やりたい事を頭空っぽの方が詰め込めるぜ!ってやってたら1万字になってしまいました。
分けるにしても分割箇所が思いつかず結局そのままにしました。
「遅れて済まねぇ。久々に2長官と楊の旦那が揃うってぇ事はやっぱ
「社長業の合間にお呼び立てして申し訳無い。だが阿嘉松長官のいう通り、
「地球の人々にとっては久方ぶりの明るい天体ショーとのカバーストーリーは流し終えた。今回の件、緊急を要すると判断した」
地球の盾にして鉾であるGGG~ガッツィ・グローバル・ガード~のメインオーダールームに阿嘉松 滋、大河 幸太郎、楊 龍里(ヤン・ロンリー)、3名のムサ・・・ナイスダンディが額を寄せ合いながら協議を行っていた。ついこの間・・・と言うにはあまりにも濃すぎた数か月前に地球の存亡をかけたトリプルゼロ・覇界王との戦いに勝利し復興作業も順調に推移してきたところに突如起きた火星に落着した物体。正直この大事に時期に何でまた、面倒持ち込むな、というのが正直なトコロである。
「数時間前に火星大気圏に落着した物体なのだが光学、他センサー類でも正確な観測データが取れなかったのだ・・・辛うじて推定100mクラスの落下物であることは確認できた」
「オイオイ、
「うむ。さらに言えばそのクラスの天体が落下したにしては火星地表上にクレーターの1つも確認できない。明らかに異常事態だ」
ムサいナイスダンディがげんなりしながら現状を確認し合っていた所に待ち望んでいた若い風が入室する。
「失礼します!天海 護機動隊長、入室します!」
「同じく起動副隊長、戒道 幾巳入室。楊博士、ここは僕達が行くのが最善と護とも同意は取れている。それと現状を確認できる資料を希望したい」
「おう、護に幾巳!まぁこっち座れや」
「戒道君の話の早さには全く持って異論は無いが私にも説明の時間を貰えると助かるがね」
阿嘉松は久々に会う2人に気安く、楊博士は戒道の物言いに苦笑しながら席を勧めた。外宇宙調査(という名のW新婚旅行とも言えなくもない)へと出発した獅子王 凱や
「辛うじて光学観測で撮影できた一枚だ。推定100mクラスの落下物でスペクトル分析では白色が大半を占めている事だけが分かっている」
「そんなものが落下してクレーターも観測できない?楊博士、コレって人工物の可能性も?」
「うむ、護君の言う様に人の手が入った、或いは異文明のナニカ・・・という意見で一致したのだ。これをタダの落下物で片づける訳には行かん。杞憂であろうとも、またあの悪夢の再来ともなり得る状況なのだ」
これは・・・思った以上にマズい状況なのでは?護は訝しんだ。折角取り戻し託された地球の平和を守護らねばならぬと決意も新たにした護、幾巳が写真から目を離していない事に気付く。
「幾巳、どうしたの?その写真に何か気になる所でも見つけた?」
「いや・・・何故だか無性にジェイ達の事が気になって・・・Jジュエルが、アルマとしての勘が何かを訴えているかのようだ・・・」
「あはは・・・キングジェイダーの強さは10年以上経った今でも焼き付いてるよ。物凄いロボットだ!ってさ。今はどの辺にいるんだろうね?」
「白くて・・・」
「大きくて・・・(100m級ジャイアントメカノイド)」
「高度なステルス機能を持つ・・・」
これが火星へと勇者達が送られる事になった事の顛末である。
オービットベースに接舷する前にGGGによる様々な計器による徹底的な調査が行われた。確かに休みなしの戦い尽くめで汚れてはいるがそんなにバッチィモンなんてついてはおらんぞ・・・と思ったのも束の間。
『測定完了、トリプルゼロの汚染反応ありません!』
オペレーターのほっとしたような声に未だにトリプルゼロの残した爪痕の深さに思い至る。物理的にも、心情的にも。地球も不安よな、028動きません。
