そのJ、外れし者につき   作:むすけ

14 / 27
ゲッヘッヘ、ご都合主義で美味しい所を持って行くぜー


14話 再会JとJ、並び立つ王たち

 そういえば地球の状況はどうなっているのだろう?様々な宇宙を渡り歩いて修復や休息の場所として使っていた太陽系だが、打倒原種・遊星主の核となる場所である。当初はギャレオリアロード・・・遊星種出現の兆候を見つけることに注力していたが31原種こそ我等が最優先目標、必ず滅ぼさねばならぬ相手だ。

 

 また観測はトモロに任せっきりで自身のこの目で地球を、蒼き星を見ていない。一度だけ、少しだけなら・・・と誰に対する言い訳なのかも知れぬ理由を並び立てトモロに告げる。

 

 

「トモロ、地球へ向けて進路を取れ」

 

『地球?蒼ノ星ヘ カ?アノ星ハ アノ星ノ戦士達 ニ任セル ノデハ無カッタノカ? ソレニ オ前ノ話ダト ソルダート№J-002モ 居ルトノ話 ダッタト記憶 シテイルガ?』

 

「うむ、お前の記憶は正しい。だが原種共を横から殴りつけるのも一興とも思ってな。それに向こうのトモロとの情報共有するのも無駄な事では無いと思うが、どうだ?」

 

「向こうにもアルマがいるのですよね?私の先任となる個体に会ってみたいです」

 

 

 トモロが疑問を覚えるのは当然だがアルマも興味を示す。確かに戒道少年は人生・戦闘経験共にこの子を上回っている。ただ肉体年齢で見ればこちらの方が上なのだが・・・と言う事は戒道少年は年下の兄でこちらは年上の妹、という事になるのか??

 いや、止めよう。私の勝手な想像で皆を混乱させたくない。

 

 

「むぅ、何か不穏な言葉を拾ったのですが・・・」

 

『フム、オ前ニシテハ 建設的ナ意見ダナ J。会エルカ ドウカハ 状況ニモ寄ル 所ガ大キイ トハ言エ悪クナイ話ダ』

 

「決まりだな。念の為距離を取ってESウィンドウを展開、地球へ接近を試みるぞ。重力波の変動で気づかれても面倒だ」

 

 

 かくして地球へと進路を取ったスペルヴィア。ESウインドウを経由し私にとって魂の故郷への帰還を果たした。漆黒に浮かぶ蒼き星、触れたが最後儚く弾けてしまう脆さをも感じさせる地球。嗚呼、美しい。感動、それとも郷愁?言葉に出来ない感情が胸中を占める。宇宙の青いエメラルド、地球に悪の手が伸びる・・・ん?何の電波だ?思い出せない。まぁ些細な事だ。

 

 この体になっての初めての地球に見惚れていると衛星軌道上に人口建造物が見えている事にようやく気付く。アレは確かGGGのオービットベースか、完成していたのだな。という事は既に原種との戦いに突入しているという証拠であり002も活動を開始しているという事だ。不意な接触もあり得るかもな、と考えた所でオービットベースに違和感を感じる。何かが、足りない?

 

 

『ホゥ、マダ無事ニ 稼働シテ イルカ。コノ星ノ 技術モ 我等ニ及バヌ トハ言エ、中々ニヤル』

 

「稼働している?お前、知っていたのか?」

 

『観測用ドローン デ見テハ イタカラナ。LIVE映像 ニモ出来ルガ、見ルカ?アノ構造物 カラ惑星ヘ 降下シテイク 機体モ 度々見テ来タゾ』

 

 

 降下・・・そうか!各種ディビジョン艦が接続されていないのだ。全ての艦が出撃・・・まさか!

 

 

「トモロ!周辺の探査範囲内をスキャンしろ!僅かな事でも決して見落とすな!」

 

『何ダJ 唐突ニ。マァ ヤッテヤルガ・・・・・・ ・・・ン、オービットベース ダッタカ?ソノ前方ニ 僅カナガラ 重力波変動ノ 痕跡ガアル。コレハESウィンドウ?』

 

「始まってしまっていたか!トモロESウィンドウ展開させろ。目標は太陽系第5惑星・木星、集結している原種共を殴り飛ばすぞ!」

 

『オ前 ノ知識ニ アッタト言ウ ヤツカ、ヨロシイ、本懐デアル。ダガ アノ連中ニ 気付カレルゾ?ソレヲ 避ケテイタ ノデハ無イノカ?』

 

「この際構わん、それに気づいた所で何も出来んさ。アルマにも働いて貰うが覚悟はいいか?」

 

「真の私の力を振るえる場所という事ですね。私だって戦士の端くれ、頑張ります!」

 

 * * *

 

