
コイツは、入学初日の個性把握テストで各種目1位、もちろん総合でも1位を叩き出し、戦闘訓練ではNo.2ヒーロー・エンデヴァーの息子にすら勝ったゴリラだ。
コイツの個性はオールマイトのような超パワー。No.1ヒーローの個性と類似した個性。強いはずだ。だから俺は妬ましかったが、悔しくはなかった。その個性があれば俺だってなんて考えていた。
だが、その凄まじいパワーはコイツの本領じゃないことを戦闘訓練で思い知らされた。
コイツの本領はーー
ーー先読みの力。
まるで未来を見ているかのような行動に、作戦。全てが読まれている、そう感じさせる程の言動。戦闘訓練では、その先読みの力を使い、エンデヴァーの息子の半分野郎を倒した。
半分野郎の個性は、半冷半燃。
クソ冷やす半身とクソ燃やす半身を持っているコイツの個性は、オールマイトにすら届き得る個性だ。動けば体が割れるような氷結能力。未だ隠しているNo.2ヒーローの燃焼能力。だから、コイツはオールマイトと同様の個性を持つゴリラ野郎とも十分に戦える。悔しいが、俺の個性じゃあ勝てねえ。そう思っちまった。
戦闘訓練でも、コイツの個性は猛威を振るい、ゴリラ野郎を氷付けにした。だが、それを読んでいたかのようにゴリラ野郎は透明野郎を使って、半分野郎をぶっ飛ばした。
悔しかった。
ーー個性が全てだと思っていた俺を。
ーー勝てないと思ってしまった俺を。
否定された。
そして、奴に思い知らされた。
個性だけが全てじゃない、と。
そこから2週間は自分を追い詰めた。
奴に、影山モブ男に勝つために。
「なのに、ソイツがいねぇ!!」
俺はキレていた。
「ど、どうしたのかっちゃん!?」
「かっちゃんって呼ぶなクソナードがァァアアアア!!」
「うわっ! いつもより凶暴化してるッ!?」
「いつも通りじゃ、クソボケがぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
開会式を終え、第一競技「障害物競走」の説明さえ終わってしまった。なのに、未だトイレから出てこないゴリラ野郎に俺はキレていた。
「体育祭、不参加なんて許さねェ……」
だが、ゴリラ野郎がいないことは全力を尽くさない理由にはならねぇ。アイツが居ようがいまいが、俺が一位だ。
明らかに狭いスタートゲートが開き、ゲート上部に設置されたランプが点滅を始める。
『スターーーート!!』
ミッドナイトが掛け声を上げた瞬間、生徒達が一斉にゲートを通ろうとしたため、狭いゲートで生徒達がギチギチに詰まる。そこに放たれるーー
ーー半分野郎の氷。
だが、
「甘え……」
俺は両手の掌で起こした爆発を利用して、空を飛ぶ。
入学当初はできなかった爆風による飛行。戦闘訓練、放課後の訓練、幾度も練習したからな。
「フルカウルッ!」
俺の横で壁と凍らされた奴らを踏み台にしてデクもゲートから飛び出してくる。
他のAB組の生徒も続々と出てくる。
進歩してるのは俺だけじゃねえ、コイツらもゴリラから指導を受けて戦闘訓練の時とは動きが明らかに違ぇ……。そん中でも、1番変わったのが、クソデクだ。個性把握テストのときは使えていなかった個性も自分のモノにし始めてやがる。
「だが、勝つのは俺だァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「負けないぞ、かっちゃん!!」
「俺も、もう負けねえ」
「雑魚共がッ!俺に道を譲れぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
俺とクソデク、半分野郎の3人が独走している。その後ろから俺ら以外のA組連中とB組連中が俺らを追いかけるという構図が、第一関門「仮想
そして、第三関門「地雷原」
「このクソデクがァァアアアア」
「勝たせて貰うぞ、かっちゃん!」
「いや、勝つのは俺だ!緑谷!」
「テメェらに勝たせるかァ!!勝つのは俺ダァアアアアア!!」
トップ3は未だ変わぬまま、俺とクソデク、半分野郎だった。
俺には地面に触れなきゃ爆発しねぇ地雷原なんて関係ぇねぇ!!
