ここは、様々なウマ娘がレースでの輝きを求めて集うトレセン学園。
その栗東寮には、びっくりルームと呼ばれる部屋がある。本日はその部屋の住民、マチカネフクキタルとマチカネタンホイザの2人の様子を中心に観察してみよう。
むかーし、むかし。あるところに、かけっこが大好きなウマ娘の女の子がいました。その女の子は家族、ご近所、実家のお客さん、幼稚園のお友達、みんなから愛されていました。
ある日のこと。その女の子はお気に入りの帽子を被って秋の野山にかけっこに出かけました。女の子は舞い散る落ち葉と一緒に、風になって走りました。あっちにくるくる。こっちへくるくる。
ところが、大きな風が吹いて女の子のお気に入りの帽子をさらっていってしまいました。女の子は、えい、えい、むんと跳ねても帽子と離されていくばかりでした。
女の子は帽子を追いかけて、泣きじゃくりながら走り続けました。それでも帽子は離れていき、遂には帽子を見失ったばかりか森の中で迷子になってしまいました。
空は暗くなり、一人ぼっちの女の子は泣いて泣いて泣きまくりました。女の子は帰り道なんて知りません。何時間も経ち、女の子は泣くことも忘れて立っているだけでした。
そのときです。女の子の両親が駆けよって飛びついてきました。両親はわんわんと泣きました。その腕の中で女の子は更にわんわんと泣き、愛される喜びを感じました。
そして年月は経ち、女の子はみんなへの愛を返し、みんなから愛されるウマ娘に成長しました。とうとしとうとし。
ウマ娘ちゃんの絵本1 帽子の女の子 著:アグネスデジタル
著者コメント:漆黒のステイヤーのほうの帽子の女の子も私は好きですよ?なんならとまこまい宣伝観光大使の白い帽子の子も魔女帽子の子も三姉妹の真ん中の帽子の子もティアラの子も(うるさいので以下略)
「むっふっふっー!新しいキラキラお帽子ちゃんの仲間入りっと!」
縞模様、緑、黄色、紫、赤、虹色…
色とりどりの帽子が入ったクローゼットに新たな黒い
「おやおや?カラフルでご利益がありそうな棚ですねぇ?」
「わかってます~フクちゃん先輩っ!これは私の1年365日のラッキーアイテム!いつでもどこでも使える、頭に被れば完成の勝負服なのです!」
「なんとっ!タンホイザさんの幸運は帽子にありっ!これは普通の棚ではありませんね、ぜひとも神棚としてお祀りしなければ!」
マチカネ部屋は本日も賑やかである。門限過ぎであることと、隣の部屋からドンドンと壁を叩く音と「ひぃぃぃ…すみません…」という声と「お前じゃねェんだよ」という声がすることは何も考えないでおこう。何かの弾みにドトウの
「ではではマチカネ大明神様、こちらのアルバムもお祀りくださいませ!どうぞっ!」
「おや…?見たことない帽子ですね…?」
「おうちのお帽子軍団です!みんな可愛いでしょう?」
「ほうほう、ちっちゃいタンホイザさんも可愛いですね…今とは違うタイプの破壊力っ!眼福っ!大満足!
