大して状況が進んでないのにも関わらず相変わらずの遅筆。
だけどもうちょいなんじゃ。
アルマが居ないだと?出し抜かれたというのか、お前が?アルマに?
『・・・面目無イ。油断・・・イヤ アルマ ヲ侮ッテイタ事 ハ否メナイ』
ハッハッハ!これはこれは、赤の星が誇るトモロシリーズであるお前が一本取られるとはな!アルマめ、大胆な事をするようになった!
『笑イ事 デハ無イ!事ノ重大 サヲ認識スベキダ、J!敵ノ本拠地 デアルマガ姿ヲ 消シタ ノダゾ、決シテ 楽観視出来ル 事デハ無イ!』
分かっている、分かっているさトモロ。そう熱くなるな。
アルマが我々の知らぬ間に姿を消した。そして頭に響いてきたアルマの謝罪の言葉。つまりは・・・。軽々しくアルマに試させたアレのせいか?巡り巡って自分に跳ね返って来て結果アルマを危険に晒してしまっている自分の間抜けさに反吐が出る。
こうなった以上優先順位を変更、私の知り得る限りの情報を用い、アルマの捜索を最優先とする。ジェイダーで出る、トモロお前はこちらのアクションがあり次第動けるように待機。あぁそれと、アルマへの説教を考えておいてくれ。・・・私の心配は必要ない、必ず連れ戻す。
『オ前 ノ心配ナド スルダケ無駄 ナ事ヨ。頼ンダゾ戦友』
トモロからの心強い?声を受け私はジェイダーで海上へ飛び出した。
「コースケ、待っていて下さい。必ず貴方を、GGGの皆さんを・・・」
ルネと命さんを見送った私は皆さんの治療に向けてパレッス粒子の解析を進めていました。状況を覆すには勇者達の復活が必要、勇者達の復活にはコースケの、GGGの治療が絶対、それができるのは私だけ。多少の痛みにかまけている暇はありません。治療を、解析を急がなければ・・・えっ?想定外の何かが、来る?
センシングマインドが囁くのを感じた私は導かれるようにツクヨミの艦橋へと足を向けていました。解析を進めなければいけないのにココから離れてはいけない、そんな思いが私の中を埋めていました。やがてセンシングマインドが、私が感じていたものが・・・来ました。紺の手足と艦橋を思わせるようなボディ、とりわけ目を引く虹色の翼を展開してツクヨミの目の前に降り立った機体。ガオファイガー以外で稼働しているメカノイド、GGGのデーターベースで閲覧したその姿は・・・ジェイ、ダー?アレがソルダートJ、なのですか?センシングマインドはこの事を告げていた?
『ラティオが、護少年がどこへ向かったのか・・・聞かせて貰おうか、レプリジン』
何故その事を?それに天海特別隊員がどこへ向かったのかまでは私にはわかりません。その事を聞いて貴方は何を成そうと言うのです?
『戦友を、友を助けるのに彼の力が必要。それだけだ』
ツクヨミの艦橋に響くソルダートJの声。全てを語っている訳では無いが嘘は言ってないと感じます。同時にこちらからの質問にも答える気も無いと言う意思と・・・焦り?疑問や聞きたい事は尽きません。何故この身がレプリジンだと知っているの?ここに天海特別隊員が立ち寄った事を知っていたとでも言うの?何故・・・・・・?このイメージは・・・ソルダートJが・・・?
ガオファイガーが敗れ去った時と同様の感覚が私の心を塗りつぶすように広がっていきます。天空を舞う2隻の白い箱舟、海中に没するソレと宇宙空間で箱舟に縫い留められたジェイダーのイメージが断片的に浮かんでは消えて。
果たしてそれが意味するものは希望?あるいは絶望?判断のつかないイメージは彼への試練だとでも言うのでしょうか。砕けても折れぬ闘志を持っているのかどうかの問い掛けなのだでしょうか?気づけば私は口を開いていたいました。
私の友人でGストーンを体と心に宿す戦士と勇者王の伴侶にして人間の可能性の一つ、ふたりと天海特別隊員がGストーンの導きにより出会う可能性は十分にあります。それとセンシングマインドが捉えたイメージを伝えようとしたのですが――いらん、と断られてしまいました。
『敵の本陣で想定内の事などある筈も無し、腹を据えて迎え撃つだけよ。まぁ忠言感謝、と言っておこう。邪魔したな、お前もお前の戦場で戦いを続けるがいい。トモロ!現地点より指定ポイントへ移動、待機せよ!』
言い終えるや否や虹色の光を残し飛び去りました。一陣の風というよりは嵐のような方でしたが去り際の私の戦場という言葉を思い返し、研究室へと戻るのでした。あの嵐が私たちの未来にどんな影響を及ぼすのだろうと考えながら。
その口ぶりだと色々とあったようだな。ソルダート№J-028より護少年へ、情報の提供を要請する。聞かせてくれないか?
