先週に引き続き今週の本誌も中々デカい設定来てますね……今回は少し長めです
先代は大まかなイメージ出来たけど他は設定考えるの難しいんで、もしかしたら募集掛けるかもしれないです
家の中に入ると、外とは打って変わってそれなりに生活感を感じるものとなっていた……悪い意味でだが。
最低限の整頓はされてるが、本が沢山積み重なっている。その中には年季の入った本もあり、ただならぬ雰囲気を放つモノもあった。おそらく
「こんなヤバい代物をこんなトコに置くとは危ないな……」
普通に希少な古書もあるだけに危なっかしい。本人の同意が得られれば
一階には誰もいなかったため、二階へ上がると話し声が聞こえる。片方は風子だがもう一人はアンディじゃないな……知らない声だ。もしかして安野雲か?
奥の部屋だな。さっさと会って話をしなければ。
部屋に入ると辺り一面に紙が散乱しており、良く見てみると全てラフではあるが絵が描かれている。
しかも絵の中にはユニオンやアンダーの連中を絵に起こしたものもあるし、『君伝』よりもより鮮明に俺達の出来事を描いた漫画まである。
そして外で見た本と思われる物体の前には風子が眠るように寄りかかり、金髪のジャージを着た隻腕の男が椅子に座っていた。俺が来る前に何かあったのか、まだ左肩の傷は新しい。
「お前が安野雲だな?」
「その通りだよ、レイ=
安野雲は左腕を失っているにも関わらず、辛い表情を一切見せず笑顔で俺の名前を呼ぶ。
……いざとなると複雑な気分にさせられるな。ユニオンが血眼になって捜していた男であり、俺や風子達にとっては好きな漫画の作者。正直言ってしまえばファンとしての感情もある。
だが今はそんな時間はない。本来であればサマーの討伐に行く予定だったのを、わざわざ後回しにしてまで来ているのだ。ここで時間を取られる訳には行かない。
「単刀直入に聞く。アンディと風子に何をした? 何故俺を呼んだ?」
「本当に単刀直入だね……まあそれがキミの良さなんだけどさ。まずアンディ君と風子ちゃんの事だけど、彼らには今、もう一つの人生を体験してもらっている」
「人生の体験だと?」
「アンディ君をオータムの爪で本にした上で
そう言って安野雲はジャージをまくり、左胸に埋め込まれた球体を見せる。
体内に
「つまり風子に記憶の中のアンディともしもの人生を歩ませ、その記憶をアンディ本人にフィードバックさせるのが目的か」
「その通り! そこまでしなければ、彼らがオータムに勝つ事は出来ないからね。ちなみにそちらのボスにもちゃんと許可は取ってあるよ」
「成程な……お前が左腕を失っているのもそれに関係しているんだな? そっちの理由は分かった。次はもう一つの理由も教えてもらおうか」
前者の理由は分かったが、やはり俺を呼んだ理由が分からない。オータム戦での戦力が一人でも多く欲しいから呼んだってのも考えられるが、いくらアンディ達が強化されても俺一人増えた所で簡単に倒せるとは思えない。
仮にジーナが居れば単体でも倒せた可能性はあったんだが……ないものねだりをしても仕方がない。
「それについては彼女が来てから一緒に説明しよう。そろそろ来る筈だけど……」
「彼女? 呼んだのは俺達だけじゃ」
「ここかあ? 安野雲のいる部屋は?」
疑問を口にしかけたその時、部屋のドアが開くと共に声が聞こえた。
この声、まさか彼女ってのは……俺が後ろを振り向くと、見知った顔だが親しい仲でもない者の姿があった。
「やはりお前か……」
「
「それは俺の台詞だ……リリィ」
リリィ―――
否定されてはいるから冷静に判断出来てるが正直困惑している。どうやら向こうにも俺が来る事は伝えていなかったようだ。本当に困惑しているのが見て取れる。
いやそれよりも―――
「リップ達に言わず一人で来いって言うから来てみれば……てめえ、何を企んでやがる!」
「安野雲、一体何のつもりでリリィを呼んだ。コイツは敵だぞ」
「知ってるよ、それがわかった上で呼んだんだから。当然理由はあるよ」
「予言書の事を聞くまで消しはしねえが……ちゃんと説明する気あんだろうな。下らねえ理由なら、わかってるよな?」
ジュイスの話では予言書である事に気付いていないと推測していたが……どうやらそれは外れていたようだな。アンダーの連中の誰かが『君伝』を知っていて、何らかの違和感を覚えたのだろう。世界的な名作である事を考えれば何ら不思議な事ではない。
しかし、この状況は厄介だな……現時点で安野雲を殺す気はないようだが、最悪アンディと風子を含めた三人を守りながら戦わざるを得なくなる。
