『三好in恋姫(再リメイク)』   作:零戦

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第十二話 管理者、完成、復活

 

 

 

 

 

 

 関羽から新しく名を変えた関将は直卒隊に入った。流石に軍を率いられていたらバレる可能性は大であった。他にも関将は自身の髪を切り落とした。美髪公と言われたが関将は気にもしなかった。

 

「私の命はご主人様に預けております。なので髪をどうこうと言っている場合ではありませぬ。それに蜀の密偵からの目も欺けるかと思います」

 

 左サイドに括っていた髪を落とし関将は将和にそう言う。将和もそこまで言われた言う事はなかった。ただ、簪を贈っといたのである。

 

「ほぅ。主、私にも簪は似合うと思いませぬか?」

「星のは大分前から探しているんだが、納得したような簪が見つからなくてな。もう少し待っててくれ」

「………………流石は主です」

 

 将和の言葉に星はにやけてそう言うのである。それはさておき、関将が加入して数ヶ月後に劉備軍は蜀を占領する事に成功する。それでも蜀の武将も数人が討ち取られているものの、基本的には成功であった。

 

(馬超とかも気付いたら加入してるけど、まさか馬騰だけが死んだとはな。妹の馬鉄や馬休とか生きてるし)

 

 報告書を読みながら将和はそう思う。蜀を手に入れた劉備は漢中をも狙っているらしいが果たしてそこまで戦力があるかどうかである。

 その劉備も漢中は元より離脱した関羽の行方を捜索していた。

 

「まだ愛紗ちゃんは見つからない……?」

「手は尽くしているのですが……」

「荊州に行ったまでは足取りを掴めていますがそれ以降の情報が無いですから……ましてや荊州に愛紗さんの事を聞くわけにはいけません」

「それはそうだけれど……」

 

 孔明の言葉に劉備はあまり納得していない様子だったが孔明は納得してもらうしかなかった。

 

「桃香様、此処は早めに漢中を取るべきかと思います」

「でも朱里、漢中には張魯がいるけど。それでもやるのかい?」

 

 北郷の言葉に孔明は頷く。

 

「此処は愛紗さんが荊州で潜伏していると想定して動きましょう。漢中を取れば長安への道も近くなります」

「祁山を確保かい朱里?」

「はわわ、その通りでしゅ」

 

 北郷の言葉に孔明は頷く。祁山を取れば長安を取るのも容易い。孔明はそう認識しておりそれは北郷もであった。

 

「桃香、此処は漢中に行こう。魏は警戒すべきだ」

「ご主人様……うん、分かったッ」

 

 斯くして劉備ーー蜀は漢中攻略を急がせるのである。そして孫呉でも軍を整えさせていた。

 

「取り敢えずは5万は用意したぞ雪蓮」

「ありがとう冥琳」

 

 孫呉の本拠地である建業にて孫策らは対荊州への軍議をしていた。

 

「南陽かの策殿?」

「長沙へ移転したから案外いけるかなって」

「しかしのぅ。それなら蜀と同盟を結んで左右から荊州を叩けば良いのではないか?」

「蜀は取ったばかりだからまだそこまで期待は出来ないと思うわ」

「成る程のぅ」

 

 黄蓋の問いに孫策はそう答える。

 

「南陽で三好を叩いてから和睦をでも良いと思うよ雪蓮」

「いや、この際三好は徹底的に叩いた方が良いわ」

「それは雪蓮の勘?」

「まぁ……ね(でも変な予感もするのよねぇ)」

 

 南郷の言葉に孫策はそう答えたが内心はそうも思っていた。だが、孫策はそれを口に出さなかった。出したら皆の士気が下がると思い言う事は無かった。

 

「しかし雪蓮。最近は魏も怪しい動きを見せているから慎重な方が良いぞ」

「うーん、確かにそれもそうよねぇ」

 

 結局、軍議では荊州に攻める事は決定するものの、どの時期に攻めるかは棚上げしてしまうのである。

 そして将和は交州の南海郡番禺に来ていた。此処は将和の厳命で作らせた造船所が5ヵ所程あり、そのうちの1個に真桜に案内されて来ていたのだ。

 

「完成したのか真桜?」

「取り敢えずは1隻はな。ほら、あれや」

 

 そう言って真桜の指指す先には港に停泊する1隻の船があった。しかし、その船は今まで他の国が使用していた船より大きく異なっていた。

 全長は30mから60m、全長と全幅の比は3:1とずんぐりしていた。船の排水量は約200トンから1,500トンとサイズには個体差が大きい。他の船と異なり3本のマストを備え、丸みを帯びた船体と特徴的な複層式の船首楼、船尾楼を有していた。

 