「うんっ!ジェイが、ジェイは海に浮かんだ小島に建ってる教会みたいなところにいるんだ!それとゴメンなさい、戒道はおっきな戦艦で連れていかれて・・・」
巨大な戦艦・・・ピア・デケム・ピットか。だが力及ばずとも戦い生き延びたのだろう?卑下する事は無い、流石は緑の子、勇敢な事よ。002と戒道少年は
「おい、アンタがあのお嬢ちゃんの保護者なのか?」
ルネからの質問に不意を突かれた。あのお嬢ちゃん?まさかアルマの事か?というか何故お前からアルマの話が出て来る?
「凱が倒れる前にさ、会ったんだよ。最初は戒道のぼうやと勘違いしてたんだけどもね。二人でしゃべってる時にピルナスとかいう遊星主に襲われて・・・あの娘の決死の行動でオメオメと逃げおおせたってワケ」
「大人しそうな顔して度胸座ったお嬢ちゃんを教育したヤツの面を拝んでみたかったんだよ」
正に肉食獣な笑みを浮かべているルネ。しかしそうか、アルマが自分の判断で交戦し自分の判断でルネを逃がしたのか。
「何笑ってんだい、笑いどころなんて無かったと思うんだけど?」
いや戦士としても成長したものだ、とな。ならばこそアルマを取り戻す為、002を救い出す為に私は行かねばならん。護少年、早速で悪いが案内を頼みたい。無論002がただ放置されている訳も無し、遊星主も確実に網を張っているだろうが逆に食い破るのみ。そこの二人、どうする?
「ハッ!分かり易くていいじゃないか。あのピルナスって奴も来るかもしれないんだろ?いいよ、乗ってやる!」
「私は・・・私も行く。護君とまた会えた事、
良かろう、乗るが良い。私もソルダート師団の端くれ、どこへ行こうがどこへ飛ぼうが時間など掛けん。え、そのガンマシン持ってく?まぁ役に立たない事も無いだろうが・・・いや流石に入らんから抱えていくしかないのか・・・
「うわっはー!ジェイアークに乗るの2回目だ!でも、あんまり変わらないんだね」
正確には艦橋部なのだが・・・まぁ基本的な造りは同じはずだしな。
この場に拘束されてどれほどの時間が経過したのだろうか。002の頭に浮かぶのは以前訪れたラティオの事、地下のジェイアーク・ペンチノンの事、そしてアルマの無事であった。あの勇敢な緑の子ならば必ず流れを断ち切る一手を打ってくれると信頼があった。その時に備えるべく傷つき消耗した身体とは逆にジェイの闘志は燃え盛っていた。そしてソレは突然に訪れた。
―プラズマソード展開、構造物の上部を破壊する
―待てぇ!お前ここがどこだか知ってるのか!?
―?あぁ、心配はいらん。複製された青の星故に本物には影響はない。では先行は護少年、着地点
の確保と周囲の警戒を、卯都木は降下後ガンマシンに攻撃状態を出し護少年の傍で待機。獅子王
は手筈通りに002の救出を、恐らくそう離れていない所にある筈だ。同時に002は護少年への
エサである可能性もある、遊星主に警戒しろ
―そうじゃなくて・・・あぁもぅ、封印のキーを解く、だっけ?そ・れ・と!
アタシを獅子王と呼ぶな!
