そのJ、外れし者につき   作:むすけ

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二つに分けたのを幸いに加筆したらまた長くなってしまいました。
冗長な表現は避けようとしたのに、心情を書き出すと止まらなくて。

ケッチャコ・・・


13話 満たされる想い、満たされた心

『ィGYUルルィィィ・・・ァァノォブザマナ姿ヲ見ロジェイィィ!アベルノノコセシワザワイノ殲滅ハ目前ダナァア!』

『我々ノ、フタリノ勝、利!』

 

 

 喋るのも億劫になる。こちらが何を言おうが言うまいがヤツは構わず喚き続ける。いい加減手足の感覚の鈍くなって来ておりそう長くも付き合ってられそうにない。何か早く手、を?

 

 

『アGYUィィ!何ダ!コノチカラ・・・Jノチカラ、ガガ』

 

 

 Jの力?ジュエルジェネレーターが稼働したのか?だとするなら・・・やってくれたようだなトモロ、と思わず口の端が上がる。反撃、いや勝利の道筋が経ったのだな。

(・・イ、Jはどこ・・・痕跡はこっちから?)

 !?慌てて周囲を見渡すが悍ましく変異した風景に変わりはない。だが今の声、イメージ?は間違いなくアルマ、直接乗り込んで来たというのか!正直を言えば戦えるかと不安を感じていたのだが・・・どうやら私はあの子を見くびっていたようだ。ならば私はただ信じるのみ。私は、ここに、いる!

 

 * * *

 

「戻って来た・・・J、待っていて下さいね。ぜったいに貴方を。」

 

 

 ESミサイルに便乗して私は敵機への再度の潜入に成功しました。私がいじけていたせいで遅くなってしまったけれど、必ず助けて見せますから。しかしまずはジェネレーターに処置を施さなくては。トモロからのアドバイスを思い出しながら先に進みます。

 

 

(ジュエルジェネレーター用ノ コードハ オ前ノJジュエル ニ送ッテアル。ソレヲ ジェネレーターニ 接触サセルノダ)

(敵・・・ダガ Jタワーコンピューターニ イル可能性ガ 極メテ高イ。ソレゾレノ 進路ハ スペルヴィアト同ジ ハズダ。覚エタナ?)

 

 

 トモロに諭されるまでの私なら一歩だって前に進めなかった。けれどJジュエルの、アルマとしての力を解放している今の私の前では襲ってくる機械触手なんて相手になりません。行く手を遮る金属触手は私のフィールドの前に弾かれ崩壊してしまいます。成程、これが緑の星の子、ラティオを解析し創造主アベルが改良したという浄化の力。

 

 何の為に与えられた力なのか、何をする為の力なのか。これは、この力は原種を滅する為の力であり大切な仲間を守る為の力。漸く自分と向き合えた、そんな気がします。これだけは絶対に忘れちゃいけない自分との約束。

 

 間も無くジェネレーターへと辿り着き、トモロの言う通りならJジュエルを・・・うん、炉に火が入った!

 残る重要事項はJの救出だけ。でもJは壁の中に飲み込まれてそのまま・・・違う、あの人はそんなに弱い人じゃない!最後に分かれた艦橋に戻った私は弱気な自分を追い出し、意識を集中させJの痕跡を探す。Jの、あの人の温かさを思い出しながら。

 薄暗い光が差し込む森の中・・・感じる、見える。力強い足跡、Jの痕跡が。点々と続くそれを辿っていくと行き先がJタワーコンピューター?敵の本体と一緒にJがいるの?トモロへの報告も忘れ進路を急ぐ。この先にいるJに会いたくて、謝りたくて。だから!

 

 

「邪魔しないで!」

 

 

 左手に一点集中、壁を破壊するとそこはJタワーコンピュータールームだったところ。中央の王座の様にも見える有機的な台にいる何だかヘンな・・・変なのとその至近に捕らわれている探し求めていた、あの人が!

 

 * * *

 

 叫び声と共に壁を突き破り、紅い光を纏ったアルマが現れた。何だろう、ほんの少ししか経っていないのに一回り大きくなったような印象を感じる。この短時間に何があったのだろうか?ともかく助かった!

