そのJ、外れし者につき   作:むすけ

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頭空っぽにして書くのは楽しいなぁ


18話 if~もしも~2

~なんか平和っぽい三重連太陽系~

 

 

 

「そんな訳でトモロに個性を持たせてみましょう!」

 

 

 この日も赤の星指導者であるアベルの一言から始まった。見た目は幼い少女ながらも卓越した頭脳、皆をグイグイ引っ張っていく行動力、そして紫・緑の指導者に勝るとも劣らぬカリスマ性。指導者としての素質は十分に持ち合わせているし赤の星の民全員が納得するものである。だがいささか自由奔放な面がありそのせいで日々周囲は振り回されている。主に振り回されるのは赤の星首脳陣と側近であり護衛でもあるソルダート№J-001なのである。

 

「今回はどういった経緯で“そんな訳”に至ったのかは存じ上げませんが、あまり突飛な事は仰らない方がよろしいかと・・・」

 

 ソルダートナンバーズ、それは赤の星治安維持を目的とし赤の星の技術の粋を集め開発されたサイボーグでありその数31体。その中で「最良たる」ソルダート№J-001はアベルの元に残り、他の個体は赤の星主要都市や各地方都市と満遍なく星内をカバーできるように配備されている。ちなみにアベルの「なんか美味しそうですし?」の一言で31体の製造が決まった。アイスじゃねぇんだぞ。

 

 それはともかくJ-001が窘めるようにアベルへ提言する。首脳陣も注意はするのだが001よりも効果が薄い為、おいお前の仕事だろ的な視線が001に集中するのがいつもの光景となっている。

 

 

「突飛とは何ですか。技術部に造らせた生体コンピューター、トモロですが余りに味気ない!」

 

「いや性能は申し分無いではありませんか。星全域の防衛ネットワークを構築しているだけでは無く天体観測や道路の渋滞緩和など活躍していない所を探す方が難しいのですが・・・」

 

「何が味気ないってあの口調!なんで機械機械した口調でしか話さないのですか!?」

 

「いやだって実際機械だし・・・コホン、ある程度の稼働時間が経っている個体には特徴と言いますか個性と言いますか、そういうモノが発現しているとの報告は受けてはいます。そもそも、ですが声帯を有していない以上、合成音声になるのは必然では?」

 

「ですのでトモロ6機分のAI改善を星内企業へ発注しました」

 

 

 話が・・・話が繋がらない・・・!って言うか発注かけちゃったの?貴重なトモロ型を6機分も?ほら見て、財務担当が顔青くしてるの見える?見えます?と、言いたいのをグッと堪える001。経験上言っても無駄だし何より既に発注を掛けてしまっている。各企業も指導者の命とあらば喜び勇んでホイホイと受けてしまうだろう。

 

 

「アベル、偉大なる指導者アベル。ジェイアーク艦隊の時もですがそう簡単に決められてしまっては首脳陣の顔も丸潰れになり得るのですよ?確かにジェイアークの観艦式は紫・緑への放映権でガッポリ儲けさせて貰いましたが、それでも建造費が遥かに赤字だったのですが?」

 

※この世界線では軍事摩擦を考えて3隻の建造に留まっています。それでも星を滅ぼすくらい訳ない力ではあります。

 

「フムン、相変わらず硬い思考です001。実際に運用する貴方達も思わないのですか?合成音声で淡々と喋るトモロに飽きないと、言い切れるのですか?」

 

「それはまぁ・・・しかしその枠はJジュエルのサポーターのアルマシリーズが担っているというか、現にアルマで構成されたアイドルユニットAL-MAは大人気グループに成長したではありませんか。アレもアベル肝入りの企画であったと記憶していますよ?」

 

 

 AL-MA、ソルダートナンバーズのサポート役でありJジュエルのアジャストに必要不可欠な生体ユニットであり、「やはりマスコット枠も必要ですね」の一言で30体製造された。尚、アベル自身の遺伝子を基に製造されている為、年齢の違いはあれど皆見目麗しい美男美女である。ちなみに001はアベル直々にアジャストを施すのは側近の特権であろう。

 ソルダートのサポートを行う傍らアベルPの指導により男性グループ・女性グループに分かれアイドル活動も行っており老若男女問わず大人気を博している。特に全員集合ライヴはチケット争奪の暴動が起きるのも日常茶飯事である。サツバツ!

 そしてやっぱり暴動鎮圧に駆り出されるソルダートナンバーズもいつもの光景である。

 

 

「どんな調整が成されるのか、楽しみですね001。他のナンバーズにも声をかけ、仕上がりを待とうではありませんか!」

 

「・・・ ・・・御心のままに」

 

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡

 

「・・・と言うのが今回のあらましだ。近い内にトモロの調整が終わる、そしてそれが搭載されたジェイアークにフュージョンして感想を求められるだろうから、全員そのつもりで」

 

 001は各地のナンバーズへと連絡を取り合い通達を行った。個人的にはあの合成音声も味があって悪くないのにな~とか思う001であるが決まってしまったものは仕方なし、と気持ちを切り替える。

 

「まーた始まったのか」

「まぁいつもの事だし・・・」

「だがアベルの仰る味気ない、は分からんでも無い」

「さすアベ」

「ちくわ大明神」

「で、ジェイアークにトモロを変更しつつ搭乗し感想を述べる、でいいのだな?」

 

