長門が目を覚ますと、体が拘束され、複数の少女がそれを見ていた。
「麻酔弾よ、91式徹甲弾使いたかったわ!」
陸奥は不満そうに顔を近づけて言った。
「雷はどこだ!」
長門は必死に抵抗するが、鎖に繋がれて身動きが取れない。
「私を覚えていますか?ながもん」
突然声がした。見ると、赤い袴の弓道着を身に着けた女性が立っていた。
「誰が忘れるものか、このゲス女。オリョクルでどれだけのでち公が苦しんだことか」
彼女こそ元一航戦で、辺境のバルベルデ鎮守府に君臨し強力な航空戦力によって一代で大鎮守府を作り上げた一方、その戦力維持のためにブラックな遠征・クルージングで駆逐艦や潜水艦を苦しめ、挙句の果てに資源収奪のために人間と戦争を起こし、ついに長門の暗躍で失脚した赤城・・・通称:ボーキ女王である。
「ながもん、貴女には守備隊すら配置されないような辺境の島々の置かれた状況が全く理解できていません。バルベルデには厳正な規律で国民を導く艦娘が、必要なんです」
「どうして私を」
「もう一度、バルベルデに戻ってもらいたいからよ。貴女たち連合艦隊が手を貸して大統領にした大和を殺し、私が返り咲く」
「なんでそれを陸奥にやらせない・・・奴なら喜んでやるはずだ」
「それは大和が貴女を信用してるからよ。貴女を革命の英雄と呼ぶほどに。一方、陸奥さんは国外追放を受けた身です」
「ああ、楽しんで艦娘を殺したからな」
「殺しを教えたのは貴女よ」
バルベルデ鎮守府打倒の際やむを得ず艦娘や人間を殺すことがあったが、陸奥は艦娘に無用な殺生を繰り返し、軍籍を抹消された。
「貴女なら、難なく大和に近づき、奴等を殺せる。あなたを見つけ出すのは大変な手間でした。陸奥を含め、かつての貴女の部下を殺せば金剛提督が貴女の所に案内してくれます。結果は私の予測通りになりました。あとは、貴女の承諾を取り付けるだけです」
「くたばれ」
長門がそう言うと赤城は目をむいて忌々しげに長門を睨みつけた。陸奥が部屋の戸を開けると、椅子に縛り付けられた雷が現れる。
「ながもん」
「雷!」
再会もつかの間、陸奥はナイフを雷の喉元に突きつけた。
「雷を離せ!」
「ながもん、大和を殺せばお嬢さんはお返しします。もし裏切っておかしな真似をすれば、不本意ながら彼女の首と胴を別々に貴女に返さなければならなくなります」
赤城はボーキを片手に笑顔でそう言った。長門に選択の余地はなかった。
金剛は阿賀野達から定時連絡が来ないとわかるとすぐにながもんハウスに引き返した。
阿賀野達と以前素行不良で除隊された軽空母の遺体が回収されたが、長門と雷が見つからない。そして明らかにこの襲撃が自分の行動によってもたらされたことに怒りと不甲斐なさを感じていた。
「長門サンはまだ見つかりませんカ!」
彼女らしくもない苛立った怒声で捜索隊雪風に尋ねる。
「いえ!3人の死体だけです。まだ他にもあると?」
「ながもんが生きていれば死体は増えるはずデス!」
(・・・・なにそれ怖い・・・)
少し引いている雪風をよそに、金剛は捜索範囲を広げる指示を出した。
(長門サン、雷ちゃん・・・必ず助けマース。どうかそれまで御無事で・・・)
・・・舞台裏。
ガタゴト
吹雪「ちょっと、しれいか・・・ここでは監督さん。どうして私が降板なんですか!」
作者「すまない。渡す台本間違えちゃったんだ。君のほんとの台本はこっち」ポィッ
吹雪「無茶言わないでください。小説はもう公開しちゃったんですよ、今更変えたら読者に愛想つかされちゃいますよ!」
作者「これくらいありあけ本編でもやらかしてるよ!それに君の本来の配役は書き始める前から決まってたんだ。これしかありえない」
吹雪「ならなんで間違えるんですか・・・」
作者「ブランクで記憶があいまいなまま書いちゃって・・・」
吹雪「もう!書く前にプロットぐらい用意してくださいよ!」
作者「とりあえず話の都合上配役は変えなきゃならないんだ。画面の向こうの読者様、本来あってはならないミスをしてしまい申し訳ございませんでした。配役変更の意味が納得していただけるように誠心誠意執筆に取り組みます。どうかこれからも艦コマンドーをよろしくお願いします」