 

 

「Jを離しなさい!」

 

『GAaa!コノ・・・破壊ノチカラ!アァルマァダト!?アベルノ造リシ破壊マシン風情ガ!ワタシトJヲ引キ裂クカァ!』

 

 黙れよ!お前と仲良くしたつもりも無ぇよ!何なんだよお前本当に!

 アルマが印を結んだ左手をこちら向けると壁の拘束が緩む。その隙に体のバネを使い一気に体を壁から引き剥がすことに成功、アルマの隣に降り立つ。無理やり引き剥がしたツケか、手足に痺れが残るがそれよりも。

 

 

「待っていたぞアルマ。見事、やってくれたな!」

 

「J・・・たくさん、沢山言いたいことがあります。でも今はここからの脱出が先です。トモロ、Jの救出完了!いつでもどうぞ!」

 



 アルマをESミサイルで送り出すと同時にジェイクォースをチャージ、発射。普段ならエネルギーを纏い不死鳥をかたどるジェイクォースだが敵機から発射されたソレは赤黒い尾を引く龍、いや蛇と言うべき姿に変貌している。半分しか残されていないジェイクォースながら本来の頑強さとゾンダーバリアの応用か、こちらと撃ち合えている。無論、最大出力で撃ち出せばワタシが有利なのはシミュレーションを行うまでも無く、確定的に明らか。が、今はまだその時ではない。アルマが任務を果たすまでは。

 

 螺旋を描き何度もぶつかり合うジェイクォース同士。敵機との距離を保ちながら操艦を行いつつジュエルジェネレイターの出力を細かに変化させる。ジェイクォースのリロード、エネルギーの配分を効率化させろ。血管(Jファイバー)の隅々まで血液(Jリキッド)を行き渡らせろ。最小の効率で最大の効果を。焦る必要はない、じっくりと追い詰めろ。Jの脱出が果たされるまでは。

 

 ジェイクォースの撃ち合いが続く中、敵機が一瞬、引きつった様に動きを止めた。アルマが第一の任務を達成したと判断、コントロールが鈍った赤黒い蛇を大きく弾き飛ばしその隙にリロード。ジェネレイター出力最大、発射のタイミングを待つ。そして、ついに。

 

 

「トモロ、Jの救出完了!いつでもどうぞ!」

 

『了解、発射後カウント10でお前達はジェイクォースに乗り移り帰還。その程度はJにとっては容易い事だ、やって貰わねば困る。そこはアイツを信じろ』

 

 

 コントロールを取り戻した蛇が一直線に向かってくるが・・・終わりだ、同胞よ。

 

ジェイクォース、発射

 

 出力最大の不死鳥が雄々しく天を舞う。牙をむく赤黒い蛇を物ともせず真正面から迎え撃ち・・・一閃。首を断ち切られた蛇はエネルギーを放出させながら消滅していく。次なる獲物を捉えた不死鳥はその勢いのまま猛然と突き進む!



 

「ジェイクォース、来ます。カウント7、6、5・・・」

 

 

 アルマを抱き寄せタイミングを計る。2、1、今!不死鳥に飛び乗ると王座より喰い千切られる目玉を見下ろしながら脱出を敢行、背後で爆発するZ=アークを確認。暴走したジェネレーターから過度に供給されたエネルギーが残された部分へと満遍なく行き渡り、紅い閃光へと姿を変えた。粉々に、二度と再生させないように。二度と蘇らぬように。

 

 ジェイクォースの帰還と共に、我々はスペルヴィアの艦首に着地する。目の前には痙攣し脈打つ元・トモロ(ソンダリアン)。最後の仕上げだ。アルマに目で促すと頷きを返し浄解の呪文詠唱に入る。だが例え浄解されたとしても理性をも失い彷徨い続けたこの状態は・・・生き永らえる事は望めないだろう。

 

 

「トモロ、同胞の船出だ。送ってやれ」

 

『・・・』

 

 

テンペルム

ムンドゥース

インフィニ

トゥーム

レディーレ

 

 

 浄解の光と波動がゾンダリアンを包み込み、その姿が本来の姿へと戻っていく。光が収まりそこに現れた球体・・・紛うこと無きトモロ型生体コンピューター、だがその姿は端から解け光の粒子へと還って行く。

