仮面ライダーハーメルンジェネレーションズ ツルギ×ムラサメ 怨讐魔剣事変   作:大ちゃんネオ

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魔剣ー第七頁 交叉する(ツルギ)(ムラサメ)

 地上のゾンビを蹴散らしたツルギはドラグスラッシャーの背に乗り、空に浮かぶ異形の船ナグルファルへと向かっていた。

 死者の爪で造られたという、おぞましい船。

 見上げると、それは船というより棺桶のような形をしていた。

 なるほど冥界の船らしいとツルギはナグルファルを睨み付けドラグスラッシャーを加速させる。

 接近を許し続けるナグルファルにツルギの警戒心は高まっていく。迎撃するための武装は見受けられず、ただ浮かぶ棺桶。

 何故こうも無防備なのか。そんな疑問と不安を胸にツルギは上昇を続けナグルファルを越えて、一度上空からこの怪船を見下ろした。

 

「何もいない……」

 

 そうは呟くものの、何もないわけはない。

 結局、降りねば始まらない。意を決したツルギはドラグスラッシャーの背から飛び降り、ストンと身軽く着地。

 ナグルファルの甲板の上に立ったツルギがまず感じたのは、寒さ。

 空の上とはいえ、異常な寒さ。

 ライダーのアーマー越しにも伝わるのは単純な寒気のせいではないだろう。

 

「我が船にようこそ、仮面ライダーツルギ」

 

 船上に響く妖艶な声。

 声音から愉悦に顔が綻んでいる様をツルギは幻視した。

 

「妾はヘル。冥界ニヴルヘルの女神」

「冥界、ね……。あんまり関り合いになりたくないんだけど」

「つれないことを言うでない。お前は妾のもので、ムラサメも妾のものじゃ」

「ムラサメ……。紫乃くんも狙いか……!」 

「そうじゃ。お前にはムラサメを呼び寄せるための餌になってもらうぞ。────魔縁」

 

 ツルギの目の前の空間が一瞬歪み、現れるは純白のツルギとは対極の姿。数多の色をその身に塗り尽くした魔剣士。

 仮面ライダー魔縁。

 

「仮面ライダーツルギ……。お前を染めるのは赤い色……。血の赤だ!」

「……饒舌になった」

「だいぶ血を吸ったからな、以前のようにはいかない!」

 

 魔剣ダインスレイヴの切先をツルギに向けると同時に間合を詰める。

 鋭い刺突。ツルギは腰のスラッシュバイザーを抜刀しながら右足を前に出し、身体を半身にしダインスレイヴを抜刀中のスラッシュバイザーで受け流す。

 白刃と白刃が擦れあい、火花が散る。

 零距離で睨みあうツルギと魔縁。互いの得物の間合は潰れ、睨みあいの果てに両者は次の手を切った。

 魔縁は空いた左手の掌底でツルギの右脇腹を打つ。

 だが、それと同時にツルギはスラッシュバイザーの柄で魔縁の仮面を殴りつけていた。

 

「ッ!」

「ぐっ!」

 

 痛み分け、後退るツルギと魔縁。だが、ただ下がるわけにはいかない。

 ふらつく足取りを確かなものへと即座に変えて踏み込み、再度刺突。

 ツルギは後退しながらもスラッシュバイザーを迫るダインスレイヴの外側に滑り込ませて大きく振るい、ダインスレイヴを弾き魔縁の体勢を大きく崩した。

 つんのめる魔縁。ツルギに攻める好機到来。

 ツルギはこれまでの意趣返しとスラッシュバイザーで突きを放つ。

 しかし。

 

【PORTAL VENT】

 

「ッ!?」

 

 空を突く切先。

 迫る、背後からの剣気。

 狂喜に沸く殺意を背中で受け止め、ツルギは振り返ることをせずその首を断ち切らんと迫る刃を弾き、弾き、船上を駆ける。

 どうやら魔縁は最初から左手の籠手型の召喚機の中にカードを仕込んでいた様子。窮地に陥った時、即座に発動出来るように。

 

「やる……!」

「チッ……!」

 

