『三好in恋姫(再リメイク)』   作:零戦

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後1話で……。


第十四話 防衛、唐竹割り

 

 

 

 

 

 

 

 将和は程昱が帰る前に二通の紙を渡した。

 

「曹操に渡してくれ。それが俺の返答だとな」

「分かりました~。それと三好様、ご武運を」

「ありがとう程昱」

 

 程昱の言葉に将和はそう述べて程昱は許昌に戻るのであった。そして将和は準備を急がせた。街の代表達を呼び寄せ長沙が戦場になる事を伝える。

 

「直ちに郊外へ逃げてくれ。無論、その分の補填は出す」

「そんな三好様。我々も戦いまするぞ」

「その通りです。我々は袁術様の頃から貴方方にお世話になりました。此処で恩を返さぬはいつ返すのですか」

 

 代表達はそう言うが将和は首を横に振る。

 

「駄目だ。もし長沙の城が落ちれば奴等は貴方方の物を略奪するだろう。それだけは俺も許されない」

「何と……」

「我々の為に……」

 

 将和の言葉に代表達は感動しているが将和としては時間が惜しかった。

 

「兎も角、今は郊外に逃げるんだ」

 

 代表達の反論は許さない将和であった。そして魏では程昱が荊州から帰ってきていた。

 

「ただいま戻りました」

「ご苦労様風。それで荊州はどうだったかしら?」

「はい~。朝敵と言われても平然としておられました」

「成る程ね……」

「それと三好様から二通の手紙を頂きました。華琳様にとの事です。先に此方を……」

「あら、手紙ね……」

 

 先に渡された紙を見るとそこには五胡等への対処要領が記載されていた。

 

 ・五胡が悪いのか、我々が悪いのかよく考える事

 ・万里の長城、改修したら?

 ・五胡対策に公孫瓚は適任者だぞ

 ・商人張世平は公平な取引をする人物であり信用出来る人物である

 ・蜀は表面上の付き合いにした方が身のため

 ・文官育成のために学校作れば?

 

 

 等々であった。曹操も確かにと納得出来る文面でもあり曹操としても荊州はちょっと惜しいと思っていたが程昱からの二枚目の紙を見て怒髪衝天の勢いだった。

 

『掛かってこい貧乳。巨乳が多い荊州軍が相手になってやる』

 

「……あの……華琳……?」

「……フフフフフフフフフフフフフフフ……三好将和は私自ら斬り刻んであげるわ!!」

 

 何故か曹操の後方から竜が吠える映像が見える一斗であった。それはさておき、各国が準備をしている中で先に動いたのはーー蜀であった。

 この頃の蜀は天の御使い達による会談で領土分配で漢中を得て兵力を大きく増強していた。その兵力を以て蜀は白帝城方面から夷陵へと10万の兵力で侵攻したのである。

 

「風鈴には手筈通りにと伝えてくれ」

「御意」

 

 夷陵方面は第四軍司令官の風鈴が担当しており風鈴は将和の伝令からの命令を忠実に守り地形を活かしての遅滞戦闘を展開が開始されたのである。

 

「クソッ荊州軍め!!」

「落ち着くのじゃ焔耶。焦っていては敵の思う壺じゃぞ」

 

 蜀軍の幕舎で遅滞戦闘を行う荊州軍に魏延が怒るがそれを厳顔(先手の総司令官)が諌める。

 

「しかし桔梗様!?」

「まぁまぁ厳顔殿の言う通りですぞ魏延殿」

 

 怒る魏延を蜀軍の軍監である法正もそう言う。

 

「敵が遅滞戦闘を行うのであればそれはそれで結構な事です。我々は確りと足場を固めれば良い事です」

「フム。確かにの」

「幸いにして我々は夷陵までを攻略しています。ならばこそこの足場を磐石にする必要があります故……」

「それは分かっているが……」

 

 法正の言葉も分かっているつもりではあるが心が納得出来てない魏延だった。そして蜀軍は後詰めの部隊である馬超隊3万が到着すると再び進軍を開始し江陵方面に向かうのである。しかし江陵城では第四軍が立て籠り防戦が続くのであるが蜀軍が江陵城を包囲して3日目の夜半頃、蜀軍の陣後方から地響きがしてきた。

 

「これは……」

「まさかッ!?」

 

 警戒していた兵士達は後方を見ると騎馬隊が押し寄せていた。それは恋が率いる第一遊撃機動師団であった。

 

「火矢を放つのですぞ!!」

 

