前世軍人記憶持ち系元正実のシャーレ所属万事屋生徒がサオリと色彩をぶん殴る話 作:拳正義実現委員会
すげーーー。有難く使わせて頂いております。
誤字報告非常に助かってます。ゴルゴンダではなくゴルコンダなの初めて知りました。何年やってんだブルアカ。
今はフランシスだもんね。そのフランシスもTRPG強火オタにやられちゃったもんね。デカルコマニー大丈夫?
「少し前から徐々に治安が悪化していましたが…ここ最近は特に顕著ですね。」
「そっすねー。いったいどうしたんすかね、連邦生徒会長が恐ろしく無いんすかねぇ?……最近見ないっすけど。」
歴史深い厳かな街並み。その一角で、全てを嘲笑うような爆発が何度も起きる。
「ヒャヒャヒャヒャヒャ!!!無駄だぁぁぁぁあ!!!!」
「ツルギ!前に出過ぎです!あなたはこの組織のトップであるという自覚を──いえ、もういいです。好きにやって下さい……。」
「……大変っすね。」
先陣を切り、奇声を発しながら1人の生徒が不良を蹴散らす。それに続くように、他の黒い制服に身を包んだ生徒達が一人一人確実に制圧していく。
それを後方より、SRを構えた生徒が苦い顔をしながら眺めていた。
後ろに控えた、糸目の生徒がスマートフォンで連絡を取りつつ声をかける。
「大変どころの騒ぎではありませんよ…。昔はここまで酷くは無かったのですが……」
2年生以降、現正義実現委員会委員長ことツルギの暴走は強くなって行った。
見た目は考え無しの
彼女は今やこの組織の首。独断行動されてしまっては委員の皆が困惑してしまう…
「なぜここまで酷くなってしまったのか………あ。」
ふと、脳裏にとある人物の顔が浮かび上がる。
人当たりの良い笑顔で、キラキラと輝く目をしていて、綺麗な黒髪のロングヘアを持ち、見てるだけで元気が湧いてくるあの人。
今はもう見ることすら叶わない、あの人。
「そう、でしたね…。」
「?──どうしたっすか?」
「──コウ…」
「…それは。」
「あの子がツルギのストッパー、でしたね。あの子がいない今、ツルギのブレーキを押せる人はいない…。」
キヴォトス中が戦火に包まれた後、忽然と姿を消した、あの日。当時1年生であった現救護騎士団団長、蒼森ミネから行方不明……死亡と推定される事を告げられた時、膝から崩れ落ちたのは記憶に新しい。
自分は彼女の命の灯火が消えるその瞬間まで隣にいることも出来ず、挙句の果ては遺体を弔うことすら出来ないのか、と。
遺体が無いのに死んでいると決め付けるのはどうか、という意見もあるだろう。ならば逆に聞きたい。布越しに吹き出る程の出血をしている状態で数えきれない程の数の敵をなぎ倒した後。
現場に遺されていた血痕を見るに、移動した形跡も無い。誰かが来た痕跡も無い。
曰く──彼女は神に成り天に飛んだ。
曰く──彼女は人では無く精霊の類で、霧散して消えた。
曰く──異世界に転移したww
曰く──ヤバい
なんて噂がまことしやかに囁かれたが、未だ真実は謎に包まれている。
「──一体、どこへ…」
脳は彼女が死んだ事を受け入れろと言う。理解もしている。
だが、心が納得していない。彼女が本当に死んでしまったのならば、せめてその証拠が欲しい。
私も副委員長だ。2年生から続けていた彼女の捜索も、越権にならない範囲ではあるが人を増やせる。それに、彼女は死んでいないと私の勘が言っている。
恐らく、まだキヴォトスにいる──そう言っている。
トリニティではいくら捜索しても見つからない。元から広い自治区だと言うこともあるが、丸1年手掛かりすら見つからないのは可笑しい。恐らくトリニティの外にいるのだろう。
……そう言えばこの前、妙な噂を小耳に挟んだ。
「──ツルギ先輩、そっちはダメっすよー。それは壊しちゃダメなビルっすー。…あり、ツルギ先輩?ツルギ先輩!?聞こえて──あ、終わった。」
「ッ!」
背後から聞こえてくる後輩──イチカの焦ったような声と何かが倒壊するような轟音で思考から現実に引き戻される。
慌てて愛銃のインペイルメントのサイトを覗き、狙いを定める。
今は任務中だ。考える事などいつでもできる、まずはこの厄介事を終わらせない限り──!