 甲板に詰まれた木箱の上に乗り、ツルギはその足を狙った斬撃を切り払い、木箱から飛び降りると同時に木箱を魔縁に向けて蹴り飛ばす。

 その木箱の後を追って疾走。

 白いデッキからソードベント、リュウノタチを召喚しようとカードを引く。

 そこで、予想外のことが起きた。

 

「っ……!」

 

 ツルギは引いたカードを掴み損ねた。風に流れ、甲板の上に落ちるソードベント。

 普段ならば絶対にしないミスであった。

 

「隙ありッ!」

 

 ミスから生じた隙を魔縁が見逃してくれるわけがない。

 蹴り飛ばした木箱を切り捨てた魔縁は突きの構えでツルギに向かって突撃。

 助走をつけ、威力を高めた魔剣の突き。

 それをツルギは潜り抜け、魔縁の間合の内に入り、逆手に持っていたスラッシュバイザーで斬り上げる。

 だが、またも空を切る。

 また背後からかと警戒するツルギであったが、魔縁が現れたのは……ツルギ直上。

 落下と同時に振り下ろされるダインスレイヴは恐るべき威力を生み出した。

 スラッシュバイザーで防御を試みたツルギであったが、直撃こそ免れたものの衝撃で吹き飛ばされてしまう。

 

「ガッ……!」

 

 甲板の端に背を打つツルギ。危うく、背から落ちてしまいそうになるもなんとか堪える。

 そこを魔縁が狙わないわけがない。

 追い詰められたツルギを魔縁が追い込む。

 際の攻防。押し切られれば落下は必須。

 密着するほどの鍔迫り合い。

 純粋な力勝負において……ツルギは競り負けていた。

 

「くっ……」

「パワーではこちらが上……!」

 

 ダインスレイヴを受け止めるのに両手でスラッシュバイザーを握るツルギに攻撃の選択肢は少ない。

 だが、それを覆してこそ真の剣士。

 力で及ばずとも、それが勝敗を決める決定的なものにはならない。

 

「はあっ!」

 

 魔縁がツルギを押し切ろうと更に踏み込む。

 それにより、ツルギは完全に押し切られて背中から転落。

 これは、ツルギの予定通り。

 船の外板を背にし滑り落ちていくツルギは叫ぶ。

 

「ドラグスラッシャーッ!」

 

『ゴアァァァァ!!!!!』

 

 白い飛竜が空を裂いて現れ、ツルギをその背に乗せて上昇。

 高速で飛来した白い影に驚愕した魔縁を見下ろし、ツルギはドラグスラッシャーの背を蹴り跳躍。

 ドラグスラッシャーが翼を振るい黄金の斬撃波を放ち、それに続いてツルギが迫る。

 バツ字の斬撃波を纏うツルギの突きは魔縁を大きく吹き飛ばす。

 魔縁は甲板を転げ、立ち込める煙が姿を覆った。

 

「はあっ……はあ……」

 

 強烈な一撃を放ったツルギであったが、スラッシュバイザーを支えにしつつも膝をついていた。

 呼吸は荒く、大きく深く息をする。

 それに、ツルギの異常はそれだけではなかった。

 

(おかしい……指先の感覚がない……。さっきよりも寒くなってきている。いや、冷たくなってきている? 気を緩めたら、意識がどんどん遠のいてしまいそうだ……)

 

 ツルギを襲う異常。

 徐々に、確実に、その力が発揮出来なくなってきている。

 力が、奪われている。

 

「今のはいい……。やはり、斬り合いとはこうでなくては……」

「ッ!?」

  

 煙の中から現れた魔縁。その首は明らかに折れていた。

 だが、当然のように折れた首を起こして治すと魔縁は殺し合いの再開とツルギに向かう。

 

「そぉらっ!!!」

「チィ!」

 

 ダインスレイヴの刺突がまたも。スラッシュバイザーで受け流し反撃に出ようとするツルギであったが、ダインスレイヴとかち合った瞬間、足がふらついた。

 威力は先程と変わりはないはずなのに、打ち負けた。

 この好機を魔縁が逃すはずがない。

 この窮地をツルギが許すはずがない。

 ツルギは魔縁に背を見せた。

   

「剣士が自ら背を見せるなど!」

「……」

 