『!?オービットベース付近で重力偏向率増大!ESウインドウ展開されます!』

『何!原種達は木星に集結していたのではなかったのか!長官たち主力がいないこんな時にッ!』

『あっ、いえ、ESウィンドウ反応消失!』

『一体何だったんだ・・・?念の為、被害が無いか調査を』

 

 * * *

 

 

「原種は全部で17体、数が足りん。あと1体はどこにいる?」

 

 

 原種達によるクラインスペース封印から脱出したボクは強襲偵察艇ムラクモを操縦しながら数の合わない原種を探していた。原種は木星の各衛星と融合したようだが数が足りない。どこだ、どこに隠れている?息子である凱を筆頭に勇者たちが戦っている。残りの原種を特定しなければボクの立つ瀬が無い。ん?センサーに反応が

 

「木星?残る一体は木星の中だというのか!」

 

 センサーに気を取られたその隙を原種に突かれ上方からの攻撃を受けてしまう。だぁぁ!イ、イカン!ムラクモの操縦が・・・機体のコントロールが効かん!このままでは!

 

「父さん!」 「麗雄ォォ!」 「博士!」

 

 近づいてくる木星、ボクは・・・ボクはこのまま・・・大気圏に・・・

 

 

「ムラクモ・・・大気圏上層にて・・・爆散、しました・・・」

 

 木星大気圏に消えたムラクモの残酷な事実を猿頭寺が告げる。頼みのガオガイガーはムラクモを追い木星に落下中、兎都木 命が涙ながらにオペレートを続けるが通信は途絶中。

 

 だがこの時ムラクモと木星大気圏の間に現れたESウィンドウに気付く者はいなかった。

 

 

------------------------------------------

 ESウインドウ内部・並列空間。

 

 

『木星宙域到達マデ アト艦内時間デ413秒』

 

 

 まだか。時間にして7分も無い時間がこんなにももどかしいものだと思った事は無い。こうしている間にも原種が、002が・・・高ぶる気分を抑えようと努めるが気になってしまう。ふと、組んでいた腕に添えられた手に気付く。

 

 

「J、焦ってはダメ。貴方が原種や002を心配しているのは分かるけど、今から焦っていては実戦に影響が出るかもしれません」

 

『アルマノ 言ウ通リダ。落チ着ケ、我々ハ 確実ニ近ヅイテ イルノダ』

 

 

 お前たちの言う通りだな。もう5分もあれば到着するというのにコレでは体がもたんか。アルマも急速に精神面が育ったようで窘められてしまった。これではどちらが保護者なのか分かった物では無い。

 

 

『警告!進路ガ 歪メラレテ イル。コノママデハ 想定外ノ 空間ニ転移 ノ可能性大』

 

「何?ジェネレーターの出力を上げて進路修正は出来んのか?」

 

『駄目ダ、不明ナ 力場ニ 引キ寄セラレテ イル。進路予測、木星内部・・・?』

 

「冗談では無い、ES爆雷投下でバイパスウインドウを開き、この場を離脱だ」

 

 

 あらゆる極限下で活動できるように設計されているジェイアークだが、さすがに木星内部から無事に脱出できる保障も無い。急遽進路変更を余儀なくされる羽目になった。急場しのぎのバイパスウインドウ、どこへ出る物やら。しかし不明な力場、原種の攻撃か?しかしそんな能力を持った原種など・・・

『報告』

 今度は何だ!

 

 

『報告。前方ヨリ 飛来物ヲ 確認、原種・・・デハ ナイナ』

 

 

 飛来物、と来たか。アルマを副艦橋へと移動させ、ジェイライダーにフュージョンする。やがて私の眼に飛び込んで来たものを思わず手に取って見れば戦闘機・・・いや武装が無さ過ぎる、偵察艇と言ったところか?後部推進部が派手にやられている。これでは自力航行は無理だ、何故このような場所に?

 

『J!コクピット内部 ニ生体反応!』

 

 コクピットを確認すると宇宙服を着こんだ小柄な人物が搭乗しているのが見える。気を失っているのか身動きもしないが、更にズームしてみると・・・老人の顔が。獅子王、麗雄?獅子王博士と言えば木星決戦の中盤辺りで木星大気圏に・・・この先は木星の表層か!?であればこの先にいるのか、お前が。J-002。

 

 

「トモロ、このまま進みこのバイパス空間から出るぞ!恐らくいる筈だ、002とジェイアークが」

 

『ナラバ 行クシカ アルマイ。ダガ、コレハ ドウスルノダ?』

 

「・・・拾った以上見殺しにするのも寝覚めが悪い、一旦収容するしかあるまい」

 

 

 浄解モードのアルマに獅子王博士の収容を任せ、メンテナンスベッドに固定させる。目覚め次第副艦橋へ移動させるように指示。で、この偵察艇は・・・何かに使えるかも知れん、保留だ。準備が整ったのを確認し、改めて号令をかける。

