アンデッドアンラック 不■の否定者   作:獅羅

19 / 31
No.019 Operation to Recapture(奪還計画)

 

 

 

 バーンの体の上

 

 

 

 不労(アンファティーグ)のクソったれと戦ってから数ヶ月が経過し体のダメージもすっかり引いた頃、ボスから新たな作戦の命令が下った。

 内容はユニオンのUMAを凍結保管している装置へ侵入し、バーンを強奪。その上で奴らの持つ円卓と黙示録(アポカリプス)を奪う事。

 今回はボスも参加予定らしく、ボスが行動を起こすのを合図にバーンをフェーズ2に移行させ、俺達も動くようにと言われている。

 結果から言えば一悶着あったものの、作戦は順調に進み円卓と黙示録(アポカリプス)の強奪も出来た。現在はバーンがユニオンの外へと向かっている途中だ。

 

 

「結構楽勝だったね。秘密結社っていうからもっと凄いのかとおもったけど」

「んな訳ねーだろ。ボスが不意を突いたからここまでスムーズに行ったんだ。特に不労(アンファティーグ)の野郎はこんなんで諦めるタマじゃねえ。確実に妨害してくるぜ」

「彼女の言う通り、奴らを甘く見ない事だ」

「ハハッ、評価してるんだね。まあ俺もこれで終わるとは思ってないけどさ」

 

 

 仮にも神を殺すために長年世界で暗躍してた連中だ。そう簡単に明け渡す訳がねえ。逆の立場ならオレでもそうする。

 加えてヤツ(アンファティーグ)の姿を見た時、以前より更に強くなっているのが見て取れた。ヤツも対策をしてくるだろうし、あの時程追い詰められる気がしねえ。

 リップはライフイズストレンジの影響で蘇生は出来たものの、子供の姿になり弱体化。ラトラは能力による弾除けが主で戦闘面は言わずもがな。バーンは円卓と黙示録(アポカリプス)の移動に専念させる必要がある。

 無論来るなら抵抗はするが、先程言った精神的な問題に加え、この場所では以前のようにフルには使えない。結果として、今この場にいる連中で十全に戦えるのはボスしかいねえ。

 

 

「にしても、ボスが組織(ユニオン)の三席だったとはねー、会うのは初めましてだよな」

「オレも初めてだな。まさかこんな中枢にまで潜り込んでるとは」

 

 

 基本表に出て来なかったからな。大抵直接面識のあるテラーやクリードを経由して伝えられる事が多かった。

 何かしらの理由で別行動しているのは分かっていたが……ここまで高い地位にいるとは思わなかった。

 

 

「ひとまず再確認させてもらうぞ。アンタとは利害が一致してるから協力してんだ、それを反故にするマネだけはしてくれんなよ?」

「……言おうとした事先に言われちゃったよ。俺とラトラも()をくれるって言うから協力してんだ。分かってるよな?」

「わかっている。俺達は正義なんて漠然な動機では動かない。お前(リリィ)の言う通り、利害の一致による信頼のみだ。その方が公平(フェア)だと思わないか?」

「オーケー。気楽で助かるよ」

「その言葉が聞きたかった。いいぜ、改めて神殺しを手伝ってやる。その後は約束通り、オレの目的を手伝うと誓いな」

「いいだろう。誓おう」

 

 

 毅然とした態度でボスはそう言う。流石円卓で長い間スパイとして行動していた男なだけはあるな……否定能力を得る以前オレはこの審美眼を買われ、一時色んな人間と関わる事があった。おかげでそいつの人となりはある程度見抜けるようになったと自負している。

 その経験談から言わせて貰えば、この男は信頼するに値する。約束を違える事はないと。

 さて、ユニオンの連中はどう来るか……

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 少し時間を遡り―――

 

 

 

 ビリーの裏切りによって円卓と黙示録(アポカリプス)を奪われた俺達は、それらの奪還のために役割分担をして各々行動を取る事になった。

 ニコは負傷者である一心、トップ二人の治療の専念。シェン、フィルは 古代遺物(アーティファクト)の強奪を防ぐため保管庫へ。チカラはジュイスの傷の止血を不動(アンムーブ)で止める役割を。タチアナは一時待機。俺とアンディ、風子の三人はビリー達との直接対決に臨む事になった。

 そして俺達は今、ビリー達を追っている。

 

 

