原作で分かっている内容を彼女込みで補完した内容になります。
西大西洋
「…………」
意識が覚醒する。体を起こそうとするが、全身に走る激痛のせいでまともに動く事すらままならない。
……そうか。オレはあの大男の技をモロに食らって……そっからの記憶が全くない。
どうやらあそこから大分飛ばされて来たみてえだが……見渡す限り水平線で目印になるモノすらねえ。
だがまずはこの死に掛けの体をどうにかしねえとな。このままじゃ確実に死ぬ。
「確かここに……良かった、無事か」
悲鳴を上げる腕を無理やり動かし、ボロボロになった胸元から一粒の丸薬を取り出す。
自分の口に仙丹を放り込み、それを飲み込む。
瞬く間にボロボロの体が治っていき、一分も経過する頃には完全――とまでは行かないがほぼ元に戻った。
「――――っ痛ッツアアアアアアアアアア!!!」
完全と言わなかった要因はコレだ。副作用として寿命を削り、服用前に負っていたダメージが大きければ大きい程それに伴う回復痛が生じる。
念の為持ってきておいて良かったが、この回復痛には慣れねえから出来れば使いたくねえんだよクソが!
相変わらず体は痛むが、さっきよりはまだ動ける。
「とりあえずオレの
オレ達の
衛星を利用しているから、世界中どこにいようがその位置が分かる。今頃メンバー達がカインを動かして捜索している筈だ。
そしてオレは気配で位置をある程度察知出来る。ざっと周辺を捜してみたが、カインの気配が大分近づいて来てるな……こっちか。
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
カインドネスの体内
それから少しして、無事カインと接触する。カインはクソでかいシャチのようなUMAであり、オレ達の拠点といっても過言ではない存在だ。お世辞にも頭は良い方ではないが、オレ達を仲間として認識しているため、体内を使わせてくれる比較的友好なUMAと言えるだろう。
どうやって手なずけたかは知らんが、コイツのお陰でユニオンに探知されずに済んでいるのだからありがてえ。
そのまま体内の中にある拠点に入ると、お通夜のような雰囲気に包まれていた。そしてその理由はすぐにハッキリした。
「……リリィ? 無事だったのね」
ラトラがリップを抱いていた。しかしリップの胸には大きな穴が空いており、ピクリとも動かない。
その時点でリップが死んでいるのがハッキリとわかってしまった。
「なんとかな…………アイツ等にやられたのか?」
「ええ、
「リップを殺せる奴がいたとは……正直信じられねえ」
そう言うラトラの表情は生気がなくなっている。相当に堪えているようだ……
あの大男の仲間か……
仙丹さえ使えれば良かったが、アレは完全に死んだ奴に効果はない。
「オイ、ラトラ。コイツ何か
「ええ、いくつか見繕って来てたけど……」
そう言ってリップが手に入れて来た
本来ならオレがその役割をする筈だったが、あの大男を始めとしたユニオンの連中の邪魔が入っちまったからな……代わりにやってくれたようだ。
「一体何をするつもり?」
「オレの審美眼でリップを蘇生出来そうな
「確かにあるならそれに越した事はないけど……そう都合良く見つかるかしら」
「なければこれから見つけりゃあいい。少し時間貰うぞ」
オレはリップが手に入れて来た
まずは扇子型の
次は武骨な六角形の棍型の
次はリボルバー銃型の
……これで最後だな、球体型の
「……どうしたの、リリィ? 何かあったの?」
「ああ……コイツならリップを蘇生できるかもしれねえ」
「本当に!?」
ラトラの顔に一気に生気が戻った。
この
この
「ファンを呼んで来てくれ。アイツがいねえとこの
「いいけど……私中国語得意じゃないわよ?」
「じゃあ今から言う言葉を復唱してくれ。『
「わかった。じゃあ呼んでくるわ」
ラトラがファンを呼びに行く。
この
少ししてラトラがファンを連れて戻って来る。心なしかファンの足取りが少し軽いように感じる。
「連れて来たわよ、リリィ」
「
「
そう言ってファンに球体の
「
「
そしてオレはファンにライフイズストレンジの使用方法を説明する。
ライフイズストレンジは言ってしまえば限定的な時間操作が可能な
出来る事は巻き戻し若返らせる、早送りし老けさせるかの二つのみ。これだけ聞けば大した問題はないように思えるだろう。
当然代償は存在する。使用者は対象者の操作した年数の10倍若返るか老いる事になる。加えて寿命が足りなかったり生きた年数が足りなかった場合、使用者の存在は消滅する。違うのは消え方くらいだ。
従って本来ならそう易々とは使えねえ代物なんだが……ここに打ってつけの奴がいた。
「
「
「
「
ファンの言葉に反応してライフイズストレンジが分離し、チャージし始める。そして一瞬光ると同時に光線が発射され、リップに当たる。
リップの体は瞬く間に小さく幼くなっていき、光が収まる頃には10歳相当の少年の姿になっていた。それに伴い、ファンも10倍の150年若返る。フードを深く被っているため表情は窺う事は出来ないが、手の皺がなくなっているので青年相応まで若返った事はわかる。
利害の一致のおかげでどうにかリップを失わずに済んだな……おっと、コイツを渡すのを忘れてたな。
オレは六角形の棍型の
「
「
「
「うう……ん」
ファンと中国語で話しているとリップが目を覚ます。
そして間髪入れずラトラが涙を流しながらリップに抱き着いた。
「ちょっオイ、力強いって!」
「よかった、もうダメかと思った……!」
「……悪かったな、ラトラ」
俺はそこまで詳しく知らんが、二人は否定者になる以前からの付き合いだと言う。本当はもう一人いたみたいだが、その辺りの話は二人ともしたがらない。
おおよそ予想は付くが……オレにとっての
「オレがファンに頼んでライフイズストレンジを使用してもらったんだ。その影響で大分若返っちまったけどな」
「成程、だからこんなちっこくなってんのか」
「後で礼言っとけよな。オレはもう疲れたからシャワー浴びて寝させてもらうぜ」
「悪いね、ありがとう」
「どういたしまして」
リップから礼を言われ、オレはその場を後にする。ファンはいつの間にかいなくなっていた。
クソ、大分マシになって来たとは言えまだ全身が痛みやがる……絶対しばらくは休みを貰わねえと割に合わねえ。
そう思いながらオレはシャワー室へと向かう。
翻訳使いながら問題なくルビを振れるような中国語の言い回しを作るのに苦労した……(長くし過ぎると何かに引っかかるのかルビ振っても反映されない)
仙丹
リリィが
肉体的なダメージならどんなモノでもすぐに癒す事が出来る。ただし副作用として寿命とその回復に相応する痛みが伴う。
原作におけるムイの丸薬と違い、飲み込みさえすれば即座に身体に溶け効果を発揮する。
歴代不労を見たい?(先代は確定で出します)
-
見たい
-
見たくない