そのJ、外れし者につき   作:むすけ

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ご無沙汰しております。覇界王面白れぇ。文庫本が手元にあるとつい読んじゃいますね。

仕事に追われたりダラダラしたりしてたらこんなにも時間が・・・

でもまぁ自分でも納得できる筋道立てられたので投稿です。

いつものご都合主義でゴリ押しな流れになりますがお付き合いください。


19話 偽りの地球への帰還を目指して

「さて。改めて皆の力で我等の宿願を果たし、使命より解放された。感謝する」

『元ヨリ 本来ノ 目的 ヲ果タシタ ニ過ギヌ、ダガ 受ケ取ロウ』

「いいえ、実際に戦ったのはJ達です。でも、ありがとうございます」

 

 青の勇者達に別れを告げ、とある宙域。マスタープログラム完全消去を果たした我等。だが今はまだ通過点に過ぎず、むしろこちらが本筋だという事を忘れてはいない。その為に私は滅びゆく母星から目を背け大海原(宇宙)へと飛び出したのだから。

 

「うむ。“我等の成さねばならぬ事”は成した。だが“私”の成す事は残っている、いや、これから始まると言っていい」

「Jの成す事・・・ですか?私が目覚めた時に語ってくれたあの事、ですね?」

『安心 シタゾ J、言イ出シタ オ前ガ忘レヨウ モノ ナラ宇宙ニ 放リ出ス トコロダ』

 

 何やら過激な言葉も聞こえたがそういう事だ。打倒ソール11遊星主、勇者達のトリプルゼロ汚染阻止。その為にもまずは次元ゲートたるギャレオリア彗星を見つける必要があるのだが。

 

『ソレデJヨ、ワタシ達 ガ利用シタ ギャレオリアロードハ ドコニアル?イツ出現スル?』

「詳しい時期は分からん。だが凡そ木星での戦いから1年ほどの時間は経っていた筈だ」

『頼リ無イナ』

 

 黙らっしゃい。仕方無いだろう、明確な日時など覚えてはいないのだから。だが護少年の旅立ちから遊星主との接触、Qパーツと戒名少年の地球への落下時期、これらを考えると今この瞬間にもギャレオリアロードが開いていてもおかしくはない。おかしくは無いのだがココ、と特定できる場所も心当たりも無い。木星辺りで張っていれば002の帰還を迎える事が出来るかもしれないが、だからと言って木星周辺でひたすらに待っていれば良いのか?それも効率が悪いというか無駄な時間を過ごすというか・・・

 

・・

・・・

 

『デ、出シタ 結論ガコレ カ・・・非効率 ニ過ギル ノデハ 無イカ?』

「ゾンダー亡き今ジェイアークの敵たり得る存在は無い。勿論周囲の捜索はして貰うがお前も少しは気を抜いても良いのだぞ?」

『散々 焚キツケタ 結果 ガコレデハナ・・・心配無用、オ前達ト 違イ ワタシ ニハ肉体的ナ 疲レハ 存在シナイ』

 

 私が出した結論は地道にギャレオリアロードを捜索する事だった。トモロの苦言も至極尤もである。だがその行程でジェイアークの修復・弾薬類の生成は進みベストコンディションへと整ったのは幸いであるし、少なくとも未だ太陽系内にギャレオリアロード発生の兆候は無さそうだという事は確認できた。となると太陽系外に出現してダークマターを採取・移送でもしているのか?されていたら見つけるにはどれ程かかるのやら・・・と考え込んでいると

 

「あの、J。難しそうな事を考えている所申し訳ないのですが、遊星主に対しては何か出来る事は無いのでしょうか?」

 

 アルマが私の腕を突いて聞いてくる。遊星主に対して、か。正直アルマが造られた経緯も経緯、むしろパルス・アベルに逆に利用される可能性の・・・試してみるか。

 

