東方吠月伝   作:R,n

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#2 幻想道中膝栗毛

⁇月⁇日 夜 幻想郷 妖怪の山麓

 

カチャリと聞き馴染みのある鉄の動く音と共に、

中にある煌びやかなソレが輝き、目が移る、

周りは豊かな自然の中、まるで紛れ込んだ異物かのように見える物を手に構え、

カチャンと音を立ててソレを戻す。

「……さて、血の舞踊(パーティ)の始まりだ……!」

そんな声を漏らし、笑顔の男がソレに指をかけ……、

何かの合図かの様に、火薬音を激しく立て、暗い森に消えていった……。

ーーーーーーーーーーーーー

7月14日 昼 晴れ 幻想郷 博麗神社

 

神社内の手水舎(ちょうずや)で、男が両手で水を掬い髪を濡らす、

魔理沙はその様子をぼんやりと眺め、片や霊夢は神社から少し色褪せた手拭いを持ってきて、

「ほら、タオル……にしてもあんたも災難ね、空から落ちて……来て早々妖怪にでも襲われた?」

そう言いつつ手ぬぐいを片手で渡して見せる、その様子は呆れや同情が混じったような顔色だ、

「あ、どうも……まぁ妖怪と言えば妖怪なんでしょうが……八雲紫さんに、上空に出されたようで……」

そう男は手ぬぐいを受け取りなんともないかのようにそう言って、その名を出したのだ、

「……ゆか、り!?」

「おいおい……兄さんあんたどう言うことだよ…あの紫と知り合いって……」

「……あんた、一体何者?」

そう、片や興味津々と言った表情になり、片や警戒なのか殺意なのかわからない感情を露わにしお祓い棒を構えた、

「……ですから、ただの半人半鬼の人間ですよ……ただ、今回幻想郷で起こる()()を解決させられに来ただけの」

そう言って苦笑をしつつ手ぬぐいを片手に両手を上げた、

「……異変を…?それって……今里で起こっている?」

そう霊夢はお祓い棒の先を、男の首筋に突きつけながら、怒り混じりにそう問いただす。

「……えぇ、現在人里で起きている異変の解決を」

男はそう笑顔で語って見せた、その様子を見て、霊夢はため息を突きつつお祓い棒を静かに下ろした。

「おいおい霊夢…さっきから怒ったり落ち着いたり忙しいな……それで、お兄さんは、この異変、犯人の心当たりとかあるのか?」

そう言いつつ、魔理沙は男の真隣へと歩み寄って下の方から男の顔を見上げて見せる、

そんな様子に男は苦笑を交えながら……

「私何も聞いていないので分からないんですよ」

「ってあのなぁ……!」

綺麗な笑みに作り変え、そういった瞬間魔理沙はガクリと体が落ち、深いため息を吐く、

その様子を見て霊夢も深いため息を吐いて、呆れた様に呟き始めた、

「……ま、あんたが紫と繋がって、派遣されていた所で……外来人のあんたにとっては関係ない話よ、この後は人里に送って……そこで、外来人に良くしてくれる奴がいるから……ソイツから、宿を借りるなりするってとこまでね、私が付いてくのは」

「おいおい霊夢、お前良いのか!?紫からの応援なんだろ!?」

霊夢のその冷たい対応に驚きのあまり声を荒げてそう訪ねているが……、

「………どうせ、私1人で解決出来るわよ……大方、新しく来た妖怪が、ルールも守らず攫ってるだけでしょう?……大方鳥か虫……そんなの私のお祓い棒で十分よ」

そういうと共に片手で持っていたお祓い棒を回し、宙で掴んで構え直す。

「……虫、もしくは鳥という事は……大方羽音でもしていたのでしょうか?」

そんな少し剣呑とした空気の中、件の男は手拭いを頭に乗せ、髪の端からポタポタ水を滴らせながら、興味深げな表情をしつつ、顎に手を当て考えるそぶりを見せていた。

「……あ〜……お兄さん……その〜……な?」

「……外来人のあんたには、関係のない事よ……魔理沙、あんたちょっとこの外来人人里まで送ってくれる?……アンタの箒なら、二人乗りできるでしょ」

少し居心地の悪そうな伸ばす様な声を絞り出している魔理沙に、霊夢はあいも変わらずツンケンとした対応をとりながら、森を眺めてそうぼやき……上を見上げて何かの体勢を整えて、

「あ、おい霊夢!」

「……じゃ!私は先行ってるから!」

「…飛行技術か…魔術……というよりは、陰陽術の延長線上……色々混ざっている……?」

その様子に気づき、魔理沙が手を伸ばして声を掛けるが、霊夢はそのまま地を蹴り、その勢いを増して空へと飛び上がり……圧縮された空気が勢い良く境内を噴き晒した……そんな中、男はポツリとそう呟いて……空に浮かぶ点となる彼女を眺め続けていた。

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