って言ってみたかったんです。
「あ、あの!私は下がって待機していますね」
アルマはギャレオリアロードを抜けた時はレプリジン・地球に驚いた様子を見せていたが、いざ降下の時になるとそう言って艦橋を出ようとする。先の口論・・・とまでとは言えない物だったがそれ以来アルマの様子が少々おかしいとは感じていた。お前を出す訳には行かない、と言った事を気にしてしまっていたのだろうか?あの子にしてみれば自分の意見を完全否定されと感じてしまったのかもしれない。
だがソール11遊星主、特にパルス・アベルが活動する敵の本拠地でアルマを単独行動させる訳にはいかない。アベルを模したプログラムとはいえ、アルマの元となった人物である。戒道少年が手も足も出ずに敗れてしまう程の実力があるのだ、警戒に警戒を重ねて損はない。
「ン、分かった。あぁそれと、先程は強く言い過ぎた。だが決してお前を否定した訳では無い、という事は信じて欲しい。必ずお前の力が必要となる、我等で002達を迎えに行ってやろうではないか。済まなかったな」
ぺこり。そう表現するのが似合う仕草で頭を下げたアルマは艦橋から出て行った。多少なりともあの子のフォローとなったのだろうか?年ごろの子供への対応は何が正しいのかが分からんな。もっとも我等ソルダートシリーズに子供の時代があったのかは知らんが。正直アルマの事も気になるが目の前の問題から片付けていかねば。
「トモロ、指定するポイントの生体反応と惑星の大気成分のを調査を頼む」
『ココハ 大陸デハ 無ク島、カ? 大気成分ハ トモカク、生体反応ハ アル程度近ヅク 必要ガアル ガ構ワンノカ?』
「そうだ。そこはアメリカと言う国でGGGの支部の一つが存在するのだが・・・パレッス粒子が検出されれば確実に彼らもいる筈だ。生体反応が無くても迎え入れる準備が出来ている証明になる」
『パレッス粒子・・・ソール11遊星主ガ一ツ、パルパレーパ ノ操ル化学物質 トノデータ有。精神・感情ヘノ影響ガ・・・ソウカ、ココガ 奴等ノ狩場 トイウ訳カ』
「そもそも知る方法も無いし対策の立てようも無い、正に初見殺しだな。この罠に飛び込んでしまえば待ってるだけで勝負が決まってしまう。よし、突入するぞ。各種センサーに反応は無いな?」
『ウム。シカシ 国ガ幾ツモ 存在シテ イルト?惑星統一国家 ヲ形成シテイル ノデハ無イノ ダナ』
その辺はなぁ。人は3人寄れば良い知恵を出す事も可能だが3人いると派閥ができるともいうし。惑星統一国家の設立など地球では絵空事だろう。逆に三重連太陽系の指導者たちが持っていたカリスマはそれほどまでに強烈だった、とも言えるのだろうか?そんな事を考えつつ、降下して行く景色を眺めていた。
それどころでは無い事が起きている事すら思わずに。
『J、オ前ノ 見立テノ 通リダ。コノ惑星ニハ パレッス粒子ガ充満 シテイル。コレヲ 取リ込ンデ シマエバ 侵食サレル ノニ3日モ 掛カルマイ。素晴ラシイ効率、見習イタイ物ダナ』
「そこは共感しないで欲しいものだがな・・・生体反応の感知範囲はどうか?」
『モウスグダ。奴ラ ノ目ヲ逸ラス 為、海中へ潜行 ヲ開始スル。マァ遊星主 ニ対シテ効果ガ アルトハ思ワンガナ』
その辺はトモロの好きにやって貰いたい。まぁ遊星主に見つかるのが遅れるのは悪い事では無し。いや、あえてGGGに接触し勇者ロボ達のAI停止を阻止できれば戦力として期待できるかもしれん。状況次第ではひとっ走りして宇宙開発公団に顔を出すのもアリか?
『J、コノ辺リ デヨイ カ』
「あぁ、ここなら身を隠すにも最適だろう」
―――ごめんなさい、J―――
「アルマ?おいトモロ、アルマはどうしている?モニターできるか?」
今のはリミピッドチャンネルを介したアルマの声?何故?ごめんなさいとは一体何の事だ?そもそもアルマはどこにいる?