「アルマ、お前にだけ許された特権がある。対で運用される私とトモロに対する直接的な干渉権限であるJジュエルの凍結命令だ。恐らく私達は強制的に最低限度の行動しか出来ない状態へ陥る事だろう」

「そんな事が・・・?」

 

 口に手を当て両目を真ん丸に見開いて絶句するアルマ。多分だがアルマの育成過程においてその事もインプットされる筈。だがそれを理解する前に原種との戦いが始まって終わったからな。

 

「あり得ないがソルダート部隊の反乱やジェイアークが鹵獲された場合の緊急措置、なのだろう。お前が持つ私達への命令権、試してみないか?」

「そんな事したら!Jジュエルのパワーで活動する貴方やトモロに深刻なダメージを負わせる事になるじゃないですか!そんな恐ろしい事をさせないで!」

「そう思ってくれるのはありがたい。しかし何事も経験をしておくのも重要な事だ、私としても初めての事態に対処する為にも必要だと思う。頼まれてくれないか?」

 

「Jの初めてを、私が・・・?」

 

 んんん?アルマさん?その言い方だと若干意味合いが変わってくるのだが?

 

『オイ何ヲスル気ダワタシノ意思ハ無視カ無視ナノカ!聞イテイルノカ馬鹿者ヤメルノダアルマヲ止メルロ!ソンナ事ヲシテ何ニナルノダァ!』

「完全に停止させちゃうと大変そうだからきっとこれくらいで・・・えい!」

 

 その瞬間、体に掛かる重力が何倍にも増したかのような感覚に襲われ姿勢を維持できずに膝を着きそうになる。慌てて力を籠めようとするが上手い事力が入らず膝が笑っている。左腕のJジュエルからのエネルギー供給が急激に低下したのが分かる。あまりの状況に逆に笑えてる。ククッ、これは・・・想像以上に・・・!

 

『アァガガギギgg・・・ア・ル・マ・コ・マ・ン・ド・解・除・ヲ・・・頼m・』

「J、トモロ!しっかりしてください、ねぇっ!聞こえていますか!?」

 

 

『聞いているのかJ、貴様は考えが無さ過ぎる!ジュエルジェネレーターの出力が一気に3割を切ったのだぞ、お陰でJファイバーの何割かがやられたわ!今は大事な時では無かったのか?復旧に無駄な時間をかける暇があるとでも!?』

 

 わーお、トモロとっても流暢に話せるようになったじゃん?良かったじゃん?

 

『ハァ?あのさぁ・・・そんな事を聞きたいのでは無いのだ!己がしでかした事の重大さを理解しているのか!その足りない頭で考えた事があるのか!』

 

 その後慌てふためくアルマに何とか説明をしようとするも、取り乱したアルマを落ち着かせコマンドを解除すればいいと言い聞かせるまで大分時間を食った。そして床に正座させられてトモロのガチ切れ説教を聞きながら涙目で睨んでいるアルマと目を合わせられない現在に至る。トモロの言い分だと完全凍結ではなく70%を超える程の制限が掛かったようだがその状態でコレなのだ、パルス・アベルからJジュエル完全凍結を受けて尚反撃を試みた002は凄い漢だ。だが感覚は掴めた、仮に同じ事が起こった場合の体の動かし方は予想できそうだ。

 

『おい、聞いているのか!なぜこんな事をした!こんな事をさせた!言えッ!』

「J!」

 

 早く終わらないかな・・・

 

・・・

・・

 

 

「だからこそ!手遅れになる前にGGGの出動を承認すべきでは無いでしょうか!」

 

 望まぬ形で始まり真の勇気によって決着を迎えた偽物の護少年との戦い。Zマスターと共に宇宙に散ったと思われた戒道少年が語った新たな情報と謎の敵、ソール11遊星主との接触。全ての答えは三重連太陽系にある・・・その為のGGGの行動承認は国連評議会によって否決されそうになっていた。否、最初から聞く気も無かったのかも知れない。大河幸太郎総裁(GGG長官は退いている)の懸命な叫びは他評議員に遮られる。