検査も終わりオービットベースに接舷した我々は天海 護と幾巳の先導の元、GGG首脳部と対面を果たしていた。数時間ぶりに見る見知った顔の別人である大河長官に獅子王 雷牙博士、初めて見る無精髭眼鏡の楊博士に中年太・・・失礼、恰幅の良い阿嘉松 滋、タレ目の男は確か高之橋 両輔、だったか?見た目にそぐわず世界10大頭脳に数えられていた筈。まぁそれ言ったら獅子王 雷牙はブロッコリーだしな。
「お招きいただき感謝する。私はソルダート師団№.J-028、貴官らの知る
『ワタシハ 生体コンピュータ―、トモロTYPE0147。TYPE0117 ガ世話ニナッタ ラシイナ』
改めて自己紹介をしたが何を求めているのか分らんので一先ず閉鎖空間からGGGを送り出した時のデータを出してみた所
「戒道君が言っていた意味が分かったよ。私でない私が喋っているのを見る機会があろうとは・・・」
「おぉお・・・麗雄、麗雄・・・向こうのお前は、生き・・・生きて・・・ぉぉぉぉ」
唸る大河長官に麗雄博士の元気な姿に号泣する雷牙博士。地球居残り組は興味深そうに見ている。覇界王との戦いを潜り抜けた面々に今更我等の戦闘データは必要なさそうだが必要があればその都度話し合うという事で話は付き、私達は伸び伸びと羽を伸ばす時間を得た。
〇きょうのともろ
係留されて1日、修理すべき箇所と予定の目途は立っている。GGG側から修理の補助を、との事だが光子変換翼が無事なのだから正直余計な事をしなくとも自己修復で間に合っているのだが・・・と思っていた矢先、妙なロボットが近づいてくる。ふむ?識別はGGGなのだが銀色のボディ、丸っこいヘッド、平らな手先・・・何この・・・何?
『止マレ。何者デ何ノ用ダ』
「うっは、冷たい事言わんでくださいよトモっさん・・・って俺の知ってるジェイアークじゃ無いんだっけ。見た目じゃぜんっぜん分かんないな。ソルJの旦那なんかまんまだったし、トモっさんも別人・・・人?なんでしたっけ。んじゃ改めて。俺は蒼斧 蛍汰ってモンでGGGブルーの隊員っス。この覚醒人V2でジェイアークの修理補助で呼ばれた次第でッス」
『トモ・・・マァソノ程度ノ言動ハ Jデ慣レテイル カライイトシテ。補助 ト言ッテモ オ前ニ何ガ 出来ルノダ?』
「こう見えて俺も覇界王との戦いでは渋い活躍をしたんスよ!それに風穴開いたキングジェイダーの応急修理手伝ったことあるんでそこんトコは期待してくださいよ!」
正直に言えば不安ではある。しかし0117のキングジェイダーの修理の実績があるという。勝手にGGGの記録にアクセスする訳には行かんが嘘を付く意味は無いと判断、試しに破損した装甲板の一部分を任せてみる。
「へへっ、お安い御用でさぁ!ふんふん、ここでこうなら・・・ブレイクシンセサイズ!か~ら~の~シナプス弾撃ィ!」
急に攻撃をするとは何事か!と憤る前に徐々にではあるが装甲の歪みや細かな亀裂が埋まっていくのを感じる。ほぅ、その場で適切な化学反応を起こし修復とする、か。一時的に光子変換翼の出力をその箇所に集中させると目に見えて修復が捗るのが確認できた。
だが本来はその場・敵に合わせた化学反応や化学物質を生成し攻撃に用いるものと推測。それを応用すればこのような事も可能という事か。成程、面白い。確かに総合的な技術は赤の星に比べるまでも無いのかもしれない。だがそれを発想力で補い、形にしてしまう青の星の人々は我等に比肩し得る能力を持つのだ。無意識に青の星の技術力を下に見ていた己を恥じる。であれば
『理解シタ。デアレバ 存分ニ 扱キ使ッテヤロウ。差シ当タッテハ・・・』
「うへぇ・・・いきなりこの量・範囲は鬼めいてませんかねトモっさん!?でもバイトや戦いで培ったド根性!やったらぁ!」
(トモロ0147・・・あんなに楽しそうに・・・何故、何故私では無いのですか!)
メギィ!
