アンデッドアンラック 不■の否定者   作:獅羅

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ぶつ切りの影響で少し短めです。


No.014 Wolfang Explode Truth(真・爆裂狼牙掌)

 

 

 今の限界まで自律魂(ソウルリモート)を引き出し、それら全てを増幅(ブースト)状態にし幾多の極大の炎弾を作り出す。さっきの不蝕装甲(アーマード・アンカネクティド)でも、これだけの炎が直撃すればただでは済まないはずだ。

 

 

「悪いがここでケリをつけさせてもらうぞ―――魂貫(ブレイカブルソウル)流星群拳(インパクト・ミーティア) 増幅(ブースト)!!」

「それはこっちのセリフだクソが!! 絶望電磁砲(レールガン・ディスピレーション)!!」

 

 

 一切の手加減なく増幅(ブースト)状態の流星群拳(インパクト・ミーティア)を相手に向けて放つ。

 リリィもまたそれに対し不蝕装甲(アーマード・アンカネクティド)を解き、不触籠手(ガントレット・アンカネクティド)不触足甲(アンクル・アンカネクティド)を核としその形を変形、極大の電磁砲となりそこから極大のビームを発射する。

 あんな変形まで出来るのか、デタラメ過ぎるだろうが!

 すぐに炎の流星群とビームは衝突し、直後海面を大きく揺らす程の衝撃が走る。

 

 

「はああああああああ!!」

 

 

 間髪入れず極大の炎弾を叩きつけているものの拮抗状態は続き、浸食も着実に進行している。この調子では長くは保たない。

 後一押し出来さえすれば―――そう考えたその時、俺の脳裏にある記憶が走る。

 記憶の中での俺は、今と同じように強大な敵に立ち向かっていた。その相手に対して俺は炎を収縮させ、蒼い輝きを放つ。

 それは紛れもなく爆裂狼牙掌(ウルファング・エクスプロード)。だが俺の知るモノとは少し違いがあった。俺が知る筈もない記憶、だが不思議とそれは実感を感じさせるモノだった。

 昔から無形霊魂(かたちなきたましい)を扱う中で古代遺物(アーティファクト)という性質上こういう記憶が流れ込んで来るが、ここまで鮮明な記憶は初めてだ。

 だが俺はこの記憶を信じている。これによって俺の爆裂狼牙掌(ウルファング・エクスプロード)は完成に至ると俺の魂が(・・・・)確信しているからだ。

 幸い向こうから俺は一切見えない。気配が見えようと俺が別の技を出すのに気付く余裕はないだろう。

 流星群拳(インパクト・ミーティア)の発動を自律魂(ソウルリモート)に引き継がせ、俺はさっきの記憶の中の俺と同じように炎を収縮、腕を蒼く輝かせる。以前と違うのはそれが両腕(・・)である事。

 

 

魂貫(ブレイカブルソウル)――――」

 

 

 両腕を燦爛と輝かせ、構えを取る。そして―――その両手を前へ突き出すと同時にその技の言葉を発する。

 

 

「―――真・爆裂狼牙掌(ウルファング・エクスプロード トゥルース)!!!

 

 

 直後、突き出した両腕から狼の頭部を模した極大の気弾が放たれ、それは霧散する事なく拮抗していた炎弾とビームに突っ込む。

 同時に空飛ぶ絨毯(フライングカーペット)が俺の足に巻き付き固定、反動を抑えてくれる。

 

 

「なっ……!?」

 

 

 拮抗状態はあっという間に崩壊し、そのままビームを突き抜け、リリィへと向かう。

 だがその寸前、再び不蝕装甲(アーマード・アンカネクティド)を展開した事によって直撃は避けたようで、狼の牙を掴み抵抗していた。

 

 

「ぐううっ……こんなふざけた技に、負けてたまっかよ……!!」

 

 

 まさかコレを抑えられるとは思わなかったが……不蝕装甲(アーマード・アンカネクティド)に大分ヒビが入っている。ならダメ押しで行くまでだ。

 俺は突き出した両腕から更に気を放ち、狼頭の気弾はより大きく強大なものとなる。

 この真・爆裂狼牙掌(ウルファング・エクスプロード トゥルース)の真骨頂は二段構えの技である事。一撃を防がれたとしても、ニ撃目で相手を討ち滅ぼす。俺が思い描いていた理想が、今ここに完成した。

 

 

「これで本当に終わりだ!! リリィーーーーッ!!!」

「つっ……クソったれがあーーーーーーっ!!!」

 

 

 リリィの叫びとともに不蝕装甲(アーマード・アンカネクティド)が砕け、気弾がリリィに完全に直撃する。

 そしてそのまま大爆発を起こし、周囲に大きな衝撃、海水が蒸発する程の高温を齎す。

 後に残ったのは蒸発に伴って雪崩れ込む海水の音だけ。それ以外には何も残らなかった。

 

 

「傷と浸食は……?」

 

 

 すぐに肩の傷と浸食を確認してみるが止まっており、痛みもほぼ消えている。完全には消えていないが、そのうち不能(アンファンクション)も解除されるだろう。

 いや、それよりもアンディ達がどうなったかが気になるな。巻き込んでいなければいいが……そう思ったタイミングで通信が入った。

 

