そのJ、外れし者につき   作:むすけ

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ウジウジJ


3話 脱出の為にー2

―――敵の数が多い。

 

ドックまでの道中、敵の数が明らかに増えている。もうあんな所まで戦線が押され・・・いや違う!空から飛来してくるゾンダーどもが増えてきている。もしかすると原種の直接攻撃も始まっているかも知れん。こうなれば多少の負傷は無視しドックへ突撃するしかない。だがトモロへのダメージは極力避けねばならん。

 

飛ばしに飛ばしてようやくタワー付近まで来た。ここまでくればあと少し・・・と考えていた時、不可視のナニかに吹き飛ばされた。制御を失い防御体制も取れない状況で間近に迫るビルの壁面、いかん!何もしないよりはマシと自分の体をクッション代わりにしてトモロを守る。そして・・・全身を壁に叩きつけられる衝撃に襲われた。

 

「ぐぉっ・・・い・・・いったい何が起きた??」

 

耳鳴りがする、全身を襲う激しい痛み、落ちて来た瓦礫でバイザーの一部が欠けてしまったようだが現状把握に努める。何だ、何にやられた?見えない攻撃・・・音波や衝撃波?様々な考えが脳裏を巡り、一つ引っ掛かったというか思い出した事がある。

 

「まさか・・・腕原種の超重力波、か?」

 

確か腕原種との確執がJ-002の過去で語られていた。という事は既に002と腕原種の戦いが始まっている!?その余波でこのザマか・・・想像以上に時間が無い、グズグズしていると本当に全てのジェイアークが失われてしまう。

 

痛みを訴える体を無視し、ジェイアークのドックへ飛ぶ。002、お前を囮に使う。今暫し持ちこたえてくれ。002、赤の星の人々、そして我等の創造主であり指導者アベルよ、許しは請わない。罵ってくれ、蔑んでくれ、獣に身を落とした、醜い私を・・・

 

 

・・・

 

 

「何たる事、ここにまで・・・」

 

そこに広がるは惨状であった。ゾンダーの侵入を許してしまったドック内、傷だらけで倒れ伏す整備スタッフ・技術者達、ジェイアークに群がるゾンダーども。生存者は絶望的かと思われたが私の耳が呻き声を拾った。辛うじて息のあるスタッフに駆け寄り必死に声をかける。

 

「しっかりしろ!トモロを運んで来た!ジェイアークは、使えるジェイアークは残っているか!?」

 

「ジェ、イか・・・遅いじゃないか。済まな、い、ジェイアークは・・・間に合わなかった、守れなかった・・・」

「我々、襲ったゾンダー・・・次々と・・・いや・・・あそこなら、あるいは・・・」

「ゾンダ、近いジェイア、クから襲っ・・・一番奥、組立 終工程 ほぼ完、成」

 

「ドック一番奥の未完成艦だな?分かった、後は任せろ!」

 

返事は無かった。こと切れた整備スタッフに心の中で手を合わせる。求めていた最後の情報に気力を奮い立たせ、最奥を目指し飛び出す・・・見えた、完成間近の所々装甲が取り付けられていない、巣立ちを待つ雛鳥!ロックも掛けて無い艦内へ飛び込み、メインコンピュータルーム・・・Jタワーコンピューターに辿り着いた。

 

「トモロセット完了、起動シークエンス開始。Jタワーコンピューターが起動すればジェイアークも目覚めるだろう」

 

まずは目的を果たしたと言いたいが、今ゾンダーに狙われるとマズい。起動までの間、外での迎撃を行うしか・・・しまった!アレは無事か!?

