偉大なる賢王を鏡に閉じ込めた?じゃあ代わりに貰うね。賢王の王国再建記   作:クロアブースト

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久し振りに投稿。
ソシャゲーの九英雄的なのに触発されて、別作品で用意してた設定混ぜ合わせて良いやと投稿しました。
やっぱアグニ王の元ネタの王様には王妃より、最後まで着いていく位の忠臣がいればまだ闇堕ちしてなかったんじゃないかと思うけど……
まあその後の映画も中々叩かれてたから、きっと王様も鏡に避難させられてて良かったと思うよ(暴論)


光の王様とマクスと怠惰な弟子

ルミナス王国。

スターライト家が代々王族として統治する国家であり、宮廷魔導士と呼ばれる者達が国防や繁栄に関わるという珍しい国である。

 

 

「マクスよ……ワシは生涯現役でいたいんじゃ。無論不老不死になりたいなどとは口にせんよ。ワシも王妃も老人になるのを受け入れておる」

「ライト君……」

「だから王妃と生涯にゃんにゃん出来るように絶倫の魔法を作ってくれんか……」

「不用意な世継ぎは派閥争い生むから駄目!」

「そんなぁ……」

 

王は子供のようにがっかりしたように言う。

マクスを呼び出したのは40代後半の男性であるスターライト7世ことスターライト王だ。

本来ならば宮廷魔導士なので王様や陛下と呼ぶべきなのだが、統治と無縁の個人的なお願いで頻繁に呼び出されるのでマクスはライト君と呼ぶようになったし、王様自ら認めている。

 

「前回のハゲ治療と妾の避妊を見破る魔法でも言ったけど、世継ぎは派閥争いに繋がるんだから自重してよね」

「分かっている。だから危険日はきちんと避けておるし、避妊もした上でにゃんにゃんすると合意を得ておるのだ」

「にゃんにゃん言うの止めろ!」

 

40代のおっさんがにゃんにゃん言うのはマジでキツいと感じるマクス。

因みにスターライト王は王族としては珍しい愛妻家なので、妾は一人しかいない。

元々は妾を取るつもりは無かったのだが、王妃に何かあった際に家臣達から王家の存続を考えた際に新しい妻を取るか、妾を取るかの二択が迫られた際に渋々妾を取っただけに過ぎない。

つまりスターライト王が愛を交わす先は主に王妃になる。

 

「そもそも君の子供、王子二人と王女一人。王族に何かあった際の妾との子供が一人とほぼ計画的に世継ぎを作ってたよね?」

「うむ。主に息子のどちらかに王位を譲るだろうが、長男が問題をやらかすか、次男が圧倒的に優秀過ぎるという事でも無ければ長男が後継者で確定だろうよ。無論、王妃や子供達だけでなく家臣達にも言い聞かせてるから王位争いの大義名分は潰しておる。因みにワシが生きてる内に王位争いしたら敗北した方は極刑にするから絶対やるなよと念押し付きでな」

「実際に王位争いがあるかはその時にならないと分からないけどね」

「気にしすぎても仕方がないじゃろう。王位は愚者に継がせる訳にはいかないが、そこそこ止まりであろうときちんと引き継げるのならばそのまま引き継がせて身内争いは避けたいと思うのだ」

「その考えは正しいよライト君」

 

マクスがスターライト王を気に入ってる理由の一つとして、親としての情を持ちながらも施政者としての立場も忘れない理想的な王だからである。

先程言った愚者に長男が該当するならば即座に次男へ王位継承を判断させ、長男の派閥を解体する方向に動き出す強かさも彼は持ち合わせている。

逆に次男が愚者で現状を受け入れず長男への妨害を企てようものなら排除も彼は躊躇なく行うだろう。

だからこそルミナス王国は繁栄と継続という面で他国よりも安定していると言えるのだ。

 

「世継ぎの件はきちんと済ませた。つまりワシは純粋な愛によって王妃とにゃんにゃんしたいだけなのだ!マクスも男ならばワシの気持ちが分かるだろう?」

「僕、恋人いたことないから分からないかな」

「ちっ、童貞が……」

「去勢しようか?」

「すみませんでしたー!」

 

スターライト王が頭を下げたのでマクスは挑発された件を水に流す事にした。

因みにもし謝罪が無かったら本当に不要だと思ってるので、次の日に痛みを感じることなく去勢させる魔法を実行するつもりでいたのは余談である。

 