『何ヲ言ウ、アルマノ反応 ハキチントアル。艦内デ ワタシニ感知 デキヌモノ ナド・・・モノナド、アイェエェエ!?』
「追ってくる気配は・・・無いか。クソがッ!」
ツクヨミまで撤退をしたルネ、荒ぶる心中を拳に込め思い切り壁をブン殴る。壁がひしゃげる音が響き渡るが反応する者は誰もいない。その事が更にルネを苛立たせる中、その耳が異なる音を捕らえる。何者かの明確な足音、少々足取りに違和感があるが聞き覚えがある足音の方向へと駆け出すと思った通りの人物と遭遇する。
「パピヨン!その傷は、無事なの!?」
「あぁ、ルネ・・・貴女も無事だったんですね」
ルネの無二の親友であるパピヨン・ノワール・・・正しくはレプリジン・パピヨンと呼ぶべきなのか・・・が切り裂かれた衣服も痛々しい姿で目の前に現れた彼女にルネも慌てて彼女に寄り添う。
「大丈夫?誰にやられた!?」
「落ち着いてルネ、応急処置は済ませてありますし痛みを感じるうちはまだ大丈夫。それよりも行かないと」
「行くったってどこへ?外にはソール11遊星主がウロついてるってのに・・・」
「命さんの元へ。私のセンシングマインドが彼女の覚醒を告げています。勇者王が破れた今、私もこの現象の解析を進めないと」
今起きている現象は遊星主による化学物質の攻撃である事、影響を受けなかったパピヨンを脅威の芽と判断した遊星主が直接襲撃するも本物の天海 護に救われた事、化学物質の解析・無力化を進めている事・・・パピヨンから聞く話はルネにとっても驚きと共に納得できる部分もあった。GGGスタッフの変化は、爺共の豹変は敵の攻撃だったのか、と。
「分かった、アタシも着いていくよ。パピヨン一人じゃ危険だし、命がまだ寝こけているなら引っ叩いても目を覚まさせてやるさ」
暖かな日の光が降り注ぐ、いつも通っていたあの丘の上。傍らに立って命を優しく見守る凱の腕の中で命は幸せを享受していた。目線を上げれば目と目が合う。彼の体温を、鼓動を、全身で感じて味わって。少しでも長くこのあまいユ メ ニ オ ボ レ テ イ タ イ。
夢に、溺れる?
瞬間、世界から音が消えた。突然の事に驚き戸惑い凱の胸に縋り付いき、不安に駆られて見上げた凱の瞳はまるで光の無いガラス玉の様で。先程まで明るかった丘が暗闇に覆われ、隣に感じていた凱の姿も消える。1m先も見えない闇の中で命は頭を抱えてしゃがみ込む。
「イヤっ、何!?凱、どこに行ったの!?一人にしないで!ねぇ、凱!誰かぁ!」
目も耳も塞いだ命の絶叫が響く中、どこからともなく声が響く。目を覚まして。目覚めろ。目覚めなければならない・・・この時の命に知る由も無かったが、機界新種から浄解を経てセミ・エヴォリュダーへと至った命の自己修復作用により神経系が急速に回復している証左であり、響いた声は己の意思の表れでもある。やがて・・・
「う・・・私・・・」
ひどい頭痛で目が覚めた。自分が何をしていたのか良く思い出せない。なにか夢を見ていたような・・・確か凱と一緒に・・・凱?
「そうだ凱、凱は!?」
「自分を取り戻したようですね。センシングマインドの導き通りでした」
「よっ、寝ぼすけ。自分で起きたのは褒めてやる」
「パピヨン、ルネ・・・私、一体?」
目覚めた命はパピヨンから聞かされた話に愕然とした。かつてゾンダーに操られ凱を危機に晒してしまった記憶、機界新種として地球を危機に追い込んだ過去を。そして今うっすらと思いだした頭の芯から痺れるような甘く幸せな夢。自分がそうしている間に凱は戦いに赴き・・・
(同じだ。あの時と同じだ!凱は一人で戦っていたのに、私は敵に操られ何も出来なかった!)