 恋の軍師であるねねが叫び騎兵達は火矢を蜀軍の陣に向かって放つ。火矢は天幕や食糧倉庫に突き刺さり火を起こさせていく。

 

「ねね、銅鑼」

「はいですぞ!!」

 

 銅鑼が鳴り響く。ジャーン、ジャーン、ジャーンと音を鳴らし遊撃機動師団は蜀軍の陣へ突撃を開始する。

 

「掛かれ掛かれェ!!」

「防ぐんだ!!」

 

 柵は瞬く間に破られ警戒していた兵士達も一突きされ地に伏せる。蜀軍の陣内は混乱を極めたのである。

 

「防戦だ、防戦するんだ!!」

 

 銅鑼の音で飛び起きた魏延が大金棒の鈍砕骨を振り回しながら防戦をしていた。そこへ赤兎馬に乗った恋がやってきた。

 

「貴様が大将だな!?」

「……恋。お前討つ」

「しゃらくせェ!!」

「待て焔耶!! 其奴は呂布じゃぞ!!」

 

 駆けつけた厳顔の言葉を無視して魏延は恋に戦いを挑むが勝負は5合で決着がついた。鈍砕骨を弾かれ恋はそのまま方天画戟で魏延の喉元を突いた。

 

「しまーーー」

 

 それが魏延の最後の言葉だった。次の瞬間にはドシュッと鈍い音と共に魏延の頚が宙を舞ったのである。

 

「え、焔耶ァァァ!?」

 

 ゴロッゴロッゴロゴロと魏延の頚が転がり厳顔の下で止まった。その頚を厳顔はサッと拾い開かれていた瞼を閉じそのまま馬に乗る。

 

「引けッ引けェ!!」

「……追う」

「恋殿、追撃は無用ですぞ!! これ以上の時は掛けられないのです!!」

 

 恋は赤兎馬に跨がって厳顔を追撃しようとしたがねねが時間切れを言うと大人しく従う事にしたのである。

 

「分かった。ねね、引き揚げの銅鑼」

「了解ですぞ!!」

 

 ジャーン、ジャーン、ジャーンと銅鑼が再び鳴り響き遊撃機動師団は引き揚げていくのである。遊撃機動師団が引き揚げた後、蜀軍は再度陣幕に入ったが被害は甚大であった。

 将は魏延が討死し軍監の法正も撤退の最中に流れ矢の命中でそのまま大量出血で死亡した。兵士も約1万の死傷者を出し食糧等も焼き払われたのである。

 

「これでは江陵城を攻略するなんぞ無理じゃな。夷陵まで引き揚げよう」

 

 厳顔は溜め息を吐き軍を整えて夷陵まで撤退するのである。軍の敗退は直ぐに白帝城にいた劉備達にも報告がされたのである。

 

「そ、そんな。焔耶ちゃんと法正さんが討死だなんて……」

「はわわわ。桃香様、私が行きましゅッ」

 

 そう具申したのは孔明であった。

 

「雛里ちゃんを残しますので南蛮には対処可能だと思われます」

「で、でも……」

「桃香、朱里を信じよう」

「ご主人様……うん、分かった」

 

 斯くして蜀は孔明を総司令官としつつ武将は馬鉄に馬休、雷同、呉蘭、張翼、張嶷等が参戦し兵力も8万とし夷陵で馬超らと合流した事で計15万に膨れ上がったのである。

 

「分かりました。孔明が相手なら私もそこまでやれるとは思いません。そこで城は捨てます」

「捨てるのです?」

「えぇ。旗は全て立てておき誰もいないようにしておきます……が、そこは計略です」

「どのように?」

 

 風鈴がねねに耳打ちするとねねは納得したように頷く。

 

「成る程、分かりましたですぞ。直ちに準備に入ります」

「お願いね、ねねちゃん」

 

 そして第四軍と遊撃機動師団は江陵からも撤退する。その頃、南陽では狼(王平)率いる第五軍は魏軍と遅滞戦闘を行っていた。

 

「流石は曹操が鍛えし軍だな。崩せる隙が無い」

「そうぼやくな狼。俺達は時間を稼ぐだけで良いんだ」

「しかしな楼嶺……」

「しかしも案山子もあるか。夏侯徳と夏侯尚を討ち取っているんだ、夏侯淵からも目の敵にされんぞ」

 

 曹操は夏侯惇を主軸に許褚、夏侯徳、夏侯尚で軍師に郭嘉を派遣していた。事実上の総司令官でもあった夏侯惇は力押しでの南陽城攻略を主張した事で夏侯徳や夏侯尚も同調した。郭嘉は時期尚早過ぎると反対したが夏侯惇は押し切って南陽城に突撃したのである。

