お疲れ様です、トレーナーさん。……一杯、いかがですか?
……わかりました。今日はちょうど良い豆が入ったので、そちらを使って淹れてみますね……
……はい?「コーヒーについてもっと知りたい」……ですか?お教えするのはかまいませんが……どうしてそのように思って……?
「後輩が俺にコーヒーについて知りたい」と、なるほど……あの女性トレーナーさんでしたか。
……どうせなら私が直接お教えしましょうか?
「それは先輩としてのプライドが許さない」…………なるほど、では分かりました。少しずつコーヒーにまつわるお話をしましょう。
コーヒー豆を加熱して、苦みなどを生み出したり、コーヒー豆のイメージでよく連想される、茶色のコーヒー豆にする過程を、「焙煎」といいます。
この焙煎の度合いを変えることで、苦みや酸っぱさを調整できます。浅煎りの場合は酸っぱく、深煎りの場合は苦くなります。
そしてその焙煎した豆を細かく砕くことを「粉砕」と言います。細かく粒子状にすることでお湯と触れる表面積をふやすことが目的です。
粉砕の仕方は、コーヒーを抽出する器具によって変わってきます。
また、コーヒー豆を混ぜることを「ブレンド」と言い、これによって自分好みのコーヒーにすることができますが……まあ今は大丈夫でしょうか。
さて、このような感じで大丈夫ですか?
……いえ、お礼を言われる程のことはしていませんよ。…………ちなみになのですが、どうして、その後輩さんはコーヒーに興味を持たれたのでしょうか?
「バレンタインでチョコとコーヒーがどうのこうの」…………それは本当ですか?トレーナーさん。
……そうですか、分かりました。
(やはりあの猫は……ここは先手を打たないと……)
いえ、なんでもありません。
……そういえば……トレーナーさん。先程「お友達」さんから言伝を貰ったのですが……
「今夜は一人でいないほうが良い」だそうです。……普段は「お友達」は、そのようなことは言わないのですが……トレーナーさんは身に覚えがありませんか?
……なるほど。無い、と。……それは困りましたね……
では私が、トレーナーさんに異常がないか見張りましょうか?……ほら、トレーナーさんのお部屋は密室ですし、何があっても外に助けを求めることは難しいですからね。
……わかりました。今晩、トレーナーさんのお部屋にお伺いしますね。
大丈夫です。私が居る限り何もさせませんから。
まあ、むしろ私が何かをするかもしれませんけどね……