アンデッドアンラック 不■の否定者   作:獅羅

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タイトル何にするか迷ったのとどう書こうか迷って期間空きました
ぶつ切り気味ですが許してください(´・ω・`)


No.020 Compromise Plan(妥協案)

 

 飛び越えた先に見えたのはビリー達アンダーの連中、風子。そして―――風子達に向かって走り出すアンディの姿。

 それを見たオレは左腕を気と炎で硬化し、蒼い炎を揺らめかせる。

 

 

「さて……タチアナ泣かした()だ―――」

「お前の真意は知らんが、仲間を泣かせた罪は重いぞ―――」

 

 

『――――一回、死んどけ!!』

 

 

 ほぼ同時にビリーの元へ着いた俺は背中を、アンディが顔面を殴りつける。ビリーの首は骨が大きく砕け、背骨や肋骨もその感触から粉々に砕けた事がわかる。

 普通なら即死でも何ら不思議ではないダメージを負っている。にも関わらず全く倒れる様子がないどころかそのダメージがどんどんと治っていく。

 

 

「……成程、お前を見ていると痛覚が鈍っているのかと思っていたが、少しずつ再生するだけ……よく今の戦闘法まで昇華させたものだ。感謝するよ―――不死(アンデッド)

 

 

 わかっちゃいたが……改めて見ると凄いな。アンディ程じゃないが不死(アンデッド)を使いこなしている。

 それ以上に厄介なのは俺達二人の一撃で相当な激痛が伴っていたはずなのに声の一つも上げないその精神力。コイツに痛みは通用しないと見ていい。

 

 

「……風子、武器をよこせ。自決の可能性がある」

「あい」

「構えろ、来るぞ!」

 

 

 風子が武器を渡した後、ビリーが足を上げる。それを予備動作と見た俺は構えを取る。

 その直後不停止(アンストッパブル)を発動し、縦横無尽に駆け巡る。

 

 

「トップくんの不停止(アンストッパブル)!?」

「確かに同じだが、アイツよりは慣れていない。慣れていれば―――」

 

 

 超加速で動いているビリーによってアンディが吹き飛ばされるが、俺はそれに対応し足を掴む。

 

 

「―――問題なく対処出来る」

「流石にお前は対応するか……」

「誰がトップを鍛えたと思ってる? 覚えたてのお前の不停止(アンストッパブル)程度、止められるさ……アンディも反撃は出来たようだしな」

 

 

 ビリーはアンディを蹴り飛ばす直前に刀で足を斬られており、俺の手にはビリーの足だけが(・・・)残っていた。

 度重なる訓練の中で、不停止(アンストッパブル)に対する対処にはもう慣れている。流石に時間を掛けて更なる速度に到達していれば俺とて受けはただでは済まないが……この程度なら問題はない。問題なのは……

 

 

「やるな……だがお前の弱点はわかっている。お前だ―――不運(アンラック)

 

 

 来たな不正義(アンジャスティス)……! 俺は発動の直前にビリーの視覚外に飛ぶ。

 他の二つと違い、不正義(アンジャスティス)は発動の予兆がほぼない。故に他を気にして対処する事が困難だ。俺はどうにか回避したが風子はモロに食らった。

 風子は不正義(アンジャスティス)の影響で勝手に後退し、そのまま落下する。それをアンディが追う。

 視覚外に飛んだはいいものの、また不正義(アンジャスティス)を使われれば元の木阿弥だな……

 

 

「さて、後はお前だけだ。不労(アンファティーグ)

「オイバーン、もうそろそろ動けんだろ。さっさとんなモン抜いてっこっからトンズラすんぞ!」

 

 

 それを畳みかけるようにリリィの言葉とともに、度重なる妨害によって静止していたバーンが不壊大杭砲(アンブレイカブルパイルキャノン)を抜き、行動を再開する。

 不運がアンディに乗っていたせいか、コアまでは貫けなかったか……不運の不確定さが悪い方に傾いてしまったようだ。

 いくら俺でもバーンを引き留めるのは骨が折れるしビリーの不正義(アンジャスティス)で確実に邪魔される。加えて他の連中が手を出してこないとも限らん。マジでどうするべきか……そう考えていた時、(エンブレム)に通信が入る。

 

 

『レイ、聞こえる!?』

「タチアナか、一体どうした?」

『上から降って来た風子とゾンビを回収したわ! 今そっちに向かってる!』

「ジュイスから待機命令が出てた筈だぞ! 許可は取っているのか?」

 

 

 さっきまでのタチアナはとてもじゃないが戦闘が出来る状態ではなかった。流石に独断行動ではないだろうが大丈夫なのか?