だが、それは半分野郎も同じ。
半分野郎は地面を凍らせながら進んでいるから、地雷は爆発してねえ……関係あるのはクソデクだけ。
アイツはさっき地雷を踏んで吹き飛んで行った。
じゃあな、クソナード。
「負けない……僕が来たって証明するんだ……ッ」
クソデクの声が一瞬、聞こえたが、俺は無視する。死んだ奴なんかどうでも良い。半分野郎をどうにかしなくちゃならねぇ……。俺の腕は長時間の爆発による反発で限界に達している。
だから、俺がしなくちゃならないのは……ッ。
「死ねぇええええええええ!!オラァッ!!」
「ぐぅ」
俺は半分野郎を蹴落とすために、飛びながら蹴りを入れる。もろに蹴りを横腹に貰った半分野郎は地雷に触れ、吹き飛んでいった。
「コレで俺の勝ちだッ!!」
俺が自身の勝利を確信し、ラストスパートをかけようとしたその瞬間ーー後ろで大爆発が起こり、クソデクが舞い戻ってきた。
「うわぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「このクソナードガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
腕の限界を超えたことで、腕が軋もうと、お前にだけは負けねぇ……!!俺は、もう……お前には負けねぇ!!!
俺とクソデク、その後ろから半分野郎、この3人のうち誰かが勝つだろ、と誰もが思った時。
俺たちの横を凄まじいスピードで何かが通る。
「あっぶねぇ!負ける所だった!」
ソイツはーー
「ーー……ゴリラ野郎ォ、テメェええええええええええええええええええええええええ!!!」
ーートイレから舞い戻った影山モブ男だった。
『GOOOOOOOOOOOLL!!』
プレゼントマイクのうるせぇアナウンスが、クソゴリラの後に到着した俺たちの耳をつんざく。
「はぁはぁはぁ……クソがァ……このクソゴリラが……」
息を整えつつ、さっきまで腹を下していたゴリラにキレる。コイツと一緒にいると息を吐くように罵倒が出てくる。
この野郎……手ぇ拭きながら、走ってやがった。つまり、ついさっきまでクソしてやがったってコトかッ!!このクソ野郎がァッ!! 何処までも俺の事を馬鹿にしやがってェェェ……。◯すッ!!
そう思い、掌で爆発を起こし、ゴリラ狩りをしようする俺だが、激痛が腕に走る。
「ぐっ……」
長時間の爆破によって既に腕は限界に達していた。
クソ、もうゴリラ一匹狩れねぇ……。
俺がボロボロになった手を見ていると、ゴリラが近づいて手を取ってきた。
「大丈夫か? だいぶ酷使しただろ……こりゃあリカバリーガール行きだな……歩けるか?」
俺の手を取りながら、自身のハンカチを傷ついた俺の手の甲に巻きつける。しまいに、肩組みで俺のことを保健室まで連れて行こうとしやがる。
「イケメンムーブかましてんじゃねぇえええええええええええええ!!死ねぇええええええええええええ!!(ゴリラを爆発する音)」
「うぉっ!?」
軋む腕を振り回してゴリラ野郎の腕を振り払い、顔面を爆破しようとする。
チッ、避けやがったコイツ。今ので死んどけや、クソが……!
「俺とお前の仲だろ!?」
「お前とそんなに仲良くなった気はねえ……テメは殺すランキング第1位ってだけだ……」
「殺すランキングて……」
「1位はテメ、2位はクソデク、3位は半分野郎だ。覚えとけ……!」
やれやれとゴリラ野郎は首を振っている。
「◯ね、息を吸うな」
「……俺に対する殺意……高すぎだろ……」
今すぐ俺の手で息の根を止めたいがな、この手じゃ……手……。
そう言いながら、俺の弛んだ手の甲のハンカチを見た。そのハンカチは……
……びちょびちょに濡れたハンカチだった。
「……すぞ」
「え?」
「……ブッコロすぞ。テメェえええええええええええええええええええええええええええ!!!」
ボーン、
その瞬間が、俺は自身の限界を突破した瞬間だった。
爆豪って書くの簡単そうに見えて、難しい……。
あとで大幅に変えるかもしれません。その時は最新話でご報告するので、良ければ読み直して頂ければ……。