アンデッドアンラック 不■の否定者   作:獅羅

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No.008 GALAXY

 

 

 

『全課題(クエスト)成功ならず。よって(ペナルティ)―――UMA銀河(ギャラクシー)を追加する

 

 

 クエストの失敗により黙示録(アポカリプス)がその口から新たなUMAを吐き出し始める。

 銀河(ギャラクシー)と呼ばれたそのUMAは今まで見たどのUMAよりも異質かつ、得体の知れないものを感じられる程強大な存在に感じられた。

 だがコイツを見るのはコレが初めてではない気がする。謎の既視感を感じるのは……何故だ?

 

 

「これが……」

(ペナルティ)か」

 

 

 風子とアンディが銀河(ギャラクシー)を見ながらそう呟く。

 やがて銀河(ギャラクシー)は上へと向かっていき、そのまま姿を消す。

 今までもそうだったが、(ペナルティ)として追加されたUMAは総じて厄介な存在だった。今回がそうでないはずがない。

 

 

「ムーブ、我々を地上へ」

『……あぁ』

 

 

 ジュイスがムーブを呼び出し、俺達を地上へと移動させる。途中一心だけ体制を崩しかけていたので、俺が先程と同じように背負い、着地する。

 ……俺じゃなかったら絶対体に大きな負荷掛かる奴だなコレ。すぐに否定されたから何の問題もないのだが。

 

 

「平気か?」

『感謝』

 

 

 俺の言葉にすぐに達筆で返してくる。さっきよりはマシそうだな。

 さて、確かここはエアーズロックの近くか……相も変わらず月以外なにもない空だ。

 

 

『ジュイス……移動させてやったんだ。面白いもの(イベント)は見られるんだろうな』

「ああ……わかっているよ、ムーブ。私の―――正義を見せてやる」

 

 

 そう言い、ジュイスは俺達から少し離れる。ジュイスのいる方を見ると、空高く浮く銀河(ギャラクシー)が見える。

 そうしてその姿は完全に見えなくなるが、少しして空の様子がおかしい事に気が付く。

 

 

「空が、明るくなっていく……」

 

 

 夜空には月以外の光が次々と生まれ、それが広まっていく。やがて空には(ペナルティ)と言われなければ壮観と言えるの満天の夜景が広がっていた。

 

 

「―――ニコ、変更点(パッチ)を確認したい」

「今やってる。ボケ共、俺だ! たった今(ルール)が足された! お前らが当たり前に知ってる事も、否定者達(オレたち)は知らねぇ! お前らの知識をよこせ!!」

『了解、Dr.ニコ!!』

 

 

 ジュイスの言葉にニコがすぐ娘であるミコを始めとするラボメンバー達に指示を出し、サイコポットを通して情報共有が行われた。

 それによって銀河(ギャラクシー)に関する情報はある程度集まった。

 結論から言えば銀河(ギャラクシー)とは地球と同じ星の集まりであり、それが追加された事によって似たような星が大量に発生、その副産物として星関係の神話や曜日等のシステム、宇宙人という名の地球外の生物の概念等も生まれた。

 ――――そして、今現在進行形でその宇宙人とやらに侵略されているらしい。

 

 

「オイオイ、冗談にしても笑えん状況だぞ……」

 

 

 俺が知る限り、今までのUMAの中で一番ヤバい改変を起こしてやがるぞコイツ(ギャラクシー)……

 無論影響もそうだが、改変の規模が今までの比じゃない。

 

 

「何アレ、船が飛んで……!?」

「敵か」

「あぁ。銀河(ギャラクシー)があった前提の世界改変でついさっき(・・・・・)生まれた奴らだ」

 

 

 世界改変はその名の通り世界規模で作り変えられ、最初からそうであると言う前提に作り変えられる。従ってその(ルール)が強大であればあるほど、その改変の影響は凄まじいものとなる。

 だが俺達否定者はその世界改変の影響を一切受けない。改変の度に世界から置いてけぼりにされているのだ。

あくまで否定者になってから(・・・・・)の改変が対象のため、否定者になる以前の改変の影響は受けてはいるのだが……

 今回の改変の場合、極めて広範囲に改変が発生している事から地球とは全く別の文明まで生まれてしまい、結果としてこのような侵略が起こってしまっている。この状況だけを見れば、確実にヴィクトルの時よりマズい状況だろう。

 だが幸いこのタイプなら彼女(ジュイス)がいる。後はヤツらに不正義(アンジャスティス)が効くかが問題だが……わざわざ侵略してくるくらいだ。大義名分として何らかの正義(・・)は持ち合わせているはず。

 

 

 そうして降り立った宇宙人に向かってジュイスが近づいていく。

 

 

 

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「そうか……なら私は、その正義を―――否定しよう

 

 

