アンデッドアンラック 不■の否定者   作:獅羅

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思ったより筆が乗ったので投下出来ました
タイトルは悩んだ結果アニメの次回予告で印象に残ったフレーズから取りました
今回は漫画製作回ですが思った以上に長くなったので途中で切ってます


No.024 To Hell with Deadlines.(締め切りなんてクソ食らえ)

 

 

「そ……それは我が人生のバイブルにして、少女漫画界最長刊行記録を持つ安野雲先生の最高傑作―――『君に伝われ』!!」

 

 

 『君に伝われ』を見た風子が感極まったようにまくし立てる。その後ジュイスは予言書である根拠を説明する。

 具体的に提示されたのは宇宙サッカー部襲来編とド腐れ高校乱闘編。それぞれギャラクシー追加時とスポイル戦に酷似している事から予言書であると推測したようだ。

 まさか『君伝』が予言書だとはな……思い返せば、さっきの二つ程ではないが俺達の課題(クエスト)での闘いとダブる長編もあったような記憶がある。大半の内容が別のものに置き換わっていたから気にも留めていなかったな……正直盲点だった。

 

 

「はいボス」

「なんだ、トップ」

「んなわけなくね? ってか、その『君伝』って……何?」

 

 

 ジュイスの推測を否定するトップ。まあ漫画が予言書なんて、普通なら考えもしないだろうな……にしても『君伝』を知らんとは……人生損してるぞ? たまにはヒーローもの以外の創作物も見ろと言っているのに。

 俺が少し説明と言う名の喝を入れてやろうとすると風子とタチアナがそれ以上の剣幕でトップに寄る。

 

 

「知らないの、トップ君!? 『君伝』はSF長編少女漫画の金字塔だよ!」

「バトル展開もあるから男でも読めるわよ!」

 

 

 そう言ってタチアナがどこから出したのか君伝の全巻をトップの前に置く。

 改めて見るとすげえ冊数だよな……101巻って単純計算で考えたら週間でも20年くらいは掛かる、というか掛かっている。一応俺も電子書籍で揃えてはいるが……かさばるとは言え紙の本が欲しくなる気持ちもわかる。

 

 

「ちなみにその本の山で分かると思うが、101巻あるぞ」

「101!?」

「安心しろ、作品自体は面白いからすぐに読み終わるぞ。丸一日もあれば」

「それレイ兄だから出来る事だろ! 不眠不休で見ろってか!? ってかレイ兄まで知ってんのかよ!」

「興味のある作品はとことん見るタイプだからな。『君伝』をスルーするなんて論外だ」

 

 

 少年時代の時に興味本位で見たら滅茶苦茶ハマったんだよな。暇な時は君伝に出て来る技は良く真似していた。特に螺旋弾(スパイラルシュート)はよく真似してたなあ……今なら完全再現出来るまであるかもしれない。

 

 

「でも漫画の事以外、何もわからないんですよね」

「そうだな……この時代そういう事も珍しくなくなってきているが、作者である安野雲に関しては本当に情報がない。ユニオンのシステムで調べてもな」

 

 

 加入直後ユニオンで色々と調べ事をしていたが、不思議と安野雲に関しては本当にその人となりが全くわからなかった。『君伝』を描いている以上人間である事は間違いない筈なのだが、突如として現れ大賞を受賞した以前の経緯が全く分からなかった。まるで存在していなかったかのように。

 ニコからはお前ウチのシステムをそんな事に使ってやがったのかという痛い視線を感じるがそれはスルーしておく。

 

 

「その通りだ……二人に頼みたいのは二つ。生原稿の状態、作者である安野雲の情報が欲しい。手段は任せる」

「確かに実物の確認は必須だな。だが簡単には見せねえだろう……と、するとだ」

 

 

 次にアンディが言った言葉は確実だがある意味過酷と言える方法だった。

 

 

「いい漫画描いて持ち込みゃいいんじゃねえか?」

『は!?』

 

 

 当然風子達が困惑したのは言うまでもない。

 それなら確かにある程度穏便に生原稿には近付けるだろうが、正攻法でやってたら到底課題(クエスト)期間には間に合わない……正攻法ならな。

 だがここはユニオン、幸い時短する手段ならいくつもある。

 

 

 

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 12月3日 ユニオンの一室

 

 

 

 ビリーの一件から2日。

 何気ないアンディの一言で漫画を描く案で行く事が決定し、漫画製作のために使用されていなかった一室を宛がわれる事となった。

 一足先にアンディと風子がその一室に向かっており、俺はやる事を済ませた後、少し遅れて一室に向かったのだが―――

 

 

「……………」

 

 

 開始早々白く燃え尽きた風子がそこにいた。

 

 