 

「例えキミの言う通りだとしても・・・宇宙の収縮だよ?何百年も掛かるんじゃないかね、大河総裁?」

「それより今は木星のエネルギー開発プロジェクトが先決だろう」

「ザ・パワーを持ってすれば宇宙の収縮を止める事だって出来るかもしれんしな」

 

 暖簾に腕押し・馬耳東風、そのような態度を取られて大河総裁は拳をデスクに叩きつける。声を荒げそうになったその時、横から口を挟むものが現れる。

 

「まぁまぁ、落ち着きなされ総裁。評議員の皆さまにも理はありますぞい?」

「獅子王博士・・・」

 

 それは誰あろう獅子王 麗雄その人である。大河総裁と同様にGGGから宇宙開発公団の顧問として赴任していた日本が誇る世界10大頭脳の登場に評議員達も冷や水を掛けられたように勢いを無くすが、

 

「そ、それ見ろ!獅子王博士も仰っているでは無いk 「しかぁし!」 !?」

 

「宇宙収縮のスピードも予想は出来ませぬ!その速度が仮に音速を超えていたら?光速を超えていたら?そうであった場合、我々に残された時間は少ないと考えるべきでしょう。こちらの思う通りに宇宙が動いてくれる筈もございませんしな!」

「それに昨今の地球規模の異常気象、全くの無関係とも思えませんのぅ。磁気や宇宙線の変化もあるとの考えは兄ちゃ・・・雷牙博士とも見識は一致しておりますでな」

「最悪、木星エネルギー採掘自体の消失にも繋がりかねない、と申しておきますぞぃ。政治家でも無いボクの、突然の無礼をお許し頂ければ幸いですじゃ。ホーッホッホ!」

 

「幸太郎や、お前の気持ちは良く分かる。だからね、もうしばらく時間をおくれ」

 

 国連事務総長兼国連最高評議会議長、ロゼ・アプロヴァールの一言でその場は閉会となった。大河総裁にしてもGGGの直接の上司でもあり古くからの知己である女傑には矛を収めざるを得なかったが、悪い方向へ進まないようにと願うばかりであった。

 

 

 アレは嫌な事件だった。だが!我々は!それに屈する事無く!地道に宇宙空間の探索を続けた結果、ついにそれを発見したのだ!

 

『観測範囲内ニ ギャレオリアロード ヲ複数確認カ・・・普段デハ 絶対ニアリエナイ、正シク 異常事態ダナ』

 

 トモロの呟きを聞きながら考える。ゲート・・・ギャレオリア彗星が確認された事で地球上でどれほどの時間が経過したのかは分からないが、レプリジン・護少年のゴタゴタが始まったか終わった位だろうか。となるとソール11遊星主は既にレプリジン・地球への帰還を始めている事だろう。出会い頭に遭遇してしまう危険性もあるが、慎重になり過ぎてゲートが消えてしまっては元も子もない。あぁ、向こうでの潜伏先なども考えねばな。

 

「J、ちょっといいですか?」

 

 振り向くとアルマがこちらを見つめている。その瞳に強い意志を宿しながら。

 

「ん、以前にも同じ流れが・・・まぁいい、どうした?あんな事は二度としないしさせないと約束した(させられた)が、まだ不安か?」

「茶化さないでください。私もずっと考えていたんです、Jが何故あんな事をしたのか、あんな事をさせたのかを。答えて下さい。幾巳に、002に良く無い事が起こるのですね?」

「・・・」

「やはり・・・そう、なのですね?」

 

 押し黙った私を見て確信を得たとばかりの表情のアルマ。えぇい、この間抜けめ!黙ってしまっては肯定したも同じでは無いか!黙っているつもりはなく折を見てと・・・いや、言い訳だな。この娘に隠し事はしたくない。