☆★☆★
酷く朧気な記憶。全てがあやふやで、それでいて妙に現実味を帯びている。
『大隊各位、傾聴!』
一糸乱れぬ動きで整列する何百人もの軍服の兵士を台の上より見下ろす。
『さて1つ確認だが、上のタヌキ共からのご注文は敵地偵察だ。敵軍基地の偵察。それが我々大隊に課せられた任務。』
うんうん、と頷く兵士達。
『俺は思った。「意味わからん」と。わざわざ大隊を使ってまでやる事か?否だ。こんなもん小隊でいい。そもそも偵察にこんな大人数使わんでいい。3〜4人いれば十分だろう。』
ふん、と鼻を鳴らす。
『どうやら奴らは我々の事が気に入らんようだ。故にこんな任務を与えた。失敗したら俺達を迫害する口実に、成功したら棚ぼたって訳だな。頼もしい司令部も政治屋の圧には屈するようだ。実に頼もしい限りだな。』
兵士達はニヤニヤと微笑を浮かべる。
『問おう。我々はそんな扱いを甘んじて受け入れるような性格だったか?』
『そんな事はとっくのとうにご存知でしょう?大隊長殿。』
微笑を浮かべたまま、部下が言う。
『そうか?……あぁ、そうだったな。そう、
『迸る血液です、大隊長殿!』
『うら若き女です、大隊長殿!』
『抵抗も出来ず泣き叫ぶ子供です、大隊長殿!』
『勇猛果敢に立ち向かってくる男、いえ漢です、大隊長殿!』
『そうだろう、そうだろう!──戦争だ。我々が望むのは全てを、有象無象の区別無く叩き潰す地獄だ!我々が望むのは情け容赦の無い殺戮だ!
クックック、と笑いを零す。
『よって、
ケッと悪態をつく。これだからアカはダメだ。訓練のなっていないそこら辺の農夫も当然のように戦場に立たせてくる。
『では如何なさいますか?大隊長殿。』
『──ここは偉大なる先人の知恵を借りるとする。
『なるほど…。敵勢力を分散させるのですね。』
『そうだ、目に付くものは片端から壊せ。蹂躙しろ。"地獄"…体現しようじゃないか。』
『大隊長、あの自慢げにそびえ立つ教会はいかが致しますか?』
『壊せ。本当に神がいるのならば戦争なぞ起こらん。目を覚まさせろ。』
『孤児院は?』
『爆破しろ。逃げた子供はいつか必ず銃を取る、我々を殺すためにな。優秀な人材は成る前に潰せ。』
『楽しいピクニックになりそうですな。』
『ハッハー、まったくだ。』
『砲はあるか!?直ちに用意せよ!突撃隊編成する!』
『技研から火炎放射器が送られてきている』
『そんな利敵武器使えるか!いつ爆発するかもわからん!』
『蹴散らしてやる……!』
『おい、衛生兵!医薬品の点検をしっかりやれよ!』
『気合い十分だな。我々は政治屋共の言うことなんざ聞かない…どころか、噛み付くことも出来るという事をちゃあんと教えて差し上げようではないか。───ではこれより作戦を開始する。"帝国に栄光あれ!"』
『『『"帝国に栄光あれ!"』』』
パチリ、と目を覚ます。上体を起こし、布団から這い出てカーテンを開け、窓から空を眺めながら伸び。
ほんのりと太陽の光で白んだ空。まだ日は出ていない。
背後からピピピピ、と電子音。若干の不快感を狩り立たせる音色を奏でる目覚まし時計の上部ボタンを押し、音を止める。
シャツを脱ぎ、ポキポキと首を鳴らしながら、机に置いてある義手を手に取る。
接合部にあてがい、接続。
「──ッ!」
神経を接続した事による若干の痛みに顔を顰める。
動作確認。指を一本ずつ畳み、1本ずつ開く。
左眼が眼帯なせいで見えないけど多分問題無し。ヨシ!