「試験航行を先日してみたけど、従来の船よりも乗員や物資を置くための広さは十分にあったわ。3本柱で帆も四つあるから速度もめちゃくちゃ速いでこれ」

「だろうな。それで1隻建造の予算はどれくらいだった?」

「……ちょっち将和はんが思っていた予算を超えてもうてな。これくらいやねん」

 

 真桜は申し訳なさそうにそう言って竹簡を将和に見せるが将和はフッと笑う。

 

「十分だよ真桜。これくらいなら許容範囲内だ」

「ホンマに!? いやー、どうなるか分からんかったんよ」

「大丈夫だよ。それでコイツの量産は出来そうか?」

「時間は掛かるけど何とかやってみるわ。他にもあれより小さい船も作っとるけど、小さいから5隻は完成したで」

「ん、助かるよ真桜。御礼に今日は満足するまで頑張るぞ」

「アハハハ。嬉しいんやけどたまに将和はん、歯止めが効かん時あるからウチも腰抜かすねん……」

「ならないように努力するよ」

 

 そう言う将和であったが結局、真桜との夜戦は歯止めが効かずに真桜が腰を抜かすまで繰り広げられるのである。そんな日の丑三つ時の近く、ふと将和は複数人の気配を感じ目を覚めた。寝台の周りはいなかったので外かと思い、裸で高いびきをかいて寝ている真桜に毛布を着せて隣の部屋に行くとそこには于吉達がいた。

 

「お、久しぶりだな」

「はい。おっと防音の札をしたので普通に話されても問題はありませんよ」

「お、それは助かる。まぁ話が長くなりそうだし椅子にでも座りよ」

「あらぁん、助かるわぁ。だぁりんみたいに優しいのね」

「キモいからくねくねすんな……(|||´Д`)粗茶しかねぇかんな」

 

 四人を座らせ茶を入れる将和である。

 

「それでどうしたんだ今頃?」

「今頃になって来たのについては此方から謝罪致します。老害どもの妨害に遇っていたので……」

「妨害か。なら仕方ないな」

「妨害には理解があるので?」

「政治の世界にいた時に他国や身内の妨害はあったからな」

「成る程。御理解頂けて何よりです」

 

 于吉の言葉に将和は苦笑しながらそう言う。

 

「船を作らせたのは何が目的ですか?」

「……君らに頼まれた通りの目的だぞ」

 

 于吉の言葉に将和は肩を竦める。

 

「しかし……キャラック船とキャラベル船を作るのに意味はあるのですか?」

 

 于吉は将和に問う。将和が南海郡番禺の造船所で建造させていたのは史実の大航海時代(15世紀半ば~17世紀半ば頃)に活躍したキャラック船とキャラベル船であった。もう少し詳しく説明するとランス・オ・メドーが発見されるまではキリスト教世界の白人としては最初にアメリカ海域へ到達したとされていたクリストファー・コロンブスが最初の航海で使用した3隻の船がキャラック船とキャラベル船である。(『サンタ・マリア』『ニーニャ』『ピンタ』)

 

「『とある外史に赴き、そこで天下を治めて頂きたい』これが基本目標だろ?」

「その通りです」

「だが、国・地域は一つではない。そういう事だろ?」

「まさか……御主……」

 

 将和の言葉に卑弥呼は何かに気付いた。

 

「卑弥呼、貴女に問いたい事がある」

「……答えられる範囲でなら構わんが……」

「邪馬台国は畿内と九州、どちらだ?」

『……………………』

 

 将和の問いに于吉達はどう答えて良いか分からなかった。だが、邪馬台国を治める卑弥呼は将和の意図を理解したのである。

 

「成る程……御主、まさか初めから……かの?」

「いや、最初は普通にどいつもコイツもぶった斬ってやるつもりだったがな……あの子を思い出したからな」

『行ってきます、おじいちゃんッ』

 

 将和の脳裏にはあの日、永遠に旅立ってしまった幼き子が浮かび上がる。

 

「それにあの子と美羽が重なる時がある。これ以上の犠牲はな……」

「左様か……なら答えよう。邪馬台国は『    』じゃ」

「………分かった。なら計画は実行出来る」

 

 卑弥呼の問いに将和は笑みを浮かべるのである。しかし、左慈は納得していない様子であった。

 

「しかしだな。お前のそれは敵前逃亡に当たるのじゃないか?」

「成る程、敵前逃亡ね……果たして当たるかな?」

「何……?」

「敵前逃亡というのは戦闘中に離脱・撤退をする事だ。だがこれが果たして敵前逃亡に当たるかな? 少なくとも、これをする事で俺、于吉達、老害どもにメリットが生まれる」

「……メリットとは?」

「まだ語る事じゃないな。ただ今の段階で言えるのはただ一つ」

「それは?」

「……皆で幸せになろうよ」

 