「外部壁面にクラック?デブリでもぶつかったか?補修部に連絡っと」
〇アルエット・ポミエは・・・
『でね!Jが言ったんです、“愛は戦う勇気だ”って。光・・・マスク・・・とか何とか聞こえましたが気ッ!気ッ!って飛んでっちゃいました』
『愛は戦う勇気、か。ソルダートにしては珍しく中々に詩的な言い回しだね。愛という素顔を勇気の仮面に隠して戦う、か。やはり彼はいい意味でソルダートらしくない』
トレーニングルームで戒道さんとツムギちゃんが仲睦まじく話している。先程まで戦闘訓練をしていたけど流石に体格の面でも経験の面でも戒道さんが圧倒していた。でもアルマとしての力を解放してのPKに関しては見るべきところがあったらしくアドバイスしてるわ。
こうして見てる分には年の離れた仲の良い兄妹みたい。でもあの新しいソルダートJの言う通りなら戒道さんとツムギちゃんは同じ存在・・・どんな気分なのかしら?戒道さんと一緒かぁ・・・羨まし・・・ん??んんん???
その時アルエットに電流走る!その明晰な頭脳はブロウクンファントムよりも素早く回転を始めたのであるッ!
こ れ だ わ !全く、私ったら天才ね!早速時間、場所をセッティングよ!
「Bonne soirée、ツムギ!来てくれて嬉しいわ!慣れた?って聞くのは違うわね、昨日今日の話ですものね・・・あ、アルエットでいいわよ?そんなに年齢変わらないみたいだしね」
「ありがとうございますポミ・・・いえアルエット。色々気にして貰っていると思いますが困惑の方が多いと感じます。仕方の無い事だから気にするなってJには言われてますけど」
「ふぅん?達観してるのね・・・でも何か困った事があれば遠慮なく言ってね?」
calme-toiアルエット、焦らずじっくりと、よ。さり気なく戒道さんの事に触れてあとは・・・共通の話題と言ったらやはりソルダートJの話題かしら?
「それでんんっ・・・か、戒道さんとのトレーニングはどうだったかしら?」
「格闘の訓練をして貰いましたが幾巳ったら酷いんですよ!勝手に大きくなって!届かないじゃないですか!」
「でもPKの使い方は参考になりました。幾巳達みたいに格闘に組み込むよりも射出した方が合ってそうです」
か、戒道さんを名前で呼び捨てに!?!?おおお落ち着くのよアルエット、兄妹の呼び合いと考えれば普通の事よステイステイ。それに心配なんてしてなかったけどだだ、男女の愛じゃなさそうね心配なんてしてなかったけど!
「そ、そうだったのね・・・そ、そういえば貴女と一緒のソルダートJってどんな人なのかしら?失礼になるかも知れないけど、戒道さんのジェイと私達には見分けがつかないの」
「Jの事、ですか?赤の星の戦士で私とトモロと一緒に対機界31原種特攻兵器として戦って散る、筈でした。でもJは言ってくれたんです。戦う事は使命であり事務であるが同時に生きる権利もある、お前には戦い以外の道を見つけ歩んでほしい、と。アルマとしての存在意義に捕らわれず生きて欲しいと言ってくれたんです」
「私はジェイアークで
そこまで話した彼女は前髪をかき上げ自分の額を晒す。そこには阿嘉松長官の娘さんの紗孔羅にもあるリミピッドチャンネル。戒道さんには無い器官、アルマにも個体差があるのかしら?って言うか聞き捨てならない言葉が聞こえた様な・・・12年の聞き間違いよね、きっと。
「この能力のお陰で分かるんです。
「どう思っているか、ですか?・・・なんでしょうね、改めて口に出すとなると恥ずかしいものを感じますが・・・父であり兄であり。いずれは肩を並べて共に戦いたい、あこがれの人でしょうか?」
気付けば祈る様に手を組んでいた。何この娘とってもpur・・・リミピッドチャンネルなんて無くても伝わってくる真摯な想い。なんだろう、戒道さんの事ばかり考えていた自分が急に矮小な存在に思えて来たわ・・・あぁなんだか心が洗われていくような気分・・・これが浄解?