「……あ゙あ゙ぁ゙」
1つ深いため息。私がこうなってから、あんなような夢を見る事が多い。前世の記憶……忘れさせぬよう、脳が私に突き付けている。人殺しという事実から逃げるな、とでも言うつもりだろうか。もしくは記憶の補完。
ま、言うて今世でもいくらか依頼でコロコロしてるけどな。はは。
ふとカレンダーを見ると、私がこの業務を初めてからほぼ2年が経過している。学校ならば私は3年生になっているのだろうか。
グシグシと頭を搔きつつ、洗面台へ向かう。
眼帯を取り、左手で蛇口を捻り、右手で顔を洗う。
左手は……ゲヘナ行った時に色々あってぶっ壊れた。
んでミレニアムに頼んで新調したものの、肌を傷付けるには十分な硬さ。人工筋肉とか、人工皮膚とか……いくらキヴォトスの科学の最先端を行くミレニアムサイエンススクールの手を持ってしても、義肢技術というのは未だ発展途上のようだ。使う人そうそういないしね。
試作の段階では白と青を基調としたいかにもミレニアムな塗装がされていたが、性に合わなかったのでゲマ製の義手と同じ色にしてもらった。
製作したエンジニア部とやら集団は「うんうん、それもまたロマンだね」と言って勝手に納得してた。なんだアイツら。
ゲマトリアも……というか、そういう物にはあまり興味が無いようだ。わざわざあんなはた迷惑な兵装を付ける辺り、マエストロも黒服も結構楽しんでいたようだが。
しかしマエストロは今ヘイローを破壊する爆弾を研究しているし、黒服は私のデータを使った研究の成果とやらで"眼"をアップグレードしたっきり、姿を現していない。
ゴルコンダ曰く、今は前々から目を付けていたとある生徒にお熱なんだとか。標的にされた生徒さん──誰だか知らないが──の無事を祈ろう。エイメン。
ちなみに私はファッキンゴッド勢だったりする。宗教というのは恐ろしいものだ。死を恐れない奴らが軍を成して戦いに臨むのだ、恐ろしくてたまらん。凄い堪らん。良い戦争ができる。あぁ堪らん。
……てかマエストロは普通に危ないからやめて欲しい。
タオルで顔を拭き、専用の保存ケースに入れていた義眼を眼の中に入れる。
「…ッ…ふぅー。」
これも中々に痛い。撃たれたり四肢が吹き飛んだりするような痛みより、こういう痛みの方がダメージが大きかったりするのはなんなのだろうか。
台所に移動し、朝食の準備。朝飯は大事だぞ、生きる活力だ。エネルギーだ。ガソリンを入れずして走る車など存在しない。
……水素?電気?
うん、君はそうやってすぐ揚げ足を取るから周りから人が離れていくんだよ。分かるかい?
話を戻そう、朝飯の話だったな。
まぁ、特に言うことも無い。普通にベーコンエッグサラダだ。卵は完全栄養食、どう食べても美味い。
「紅茶は……無いか。」
前世も今世も確か紅茶派だった気もするが、前世は泥みたいな代用珈琲の記憶で塗り潰されてるし、今世もこの仕事を初めてから利便性で珈琲しか飲んでいない。現にカウンターテーブルにはデンとコーヒーメーカーが置いてある。
紅茶メーカーってあるんかな。
「コーヒー作ろっかなー」
瓶に入っている粉末コーヒーを掬い──と、この一連の動作もわざわざ記す事もないだろう。
普通にコーヒー作って、コーヒー飲んだ。以上。
ちなみにここまで私は上裸である。ブラは着けてる。あと油ハネがキツいからエプロンも。エラく扇情的だな?
