偉大なる賢王を鏡に閉じ込めた?じゃあ代わりに貰うね。賢王の王国再建記 作:クロアブースト
それでもNGだった場合は即削除や非公開予定なので注意。
どうしても一代で国を築いてワンオペで国を支えた偉大なる賢王を「頑張ったね」とよしよししてあげるショタが書きたかったんだ(暴論)
【某原作知らない方向けの簡易あらすじ】
観光都市オリンピア。そこは一代で築き上げたアグニ王と呼ばれる者が国民からの願いを対価に衣食住から国防までワンオペで統治し14世紀以前としては安全な国。
しかも願いを時々叶えるおまけまである。
後継者探しをしていたら、弟子候補だった少女が突如魔女に変貌して革命発生。最後は鏡に封印されてしまう。
所々拙い文章ですが、それでも良ければどうぞ。
オリンピア王国、観光都市でありあらゆる願いの叶う場所とかつて言われていた王国である。
そう過去系である。
理由は一人の少女が起こした革命により、国をワンオペで管理していたアグニ王が鏡に封印されたからである。
そして革命後は王妃が国の主導に立ち上がり、夢は自分で叶えると国民達は意識を切り替え新生オリンピア王国へと変貌した。
そんな中、一人の黒コートに黒フードを着た魔法使いが鏡の封印されている地下牢に訪れていた。
見張りをしていた衛兵達は眠りの魔法で昏睡させ、難なく辿り着く。
所詮は国防や治安維持を最低限の近衛兵以外では行っていなかった革命から数年も立ってない国。
魔法に対する対策などもまだまともに出来ておらず、寧ろ税金の大幅値上げによる市民の不安や、他国からの侵略に対する国防対策など気にしなければならない問題が多く、内部統制に手が回りきってない状態だったのである。
「魔法対策なんてそれこそ外部から凄腕の魔法使いを呼ばなきゃだけど、革命直後の国で余所者は入れたくない。寧ろ今まで王様頼りの国防への軍備増強で税金を大幅値上げしたから市民からの不満のボイコットとかでそれどころじゃないか」
黒コートの少年は黒フードを外すと金髪碧眼の少年らしい顔が出てくる。
彼の名はマクスウェル。
彼を知る者にはマクスと呼ばせており、長い時を生きる魔法使いである。
彼の目的は革命で鏡に封印されたという袂を分かつ事になった弟子を助けに来たのである。
タイミングも良く、革命を起こした少女……いや弟子を封印したのだから魔女で良いだろう。
その魔女は出国しており、魔女に力を与えた外来生物も不在なのもあって魔法使いに取って侵入は容易であった。
というか警備がザルすぎて密入国とか自分以外にも間者が何人か紛れてたけどオリンピア王国は大丈夫なのか疑問に思う。
「これがアグニ君の封印されている鏡か」
鏡に触れながらマクスは呟く。大人が全身を映しても問題ない位には巨大な円盤状の鏡であった。
「封印を解くのに時間が掛かるな。ダミーと取り替えて持って帰ろうか」
マクスはそう言って鏡に触れながら複製の魔法を扱う。
複製の魔法は右手で触れた物体を左手に複製品を作り出す魔法である。
「あちゃー、流石に姿形までは真似れたけど、性質までは無理か。けどこの国で革命起こした魔女は出国してるらしいし、他に魔法使いはいないから暫くはバレないだろう」
複製の魔法と言っても姿形までは複製出来ても封印した物や封印出来る鏡の性質までは複製出来なかった。
そしてマクスは小さなポシェットに巨大な鏡の先端を近付けると見た目にそぐわぬ鏡を取り込んでいく。
「新開発の"勇者の袋"ってね。じゃあ見張りに捕まる前に変えるかな。じゃあねオリンピア王国、偉大なる賢王抜きで頑張ってね~」
そう言ってマクスは亜空間のゲートを開いてオリンピア王国から去ったのであった。