ん?ホイザさんや、家でのお気に入りの帽子はコレですね?」
「おお!おマチさんお目が高い!そうそう、これこそホイザちゃんの好き好き大好きお帽子2代目!トレセンに来るまで長らく使っておりまする!」
「すると、いつもの勝負服に使っている帽子は3代目に?」
「…ううん、4代目にする予定」
「なんとっ!何の心変わりで!?」
タンホイザは無言でズタズタになった3代目の青い帽子を取り出した。ところどころ木の枝やら葉っぱが引っかかっている。
「そんな…なんという不幸で…」
「週末のレースでも使いたかったけど…悩みに悩んでトレーナーと選んだけど…直せないよね?」
「いやはや!なんと!これは非常に由々しき事態!いいですか!帽子もタンホイザさんの大事な勝負服の一部ですよ!急いで直さなければ!…えっと、裁縫が得意なのは…
もしもしトレーナーさん!非常に大変な非常事態です!門限?知りませんから今は急いでください!たづなさんが巡回中?そんなの適当に撒いてください!!無理?ならば私がたづなさんを撒きますので5分ほどお待ちを!!!」
フクキタルは無残な姿になった3代目の帽子を持って部屋から出ていった。
タンホイザはクローゼットを閉め、ベッドに沈み込んだ。頭に浮かぶのは、相棒…いや、愛帽と共に歩んだ様々なレース。
間違えて勝負服を着て挑んでしまい、1着になったことで話題をかっさらったメイクデビュー。そのままの勢いに乗った東京スポーツ杯ジュニアステークス 。ライバルに勝てなかったクラシック三冠。トレーナーを信じ、復活を果たしたダイヤモンドステークス。あのライスシャワー相手に勝てた目黒記念。なぜか苦手な短距離レースなのに間違って出走してしまい、なぜかGⅠ初勝利してしまってウイニングライブ中もずっと頭が真っ白だった高松宮記念…
秋のGⅠシーズン、彼女の大舞台であるジャパンカップは今週末。日本総大将として、仕上げはバッチリだ。
なのに、それなのに…
「うぇぇぇぇん!!!」
メイクデビューから連れ添った愛帽は無残な姿だ。トレーナーと選んだ新しい帽子に文句はない。それでも、それだけれど…
「うぅっ…ひっぐ……ぐすっ」
何も考えられなくなったタンホイザは、そのまま布団を被って突っ伏した。
「最強のラッキーアイテム、欲しいでしょ?」
暗闇の中、タンホイザはフクキタルの声で目を覚ました。泣き疲れたからか、視界がぼんやりして頭もクラクラする。
そのとき、何かを被せられる感覚がした。
「遅くなっちゃってごめんね…」
タンホイザは首を振った。そして、ひたすら頭を下げた。耳に触れたフクキタルの手と、その優しさがひたすら暖かい。
「これからも、困ったらぜひ頼ってほしいから、ね?」
顔を上げたタンホイザの前にいたフクキタルは目こそ輝いていなかったが、その全身は、その心は、優しく輝いていた。
「みゃー!!!!!ない、ないっ!!ないッッッ!!!今こそ封印を解くべきはずが!ない!!ないったらない!!!!トレーナー室にもない!!宿題やってないのも思い出したし深夜徘徊でたづなさんに捕まって反省文まで、時間もないッッッ!!!」
「んぅぅ…おはよ…」
タンホイザはフクキタルの絶叫で目が覚めた。まだ微妙に頭がぼんやりするが、不思議と気分は悪くない。
「ん?フクさん、何がないって?」
「大事件ですよ!!!今こそおマチさんのために使うべき、ウルトラスーパートリプルデラックスZレジェンズウルトラダイナマイト級に凄い超激運アイテムを探し…て……?
はへ…?
ほぎゃああああっ!!!!??」
「ん?どうしちゃいました?」
「どうしたもこうしたもありませんよ!?耳!頭!見てください!それ!!!」
もしかして、何かの奇跡で愛帽が直っていたのだろうかと思ったタンホイザは帽子を取ると…
「えっ!?ホイザちゃんの好き好き大好きお帽子、記念すべき初代さん、お久しぶり!!!」
「パー!!!!!(発狂して超音波を放つフクキタル)」
「ひょえぇー!!!!!(尊みの波動を喰らうアグネスデジタル)」
むかーし、むかし。あるところに、とても仲の良いウマ娘の姉妹がいました。その幼い姉妹はどこに行くにも、何をするにも一緒で微笑ましい仲でした。
ところが、姉は身体が悪いことが分かりました。その事実が分かったのは、姉は落ち葉が落ちるように、静かに息を引き取ったあとのことでした。