「まあ世継ぎの件をきちんと対策する姿勢は分かってるから、絶倫の魔法については作れるか試してみるよ。けど下世話過ぎるから出来るかは分からないから期待しないでおいて」

「マクスってツンデレキャラなのか?」

「僕は非人道的な頼みじゃなければ大抵は受け入れるだけだよ」

「やっぱりデレ期が来てるのか!?」

「からかいは程々にね。まだ続けるならハゲ治療の魔法かけてあげないよ?」

「うむ。流石にこれ以上怒らせるのは怖いので止めようか」

 

ハッハッハと笑いながら告げるスターライト王に溜め息を吐くマクス。

 

「ところでマクスの言っていたアグニ王はどうなのだ?」

「今は王妃と民に裏切られたショックで無気力だね。幸いご飯はちゃんと食べれるし、僕に涙を見せてくれる位には心を開いてくれるから立ち直れると思うよ」

「そうか……民は安住を約束出来るなら統治者に拘りはしないとはいえ尽くしてきた民に裏切られるのは辛かろうに……」

「ライト君も民に裏切られたら悲しい?」

「ワシも善政と呼ばれる位に民の暮らしには心を砕いて来たのだ。革命を起こされたら、この馬鹿共め!もうお前達など知らん!と投げ出すだろうよ」

「ライト君大分強かだよね」

「まあそうなったら王妃は子供達含めて亡命コースだろうが、その時脱出は頼むぞ」

「勿論助けるよ。僕は契約する相手は選ぶけど、代わりに選んだ相手には正当な契約をする悪魔だからね!」

「普通悪魔というのは契約した人間を食い物にするだろうに……」

「いや確かにそれが理由で魔界から追い出された口だけど、死ぬわけじゃないから好きにするよ」

「全く人間に都合の良い悪魔だな。お主は……」

 

スターライトはやれやれと言った態度だが、マクスは生き方はきちんと決めている。

自分の好きな者には正当な契約と出来る限りの味方をすると決めているのだから。

 

「後は魔女とオリンピア王国の民には気を付けなよ。革命思想なんて統治には邪魔だからね」

「分かっている。オリンピア王国とは革命が起きてから交易は禁止し、オリンピアに行っていた自国民も洗脳されてないか確認した上で入国させている。マクスが言うように税金がほぼ無い国で革命が起こすなど異常者の集まりとしか思えんからな」

「そうだね。オリンピアは衣食住から治安維持までアグニ君が魔法で叶えてたお陰で税金がほぼ無い国だった。唯一願いを回収してたけど、それだって安定した国での暮らしの対価としては安い。だから考えられる可能性は二つ」

 

マクスは2本指を立てて口にする。

 

「魔女によって洗脳されてたか、洗脳されるまでもなく願いの回収だけで怒り革命を起こす程に堕落してるのかだね」

「願いを回収されたくなければ国を出れば良い。勿論移住にはコストと労力がかかるが、それでもオリンピアに残ってたのであれば諦められる程度の願いでしか無かったのだろうに……全く民達は愚かな選択をしたものだ」

「既に税金の徴収によりボイコットなども始まってるらしいし、オリンピア王国は自滅するだろうね。仮に税金の額が真っ当だとしても実質0な状態からいきなり税金を始めれば不満は発生するだろうし」

「オリンピアには不干渉。それが一番だろう。魔女はオリンピアから離れたらしいが、もし我が国で革命の思想活動など始めようとしたならば始末してくれる!」

 

スターライト王は堂々と魔女を排除すると言い切ったのであった。

 

 

 

 

 

「まあ来たら本気で潰すけど恐らく来ないだろうなぁ」

 

マクスは王の部屋を退出しながら口にする。

ルミナス王国では宮廷魔導士という優れた魔法使い達が数多く在籍している。

勿論魔法使いにもピンからキリまでいるので、全員が魔女に勝てると断言は出来ないが、魔法の対策がほぼ無い他国と違って魔法を一方的に使えるというアドバンテージが活かしにくい国である。