無論理由もなく敵同士である俺達を呼んだ訳ではないんだろうが、意図が読めない。
「そうだね……まず『君伝』が予言書になっている。それは合っているし、間違ってもいる」
「間違っているとはどういう事だ?」
「言葉の通りさ。僕が描いた没エピソードは4つある、
「ああ、アンディと風子のお陰でな」
二人のおかげで安野雲に辿り着けたと言っても過言ではない。二人にもこの件が終わったら何らかの労いをしたいものだ……
俺の返答を聞き、安野雲は話を続ける。
「4つのうち3つは確かに予言書として描き記したものだ。だけど緋色とフーノの追憶編……あれだけは、予言書として描いたものじゃない―――
「あ? つまり予言書じゃねえのをお前は混ぜてたってのか?」
「計画書を混ぜた理由はなんだ?」
「……連載当初からオレはこの三つを表にあえて表に出さない事で未来の情報を制限していたのは事実さ。全て出してしまったら、本来あったであろう成長を失くす恐れがあったからね」
確かに全てが知れれば前もって対処が出来るかもしれない。しかしそれは同時に成長の機会を減らす事でもある。
特に安藤君の過去編。これを表に出していたらアンディを強化するための機会がなくなっていたかもしれない事を考えれば、その判断にも納得が行く。
「ジュイス君にも交渉の際話したけど、オレの知る記憶にはバッドエンドしか載っていない。何もしなければアンディ君と風子ちゃん、そしてキミ達も含めて全滅の未来に至る。だからそれを避けるため、アンディと風子ちゃんはオレなりに考えた方法で今強化している最中なのさ」
「そこのドデケえ本と眠っている
「もちろん手出し厳禁だ。出そうとすれば、オレもそれなりに抵抗させてもらうよ」
安野雲が新しい情報を交えながら俺が聞いた内容を改めてリリィに聞かせる。
なんとなく予想は付く事ではあった。8月に出た最終巻を見た時、何とも言えない感情に包まれ、少しの間仕事に手が付かなかったからな。
雪に包まれ、崩壊した都市。そしてその中で寄り添い合う二人―――多少形は変えてるだろうが、思い返せばアレが本来来るであろう未来の結末だったのかもしれない。
「計画書を混ぜた理由だったね……まだ新人漫画家だった頃、オレに
「ある人? 俺達より早くお前に接触した奴がいたってのか?」
「一体誰だよ、そいつは」
「残念ながらそれについては今は教えられない。あの人はオレ以上に表に出て来られる存在じゃなくてね。今回の
つまりまだ正体は明かせないって事か。誰よりも早く安野雲と接触した事を考えると、只者ではない事は確かだな。
一体何者なんだ、そのある人というのは……?
「計画書を考案したのはその人でね。特にキミ達を気にかけていたよ。オレにとってのアンディ君と風子ちゃんのように」
「……ループを知ってるって事は、俺の
「そうだね。少なくともキミについては知っている風だった」
「解せねえな。コイツは心当たりあるみてえだが、なんでオレを気に掛ける? そんな理由」
「ない訳じゃないだろ? キミが一番それを理解している筈だ」
「!?」
そう言われた瞬間、リリィが驚愕する。まるで自身しか知らない秘密を暴かれたかのように。
俺にとっての
「てめえ……まさか
「オレも似たような
「またあの人か……ソイツにはなんでもお見通しって訳か」
「厳密にはなんでもじゃない。全て知っていたらわざわざオレの所へは来なかっただろうしね。あの人も全知全能じゃない。それは覚えておいた方がいい」
あの人とやらも万能ではないって事か。直接姿を現せないって事にも関係してそうだな……
「心に留めておこう。その計画書が俺達を呼んだのと関係しているんだよな?」
「回りくどいのはもういい……さっさと本題を話しやがれ」
「分かった。もう時間も押してるし、単刀直入に話すよ―――君達にはこれから、お互いの過去を知ってもらう」
先程までとは打って変わってそう言い放つ安野雲の表情は、真剣そのものだった。
本編では書いていませんがリリィは小説の出来事にも絡んでおり、それが切っ掛けで『君伝』を読んでいます
予言書である事をいち早く知ったのも彼女で、その矢先に安野雲からコンタクトされ、やって来たというのがリリィ視点となります
歴代不労を見たい?(先代は確定で出します)
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見たい
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見たくない