 

 

「スペルヴィア、巡航速度より最大船速!バイパス空間を抜け原種への攻撃を開始する!」

------------------------------------------

 

 原種4体のフォーメーション攻撃により私の、キングジェイダーの動きが封じられてしまった。全身を焼く電撃に耐えながら突破口を探すも抜け出す一手が見つからない。一手、後一手があれば・・・!明滅し霞む視界の中、木星の方向から猛然と突き進んでくる白い戦艦が見えた気がした。フッ、都合のいい幻を見るまで弱気になってどうする・・・

 

 

002、今解放する!ジェイクォース!

 

 

 フォーメーションの一角が崩れ四方から私を拘束していた電撃攻撃に緩みが発生した。好機と脱出を試みる前にガクン!と機体がその場より引き離される。牽引ビーム・・・ならばアレは幻では、無い?十分に距離を取り牽引ビームを解放し、メガフュージョンを行ったキングジェイダーがこちらに振り向く。

 

 まさか、まさか!ソルダート師団、生き残っていた戦士だというのかペンチノン!

 

『間違いナイ、アレはジェイアーク級戦艦、ゾンダーに侵食さレテいる様子もナい。信ジラレん・・・誰が乗ってイル。メインコンピューターは、トモロTYPEは搭載さレテいるノか?』

 

 

「大事ないか、J-002。久しい、とでも言えばいいのか・・・三重連太陽系随一の戦士と謳われたお前に貸しを作れるとは思わなかったぞ、悪い気分では無いな」

 

 

 右手に戻ってきたジェイクォースと原種核を手にし、アルマへ浄解の指示を出しながら002へ語り掛ける。お互いメガフュージョンした状態では叶わないが、002の表情()を見てみたいものだ。

 

 

「貴様・・・その声はJ-028、なのか?それにアルマもだと?今まで何を、いや一体どうやって・・・」

 

「話はあとだ002。あの3体を始末する、このゾンダークリスタルはお前が持っていろ」

 

『ドーモ トモロ=サン。当機ハ トモロTYPE0147』

 

『ドーモ、トモロTYPE0147=サン。当機はトモロTYPE0117』

 

 

原種よ、光になれぇ!

 

 

 ジェイクォースを構え直し狙いを付けんとしたその時、雄叫びと共に突っ込んできた黄金の破壊神が残った3体の原種衛星を瞬く間に光へと変えて行き、残されるは3つの原種核。滅びの力ことザ・パワーを味方に付けた勇者王のエネルギーはかつてない程高まっており、体表から立ち上るオレンジの光が炎のように揺らめいている。

 

「凱・・・」   「これはまた、何とも凄まじいな。これがザ・パワーか」

 

「き、キングジェイダーが2体!?どうなっているんだ、ジェイ!」

 

 

           テンペルム  / クーラティオー

           ムンドゥース / テネリタース

           インフィニ  / セクティオー

            トゥーム   /  サルース

           レディーレ  /  コクトゥーラ

 

 

 ガオガイガーからは護が、キングジェイダーからはアルマ達が、浄解の呪文を唱えれば3つの原種のコアは3つのゾンダークリスタルとなった。

 

「戒道!・・・と、誰!?戒道のお姉さん?」

 

「ラティオ、違う。違うが僕もなんと説明すれば・・・キミもアルマなのか?」

 

「初めてお目に掛かります、先任。そして緑の星の子、ラティオ。私もアルマの一人です。姉、ではないと思いますが」

 

 

 3体揃った王、3人の浄化装置(アルマにラティオ)、ザ・パワーに導かれる勇者ロボ達。確実に言える事は一つある、反撃開始だ。ゾンダークリスタル、残り九つ。




はい、やってしまいました。麗雄博士は助けてあげたいと常々思っていました。

並列空間が歪むの元ネタは幻竜神・強龍神の中で語られていた 「閉じかけていたESウインドウがバイパス変動を起こし、隕石は木星の中心に出てしまった」 と言う台詞から。

そのあとの「パウリの排他率によって僕たちは消滅するはずだった」の意味が。

〇パウリの原理
排他律、禁制律とも。多数の電子からなる系では、1組の量子数によって確定される状態に電子は1個しか存在できないという法則。この原理を量子力学と組み合わせると、原子・分子の構造や周期律がよく説明される。

?????????????????

つまり木星の中心に出ると死ぬ・・・ってコト?超竜神の時とは状況も違いますが、ザ・パワーは時間や次元を飛び越えて作用する凄いものなんだなぁ。


反撃開始と言いつつ次回は獅子王親子の視点から始めようと思います。次で纏まるのかなぁ・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。