 結論から言ってしまえば、侵略してきた宇宙人はジュイスの不正義(アンジャスティス)によってそのほとんどが全滅した。

 俺も未だ全容を理解しているわけではないが相手の正義を否定し、その正義とは真逆の行動を取らせる。それがジュイスの否定能力だ。

 こう言えばシェンの不真実(アントゥルース)と似ている所があると思うだろうが、シェンの場合は相手を好きになる必要があるのに対し、ジュイスの場合正義を掲げる相手であれば問答無用で発動する。対人は勿論、特にUMAにはとある理由(・・・・・)によって大きな特攻を持つのが強みだ。だからこそアイツはずっとⅠ席の座に座り続けている。

 

 次々と墜落していく艦隊を背に、彼女は入って間もないアンディと風子に対し、もう後がない事、次に(ペナルティ)を受ければRAGNAROK(ラグナロク)―――滅びが発生してしまう事を告げる。

 故にこれ以上クエストを失敗する訳には行かないが、円卓を埋めなければ三か月先にある次の課題を受ける事すら出来ず(ペナルティ)を受け、事実上の世界滅亡に至る事となる。

 そのために最優先すべき事項は―――12人目の否定者の確保。

 

 

「今回の報酬で不燃(アンバーン)不治(アンリペア)不能(アンファンクション)の所在がわかった。欲しいのは」

不治(アンリペア)だろ。俺が行こう。名の通りなら一撃が致命傷になるからな」

「いや、俺は不能(アンファンクション)を推す。不治(アンリペア)も捨てがたいが、予想しているものなら極めて強力な否定能力なはずだ。協力してくれるかどうかは賭けだがな……無論俺も行かせてもらう」

 

 

 俺の意見にアンディがこっちを向くが、これに関しては俺も譲れない。おそらくだが失踪の方に関しては十中八九不能(アンファンクション)が関わっている。予想通りの能力であれば助けにも脅威にも成り得る。故に直接、この目で見定めたい。

 それに不治(アンリペア)に関しても対処法はなくもない。どれだけ否定能力や古代遺物(アーティファクト)の扱いに長けているかが唯一の懸念材料ではあるが……

 

 

「二人とも助かる。不治(アンリペア)不能(アンファンクション)、どちらを仲間にするかは直接会ってから決めるといい。念の為タチアナと風子、君達も行きなさい」

「ちょっ……私も!?」

 

 

 ジュイスの突然の指名にタチアナが驚く。確かに彼女の不可蝕(アンタッチャブル)なら戦闘になった場合、大いに役立つだろう。

 足場の確保に関しても風子以外はあまり問題なく戦えるし、その風子もアンディが守るから安心出来る。

 もっとも風子の指名に関してはそれ以外の思惑もあるんだろうが……何にしろ経験を積ませるのは悪くない。

 

 

「了解だ、助けてもらった借りは返さねえとな! よろしく頼むぜ、レイ」

「こちらこそよろしく、アンディ」

 

 

 アンディが手を差し出して来たので俺も手を出し、握手する。

 力強い握手だな。余程鍛えてなければここまでにはならん。

 

 

ヤツ(ヴィクトル)が出て来てた間、お前が一番風子を守ってくれてたんだってな? 礼を言うぜ」

「気にするな、メンバーを助けるのは当然の事だ」

 

 

 ……そういえばアンディときちんと話すのはコレが初めてだったま。あれからなんだかんだゴタゴタ続きで、二人だけで話す機会なんて全くなかったからな。

 加入当初こそとんでもない事をするヤツだなと思っていたが、ここまでの彼の行動を見る限り、案外理性的な所もあるんだなと認識を改めた。今回を機に親睦は深めておきたいトコだな……

 

 

「こちらこそ、話に割って入って悪かった。個人的にユニオン(ウチ)に欲しい否定者だったからな」

「それこそ気にすんな。今はまだ相手が敵か味方かハッキリわからねえんだ、状況次第ではそれこそ不能(アンファンクション)を仲間にする事も十分有り得るぜ?」

「それもそうか……何はともあれ、この仕事は絶対成功させよう。次の課題に挑むためにもな」

「ああ」

 

 

 何も起こらなければそれはそれでいいが、その線はほぼないだろう。確実に何かは起こる筈だ。

 どちらにせよ、次の仕事までに四人で連係が取れるよう戦闘訓練は行わないとな……特に風子は。

 

 

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 その後四人、主に風子には暇を見ては基本的な身体能力を鍛えるための訓練を、休息を挟みながら行った。

 流石に俺がやってるのと同じ内容は鍛える以前に壊れるので、彼女の体力に合った効率の良い鍛錬メニューを出し、少しずつ慣らす形にしていった。

 それから一週間が過ぎた頃。ジュイスから不治(アンリペア)不能(アンファンクション)が来る可能性のある黒競売(ブラックオークション)と呼ばれる非合法の取引がなされる場所を突き止めたという情報を得た。

 それを聞いた俺達はすぐさま準備を始めユニオン専用のジェット機に乗り、目的地に向かって飛んだ。

 

 

 ―――行き先はブラジル、リオデジャネイロ。そこにあの二人(不治と不能)はいる。

歴代不労を見たい?(先代は確定で出します)

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