 

今更ながら懐にしまい込んだサンプルを慌てて取り出し確認してみる。アレだけの無茶な動きをしてきたが幸いにも容器にはヒビ一つ入っていない。こればかりは研究者達の技術力に感謝だな。手近な台座に慎重に固定するが、早めに専用の装置を整備しなければならんな・・・

 

「トモロ、なるべく早く頼むぞ・・・」

 

起動途中のトモロを横目に、起動までの時間稼ぎと艦外へ向かうのだった。

 

 


 

>制御システム認証......TYPEトモロ-0147 ASSIGN......認証完了

>セルフチェック開始......損傷確認ナルモ微小 自己修復可能圏内

>ジュエルジェネレーター......正常稼働

>Jファイバー接続状況......接続状況87%

>Jリキッド流量......流量正常値

>生体ユニット認証......認証ナシ

>ジュエルジェネレーター出力上昇......70%...80%...システム掌握 不完全 出力85%ニ固定

>

>Jタワーコンピューター 稼働開始

>CLASS“J-ARK”BATTLE SHIP 起動

 

 

意識が浮上する。ワタシはトモロタイプ0147、中央-極圏中継基地配属の・・・否、ジェイアークJタワーコンピューター専属として接続された個体。セルフチェックの結果、艦体は一部の装甲が未取付、ESミサイルを初めとした実弾兵器の残弾数無し、主砲・副砲、対空レーザー砲台等のエネルギー兵器は稼働する様だ。各種兵装部分へのJファイバー接続が上手く行っていない所があるようだがこれらは時間で解決する。装甲やミサイルなども光子エネルギー変換翼が稼働すれば解決する。

 

それよりもワタシはあの時ソルダートJに強制移動させられたのだろうが、肝心のJは?動作チェックも兼ねて各種センサー類を稼働させれば信じられない状況が飛び込んでくる。無数に倒れているスタッフに所々黒く染まりつつあるジェイアークが数隻確認、本艦付近で争っている反応がある。Jだ、ワタシをここに連れて来たJに違いない。色々と聞かせて貰わねばならないが、まずはJを回収、この場を乗り切るが先決。何よりソルダートJ・トモロ・アルマが揃って初めて対機界31原種用兵器として成り立つのだから。

 

ジェネレーターから供給されるエネルギーが各部に行き渡るのを感じながら呼びかける。

 

『ジェイ!』

 


 

 

「クッ・・・起動はまだなのか・・・!」

 

寄ってくるゾンダーや小型ゾンダーロボを処理しながら時を待つ。今になって超重力波のダメージが効いてきたか、雑になる動きを必死に矯正しながら戦い続ける。ゾンダーに乗っ取られつつあるのか、黒く変色し始めたジェイアークを目視して本格的にマズイと思い始めた時、待ち焦がれた声が届く!

 

『ジェイ!ソノママ 艦橋へ!』

 

「待ちかねたぞ! 承知!」

 

小型ゾンダーロボを蹴りつけた反動で宙を舞い、艦橋部へ吸い込まれるように飛び込む!

 

そこは先程までとは打って変わった光に溢れた空間になっていた。どうやら無事に起動してくれたようで今度こそ一安心だ。安堵のあまり膝を着きたくなるが状況がそれを許さない。

 

 

「起動した直後で済まないが急ぎこの場を脱出するぞ!前方を吹き飛ばすことは可能か?」

 

『可能。ダガ ジェネレーター出力85%デ固定サレテイル為、本来ノ威力ハ出セナイ』

 

「充分!周りは全て敵だ!原種に利用されるくらいなら破壊してやるのが情けだ!」

 

『了解。二連装反中間子砲・五連メーザー砲・対空レーザー砲 エネルギー充填・・・完了。』

 

 

今この時より雛鳥は成鳥となり巣立ちを迎える!

 

 

「全砲門一斉斉射と同時にジェイアーク発進せよ!今が出航の時!」




MS-D〇S風と言うかアーマードコア風な起動画面を目指しましたが・・・
きっと赤の星のマシン言語で書かれているのでしょう。恐らく。

本来キングジェイダーの指から発射される五連メーザー砲ですが、ジェイアーク状態でも出そうと思えば出せるのでは?と思って撃たせました。
でもあそこから手がニュッと生えてくると艦体に当たらないか心配になってきました。
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