後にオリンピア王国では地下牢に侵入者が現れたのかと騒がれるものの、アグニ王を封じられているとされる鏡も無事かつ警備兵も昏睡させられただけで無傷だったが故に警備兵達は内々で処理して報告しなかった。
理由は独立直後に不備を王妃に咎められるのを警備兵達は恐れたからである。
それ故に魔女が帰国する頃には何時侵入したかの痕跡を知る者すら不明な状況が出来上がるのであった。
「ん……ここは……」
眩い光に目を細め壮年の髭を生やした男、アグニ王はベッドから起き上がると民家の天井が見える。
その天井の染みは懐かしさをアグニ王は感じる。
かつて師と袂を分かつ前に一緒に住んでいた民家の様で……
「あ、目が覚めたんだねアグニ君」
「その声は……半世紀ぶりですね我が師……」
黒フードの金髪碧眼の少年を見てアグニ王は忘れもしない見覚えあるシルエットから自分の師だと呟く。
だがアグニ王には王国を努めていた頃の覇気は無く憔悴しきっており……
「そうか、君……国民に裏切られて折れちゃったんだね」
既に心が折れている様子であった。
「ほら、心が折れても生きるのに食事は必要だよ。あ〜ん、しようか?」
「……いえ、我が師よ。流石に自分で食べれますから大丈夫です」
持ってきたシチューとスプーンを渡され、ちびちびと食べるアグニ王。
かつて国を治めてた頃のナルシストキャラは面影すらない。
「まずは食べる!愚痴や文句は食べ終わったら聞くから」
「……」
アグニ王はマナーとして一口は食べたが、それ以降自ら進んで食べようとしない。
哀愁漂う姿からは裏切られたショックからなのか、それとも禁忌にまで手を出した自分への自罰的後悔からなのか……
マクスはその思考を一旦捨てて切り替える。
それよりも伝えたかった事があったからだ。
フワッ!スッ
空を飛ぶ魔法で器用にアグニ王の頭に手が届く位置まで上昇し、アグニ王の頭を優しく撫でる。
「アグニ君が無事で良かったよ」
安堵の表情で言うマクスの言葉を聞いてアグニ王は……
ボロボロ
瞳から涙が止めどなく溢れて来る。
無償の愛、建国後に願いを叶える度に感謝を忘れるなと言って国民から感謝されることは多々あれど、利益に基づいた感謝でしか無かった。
そして自分が愛した筈の王妃も容易く自分を見限り愛されていたなど口が避けても言えなかった。
今まで孤高に国の繁栄に尽力してきたアグニ王へ損得勘定抜きに込められる愛情が彼の胸に突き刺さったのである。
アグニ王はシチューにスプーンを入れてスープを口に入れる。
「我が師よ……このシチューは、私には少々塩辛いです……」
「うん……次はもう少し水入れて作るから今回は我慢してね」
「はい……私は良く出来た弟子だから……我慢出来ます……」
「そうだね。君は僕の弟子の中で一番忍耐強い子だったよ」
「……ッ。師よ、弟子を、これ以上泣かせるのは止めて頂きたい」
「アハハ、ごめんねアグニ君。意地悪過ぎたね。まあ僕は悪魔だから許してよ」
「全く……貴方の献身に泣かされた弟子がどれ程いたことか……」
そう言いつつもアグニ王はシチューを食べる手を止めなかった。
「私は間違ってたんでしょうか師よ……」
食事を終えた後にアグニ王はマクスへ尋ねる。
「間違ってはいたね」
「ッ……」
「ああ、君がじゃない。君に任せて堕落した国民と王妃がさ」
顔を歪めたアグニ王へ慌ててマクスは答える。
「オリンピアは王抜きでは成り立たない。国防すら君が担当してたからまともな軍事力が無いから他国からの侵略に無防備だ。まあそれよりも税金の大幅値上げで国民からの突き上げの方で内部崩壊が先かな」
今まで軍備から統治まで魔法で補っていたのを人手で補う以上は人件費が付き纏う。
願いの代わりに税金で治める必要があるが、今までまともな税金制度すら無かった国で国民からどれ程納税出来るか理解出来てるだろうか?