 しかし、南陽城から返ってきたのは火槍の石弾であった。狼は火槍を1000丁近く保有しており三人一組で敵の指揮官級を狙撃させた。これが当たり、夏侯徳、夏侯尚はそれぞれ頭、腹に大穴を開けて戦死したのである。

 瞬く間に二人の武将を失った事により魏軍も一旦は郊外へ後退したのである。そして郭嘉は状況を報告し増援を要請し曹操も認めた事で新たに楽進、于禁、曹仁等を筆頭に5万の兵力を与えて出撃させたのである。

 

「泠牙に伝令を出して奴等の輸送隊を襲うように言ってくれ」

「持久戦に持ち込む腹か」

「まぁな。奴等は多いがその輸送隊が襲われたら……後は飢え死を待つだけだ」

「おぉ怖い怖い」

 

 そう言う狼であった。南陽方面では睨み合いに近い状態が続くが江夏郡は違っていた。呉軍は鄂県まで船で進出、呉軍は16万を出していた。

 主軸は孫策を筆頭に周瑜、黄蓋、程普、太史慈、そして天の御使いである南郷も参戦していたのである。

 また呉軍は孫権を主軸にした軍で約7万の兵力が交州の南海郡に侵攻していたが、楼杏の第一軍に翻弄されており被害は続出していた。その為、孫権軍の中では撤退も考えられていた程である。

 そして江夏郡に侵攻していた孫策軍主力は上陸した鄂県から沙羨まで進出していたがその郊外で将和の主力と接触したのである。

 

「まさか此処で出会すとはな……」

「これって私達に運が向いているという事ね」

(だと良いがな……)

 

 孫策の言葉に周瑜は内心そう思う。どうも、胸騒ぎがして仕方ないのだ。それに周瑜も体調を崩しておりこの戦が終われば休養という事になっていた。

 対して将和の陣営では唸っていた。

 

「むむむ。孫策め、此方に来たわけか。てっきり霞がいる西陵方面に行って地盤を固めると思っていたが……読みが外れたか」

「何がむむむだ主。これは好機と捉えるべきでは? 少なくとも呉の主力が目の前にいるんだ。此処で蹴散らすべきだろう」

「そうですね~。むしろ霞さんには伝令を出して呉軍の後方を遮断するようにしましょうか」

 

 将和の言葉に星と隠はそう反論する。

 

「フム……我が軍は直卒隊の55000か……それに将も星、紫苑、炎蓮、愛紗……よし釣るか」

「ご主人様、釣るとは……?」

「フフ、文字通りだ。愛紗、紫苑と炎蓮を呼んでくれ。呉軍を撃滅する作戦だ」

「はッ」

 

 そして紫苑と炎蓮も呼ばれて軍議となる。

 

「星と紫苑はそれぞれ2万ずつの兵を率いて後方10里にある草原の左右に伏せてくれ。そして銅鑼の合図と共に襲い掛かれ」

「成る程。奴等は釣られますかな?」

「釣られるさ。俺という餌がいるからな」

「なッ!? ご主人様、それは危険過ぎます!!」

「大丈夫だ愛紗」

 

 反論する愛紗に将和は頭を撫でると愛紗も満更ではない様子だった。炎蓮は笑みを浮かべていた。

 

「成る程。引き寄せか……やるじゃねぇか」

「餌は俺。その対価は孫策、黄蓋、程普、太史慈だ。どうだ炎蓮、やる気が出たか?」

「無論だ。オレがいないからって腑抜けた様子になってるから頚を刈り取るまでだ」

(おぉ怖。まぁ炎蓮も孫策達が死んでも孫権と孫尚香がいるから血筋は何とでもなると思っているのか)

 

 意気込む炎蓮に将和はそう思うのである。斯くして方針は決まり、軍勢を分割し将和の部隊15000は孫策軍と対峙したのである。両軍が対峙する中、先に出たのは孫策だった。

 

「三好に告ぐ!! 直ちに我が軍門に降りなさい!! 降れば民百姓の命は助けてやるわ!!」

 

 そう叫ぶ孫策に将和も出た。

 

「よぅ……幼女殺しじゃないか。キャンキャンと吼えるな騒がしい」

「何ですってェ………」

 

 将和の言葉に孫策は殺気を将和に向けるが将和も将和で孫策を睨んでいた。

 