 

 

『・・・コチラ トモロTYPE-0147、応答サレタシ』

 

『・・ラ ・モロT・・E-0・・3、コ・・・コダ?ジ・イア・・ハ、ソルダート・・士ハ ドコ・・』

 

『心配ハ イラヌ、同胞ヨ。皆 オ前ヲ 待ッテイル。出航ノ時ダ。良キ 航海ヲ』

 

『アァ・・・ソウカ・・・ワタシハ 行クゾ。トモロ-0147、オ前 モ・・・』

 

 

 完全に光の粒子が消えるまでトモロ同士で何やら通信していたようだが実りのあるものであったと信じたい。共に無言で見守っていたアルマだが何やら意を決した様子でこちらを見ている。?はて、浄解は完璧だったはずだが?

 

 

「J!私、その、ごめんなさい!私のせいで捕まっちゃって。私が弱かったから、でもJが怒ってて悲しくてだから遅くなっちゃって。本当に・・・」

 

「待て待て待て、何を言っている?弱い?怒る?お前は何を言っているのだ、アルマよ。捕らわれたのは私の完全な油断だ。それにお前が本当に弱かったのなら一人で敵陣に乗り込んでくるなど出来る筈が無い」

 

「何よりお前は勇気を、覚悟を示した。そのお陰で私は帰って来れたのだ。感謝こそすれど怒るなどあり得ん。怒るとすれば私自身の愚かさ・未熟さであり、お前には何の責も無い」

 

「改めて礼を言わせて貰う。アルマ、良く頑張ってくれたな。お前は我等の誇りであり、スペルヴィアに欠かせないクルーだ。」

 

 

 

 私は何を言われたのか、理解出来きずにJを見つめる事しか出来ませんでした。段々と理解が及ぶにつれて、胸が、顔が熱くなります。何かを言わなくちゃと思うけども言葉が出て来なくて。胸に込み上げたものが涙になって下を向いてしまいます。良く頑張った、と褒められるのがこんなに嬉しくて、こんなに恥ずかしいなんて、知らなかった。私でも役に立てたんだ!安心したら急に体から力が抜けて・・・

 

 

 

 うつむき腰が抜けたようなアルマを慌てて抱え直し、急ぎ艦橋へと戻る。どうやら眠ってしまったようで、目元を見れば涙で濡れていた。初の戦闘、単独行動となればこの小さな体に掛かった負担はどれ程の物か。見事、約束を果たしてくれた。成し遂げたお前も立派な戦士の一員だよ。

 

 

「戻ったぞトモロ。世話を掛けたな」

 

『戻ッタカ J。同胞ハ 行ッタゾ、遥カナル 旅路ニ』

 

 

 こちらも勢いのないトモロ、新鮮だな。強烈な皮肉の一つも覚悟していたのだが・・・あの後ではな。あれこれと口を出したり詮索したりするのは無粋。私は戦士、空気を読む事にも長けてる。まぁ藪を突きたくないだけだが。この沈黙を楽しんでいるとトモロが口を開く。

 

 

『アルマ ノステータス:睡眠ヲ 確認。原因ハ オ前ニアル、J 運ンデ ヤレ。アルマ ニハ戦士 トシテノ 教育ヲ、トモ思ッタガ 必要ハ無サソウダナ。サッサト行ケ』

『アァ、ソレト』

 

 

 良クゾ戻ッタ戦友(トモ)

 

 応、戻ったぞ戦友よ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガッツィー・ギャラクシー・ガード全ッ艦隊!!木星ヘ向け、出撃ッッッ!!」

 

ディビジョンフリートにて艦長でありガッツィー・ギャラクシー・ガード長官である全体的に濃い男、大河幸太郎の号令の元、GGGは原種の待ち受ける木星へと今旅立つ・・・




トモロ・アルマを主軸に据えた実験的なオリ展開話もケッチャコしました。
当初浄解したトモロを搭載してWインテル入ってる状態とかも考えたのですが、もう一基置く場所無いじゃんで破棄。自分のパソコンはAMDですが。

次回は原作の流れに沿ってサラっと・・・サラっと出来ればいいなと思いました。
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