「ねぇツムギ、明日はヒマ?一緒に街へお出かけしない?いいえ、行きましょう他の空いてるメンバーと一緒に!」
「えぇ!?お邪魔してる身なので時間はいつでも空いてはいますが・・・」
「決まりね!いろんなところを一杯案内してあげるわ!それにそのイマイチなバイザーも見てあげる!」
「もぅ、トモロが聞いたら怒られそうですよ?」
「いい子に育ったじゃないか028君?自分の娘たちの一番大事な時に側にいてやれなかった父親失格の私が言うのも筋が違うかもしれんがね」
自身も2児の父である大河長官が話しかけてくる。トモロから“ツムギがGGG職員と秘匿の接触有”と聞かされた時には何事かと思ったがツムギのバイザー越しに聞こえてくる会話は至って普通な会話だった。盗み聞きなど・・・と思っていたがいつの間にか集まって来た男共と聞き入っていた。だがそうか・・・ツムギは・・・
「子はいつの間にか親の想像を超えて成長するもの。ボクちんトコのルネがいい例じゃな!」
「血縁関係でも無く、互いに利用するものされるモノとは言え。君とトモロ君とツムギ君の絆の強さはジェネシックアーマーよりも強いと98%言い切れるね」
利用などとは言って欲しくはないものだ。それにそこはジェネレイティングアーマーと言って欲しい所だったな。
「028君、良ければオービットベースの酒を飲んでみるかね?品揃えはかなりの物と自負してるのだが、下戸でもあるまい?いい酒が飲めそうじゃぁないか?そうと決まれば阿嘉松長官達も巻き込むか」
「・・・うん・・・」
大河長官の誘いに小さく頷き移動を開始する。科学者の2人は後から行くと何やら話し込んでいたがそんな事よりも私の心を満たしているこの感情は何なのだろうか・・・
「で、雷牙博士。難しい顔は一体?」
高之橋が眉をひそめて考え事をする雷牙に気付き、大河長官達を先に行かせたのだが。
「いやな、どうでもいい仮説を思いついてしまっての・・・聞けば028訓達ソルダート師団とツムギちゃんを初めとするアルマ達を設計したのは赤の星の指導者アベル、そうじゃったな?」
「そうですな」
「そのプロジェクトで生み出された彼等はいずれも強い絆で結ばれておる。だがそれすらもアベルの設計通りだとしたら・・・酷いもんじゃの、とな」
「ははぁ、なるほど・・・しかし話を聞くに赤の星ものっぴきならない状況だったのは98%間違いない事、多少の倫理観の欠如も致し方なかったとも言えるのでは?あぁ、勿論それを肯定する気にはとてもなれんのですが」
「言い換えようか。アルマにはアベルの遺伝子が用いられておる。そうして製造されたアルマはソルダートに対し好意的な感情を持つように設計する。つまりは」
「・・・・・・知らぬが仏、と言うヤツでしょうなぁ・・・・・・」
〇戦士として
「ふむ、手応えが無さ過ぎる。いや、原種や遊星主と比べるのも酷と言う物か」
バイオネットの残存勢力蜂起との緊急事態に出動したGGG機動部隊に「腕が訛って錆び付きそうだから」と何かと理由を付けて来たのには訳がある。それは幾巳の戦いぶりを間近で見る事の出来るチャンスであり、あわよくばアルマとの共闘と言う全ソルダートの夢を果たせるのではないだろうか?という下心満載の理由である。本来であれば原種の喉元にアルマを確実に送り届けるのが我等ソルダートの使命、だが肩を並べて戦ってはならぬという理屈も無い。護るべき対象が成長し、共に戦えるなど実に胸が熱くなる展開ではないか!
と期待してみたのは良いものの、バイオネットボーグ~ハイブリットヒューマンやフェイクGSライド搭載モデルのメタルサイボーグ~の数は一丁前だが実力が物足りぬ。とは言え肝心のバイオネット本体が壊滅状態、各拠点も見つけ次第刈られているような状況ではマトモな整備も受けられずジリ貧状態。実力も発揮できないまま撃破されるやつらには憐憫を覚えるが敵は敵、情けを掛ける義理も無いし逆に止めを刺してやるのが情けと言う物だろう。淡々と敵を片付けていると幾巳たちと合流する事になった。ここで私はふと思いついてしまった。
「幾巳、使ってみるか?」
「使っ・・・ってジェイ、これは!」
「たしかラディアントリッパー、だよね?」
私は幾巳にラディアントリッパーを差し出してみた。自分には予備があるし何より同じ獲物を使っての共闘、正しく夢に描いていたシチュエーションだ。やらない手は無いだろう?だが幾巳はと言えば戸惑ったような複雑な表情でラディアントリッパーを見つめている。
「どうした?使い込んでいるとはいえ手入れは欠かしていない一品だ、出力に不安があるかも知れないが使う分に「違う!」・・・何がだ?」
「これは、これは戦士の為の武器だ!決して僕が使っていい物じゃない!」
何を言い出すかと思えば。獅子王 凱不在の間、地球の平和を維持して来たのはお前達である事は事実。それとも勇者と戦士は違うとでも言いだす気か?そこの所はどう思う、天海 護?
