アンデッドアンラック 不■の否定者   作:獅羅

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しれっと本来原作でも大分先になってから出て来る用語が混じってますが許してください(´・ω・`)


No.026 Turning Point(分岐点)

 

 

 

  12月5日 ????

 

 

「ついにこの日がやって来たか……彼の話で分かってはいたけど、いざとなると緊張せざるを得ないね」

 

 

 僕は二十年前、まだ漫画家になったばかりの彼に接触し、彼の持つ記憶を聞いた事で確実にどうにかすべき出来事を知る事が出来た。

 彼の話通りであれば、この後起こる出来事によって不運(風子)が亡くなり、それが切っ掛けとなり不死(アンディ)不死(ヴィクトル)へと立ち戻ってしまう。やがて不正義(ジュイス)も死に、絶望の末にループが終わってしまう。

 そっちの対処に関しては彼に任せてあるからどうにかはなる。問題は―――不労(レイ)不能(リリィ)、二人の方だ。

 本来の流れでは二人はこの戦いに関わっていない。しかしこの二人もまたそれぞれ別の戦いで死んでしまう。

 特殊な古代遺物(アーティファクト)と否定能力の組み合わせによって度重なるループの記憶や経験を不完全ながら受け継いだ結果、下位とは言え絶対理(マスタールール)を討伐した経験を持つ不労(レイ)

 そしてあの彼(・・・)同様に重要な情報を内包した古代遺物(アーティファクト)を所持し、大きな可能性を秘めている不能(リリィ)

 この二人には何としてでもこのループの最後まで生き延び、次のループでアレ(・・)を託しておきたい。

 そのためには少々荒療治だが……二人を成長させる必要がある。今は(・・)表に出る事の出来ない僕の代わりに―――

 時間を見計らい、僕は彼に電話を掛ける。

 

 

「もしもし、久しぶりだね。安野雲、いや―――九能明君」

「……久しぶりですね、■■■■■■さん。そろそろ電話が来る頃かと思っていましたよ」

 

 

 電話の相手は今や世界的に有名な漫画家でありながら誰もその実態を知らない男、安野雲こと九能明。

 本来であれば彼の否定能力によって話すどころか接触すら出来ないものの、僕は無理をしてどうにか接触に成功。来るべき時のため僕が作った携帯電話を渡し、以降不定期でこうして連絡を取っていた。

 

 

「それなら話が早い。前に言った件は覚えてるよね?」

「はい、勿論」

「では以前僕が渡した古代遺物(アーティファクト)をレイとリリィに使い、二人のパワーアップを図ってくれ」

 

 

 アレを使えばかなり効率良く二人をより強化する事が出来る。九能君が考案したオータムの爪と魂の口径(ソウルキャリバー)の組み合わせも悪くはないが……あの二人(アンディと風子)と違い、二人(レイとリリィ)は現状の関係性があまり良いとは言えない。

 故に第三者(安野雲)による誘導をした上、僕の考えた方法で彼らをより強くする方が確率が高い。

 出来る事なら()にも会わせたかったが……今は別件を任せているし、僕と同様あまり表には出られない存在だ。最低でも今回の課題(クエスト)を乗り越えてからでなければ難しいだろう。

 

 

「わかりました……アンディ、風子ちゃんと同じタイミングで呼び出しますか?」

「いいや、今回はリリィがいるから同時だと変にこじれる可能性もある。呼び出す時間を少しずらして伝えてくれ」

「了解。そろそろ彼らから電話が来る時間なので伝えておきます。成否は終わり次第お伝えしますね」

「ありがとう、助かる。いい結果を期待しているよ」

 

 

 そう言い、僕は電話を切る。

 君の行動次第でこの先世界の運命が決まると言っても過言ではない。頼んだよ――――九能明。

 

 

 

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 太平洋上空

 

 

 

 俺は暗い空を空飛ぶ絨毯(フライングカーペット)で駆けていた。

 「安野雲がキミを呼んでいる」―――その言葉を受けて、俺はどういう状況なのかを詳しい説明を求めた。

 ジュイス自身、(エンブレム)を通して話を聞いていたため完全に把握し切れている訳ではないが、大まかな流れは説明してくれた。

 二人は予定通り漫画の持ち込みに行き、無事編集のお眼鏡に叶い生原稿を特別に見せてもらう事になった。結果として生原稿に書かれた言語が日本語のままである事が分かり、それ自体が古代遺物(アーティファクト)で描かれたものである事が判明。予言書である事が確定した。