 

『レイさん、無事ですか!? レイさんがいた方から大爆発が起きましたけど!』

「ああ無事だよ、風子。ついさっき不能(アンファンクション)を倒したところだ。そっちはどうだ?」

『アンディ達のお陰で不治(アンリペア)はどうにか倒せました。他は逃がしちゃったけど……』

「一人倒せただけでも上出来だ。今から合流する」

 

 

 そう言い、通信を切る。アンディ達もどうにか撃退は出来たみたいだな……それにしても、不能(アンファンクション)は本当に厄介な相手だった。死を覚悟したのはあの悲劇(・・)以来だ。

 正直アレが直撃して生きてるとは思えないが、出来る事ならもう二度と戦いたくはないものだ。

 

 

「じゃあ行くか。アンディ達と合流しないとな」

 

 

 俺はアンディ達と合流すべく、空飛ぶ絨毯(フライングカーペット)で移動する。

 その一部始終を見ていた、第三者(・・・)の存在に気付かぬまま。

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 二人(レイとリリィ)のいた場所から数キロ離れた場所

 

 

 ……なんともまあ、激しい戦いだったな。特にレイ=F(ファング)=ティーグが出した最後の技、アレの余波がこちらまで届くとは、流石現行の否定者の中で上位にいるだけの事はある。

 さて、そろそろ彼女に報告しなければな。

 

 

「…………二人の戦いが終わったぞ」

『ご苦労様、こちらでも確認が出来たよ。凄い戦いだった』

 

 

 私の今回の仕事はレイ=F(ファング)=ティーグ、リリィ・ネセサリーの二人に気付かれないよう遠くで彼らの戦いを見守る事。どちらかが危険な状態になっても介入はするなとも釘を刺されている。

 

 

「今回は不介入という事で様子を見たが……リリィ・ネセサリーの方はそのままで大丈夫なのか?」

『それは問題ないよ。今回はアレ(・・)を持ってきていたみたいだからね。意識もあるしどうにかなるさ』

「全く、死に掛けても介入するなと言うのはもどかしいものだ……いつになったら私は表に出られるのやら」

『それについては申し訳ないと思っている。でもこの周回(・・)はもうほぼ詰んでる。僕に出来る事は出来るだけ最良の形で()に繋げる事。君にはそのためにもうしばらく暗躍して欲しいんだ』

 

 

 その言葉からは私と同じ何も出来ない悔しさがにじみ出ている。

 真実(・・)を知った時、私は世界を恨み、怒りもした。たが彼女の真意を聞き、私はこの世界、何より彼女の力になりたいと思った。

 そのためには不死(アンデッド)不運(アンラック)不労(アンファティーグ)不能(アンファンクション)。四人の存在が必要不可欠になる。

 

 

『最強の否定者、可能性を秘めた少女。魂を最も理解する青年と重要な鍵を持つ少女(キーパーソン)……この四人が僕にとっての希望なんだよ』

「ああ、耳にタコが出来る程聞いたさ。希望なのは私も同じだ」

 

 

 彼女のためにも、次のために頑張らなければな……

 

 

「報告はこれで以上だ。次の仕事が決まり次第連絡を頼む」

『お疲れ様、ひとまず少し休むといい』

 

 

 彼女はそう言って通信が切れる。そろそろ空中にいるのもしんどくなってきた。地上に移動するとしよう。

 

 

「サンダー、頼んだ」

『ああ、行くぞ』

 

 

 僅かな火花を伴った電影を残し、私はその場を去る。




構えはかめ〇め波をイメージしてくれれば問題ないです(´・ω・`)


UNFUNCTIONー不能(アンファンクション)
他対象 強制発動型
自身が接触した物体や人物を不能(物体、人物の持つ機能を停止させる)状態にする。
不能状態の範囲は接触した部分や時間の長さで変化し、最終的には対象に崩壊(死)をも齎す。
例外として自分の所有物と認識したものは不能の影響を受けない。
不治と違い距離や時間経過により不能状態は軽減されていき、最終的に解除される。
能力発現後は触れる物皆崩壊させてしまっていたが解釈による拡張で物体に不能を付与したりとある程度の調整が可能になった。
不運の下位互換に思えるが、不運と違い対象を確実に不能状態にするという点では上と言える。


不触籠手(ガントレット・アンカネクティド)不触足甲(アンクル・アンカネクティド)
リリィが否定者となる以前所有していた古代遺物(アーティファクト)の一つ(この古代遺物(アーティファクト)は二つで一組として成立する)。
通常時は装着者の手に接触する事なく同化しているが、武器としての役割も果たす。
この古代遺物のおかげで彼女は日常に支障が出ないレベルまで生活出来るようになっている。
リリィはこれを不能などの直接装着ができない否定者専用の古代遺物と認識している。
想像力を広げる事で粒子レベルに分解する事が出来、攻防隙のないあらゆる形態を使用する事が出来るようになる。
不能の解釈拡張により、籠手を通して不能を付与する事が出来るようになった。

歴代不労を見たい?(先代は確定で出します)

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