 于吉の言葉に将和はニヒヒヒと笑う。その様子に于吉も笑みを浮かべるのである。

 

「何か策があるというのは分かりました。それと我々も手助けを行うという話を当初にしましたが……」

「が?」

「すみません。老害どもの妨害で大規模にやれる事は出来なくなりました」

「成る程。まぁ仕方ない事だろうな」

「理解があって助かるわぁん。でも、私達も何もしないという訳にはいかないのよ」

 

 そう取り繕う将和だが貂蝉がそう言う。

 

「支援という姿勢は崩しません。しかしながら裏方での支援になります」

「フム……無印のような兵を大量に出せるわけではなく……という事か」

「懐かしい思い出でありますがね」

「チッ」

 

 将和の言葉に于吉は肩を竦め左慈は舌打ちをする。

 

「支援の第一段として明日には効果が現れるでしょう」

「明日?」

「はい、明日です」

「んー。まぁ于吉がそう言うなら良いけど……」

「感謝します。それと何点かの支援も行っておきましょう」

「そうなのか? それは嬉しいが……あ、蜀を一夜にして滅ぼす事が出来る必殺技とか?」

「それが出来たらそもそも貴方に頼んでませんよ」

「デスヨネー」

「おい、そろそろ時間のようだ」

 

 不意に左慈がそう言う。見ると于吉達の身体が消え始めていた。

 

「老害どもめ……それではまた頑張って下さい」

「なるだけな」

「私達はいつも貴方の事を応援してるわぁん」

「ウム。御主の幸ある未来を願って貂蝉と我が美を見せようぞ!!」

「吐き気するんで早く帰って下さい」(切実)

 

 何故か最後に美を見せられて気分を悪くする将和であった。なお、その後は再び寝台に潜り込んで高いびきで寝ている真桜の巨乳を揉みながら寝るのであった。

 

 

 

 

 

 

「え、出来てる?」

「だから昨日言ったやん。将和はんが依頼していた大型の船(キャラック船)と小型船(キャラベル船)がそれぞれ12隻ずつ完成したで」

「……さよか(于吉め、まさか此方を先に支援するとはな……)」

 

 真桜の言葉に将和は冷や汗をかきながらそう思う。昨日の段階で真桜は1隻しか完成していないと言っていた。それが朝、聞けば12隻ずつ完成しているというのだ。明らかに于吉が夜中に言っていた支援の形が早々と現れたのだろう。

 

(まぁ唸っても仕方ない。取り敢えず七乃達に言って口が固い水軍関係者を集めるのを早めないとな)

 

 船が完成するのを見込んで口が固い水軍関係者を内密に集めてはいたがそこまで集まってなかったので早めに行う事にした。だが、長沙に戻れば七乃からは「関係者は集まったので番禺の造船所に送りましたよ」との返答だった。

 

(だからそれは前以て言えよ!!)

 

 犯人は于吉達なのだがそれは言ってほしかった将和であった。それはさておき、将和も水軍の強化を強めるのである。

 そしてその日の夜、王双が話があると言って将和の部屋に来た。

 

「どうした王双?」

「……王双じゃない。孫堅だ」

「ッ。まさか記憶が……」

「あぁ、記憶が甦った」

「そうか……(恐らくは于吉の仕業か……)」

 

 王双ーー孫堅の言葉に将和はそう思いながらも将和は孫堅の手を取る。

 

「兎も角良かったじゃないか。どうする? 孫策達に連絡して孫呉に向かうか?」

「……あのなぁ旦那。何か勘違いしてないか?」

「あん?」

 

 孫堅はそう言って着ていた服(蜀から仕入れたメイド服)を半分脱ぎ将和に身を預ける。

 

「確かにオレの記憶は戻った。だがそれがどうした?」

「孫堅……」

「昔は孫堅だ。しかし、今は三好将和の身の回りの世話兼護衛の王双だ」

 

 そう言って孫堅ーー王双は将和にキスをするのである。

 

「……炎蓮だ。これからはそう呼べ」

「……戻らなくて良いのか?」

「フン。便りが無いのは元気な証拠だ」

(それ、子の場合なんだけど……)

 

 そう思う将和だが、王双ーー炎蓮は気にせず将和にのし掛かる。

 

「取り敢えずヤるぞ。こちとら最近してないから歯止めが効きそうにねぇんだよ」

「ア,ハイ」

 

 将和は炎蓮の豊満な胸を堪能する事にしたのである。

 

 

 

 

 

 

「此方はもう首ったけなんだ。今更戻れるかよ……」

「何か言った?」

「何でもねぇよ」

 

 炎蓮はそう言って恥ずかしいのを悟られないためにキスをするのであった。

 

 

 

 

 

 




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