 そして編集の話から4つ(・・)の没エピソードが存在している事も判明した。

 

 

 公平君裏切り編。

 四季四天王編。

 安藤くんの過去編。

 そして、緋彩とフーノの追憶編。

 

 

 一つ目は言うまでもなくビリーの謀反に関する話であり、二つ目は四季UMAの課題(クエスト)を指している話。

 三つ目は名前の響きからして恐らくアンディに関する過去だが……四つ目。

 緋彩というキャラクターは『君伝』でも人気の高い男キャラであり、予言書と分かった今、自分で言うのもアレだが……恐らく俺がモデルのキャラクターだ。そしてフーノはかなりコアなファンが多い女キャラで、名前の響きからして不能を少しもじったものにも思える。多分こっちのモデルはリリィだ。

 つまりこのエピソードは俺とリリィに関係する内容を描いていたという事。何故俺とリリィなのかは未だに謎だが、これからそれに相当する出来事が起こると考えるのが一番妥当だろう。

 

 その直後、編集が本人に電話した事で間接的な接触に成功。

 当の安野雲から5時間後、カナダのスタンレーパークのベンチに来いとの要求があったようで、現在アンディと風子はカナダに向かって移動中のようだ。

 向こうから近づいて来たのは都合がいいが……意図が読み辛いな。一体何が目的なのか……そもそも提示された5時間という時間自体、間に合う手段がユニオンのジェット機か古代遺物(アーティファクト)しかないのを知らなければ、到底不可能な時間設定だ。

 そして何より解せないのは何故俺を呼んだのか、そしてそのタイミングが疑問だ。というのも二人がカナダへ飛んだ1時間後、ジュイスに独自の通信が安野雲から入り、「5時半までに今から提示する場所へ来て欲しい」と俺を名指しで呼んだのだ。しかも二人とは微妙に違う場所を指定して。

 アンディと風子を呼び出しておいて、わざわざ別の時間と場所を指定する理由が皆目見当もつかない。二人と一緒に行く事に対して都合の悪い何かがあるのだろうか……

 

 

「安野雲……お前は一体、何が目的なんだ……?」

 

 

 ふと零れた独り言に返す者はいない。

 

 

 

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  12月5日 午前5時20分 カナダ スタンレーパーク

 

 

「ここがスタンレーパークか……」

 

 

 俺は目的地付近に到着し、あまり目立たないよう徒歩で移動していた。

 本来、スタンレーパークは温暖な天候であるため年中緑が生い茂る都市公園なのだが、ある場所を境に通常では有り得ない光景が広がっていた。

 

 

「にしても、まさかオータムの縄張り(エリア)だとはな……」

 

 

 そう、木々が紅葉に包まれているのだ。いくら何でも今の時期にこの光景は異常だ。UMAによる影響を受けているのは明白だった。

 確かこの先には湖があったはず……位置的に考えて中心地、オータムは多分そこにいる。とは言え腐っても概念系のUMA。無策の状態で突っ込むのは自殺行為に等しい。しかしアンディと風子は普通に戦いそうで怖いな……まさかアイツ等戦ってないだろうな? 不安だ。

 どちらにせよ今の俺の目的地とは違う。オータムは事を済ませ次第考えるとしよう。

 

 しばらく歩き、目的の時間に差し掛かろうとしていた頃になりようやく指定された場所へ到着する。

 そこには廃屋と見紛うような古い年季の入った家。廃屋じゃないと思ったのは、人の痕跡があるのといくつかの人の気配がこの家から感じられるためだ。

 気配は三つ。うち二つは俺の良く知る者達と同じ気配。

 

 

「どうやらアンディと風子もここにいるみたいだな……」

 

 

 そう口にした瞬間、家の天井から何かが突き破って出て来る。

 最初は何かが起こったか全く分からなかったが、突き破った何かをよく見てみると本のような形をしていた。それもただの本じゃない。天を文字通り突き破る程の本だ。しかもあの本からアンディの気配がする。

 一体この家で何が起こっているんだ……? 少し警戒しながら俺は家の中に入る。




本来はもう少し先まで書こうと思いましたが長くなりそうなのとまだ設定が固まり切ってないためキリのいいトコで切りました
オータム編はなんとかなるとして、サマー編どうしようかな……(´・ω・`)

歴代不労を見たい?(先代は確定で出します)

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