 

「お前の言う通りだ。戒道少年は敵の手に落ち、利用される事になる」

「そんなっ!だったら今すぐにでも急行して幾巳を助けないと!」

『落チ着クノダアルマ。ワタシモ Jモ ソノヨウナ事ハ 看過デキナイ。ダガ 何事ニモ 情報ガ必要ダ。確実ニ動ケル、ソノ時ヲ待ツ』

「黙って危機を見ていろと言うのですか!?幾巳を、002を見捨てるのですか!」

「彼を心配する気持ちは良く分かるし我等が002達を見捨てる事などあり得ない。私に限れば単純な身体能力ならば彼奴等に引けを取らない自信はある」

「だったら!私も一緒に連れて行って下さい!私の力も役に立つはずです!」

 

 だがな

 

「事を甘く見過ぎだ。お前も戦場を体験したとは言え、実戦経験も浄解以外の“アルマとしての能力”の使い方も絶対的に不足している。その上遊星主に対しては何の特効も持たぬ以上、お前を出す事は許可できない」

『ソコハ Jニ同意 スル。オ前ニモシモノ 事ガアレバ 助ケルツモリ ガ助ケヲ待ツ 事態ニモ ナリ得ル。落チ着クノダ、アルマ』

 

 この娘には辛い選択をさせるがこの意見を変えるつもりは無い。戒道少年が危機的状況なのも確かだがこの娘まで同じ目に合わせる訳には行かない。我等にとってアルマは正しく鍵であり王である。厄介でもあり絆の強さの証でもあるJジュエル凍結コマンド、全く持ってアベルは偉い事をしてくれたものだと心の中で悪態をつく。

 

「っ・・・分かりました、私が先走り過ぎたようです。Jにトモロ、本当の事をキチンと話してくれてありがとうございます」

「いや、こちらこそお前に辛い選択をさせる事を済まなく思う。だが今だけは納得はせずとも聞き分けてくれ」

 

 悔し気な表情でアルマは下がった。まぁあの娘にしてみれば到底納得できる話ではないからな・・・そういえばこうもハッキリと自己を押し出すのは初めて見た。これも成長の証と言えるのだろうか。

 

 後のフォローも考えつつトモロへ指示を出す。

 

「良し!それでは次元ゲートへ突入し、三重連太陽系の座標への移動を開始する。スペルヴィア、ギャレオリアロードに向け発進!」

『了解。シカシ コノヨウナ 形デノ 帰還 ニナロウ トハナ』

 

 ジュエルジェネレーターの出力を上げ、ギャレオリアロードへ突入する。長くも短くも感じる次元航行を終えたその先に見えたのは青の星、地球。衛星である月までもが確認できるが全ては偽物。惑星一つ丸ごと複製されたレプリジン・地球とも呼ぶべきモノだ。

 この先に待つは強敵ソール11遊星主、簡単に事は進まないだろう。だが私というイレギュラーが起こす波紋で勇者達の、002の運命を変えて見せる。

 

 

 

 

 

 少なくとも、この時はそう信じていた。

 

 

 

 

 

「坊や、今までどこに・・違う!アンタ、何者だい?」

「Gストーンの・・・?もしかして貴女は青の星の?」

 

 そして獅子の女王と赤の妖精が邂逅する。




原作だと麗雄博士亡くなってるし雷牙博士はアメリカ帰っちゃってますが、こちらでは大河総裁に併せて麗雄博士がGアイランドシティに降りてきた設定に。

麗雄博士も本来ならどこぞの研究所や観測所の所長を務めるのが筋なのかもしれませんが、そんなの関係無ぇ!

尚、結局反GGG派閥の議員がやらかすものの、獅子王・高之橋両博士と合流した雷牙博士、凱の力で遥かに早い段階で妨害を切り抜ける事に成功するも大まかな流れは変わらない模様。

楊博士の役者っぷりも見所でしたね。
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