いや分からないからこそ間違いなく見誤る。
それに納税とは奪われる行為に等しく、いきなり納税しろと言われて気分の良い国民などいないだろう。
まあ僕が統治の専門家ではないので上手く行く可能性もゼロではないのだが……
「まあその問題は君を追放した国民と王妃の問題だから気にしても仕方ない。それより君の将来の方が大事さ」
マクスは拍手と共に両手を広げると幾つかの幻影が現れる。
幻影はデフォルメされた民家、城の二つ。
「1つは僕と一緒に暮らす。やりたい事が見つかるまで好きにすれば良い。僕は弟子には甘いから君がニートだろうと見放さないよ」
「以前ニートだった弟子の尻を蹴飛ばして働かせてたでしょうに……」
「あの娘は例外。何でも出来る癖に引きこもり体質で僕が押さなきゃ決して動かない怠惰な娘だったからね。まああの娘もそれを望んでたからしてあげたんだけど……」
マクスは民家の幻影を右の掌で転がしながら答える。
アグニより先に弟子にした娘は怠惰かつかまってちゃんだったのでマクスも渋々働けと尻を蹴飛ばして押して上げてたのである。
「次は新しい国を作ること。但し、今度は君のワンオペでなく君以外の国家運営の首脳陣も揃えること。君の失敗の原因の一つはワンオペ故に理解者がいなかった事。もし君以外にも国家運営をする人間がいたならば革命を未然に防げたかもしれない」
「国民全てが敵に回ったのですよ……本当に必要でしょうか?」
「国民全てが反旗を翻す時点で詰んでるよ。だからそうならない為の制度はきちんと必要。三人寄れば文殊の知恵って奴さ」
左手で城の幻影をクルクル回しながら答えるマクス。
「あ、言っておくけどオリンピアに戻るのは無しだ。革命を起こした以上、国民は君を受け入れないし、蔑ろにした国民を僕も許せない。あの魔女は僕の視界に入らなければ不干渉だけどあったら八つ裂きにしたい位には憎んでる」
「八つ裂きって……やり過ぎでは……」
「善政を敷いてた僕の弟子から国を奪った革命家だよ。いたずらに国を乱す魔女なんだから他国だって危険視してるさ」
アグニ王はマクスとしては珍しい低い声での言葉にゾッとする。何せこの師は悪魔に揶揄されるレベルで厄災を振りまく事すら容易なのである。
「本当は君を救った後にオリンピアに魔法で疫病でもばら撒こうかと思ったけど、流石にそれは非人道的だから止めた。流石に他国にまで広がったら申し訳ないしね」
「そうして頂きたい……」
「答えはゆっくり考えて出すと良い。僕は王様からの野暮用でちょっと席を外すけれどゆっくりしてってね」
「……師は宮廷魔道士をしているのですか?」
「そうだよ。全く困るよね。ハゲ治療とか妾の避妊を誤魔化してるかを見破る魔法とかどうでも良いことばっかり呼ぶんだからさ」
あの人間嫌いの師が宮廷魔道士をしているのにアグニ王は驚いた。
何せマクスは凄腕の魔法使いだが、人間という個は好きでも種族単位なら嫌悪しているから以前建国後の統治も断られたからである。
『悪いけど僕は遠慮するよ。僕は人間の個は好きだけど種族単位としては嫌悪している。数の集まった人間は何をやらかすか分からない怖さがあるから信用出来ない。君と違ってね☆』
なんて言って袂を分かったのだから。
だが今は師匠を見送る言葉を送るべきだろうと切り替え言葉を告げる。
「いってらっしゃい師匠」
「!?」
アグニ王の言葉に目を大きく広げて驚愕するマクス。
しかし笑顔で手を振って言う。
「うん、行ってきます」
そうしてマクスは出ていくのだった。
マクスウェル
…オリ主で通称マクス。かつて国を滅ぼされて身寄りの無かった後のアグニ王を拾って弟子に取った黒いコートに黒フードの金髪碧眼の少年。
弟子だったアグニ王をアグニ君と親しみを込めて呼んでいる。
子供っぽい口調だが、弟子想い。
王国建国の際にも手伝い、アグニ王に師も共に住まないかと言われたが、断った。
アグニ王
…一代で国を築いてワンオペで統治してた偉大なる賢王。後継者探ししてたら若き活動家に秘密をバラした結果、即クーデターから鏡に封印される。
本編ではマクスに拾われ弟子入りし、魔法を学んだという設定。今は療養中。
怠惰な娘
…アグニの言ってた怠惰な弟子の一人。尻を蹴飛ばしてあげないと働かない位に引きこもり
まあ救済としてはこんな感じで良いかな。続きを書くかは未定ですし、削除依頼来たら即消す予定なのでご了承下さい。