「早速燃え尽きてるが大丈夫か?」

「……む、ムリですよ! なんで私が作る事になってるんですか! 私は創作物を楽しむ側であって、そこには大きな壁があるんですよ!?」

「言いたい事はわかるが……」

 

 

 言うまでもないだろうがまずプロットを作らない事には何も始まらない。考えるだけなら誰でも出来るが、それを形にするのが案外難しいのだ。しかしこれは創作物を作る上で最初にしなければならない大前提。それを無視すると最悪作品以前の何かが生まれかねない。

 手伝いたいところだが素人がやると話の流れが問題が生じる可能性もあるし、流石にここは風子一人でやってもらうしかあるまい。

 

 

「まとめんのは俺がやる」

「は?」

「OK、ユニクル」

 

 アンディがそう言うと部屋が暗くなり、漫画を作る上で必要な過程が流れて来る。ニコ(アイツ)、いつの間にこんなグー〇ルみたいなモンを……芸が細かいな。

 

 

「完成までの流れはこんな感じだな」

「アンディ漫画作った事あるの!?」

「一からはねえ、手塚が漫画盛り上げてた頃にちょっとかじった」

「おまっ……」

 

 

 しれっととんでもねえ事言ってんぞこの男。漫画の神様が活躍してる頃って漫画の黎明期じゃねーか!ならその時期に描いてたって事はある程度は描けるとも考えていい筈……予想外のトコから即戦力が生えて来たな。

 

 

「構成、背景なんかはこっちでやる」

「俺も多少なら絵は描ける。時短する手段もあるしな」

「少女漫画に一番詳しいのはお前なんだ。お前はただ、自分が死ぬ程ときめく彼氏とシチュエーションを考えりゃいい! 出来るか? 風子」

「~~~ッ、うん!」

 

 

 少し恥ずかしがりながらも返事をする風子。アンディがヒントを渡したし、この調子なら最初の段階は問題なくいけそうだな。

 その後、少しして風子から設定を書いたメモがアンディに渡され、OKが通ったと同時にネームの段階に入る。

 この際にムイ、ミコ、ボウが助っ人としてやって来て作業が本格的に進み始める事になった。ちなみにシェンも来たがアンディから不真実(アントゥルース)が暴発する危険性があると言われたため俺が監修した筋トレコースを指示した上で左遷した。

 人数は増えたとは言え、漫画を描く以上どうしても時間は掛かる。その為ミコが風子にロボットアームを装着させる。

 

 

「うわぁっ、ロボットアームが勝手にぃ!?」

「脳波を使って動く。これで描くスピードが6倍速くなる」

「力技過ぎない!? てか全然上手く動かせないんだけど!」

 

 

 風子がアームをコントロールしようとするも上手く制御出来ず、巻き添えでアンディのズボンが破け男の象徴が露出する。それだけなら良いっていうか良くはないんだが、その男の象徴がズボンごと引き千切られるという男なら股間を抑えたくなるようなえげつない行為が目の前で繰り広げられる。

 このままでは作業どころか二次被害が出かねん……呼んでおいて正解だったな。

 

 

「とりあえず1時間で動かせるようにタチアナも呼んであるから頑張れ。アイツはこの手のモノに関してはスペシャリストだ」

 

 

 そう言って扉の隅に隠れて―――デカ過ぎて全く隠れ切れてないが―――いたタチアナがこっちにやって来る。

 タチアナ曰く、アームを動かすコツは自身を俯瞰で見る事。不可蝕(アンタッチャブル)だからこそそういう感覚が掴みやすいんだろう。そしてアンディがもうネームを完成させて戻って来た。

 とりあえず俺もそろそろ始めるか……絵は趣味で描いてたし、俺は俺で自前の時短方法があるからアームを使う必要はない。何故なら俺にはコレ(・・)があるからだ。

 

 

自律魂(ソウルリモート)……まさか無形霊魂(コイツ)を漫画を描くのに使う日が来るなんてな。何はともあれいい経験になりそうだ」

 

 

 あらかじめ準備していた無形霊魂(かたちなきたましい)を胸に押し付け取り込み、炎を周辺に作り出す。そしてその炎を手の形に変化させ、それぞれにペンを持たせる。

 これが俺なりの時短方法だ。俺の場合ロボットアームを使うよりこっちのが扱いに慣れているからな……一応コントロールの練習も兼ねて筋トレをしながら絵を描いてた事もあるし、問題なくやれそうだ。

 

 

「よし、ひとまず下書きを始めるとするか」

 

 




原作とアニメの描写をごちゃ混ぜにして再構成してみました
今回の話でわかると思いますが、レイも創作物をホクホク楽しむタイプの人間です
なので当然『君伝』も知ってますしファンだったりします

歴代不労を見たい?(先代は確定で出します)

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