 

 

『それは大丈夫、レイは一旦引いて! 私、ビリー様とどうしても話したいの!』

『私からも頼む、レイ。彼女の覚悟を尊重して欲しい』

 

 

 タチアナだけでなく、ジュイスの声も聞こえる。

 (エンブレム)から聞こえるタチアナの声には、先程とは違う感情が感じ取れた。と言う事は何らかの覚悟は出来たと取るべきか。

 

 

「……わかった。作戦はあるんだな、ジュイス?」

『勿論。彼女なしでは成り立たない作戦だ』

「了解。タチアナ達と合流する……やる気なトコ悪いなビリー。一時撤退させてもらう」

「何を企んでいるか知らないがいいだろう……この状況を覆す何かがあるとは思えんが」

 

 

 そして俺は一時撤退しアンディと風子、そしてタチアナと合流し作戦内容を聞く。

 端的に言えば不正義(アンジャスティス)を逆手に取った攻撃で隙を突き、黙示録(アポカリプス)を奪還するというものだ。

 ……成程、痛み分けか。正直両方取り返そうにも誰かしら死ぬ可能性すらある。なら円卓はあえて奪わせるのも妥協案としては悪くない。両方が揃わなければ、クエストそのものが成立しないのだから。

 

 

「攻撃はタチアナ、俺達は黙示録(アポカリプス)の奪還。妥当な所だな」

「今の状況じゃ私のUTエリアで基地が壊れかねないから、レイには引いてもらったの」

「て事は奴らが基地を突破してからが勝負所か」

 

 

 確かに二次被害のリスクが出る恐れもある。きちんと制御が出来ていればそこまで被害は出ないだろうが、ジュイスとしては課題(クエスト)期間中に基地の破壊は避けたいと思う筈だ。

 改めて相対してみてわかったが、今の俺達では不正義(アンジャスティス)で一方的に不利になる。なら明確に敵対の意志を持っていないタチアナなら意図しない攻撃で黙示録(アポカリプス)をビリーから引き離せる可能性は高い。

 ……そろそろ連中が基地から出るな。再出撃と行こうか。

 

 

 

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

 

 

 

 クソったれ(不労)が一時撤退した事もあってバーンの復活後はそのまま移動を再開。天井を突き破り、地上へと到達する。

 ひとまず地上には出て来れたが……確実に邪魔は入る。施設内でドンパチやらかせば確実に被害は甚大なモノになる。オレなら少し泳がせてから仕留める。

 オレの考え通り、少し遅れてユニオンの連中がまた出て来た。違うのは不可蝕(アンタッチャブル)がいる事だ。

 そして不可蝕(アンタッチャブル)がボスに向かって突進して来る。

 偶然だろうが完全に以前の仕事の面子と同じだな……どうやって奪い返すつもりだ?

 

 

「ビリー様! なんで裏切りなんか!!」

「―――神が存在し、(ルール)がある限り、この世はいつだって不公平だ」

 

 

 不可蝕(アンタッチャブル)の言葉にボスは毅然として返す。

 ボスの言う事には一理あるな。(ヤツ)がいる限り、この世界が根本的に変わる事は難しい。だからオレはあの時(・・・)アンダーの勧誘を受けたんだ。

 にしても妙だな……不可蝕(アンタッチャブル)からは敵意を感じない。

 

 

「ビリー様、私……!」

「自惚れるな―――お前は、関係ない」

 

 

 ボスが改めて拒絶な意志を示す。それと同時に空気が変わる。あの様子だと不正義(アンジャスティス)を発動しやがったな……他のメンバーと違い、非情になり切れていないのか僅かに自分に言い聞かせるような部分があるように感じた。

 少し抵抗しているみたいだが不正義(アンジャスティス)を発動した以上、抵抗は不可能だ。

 それはさっきの状況を見てよく理解した。攻撃は止まる筈だった。

 

 

 

「――――UTエリア強制解放!!

 

 

 だが不可蝕(アンタッチャブル)が取った行動は予想とは真逆。ボスに対して明確な攻撃を行った。

 おかしい、不正義(アンジャスティス)は発動した筈だろ! なんで攻撃出来てんだよ!

 もしかして敵意を持っていないからそれが適用されたのか? 正義と言っても様々な種類がある。ユニオンとしての正義ではなく、個人の正義が適用されたのだとしたら、納得が行く。

 いや、今はそれよりも―――!

 

 

「……成程。やられたな……!」

「クソ、アイツら……やりやがった……!」

 

 

 不可蝕(アンタッチャブル)の攻撃によって飛ばされた黙示録(アポカリプス)クソったれ(不労)達によって奪われてしまう。目的は黙示録(アポカリプス)の方か!

 

 

「円卓に座らなければ始まらない。黙示録(アポカリプス)がいなければ課題(クエスト)は受注出来ない。両方があって初めて成立するモノなら片方だけ奪えは済む話だ……そうなんだろう、ビリー?」

 

 

 不労(アンファティーグ)の野郎がそう予測を立てる。ボスの表情は僅かに険しくなり、それが事実だと告げている。

 連中、両方の奪還は無理と踏んで片方だけを奪う妥協案で来やがったな……面倒な事しやがる。

 そう思っていた次の瞬間、不運(アンラック)が突如として頭を抱えて苦しみだした。黙示録(アポカリプス)を掴んだのは不運(アンラック)だったのだ。




次回はもう少し原作から離れた展開になると思います、多分
ようやく4巻まで消化出来た……後何話かすればオータム編行けると思います
後これが投稿される頃には映画見に行ってるので投稿少し空くかもしれません(´・ω・`)

歴代不労を見たい?(先代は確定で出します)

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