「わた、しが・・・私が凱を殺しちゃったぁぁ!」
目から大粒の涙を流し泣き崩れる命、パピヨンが懸命に宥めようとするも全く届いていない様子に業を煮やしたルネが動く。強引に命の上体を引き起こし、間近で命を睨みつけるように目を合わせる。
「しっかりしな、命!今動けるのはアタシ達しか居ない、泣き喚いてる暇なんか無いんだ!それに忘れちゃいないかい?凱は、アイツは、アンタの彼氏は!勇者、なんだろ?一番近いアンタがそれを信じなくてどうするんだ!」
「そうです命さん・・・センシングマインドが告げるんです。Gストーンの導きが、そして勇気ある誓いが!貴女の進むべき道を照らしてくれる筈です!」
真剣に渇を入れてくれるルネ、必死に言葉を尽くしてくれるパピヨン。これには命の心も奮い立ち、流れる涙を拭いもせず、命は力強く立ち上がる。
「ありがとう、ルネにパピヨン。私、凱の為にも・・・戦わなくちゃ!」
普段表情が乏しいパピヨンが嬉しそう笑みを浮かべて頷き、ルネが口の端を上げ挑発的に笑みを浮かべた。
――では私は引き続きパレッス粒子の解析を。お互いの戦場で戦いましょう。
ツクヨミでパピヨンと分かれた命とルネ。これからの行動指針を、という時に命が言い出した言葉にルネは言葉を詰まらせる。
「は?ガオファイガーの通信が途絶えた場所に行ってみる、だって?アンタ、そこには・・・」
「分かってるの。でもねルネ、私は希望を追いかけてみる。凱の意思を受け継ぎたいから・・・それに私が信じなくてどうするって言ってくれたのは貴女でしょう?」
「チッ・・・ったく、さっきみたいに泣き喚くようなら今度こそ引っ叩くよ?足はあるのか?」
「えぇ、超AIを使用していなかったのが幸いしてシャットダウンを免れたガンマシンが2機残っているわ」
「ならせめて何か羽織って来な」
・
・
・
通信途絶ポイントまで急ぐ二人、近づくにつれて心境を反映するかのように天候が崩れ出す。暗雲が立ち込み強烈な雨が降り始め、ガングルーを、ガンドーベルと運転する命を容赦なく打ち据える。件のポイントへ辿り着き地面に降りた二人を迎えたモノ、それは倒れ伏すガオファイガーであった。
破壊されてはいるがまだ原形を留めているドリルガオーⅡで判別できたのであって上半身に当たるガオファー部分は無残にも砕け散り破片が散らばるのみである。想像を超える光景に言葉を失うルネ、何かを見つけてフラフラと近づき膝を着く命。命が見つけたモノ、それは凱が身に着けていて、半ばから砕け散ったウィルナイフの刀身。震える手で拾い上げ胸に抱きしめ、こぼれそうになる涙を必死にこらえる命。
「命・・・」
「分かってる、大丈夫、大丈夫だから。だけど少しだけ」
それにしても、とルネは周囲を見渡す。いくらアイツでも・・・頭を過ぎる恐ろしい想像を振り払う。命に啖呵を切った以上自分が弱気になる訳には行かない。凱は数々の戦いを乗り越え奇跡を起こしてきた勇者だ、きっと今はどこかで体を休めて・・・
そんな二人を不意に緑色の光が照らす。懐かしい覚えのある光に命は顔を上げ、光に不審な表情で場違いな光を見上げるルネの視線の先には、緑色の光に全身を包まれ3対6枚の輝く翼を広げ宙に浮く少年の姿があった。
「命姉ちゃん・・・と、そっちの人は?」
「護、くん?本物の護君!?もう、今までどこにいたの!みんな心配してたんだから!」
(地球でパピヨンの命を殺し、凱と戦ったレプリジンのオリジナル、か。確かに見た目の相違は全く無い、けど輝きが強いし何よりGストーンから感じる暖かな波動・・・あの時の姿と一緒だ)
再会の喜びに沸く命と護を尻目に冷静に観察するルネ、一度だけ遠目で見た事がある。かつて任務で訪れた中国・万里の長城で突発した原種との戦いで、ソンダーに侵食された人々を浄解して救っていた時と同じ・・・いや少し背が伸びているか?同一人物に違いない。
パピヨンの件がある以上、思う所が無い訳では無いがそれはそれと割り切ると決めたルネは声をかける事にした。
「ふぅん、へぇ。アンタが天海 護特別隊員?アタシはルネ、凱の従妹って言えば理解できる?」
「凱兄ちゃんの従妹?・・・あぁ、雷牙博士の?」
「あんな爺、親と思うのも認めたくないけどね」
命から凱の事を聞いた護だが、何より彼自身がそれをよく分かっている。なにせガオファイガーのプログラムドライブをしたのは護なのだから。それに必死の抵抗むなしく連れ去れらてしまった戒道、口を開きかけた時に彼等の頭上から巨大な影が差す。紅に輝く翼を背負う巨大な影、それを見た護が叫ぶ。
「あれは・・・ジェイダー!?脱出出来たんだね、ジェイ!ゴメン、戒道が・・・ボクは・・・!」
「ラティオ、いや護少年と地球・・・GGGの人間か?久しいな、木星での一件以来か。と言っても見た事があるのは護少年くらいだがな」
「えっ?じ、じゃぁこのジェイダーにフュージョンしているのはあの時の、戒道と一緒のジェイじゃないほうのジェイなの!?」
じゃない方芸人028。
なんかもっともらしく統一国家とか言ってますが、勿論そんな設定は無かったので捏造です。
指導者というくらいだから指導していた立場だったんでしょうが(小泉構文)、イム様と5老星みたいな感じだったのかもしれないし、意にそぐわない同士をシベリア送りにしていたりしたのかもしれません。
ルネと護云々に関しては小説リオン・レーヌからちょこっと引用。
motherでも好きな物は「まるやき」にしてた面倒くさがりなのでサブタイトル考えるのがマヂ大変です。
何より俺が通い詰めなくてはバニーガーデンが潰れちまうよ!