「突然振られても困るんだけど・・・ねぇ幾巳、ジェイの、028の言ってる事は別におかしな事でも無いと思うよ?あの時・・・覇界キングジェイダーに突入してジェイを浄解した時に“戦士として認められた”って嬉しそうに話してたじゃないか」
「そ、それはそうだが・・・コレは僕にとって戦士の・・・ジェイの象徴なんだ。おいそれと触れて良い物では無いと僕の中で定義されてしまっている、んだと、思う・・・」
ククッ、それは難しく考え過ぎだ。お前にとってそういう物でも道具は道具、使ってこそ意味がある。それに資格云々言っていたがそこも問題はない。認められたのだろう?ソルダート師団最強の戦士、002直々に!002の闘いを、背中を見続けて来たお前が何に戸惑う必要がある?資格を持たぬ訳が無かろう!戦えぬ訳が無かろう!さぁ幾巳、共に戦ってくれるな?
「正直僕程度が、という気持ちは拭い切れない。だけど他ならぬソルダートに求められれば、応えたい。028、力を貸してくれ!」
「その言葉を待っていた!天海 護、済まないがこの場は譲って貰えるか?」
「う~ん、命令は従って貰う約束だった筈だけど・・・そんな顔見せられたら仕方無いね。幸い戦力は過剰と言ってもいい所だし。但し!二人ともやり過ぎないようにね?」
(・・・羨ましいな。僕で言えば凱兄ちゃんからウィルナイフを渡されて「行くぞ、護!」って言われるようなものだしね。舞い上がるなっていう方が無理、なのかも。むしろ
文字通り飛んでいく二人の後姿を見ながら護は苦笑しつつオーダールームへと状況の報告を行い、今後の指示を乞うのであった。
精神が高揚する。口角が上がっているのを自覚する。ラディアントリッパーを起動した瞬間の幾巳はその出力に振り回されるも瞬時に浄解モードに入りJジュエルを制御、体の一部とまでは行かないものの見事に使って見せた。普段の徒手空拳とは違った手応えに戸惑った様子も見られたが問題は無いようだ。ソルダートの様な鋭さは無いが3次元的軌道で飛び回りこちらをサポートするような動きを見せる幾巳・・・健気すぎて泣かせる。間違いなく!この瞬間の為に!私は生きている!