魔法の対策としては特定の味方以外の魔法を阻害する結界や味方の魔力供給を行える陣地作成と言った方法があり、魔法使いの防衛戦は対策が多い程強固になる。

マクスや彼の弟子である怠惰なあの娘が対策によるアドバンテージを活かした状態で戦闘出来るならば単独でも一国相手だろうと余裕で相手取れる位には殲滅能力はあるのだ。

だからこそ魔法使いは滅多な事が無ければルミナス王国には来ない。

何せルミナス王国で宮廷魔導士と敵対する事は生殺与奪の権を握られるに等しいからだ。

 

「し、師匠!」

 

マクスが歩いていると背後から声がかけられ、黒いトンガリ帽子を被りピンク髪と翡翠の瞳を持つ少女が慌てて駆け寄って来る。

 

「モルガン、久し振りの外はどうだったかい?」

「宮廷魔導士の人とあったけど、知らない人増えててやっぱり緊張する……やっぱりリモートワークにしない?」

「この時代にリモートワークは無理。というか一人前なんだからそろそろ自立しても良いんだよ?」

「無理無理!無理です!冷暖房やゲームなど娯楽の無いお外で暮らすなんて無理です!私みたいな陰キャを外に放ったら数日で干からびますよ!」

「やっぱり娯楽を与えたのが間違いだったかなぁ……」

 

モルガンと呼ばれた少女はマクスがルミナス王国で宮廷魔導士をする前に旅してた頃に別の王国で拾った少女だ。

その王国は滅亡寸前で彼女も兵士に囲まれてたのだが、マクスがスリープという強制睡眠魔法で鎮圧して助けてから一緒に住まわせている。

しかし問題はマクスの部屋が快適過ぎたのと、モルガンが生粋の引きこもり体質なせいでマクスの部屋から出たがらない引きこもりが誕生したのである。

 

「君、僕を除いたらルミナス王国で筆頭の宮廷魔導士になるんだから自信持ちなよ。新しい防御魔法の構築論を他の宮廷魔導士達に指導出来る位に優秀なんだから」

「ふへへ……私に掛かればちょちょいのちょいですよ~」

「うん。優秀なんだけどすぐ調子に乗るところは心配になるね」

 

才能的にはアグニ王を超えるのだが、人間的にはチョロ過ぎて歴代最低レベルというのがモルガンの評価なのは余談である。

 

「アグニ君がどうするかで僕は最悪ここの宮廷魔導士を辞める可能性がある。そうなったら君がルミナス王国を……」

「嫌です!私は師匠と一緒にいたいんです。働くのも自立も頑張りますから、一緒にいさせてください!」

「君も変なところで流されずに貫ける部分があるね」

「わふっ!?」

 

トンガリ帽子越しに頭へ手を置く。

 

「アグニ君が建国するとなったら僕と一緒に本格的に国造りの手伝いをさせるよ?それでも良いのかい?」

「い、良いです。それでも……もう私は独りぼっちは嫌だから……頑張ります!」

「ふふっ。なら頼りにさせてもらうよ。まあ僕としては君が離れたいと言わない限りは手放すつもりなかったけどね」

 

マクスはルミナス王国で宮廷魔導士をしながら戦力を集めていた。

アグニ王が革命によって国を追い出される未来も十年前から知っていて、備えていたのだ。

アグニ王が建国するなら王国の守護者として、もし建国をしないのならばルミナス王国の最高戦力として雇う計画である。

マクスが付けた名は"七大罪"。

悪魔に仕える大罪をコードネームを冠する精鋭部隊である。




モルガン
…後に七大罪の一人となるマクスの弟子。引きこもりの陰キャなのだが、魔法の才能はアグニ王どころかマクスを凌駕するレベル。
妖精郷(アヴァロン)という冷暖房完備、ゲームや本、冷蔵庫や電子レンジの代替え品まで備えた最高の引きこもり空間を作成中。

スターライト王
…名君なのだが、王妃とにゃんにゃんしたい欲望もそれなりにある王。因みに絶倫を叶えた場合、老婆になった王妃も絶倫にしてもらい生涯にゃんにゃんするという覚悟ガンギマリな王様だったりする。
妾に関しては愛情皆無というわけではなく、ビジネス寄りだが王妃の次に愛する条件で同意を貰った上で迎え入れた。
それはそれとして、もし妾が産んだ子供使って王位争いに参戦しようものなら一度は警告はするが、止まらなかったら躊躇なく不穏分子としてきっと殺す。
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