妹は姉に劣らぬウマ娘になろうと振る舞い、周囲からも強い心の持ち主との評判でした。妹は姉の振る舞いを思い返し、姉よりも優秀になろうと弛まぬ努力を重ねに重ね、遂には名門の学校への入学資格を得る可能性も見え始めました。
ですが、実際は違いました。妹は姉の代わりに自分が亡くなっていたことを望み、苦しみ続けて姉を追いかけ続けた結果が妹の姿を形作っていました。
姉を追い求め続けた妹の心はぐちゃぐちゃになっていました。そんな妹に限界が訪れたのは、落ち葉の舞う秋の日でした。
妹は神社の石段に座って、舞い落ちる落ち葉を眺めていました。落ち葉のように、自分も石段の底へと落ちていけばいいのに。今すぐ姉に会って、苦しみを忘れられればいいのに。
妹は決意を決め、最後に神社のほうに向かって自分の人生を懺悔したあと、お天道様を拝みました。どことなく曇った落ち葉の舞う日、自分が姉に会いに逝くには絶好の日でした。
妹は石段の底を見つめ、身体を投げだそうとしました。
その時です。妹の視界は何かによって塞がれました。妹はパニックになり、その場に座り込んでしまいました。その正体は、何の変哲もない帽子でした。ウマ娘の感覚なら飛んでくる帽子に気づくはずでしたが、どこからか飛んできたのです。
妹は帽子を見つめました。神社の縁起物のように派手な色と、どことなく安心する匂い。
妹は再び覚悟を決めました。再び神社のほうに向かって自分の人生を懺悔したあと、再びお天道様を拝みました。そして再び石段の底を見つめ、神社のほうへと帰っていきました。
妹はその姉からの贈り物の帽子をラッキーアイテムとして大切にし、姉をも超える活躍と伝説を残しましたとさ。とうとしとうとし。
ウマ娘ちゃんの絵本2 お姉ちゃんの贈り物 著:アグネスデジタル
「そ、それは…私のお姉ちゃんが、シラオキ様が…私に授けて立ち直らせてくれた、ウルトラ(中略)ダイナマイト級に凄い超激運アイテムのはずで…」
「おかえり、お帽子ちゃん…!」
「そんな、ことが…あるなんて…」
「ありがとうございます、フクちゃん先輩!これでジャパンカップに勝てます!」
「まさか、私が立ち直るきっかけのお姉ちゃんの贈り物にタンホイザさんが関わっていたとは……運命ッ!感無量ッ!!!」
「うわわっ?どうしたんほいざ?(ギャグセンス×)」
「ひぐっ………ぐすっ…お姉ちゃん、私はタンホイザさんの力になれましたよ…」
「フクちゃん先輩はいつも私の力になってますよ!」
「ううう…ぐっ……フンギャロ…!フンギャロ…ッ!(嬉し泣き)
タンホイザさん、あなたが入学してきたときから他人ではないとは薄々感じてはいましたが、まさかこれほど重大な運命の人だったなんて…
私を救ってくれて、こんな私を慕ってくれて、ありがとうございます…
そうだ!あの帽子は安心する匂いがしたんです!きっとタンホイザさんからも……スンス…ン?
ホギャァァァァァァ!!!なんか血生臭い!?!?」
タンホイザが昨晩ふて寝したベッドは、大量の鼻血で赤く染まっていたのだった…
「お姉ちゃん、見てますか?私を導いてくれてありがとうございます。感謝してもしきれません!私の人生は、私の今があるのは、お姉ちゃんのおかげですっ!でも、まだ会いに行くつもりはありません、私に生きる意味を教えてくれたお姉ちゃん、これからも、私のことをシラオキ様と見守っててください!」
人生は、どこでどんな繋がりがあるか分からない。
そして彼女たちは、そんな繋がりが生み出した幸せな人生を生きる。
ウマ娘たちに、幸あれ。
本作は作者がpixivにて初めて投稿したウマ娘作品だったので、後発の作品に比べるとカオス度は控えめ…かと思いきや、
ゴルシ「作者がキャプションに何を書こうとしてるのか途中で忘れたらしいのでオットセイの真似します。
おうおうおうおうおっうおうおっwwwwwwwwパンッパァンッパァンッ(ヒレを叩く音)おうっおうおっおうおうおうおwwwwおうっっおうおうおうおうおっwwwwwwwwパァンッパァンッ(ヒレを叩く音)おうおうおうおっっwwwwおうおうっおうっおうっwwwおうおうおうおっwwwうおっw」
とか書いてた(原文ママ)ので、割とガッツリやりたい放題してる兆候が既にあった件…
こんな調子なので、今後の移植作品にはマトモな回は殆どありません。やりたい放題な回しか移植候補が殆ど残ってません。
…もしやアカウントがBANされた原因って…?