絶えることなく続く光刃の軌跡、例えるならそれは舞踏の如く。去れども何事にも終わりは来るもの。私と幾巳、目配せし腕を引き搾り互いに向けて渾身の突きを放ち・・・それぞれの背後の敵を貫いて戦闘は終了した。敵の気配は無し、私は暫し戦いの余韻に身を任せていた所に幾巳の呟きが聞こえた。
「これが見続けて来た戦士の見ている風景の一端、なのか」
「002の話であればまだまだこんな物では無いぞ。しかし、そうだな・・・フフフ」
「なっ、僕だって自分が至っていない事は十分に承知はしている、だからって笑う事は」
「おっと誤解させてしまったか。そうでは無い、噛みしめていたのだよ。共に在る事の喜びと、共に並ぶ事の悦び。それぞれ違った良さがあるものだとな。赤の戦士に相応しい、素晴らしい戦いぶりだったぞ幾巳!」
「~ッ!嬉しいよ。こちらこそ共に戦えて光栄だった、ソルダート」
「フッ、その言葉は002の為に取っておいてやれ。下手すると嫉妬でこちらが殺されかねんからな」
「アルエットに『求められたら、応えたい』っと・・・(カタカタカタ・・・ターンッ!)、また戒道さんのコレクションが増えてしまったわ。なんて罪作りな方なのかしら」
「阿嘉松長官~!アルエットがまたいつもの始まったんですけど」
「アァン?氷水にでも突っ込んどけ!」
〇きょうのともろ
『オ前ノ言ウ 98% ニハ何カ根拠ガアルノカ?』
「いやぁ、何と言うか口癖みたいなもんでして。この歳になるともう治らんのですわ」
「とか何とか言って手抜かりは無いのが高之橋君での。任せて安心、高之橋!世界10大頭脳伊達では無いな!コノコノ!」
『謙遜モ過ギレバ嫌味ニナル、ト言ウヤツカ?面白イ 言イ回シモ多クテ 地球ハ興味深イ』
(くっ、私にも科学者としての知見があればあの会話にも混ざれたかもしれないのに・・・猿頭寺主任に頼めば何とかなるでしょうか)
『ボルフォッグ先任・・・・・・』
己の能力をフルに使い盗聴に勤しむボルフォッグに対し、ポルコートに出来る事はカメラアイから溢れる冷却水を拭う事だけだった。
・
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・
・
「世話になったな。艦の修理も終わった事であるし、正に今が出航の時というヤツだな」
すっかり元通りどころかGGG謹製ワックス掛けまで完璧な整備を受け、輝きを増したスペルヴィア。と言ってもジェネレイティングアーマーがあるので効果の程は分からんが、してくれたこと自体には感謝だな。
「行くのだね、028君。この数日間の協力に最大の感謝を」
「へへっ、悪いな、交換させて貰ったそちらさんのデータでいろんなインスピレーションが沸いてきたってモンよ」
大河・阿嘉松両長官からの通信。見られて困る物は無かったがその内地球製のジェイアークでも作りそうな勢いだな。そうなったらなったでGGGなら取り扱いを誤る事は無いだろう。困るのは002くらいなものだし、その頃には我々は居ないし・・・そんな事で目くじらを立てる男でもあるまい(希望的観測)
「僕からも改めて、ありがとう。貰ったこれは大事に使うと約束する」
「ツムギ!元気でね!体には気をつけるのよ!Faites un bon voyage!」
続いて幾巳から。例の戦闘の後、トモロに作らせた特製のラディアントリッパーを大切に胸に抱いてくれている。ガワにJジュエルと鳥を意識した意匠を凝らし出力を多少調整しただけのモノであるが非常に喜んでくれた。尚ツムギに癇癪を起されても困るので同じ意匠の腕輪も作って渡してある。こちらはPKの威力を増してくれるものだが幾巳とお揃いな事を喜んでいたな。
アルエットとも良好な関係を築けたようだ。ツムギの成長に寄与してくれた彼女にも感謝だな。
『J、ソロソロ始メルゾ。急グ理由ハ無イガ ダラダラ居続ケルノモ 良クナイカラナ』
「皆さん短い間でしたがお世話になりました!アルエットもお元気で!」
GGGのスタッフや勇者ロボ達の見送りの元、ESミサイルで並列空間へと突入するスペルヴィア。次こそは我等の居た宇宙に、地球に辿り着けるのだろうか?それともまた別の、未知の宇宙に放り出されるのだろうか?こればかりはトモロでも予測は不可能だろう、だが私は諦めはしない。例え次元の放浪者と言われようとも必ず戻れると信じている。いや、戻って見せる!
「良し、トモロ始めてくれ。行こうではないか、立ち向かって見せようではないか!様々な事象を乗り越えてきた我等に乗り越えられぬ壁など無い!」
ジェイアーク・スペルヴィア、出航!
――重力波探知レーダーにESウィンドウの兆候アリ。ウィンドウ展開予測時間、凡そ270秒後
――ESウィンドウが開く瞬間に合わせ牽引ビーム発射準備
――リョウカイ
――漸く戻ってくるか。随分な重役出勤、一度渇を入れてやらねばな。
はい。
時間をかけてこの程度か、な出来でしたが考えていたIF END3部作はこれにて終了となります。
入れたかったけど冗長になり過ぎると判断して削ったエピソードなどもありましたが、書きたい事は書けたのかなと思っています。
御付き合い頂き誠にありがとうございました。