「ったくよぅ……こちとらわざわざお前ら孫呉が独立しやすいように裏で工作していたってのに……恩を仇で返すか。まぁ仕方ないわな、孫堅からそんな事すら学ぶ必要なかったか」

「母様を侮辱するな!!」

「侮辱? 誰が侮辱した? お前ら自らが孫堅を侮辱してるんだろ。知らないだろ最期の言葉? 孫堅はな、孫呉が独立しやすいように俺らと同盟をしたいと言っていたんだ。それをお前らは踏みにじりやがった」

「嘘よ!!」

 

 無論嘘である。将和の嘘八百であり、隊にいた炎蓮は爆笑していたりする。

 

「まぁそんなこっただから美羽の頚をはねるしか脳が無いだけか」

「貴様ァ!?」

「落ち着け雪蓮!!」

 

 『南海覇王』を抜こうとする孫策に南郷は叫ぶ。このままでは相手の思う壺であったからだ。

 

「おぅ、天の御使いとやらか。お前らも上手くやれたもんだな。荊州を落とすのに三国同盟たぁ……お前らの頭もたかが知れるな」

「……俺の事はどうでもいい……けど、雪蓮や皆を馬鹿にするのは許さないぞ!!」

「馬鹿にする? あぁ、馬鹿にしかやれんだろ。俺も孫呉に仕えなくて良かったと思っているぞ。どうも孫呉の連中はアホと面子意識高過ぎ君なのしかいないみたいだな」

 

 将和がそう言って肩を竦めると孫策はもう我慢ならないと『南海覇王』を抜いた。

 

「孫呉が侮辱した罪……あの世で後悔しなさい!!」

「言い返してやる。美羽の頚をはねた罪……あの世で美羽に謝罪してこいやァ!!」

『掛かれェ!!』

『ウオォォォォォォォォォォォォォォ!!』

 

 将和と孫策が同時に叫び、孫策軍は突撃する。将和は直ぐに戻り指示を出す。

 

「弩隊構えェ!!」

 

 弩(クロスボウ)を装備した弩隊が前に出て構える。そして距離が300を切った時に将和は叫ぶ。

 

「放てェ!!」

 

 弩隊が次々と矢を放つ。放たれた矢は外れるのが多かったがそれでも命中する者は多数おり倒れていく。弩隊は矢が尽きるまで射ち尽くすと後方へ下がる。

 

「槍隊用意!!」

 

 入れ替わりに槍隊が前に出た。距離は100を切っていた。

 

「前へェ!!」

『ウオォォォォォォォォォォォォォォ!!』

 

 そして両軍は激突する。鎧袖一触と呉軍は思えたが荊州軍は粘っていた。それもその筈であり直卒隊は荊州軍の中から選ばれた精鋭隊であり一人五殺を信条に行われていたのである。

 

「何なのコイツら……今まで戦ってきた兵達より侮れないわ!!」

「策殿、無茶はするでないぞ!!」

「無茶しないわよ!!」

 

 黄蓋に言われつつも孫策は槍を突き出してきた荊州兵を上段からの唐竹割りをする。まともに激突して30分、流石の直卒隊も疲れが出始め数も少なくなってきた。

 

「ご主人様ッ」

「……頃合いだな。銅鑼を鳴らせ!!」

 

 ジャーンッ、ジャーンッ、ジャーンッと銅鑼が戦場に鳴り響き、直卒隊は後退を開始する。それを見て孫策は好機と判断した。

 

「このまま追撃するわよ!!」

「しかし策殿、罠とは考えられんか?」

「伏兵だろうとこれだけの兵力なら問題ないわ」

 

 孫策はそう言って追撃を続行させ10里程の草原まで追う。そして将和は銅鑼を鳴らさせた。ジャーンッ、ジャーンッ、ジャーンッと戦場に鳴り響くと左右の草原に隠れていた星と紫苑の隊4万が姿を現した。

 

「弓隊、放てェ!!」

「射ちなさい!!」

 

 両隊は矢を放ち、呉軍の脚を止めさせた。

 

「チッ、たかが少数の伏兵ごときがーーー」

 

 孫策は舌打ちするがその多さを見て思わず驚愕した。

 

「嘘、思ってたよりいるじゃない……」

『突撃ィィィ!!』

『ウオォォォォォォォォォォォォォォ!!』

 

 左右から4万の部隊が突撃を仕掛ける。それを見て後退していた将和の隊も再度反転した。

 

「此処が勝負時だ!! 突撃ィィィ!!」

 