キッツ、年齢考えろ*1。
エプロンを取り、ハンガーラックにかけてあった制服に着替える。黒服が寄越してきた洗濯機が優秀過ぎる件。
放り込んだら数時間で乾燥まで終わるの普通にチートだと思う。しかも毎回クリーニング屋並の出来。
軽く髪を整えて纏め、ピアスを付け、薄く化粧を施す。対人の仕事をする上で最低限のマナーなのだ。
あーうぜぇ。
ペち、と頬を叩きスイッチを入れる。
「『──うし。』」
はい。万事屋"Side"代表、
……始業までだいぶ時間がある。つい癖でいつも早くに起きてしまうのだ。
おもむろに棚から数個の箱を取り出す。一緒に、大きめなレバーの付いた機械も取り出す。
箱の中には空薬莢、弾頭、火薬。
椅子に座り、空薬莢の中に火薬を入れ、機械にセットし、弾頭をセットしてレバーを下げる。
ぐぐぐ〜
がっちゃん。
はい、特製弾薬完成。こちら通常では弾薬には使用されない特殊な火薬をたんまりと使用したものとなっており、威力も段違いなものとなっております。
弾頭は最近普通のハンドガン用の丸い弾頭からCBJ弾*2に変えた。R.I.P弾*3とかも試したけど、キヴォトス人相手だとイマイチ効果を実感出来なかった。
変わり種として重宝していたホローポイント弾*4は禁止の学校が出てきたから、要らんイザコザを避けるために使わなくなった。拠点がブラックマーケットってだけで、割と他の自治区でも色々やる事が多いのだ。
故に、戦車が相手でも対応可能なCBJ弾に落ち着いた。リボルバーもフレームを強化しているから、これ1本でどんな戦場でも対応できると思う。
我ながらとんでもない物を作ってしまった。もはや人間に扱える代物じゃ無いぞこれ、どんなに鍛えてても発砲したら腕折れるぞ普通。
キヴォトス人の剛性すごいなおい。
と、そんなことを考えながら黙々と銃弾を生産していると、いつの間にか6時を過ぎていた。
「『おっと。』」
あまりに没頭するあまりに始業時間を過ぎていた。これはいけない。
完成した銃弾をケースに納め、材料と機械を元に戻す。
急ぎ足で玄関に移動。ハンガーにかけてあるダウンコートを取り羽織り外に出る。
しっかりと施錠し、階段を降りる。下の階は事務所。家から職場まで徒歩10秒、非常に効率的だ。あ?社畜?うるせ。
事務所の鍵を開けて中に入り、電気を付ける。エアコンを作動させて来客用出入口の鍵も開け、準備完了。
「『しかし、いい天気だなぁおい。』」
事務用の机を軽く撫で、何の気なしに窓から空を眺める。青い青い空に謎の半透明の光輪。
いい天気。空と言われて思い浮かべる色と言えば?と言われれば"灰色"と答えるような身としては眩しい限りだ。
と、その瞬間───
「『……えぇ…』」
窓の前を対戦車砲が横切り、爆発音と共に煙で埋め尽くされる。
はい、青い空終了。
「『……最近、ここら辺も治安悪くなってきたとは思っていたが…』」
中心区からはかなり離れているはずなのだが……なぜ対戦車砲が飛んでいるのだろうか。
対戦車砲が飛ぶ日常生活is何。
ふとスマホを開いてニュースを見てみると……
「『連邦生徒会長が失踪ぅ〜?』」
『連邦生徒会長が失踪!?』──そう題されたサムネイルの記事が目に飛び込んでくる。
それと同時に──窓を突き破り何者かが室内に飛び込んできた。
辛うじて衝突は回避。
ソファに座るような体制で着地し、その勢いのままソファごとスライドして壁に当たりようやく静止したのを確認した後、その人物に顔を向ける。
やはりというか、ソイツは見覚えのある奴だった。
「『ダイナミックな入店だな。次からはノックしてくれ。』」
「───あら?何故あなたがここに……いえ、そういう事ですか。ここが万事屋"Side"…なのですね?丁度良かったです。『私の店でソファに座れば誰であろうと等しく客』、でしたよね?」
「『良くもまぁそんな前の事を覚えているもんだな……』」
そうため息を吐きながら、ソファに優雅に座り直す記憶通りの狐面の女に身体を向ける。
「袖振り合うも多生の縁…ならば、銃撃ち合うも他生の縁。また会えて光栄です、"歩く地獄"──レンさん。私から依頼があります。」
「『私は出来れば会いたくなかったけどな、"災厄の狐"──狐坂ワカモ。』」
そう言いながら、目の前……と言えどもかなり距離が開いてしまった対面のソファに腰掛ける。
「『──聞こう。お前を矯正局にぶち込んだよしみだ、報酬は
「えぇ……構いませんわ。」
そう言い、双方不敵に微笑む。
あー、気が乗らねぇ。
中学で本格的な自我の発現。
高校で自我の成育、確立。
大学or社会で自我の整形、研磨だと思うんですよ。
その高校での重要な時間をレンのロールプレイに費やしちゃったコウちゃんの本来の自我はもうほぼ無いです。
美しいと……思いませんか?(セーヘキリリース)
ちなみに前世レンさんの世界ですが、現代と同じ技術・文化の平行世界って感じです。
所々の国が他の国に吸収されてたり国名が違ったりドンパチしてたりと差異はありますが、現代と概ね変わりません。
レンさんはそこで"帝国"と呼ばれる国で軍人やってた訳です。帝国のモチーフは日本です。日本は現状唯一の帝国だからね、しょうがないね。