 様々な感想が飛び交うがアベルの言う事に異を唱える者はいない。実際各地での頼れるお巡りさんやご当地ヒーロー的な立場を確立しつつあるソルダートナンバーズと白亜の戦艦ジェイアークの組み合わせは見る者を圧倒し魅了する。チビッコにも大きなお友達にも影響力は大きい。っていうか全員がアベルに忠誠を誓っている為、異存がある訳も無し。

 

「以上、閉廷!解散!」

「おつっしたー」

「これから地元民にお祭りに誘われてるんだ」

「って言うか私達のブロマイド売上良くないってマ?」

 

☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡

 

 やってきましトモロAI改善体験会当日。様々な反応が見られたのでダイジェストでお送りしよう。

 

〇ケース1

『よう、ソルダート。相変わらず鍛え抜かれた肉体と精神だ!』

「分かるかトモロよ。そこに目を付けるとは中々の慧眼だな」

『ウム、俺とお前でこの星の明日の為のスクランブルに備えるぞ!』

「応よ!いざ行かん友よ!」

 

 なんか暑苦しかった。

 

 

〇ケース2

『タケシ!カーチャンに内緒で昨日の鍛錬コース一部サボったろう?』

「い、いやタケシじゃないしささサボってないし(目逸らし)」

『だまらっしゃい!カーチャンいつでも見てるんだからね!ほら、追加で鍛錬やり直しだよ!』

「勘弁してくれよカーチャン!」

 

 日課をさぼったのがバレてた。

 

 

〇ケース3

『・・・』

「・・・」

『お前と敵でなくて良かった』

「私も同じ気持ちだ。宜しく頼む」

『こちらこそ』

 

 頭でなく心で理解し合えた気がする。

 

 

〇ケース4

『んんんwこれはソルダート殿wwご機嫌麗しゅうですぞwww』

「えぇ・・・」

『今日は何用でござるかなwww拙者も忙しいゆえにwwwww』

「草刈りしなきゃ」

 

 草生えた。

 

 

〇ケース5

『あ、あの』

「そ、その・・・」

『ゴメンなさい、ワタシ慣れてなくて・・・』

「わた、自分もこんな雰囲気に慣れてなくて・・・」

『じ、じゃぁ自己紹介から・・・』

 

 なんか甘酸っぱかった。あとで担当のアルマにスネを蹴られてた。

 

 

 

〇ケース6

「で、誰がやるよ?」

「乗るのか、アレに?」

「私は・・・ちょっと・・・」

「Jジュエルが曇っててアルマに止められてるんだった。かーっ!残念だわー曇ってなければなー」

 

 誰もが躊躇しているその正体とは。

 

『あぁ、ワタシの運命のソルダートは現れるのでしょうか?不安だ・・・』

 

 直感で分かる、あれはヤバい。ナンバーズ誰もが口にしないが共通認識であった。

 

「だがやらねばアベルの期待を裏切る事となる」

「どこの企業だ、あんなん作ったの!?」

「えーっと、キサラギ・・・かぁ」

「ここはやはり001の出番では?」

「あ?私が!?」

「か~ら~の~?」

「フリじゃねぇし!」

「001の、ちょっといいトコ見てみたい!」

 

フュージョン!フュージョン!メガフュージョン!

 

「え、その・・・」

「何だ、怖いのか?001ともあろう者が?」

 

できらぁ!

 

「その言葉が聞きたかった!確保!」

「えぇっ、私があのジェイアークに!?」

「お主こそ戦士の中の戦士、セブン戦士ズくらい戦士だ」

「さすワン!」

「なにをするきさまらー!このままでは終わらんぞぉ!」

 

 わっしょいわっしょいと担がれポイッチョと投げ込まれる001。彼の運命やいかに?

 

『ようこそ、ソルダート。アナタがワタシの運命のソルダート(ヒト)なのですね!』

『緊張してしまいます・・・ですがそれ以上に楽しみです、アナタとのメガフュージョン!』

『聞こえますか?ジュエルジェネレーターの甘美な響き・・・ジェイアークも悦んでいます』

『さぁ始めましょう、初めてのメガフュージョン(共同作業)を!』

 

 

 おぶっ!た、助けてくれ!何か生暖かい、半透明のブヨブヨしたものが!おぼぼぼb・・・

 

 

 誰が始めた訳でもない、ナンバーズ達は一斉に敬礼をした。それは一糸乱れぬ、見事な敬礼であった。風に靡くマフラー、誰かの為の手向けであったのだろうか。あまりにも見事で美しく・・・画になり過ぎた。事実この場を切り取った画像はソルダート部隊過去一の売り上げを誇った。

 

 この後緊急連絡を受けたアベルのJジュエル強制停止コマンドにより救助?された001は一か月の強制休養を取らされる結果となり、アベルの業務効率低下を招く結果となった。流石のアベルもちょっとは反省し、暫くは大人しくしておこうと誓った。

 

 

 

 療養所のベッドで体を休めるJ-001。だがその眼には確かな光が宿っていた。

 

コ ノ ウ ラ ミ ハ ラ サ デ オ ク ベ キ カ




終わっちゃった・・・延々とバカ話作っていきたいよぉ。

次回からはきちんとFINAL編にしていきたいと思います。

新年度だったりFINAL見直したりするのでお時間を頂くと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
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