 残存戦力は8000程に減っていたがそれでも士気は高く、陣形も鋒矢に変更して突撃を敢行するのである。

 

「そこにいるは将と見受ける!! いざ勝負!!」

 

 愛紗は将を見つけ斬り掛かる。対して将ーー太史慈も応戦する。

 

「我こそは太史慈なり!!」

「荊州軍直卒隊、関将なり!!」

 

 愛紗と太史慈が斬り合う。1合、2合、3合と斬り合い、実に20合近く斬り合ったが制したのは愛紗であった。太史慈の槍を弾き宙に舞い地面に突き刺さる。

 

「あっーーー」

 

 太史慈は愛紗が上段から振り降ろす青龍偃月刀が最期に見た光景だった。ドカッと頭から腹近くまでの唐竹割りをされ太史慈はそのまま落馬するのである。

 

「敵将太史慈、関将が討ち取ったァ!!」

 

 愛紗の声が響く。それは呉軍の動揺を誘う事に成功する。

 

「そんな、梨晏が!?」

「ハァッ!!」

 

 近くで聞いた程普はその声に気を取られ星が直刀槍である龍牙を繰り出し程普の左腕に突き刺さる。

 

「クッ!?」

 

 傷を受けて程普は後方へ下がるのである。そして太史慈の討死を聞いた孫策は恨みを目の前で戦う将和に向けた。

 

「あんたのせいで!?」

「俺、何もしてなくね?」

 

 斬り掛かる孫策に将和は鍔迫り合いで応戦し両者一歩も譲らないのである。

 

「原因はお前が口車に乗せられて美羽を殺した事だろうが!!」

「ガッ!?」

 

 将和は右膝蹴りをして孫策の鳩尾に喰らわすと孫策は胃液を吐き出し膝から落ちそうになるが踏ん張って耐える。しかし、孫策の背中に数本の矢が突き刺さった。

 

「グッ!?」

 

 矢を放ったのは200m程離れたところにいた紫苑だった。

 

「策殿ォ!!」

「おっと、行かさねぇぞ」

「ッ!? やはりその声はーーー」

「やめとけ黄蓋。オレは王双だ」

 

 孫策を助けようとしていた黄蓋は横から来た王双によって吹き飛ばされる。後方にいた周瑜も兵を繰り出して孫策を救おうとするが太史慈を討った愛紗が隊を率いて側面から攻撃するので対処しきれなかった。

 

「私はァ!!」

「黙れ小娘ッ」

 

 右手で『南海覇王』を振り下ろした孫策だが将和は避けて右腕を斬り落とす。

 

「グウゥッ!?」

「痛いか? 痛いだろうな、けどな……美羽はもっと痛かったんだよ!!」

「ッ!?」

 

 将和は孫策の左肩から右腰に向かって斜めに斬り落とす袈裟斬りをする。孫策の左肩から真っ二つに割れ、プシューと血が吹き出し将和に振り掛かる。

 

「ぁ……」

 

 孫策はそのまま地面に倒れたのである。

 

「……敵将孫策、三好将和が討ち取ったァァァ!!」

『………ウオォォォォォォォォォォォォォォ!!』

 

 将和の叫びを聞いた直卒隊は雄叫びをあげる。

 

「雪蓮!?」

 

 そこへ南郷が兵を率いて駆けつける。倒れ伏す孫策を抱き起こそうとするが、紫苑が再度矢を放ち南郷の背中に命中させる。

 

「ギャッ!?」

「御使い様!?」

 

 南郷がやられた事に兵達は動揺しその隙に将和は南郷に詰めるために兵達を吹き飛ばす。

 

「よぅ御使い様ぁ……ようもやってくれたなぁ?」

「み、三好将和!?」

「取り敢えずは腕の1本でももぎ取られろや!!」

「ギャアァァァァァ!?」

 

 将和は南郷の左肩から斬り落としら南郷は痛さでのたうち回る。

 

「一翔ォォォ!!」

「お、良かったな。黄蓋と程普が来たから助かったな。じゃ俺は帰るわ」

 

 黄蓋と止血してきた程普が兵を率いてきたので将和は馬に乗りその場から離れるのである。黄蓋と程普は孫策と南郷を回収すると直ちに撤収し、周瑜も涙を流しながらも撤退をさせるのであった。

 なお、呉軍は鄂県から撤退中の時に邾県から船で駆けつけた霞の第二軍の攻撃を受けて更に損害を出しつつも江夏郡から撤退するのであった。

 

 

 

 

 




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