「とりあえずバーンを止めて話を聞こう!」

「話って、お前ビリーにいきなり銃ぶっ放してただろ」

「あれはその、つい!」

「イチャ付くのはいいが後にしておけ……俺達は円卓と黙示録(アポカリプス)を取り戻す役割を任されてるんだぞ」

 

 

 この役割をしくじる事は許されない。そのためには二人ときちんと連係する事は勿論、他の連中にも協力してもらう必要がある。そのための切っ掛けは風子にしてもらう。

 

 

「……まあ確かに聞きたい事はある。アイツ等はそれぞれ目的が違うようだし、神殺しをするなら俺達と協力した方が建設的だ」

「それには俺も同意見だ。わざわざこのタイミングで裏切るなんて何のメリットもない。アイツの真意はハッキリわからんが……一つ分かる事はある」

「タチアナを泣かせた事だな。話は一発殴ってからでいいだろ?」

「そういう事だ。どんな理由があろうとそれを許してはいけない。そうだろう、風子?」

「はい、勿論です!!」

 

 

 いい返事だ。これなら不運に関しては問題ないだろう。問題はビリーの否定能力だ。

 現状確認出来ているのは不正義(アンジャスティス)不停止(アンストッパブル)、そして 不死(アンデッド)

 一つだけでも面倒な否定能力を三つも持っているという時点で厄介極まりない。しかもまだ全て見せていない可能性もあるし、いくらなんでもイレギュラーが過ぎる。

 ひとまずそれ以外の否定能力は使えないという前提の上で話を進めるべきか……

 

 

「この作戦の要はお前達二人だ。俺はそのサポートをする。念の為俺、アンディと風子の二手に分かれた方がいいだろう」

「だな。少なくとも全員が不正義(アンジャスティス)の影響を受ける事は避けられるだろ」

 

 

 現状一番食らうとマズいのは不正義(アンジャスティス)だ。対象の正義と真逆の行動を強いる上、視界内に入れるだけで発動可能という不動(アンムーブ)と同じタイプなのが凶悪だ。

 なら一人は視界外から行動を起こした方がいい。その方がビリーを無力化出来る可能性はある。

 懸念があるとすれば、不能(アンファンクション)であるリリィの存在だな。流石にここでなら前の時のような無茶は効かない筈だが……対策をしていないわけではない。闘うというのなら、受けて立つまでだ。

 そうして少しするとバーンの姿が見えて来る。

 

 

「……見えて来たぞ、バーンだ。ジュイス、準備は出来てるか!」

『今終わった! 後は頼む!』

「了解!」

 

 

 ジュイスに通信を取り、アンディが事前に用意した不運の種の用意が出来た事を確認する。

 バーンに接近しその寸前でアンディとは真逆、バーンの背中に飛び乗り移る。

 接触した手が瞬く間に焼けるが、能力をフルに活用し火傷そのものを否定しながら軽いステップで奴らに気付かれないよう気配を殺す。

 すぐに動けば不運の発動が悪い方向に働く可能性がある。だから大きな不運が起きるまではここに留まる。

 

 

「くるよ……バーンの中のアンディに向かって……不運が!!」

 

 

 向こう側にいる風子がそういうと同時に付近にある電磁ケーブルが暴発し、バーンに感電する。

 当然俺も感電するが不労(アンファティーグ)のおかげで特に問題はない。むしろバーンに接触している事による火傷の方が深刻と言える。

 

 

『もういっちょ、ダメ元―――! 凍っちゃえー!!』

 

 

 そこから操作権限を一時的に渡されたミコによってバーンを凍結。火傷は軽減されたが体が凍り付く。

 バーンを止めるためとは言え無茶をしてくれるな……俺でなければただじゃ済んでないぞ。

 だがこれで終わりじゃない。本当の大きな不運は……これからだ。

 

 

「―――また来るよ。みんなで集めた、大きい不運が!!」

 

 

 そう風子が大声で言うとほぼ同時に、一心謹製の不壊大杭砲(アンブレイカブルパイルキャノン)がバーン―――正確にはその体内にいるアンディに―――を貫く。

 

 

「バーンは止めた―――逃がさねえぜ、ビリー!!」

 

 

 その声と同時に凍った体を否定し、バーンを飛び越える。

 バーンの足止めは出来た。次はビリーだ!

歴代不労を見たい?(先代は確定で出します)

  • 見たい
  • 見たくない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。