ステンドグラスからの光が一瞬陰ったかと思うと天井部が蒸発した。いきなりの出来事に002の思考が一瞬飛んだ。は?と思う間もなく緑の光に包まれたラティオと青の星の女が、その背後を護る様に2体のロボットが降りて来る。次に少し遅れて降りて来た女の姿に002の目は奪われる。金色に輝くその右手に埋め込まれた緑色のGストーン、002に一人の男の姿を想起させるその右手で無造作に封印の台座に触れると両手両足の拘束が解ける。
「本当に解除された。へぇ、アンタ
こちらをしげしげと見つめた後上に向けて声を上げるGストーンのサイボーグ、釣られて見上げた002の視界に飛び込んで来たのは見慣れた、だがここにある筈の無いジェイダーの姿。馬鹿な、己のジェイアークは、ペンチノンは未だ地下で再起の時を待っている筈。ではアレは一体?
上出来、その一言と共に002の目前に降り立つ影。002は思わず大声を上げてしまう。
「貴様!028かッ!」
「久しぶり、と言うべきかそれとも割と早い再会、と言うべきか・・・長期の休暇を満喫したか?」
「ククッ、貴様こそ弛みきっておらんだろうな!」
まるで鏡合わせの様に語り合うふたりのソルダートJ。ルネのサイボーグアイを以てしても外見の相違を見出せず、何となく
「!この羽音・・・おいソルダートども!」
「フム、流石にお前も気づいたか獅子王」 「獅子王・・・なるほど、お前は凱の縁者であったか」
飛び退いたルネがいた場所に突き刺さる鎖、姿を現すは自称美と快楽の女神こと遊星主ピルナス、因縁の相手を目の前にルネもイークイップに愛銃で迎え撃つ。
「ごめんなさいねぇ、飾りつけとお色直しでお出迎えが遅くなっちゃって。やっぱりオシオキが忘れられなかったのねぇ?」
「出たねハチ女!オシオキが必要なのはアンタの頭みたいだね、地獄でゆっくり見て貰いな!」
「地獄ぅ?だからアナタの隣に死神さんが・・・あら?」
ピルナスの台詞で隣に顔を向けたルネが見たものは
「痛っつぅ・・・でもその反抗的な態度がどんな風に変わるのか、興味津々だわ!」
あぁなんてこった、たまたま足を延ばしたらピア・デケムに当たってしまった(棒)スマン002、そっちに飛んで行ったぞ。
「貴様と言うヤツは・・・まぁいい、丁度私も体を動かしたかった所だ!」
ピア・デケムと切り結び始める002、互角どころか追い詰めかねん動きをしている。あいつも結構な期間磔になってたはずなんだがブランクを感じさせん。っと、向こうの状況は・・・燭台、方向、距離ヨシ!獅子王、鎖に使え!手近な燭台を取り、ルネに向けて投げつける。
「アァ!?テメェ何し・・・そうか!」
飛来する鎖を燭台で絡め取り逆に投げ返すルネ、オマケでお見舞いした小型ボムの爆発でピルナスもたまらず大きく吹き飛ばされそのまま壁に激突、かと思いきや真上からの蹴りによって地面に叩きつけられた。げぼぁ、と女性がしてはいけない声を上げるピルナスを、その腹部に爪先をめり込ませたまま028は冷え切った視線で見つめていた。
「あ、アルマが単体でいるなんてレアモノだと思ってたケド・・・無様に生き残ったソルダート部隊も、っぎぃ!」
「く、くふふ。聞いて無かったの?キレイに飾り付けて並べて飾ってあるのよ?け、結構考えたんだか、らぁぁァァ!」
突き刺したラディアントリッパーを振りぬき左肩から切断、ピルナスを柱に向けて蹴り飛ばし左腕を投げつける。結果ピルナスは遅れて吹き飛んできたピア・デケムごと自分の針先で固定される事となった。
光刃が遊星主を貫かんとした時、我々と遊星主との間に割り込んで来た小柄な人影。フードを深くかぶり表情が伺えないソレが片手をかざすとピタリ、と我々の動きが空中で固定されてしまう。意思に反し身動き一つ取れぬ我々の前でフードの中から出てきたその顔は。
―少々暴れ過ぎです。まったく、ソルダート部隊は何時から主の言う事を聞けない不良品に成り果てたのですか?
赤の星の指導者の姿を模したソール11遊星主がリーダー、パルス・アベル。
002「一太刀余分だな」
ルネ「何の躊躇いもなく・・・やはりあいつは冷血非道!」
あのまま普通に首をはねるでも良かったんですがそれだと復活の為再製波動必要だし、その程度で再製波動使うのも勿体ないし、腕1本くらいならアベルでどうにも出来そうだったので。
アルマ達のお披露目はまた次回に。