 ダインスレイヴを振りかぶる魔縁。そのがら空きの胴に、ツルギの後ろ回し蹴りが炸裂。

 後退した魔縁の隙をつき、ツルギはカードを切った。

 黄金の翼が描かれた、サバイブのカード。

 ツルギをツルギサバイブへと強化変身させる烈風の力を宿すが、その風が吹き荒ぶことはなかった。

 

「えっ……」

 

 本来ならば翼の背景に吹く白き烈風はなく、スラッシュバイザーも変化することなくそのまま。

 こんなことは初めてであった。

 何故、何故なにも起こらないのか。

 戸惑うツルギの耳に、ヘルの声が響いた。

 

「ははははっ! ここナグルファルは妾の領土。つまりは冥界。生の力であるものを使えるなどと思うな!」

「そんな……! うあっ!?」

 

 魔縁の攻撃を防御するも弾かれるツルギ。腹部を蹴り飛ばされ、倒れたツルギであったが即座に立ち上がるも魔縁の繰り出す斬撃を受け止め切れないでいる。

 

(くそ! 僕だけ綱渡りしながら戦ってるみたいだ! 身体に力が入らない……!)

 

 覚束ない足。攻撃を受ける度にぐらついていく。

 そして、いよいよツルギは蹴り飛ばされ魔縁が胸を踏みつける。

 スラッシュバイザーの刃の腹で受け止めこそしたものの、この窮地を脱するほどの力が今のツルギにはなかった。

 そんなツルギを嘲笑う、ヘルの声が虚空に響いた。

 

「ツルギよ。そなたは一度死んだだけではなかろう? これまでに何度死んだ? ここまで死人に近い生者を見るのは妾も初めてでな」

「ぐ……知るか……!」

「そんな口を叩けるような状況でもなかろうに。そなたは死に近付き過ぎたのだ。ゆえにここでは死に引かれ、力も発揮出来まい。……やれ魔縁。ツルギを完全なる死者にしてやれ」

 

 ヘルの命令に魔縁は忠実であった。

 ダインスレイヴを逆手に持ち替え、ツルギの喉元に切先が向けられる────。

 

 

 

 時は少し遡り、燐がナグルファルに向かったのと同じ頃。

 紫乃は、白い子狐の式神の姿を借りている晴明と話していた。

 

「いつの間にこっち側に来たんだ!?」

「君たちが船から異空間へ乗り込んだ時に、だね。咄嗟に飛ばしておいたんだよ。私がいないと、帰る時に困るだろう?」

 

 ニヤリと口角を上げ、晴明は言う。

 そして紫乃の目の前でペタンと座り込みつつ、話を続けた。

 

「この世界に到着してからは、君たちと同じように色々調べ物をさせて貰った。流石にここでは本来の姿に戻る事はできないから、やれる事は限られてしまったけどね。それから……ロゼくんたちも無事だよ、みんなでいつでも帰れるようにある程度力も蓄えられた」

「そうか……だが、分かっていると思うが、まだ帰る気はないぞ」

「もちろん。ここで『友達』を置いて帰ると言い出すようなら、お尻を引っ叩くところだ」

 

 友達。

 その単語を聞いて、紫乃は稲妻に打たれたようにハッと目を剥いた。

 どうして燐の命に関わる問題を見過ごせないのか、なぜ一度死んだと聞いてこんなにも気持ちが落ち着かないのか。

 まだ出会ってそれ程長い時間が経ったワケではないが、彼にとって既に燐は失いたくない友になっていたのだ。

 それに気付くと、紫乃は燐を助けたいという自分の中の想いが、さらに高まっていくのを感じた。

 

「……アイツを、燐を助けたい。晴明、オレはどうしたら良い? どうすればアイツと共に戦える?」

 

 真っ直ぐに見つめ、晴明に尋ねる紫乃。すると、その白い狐は嬉しそうに目を細めた後、尻尾の中から二つのモンストリキッドを取り出して見せる。「手段はもう用意してある、()()を使えば良いんだよ」

 

 紫乃はそれらを手にして、目を見張った。

 

「このリキッドは……!?」

 

 片方はファントムホワイトカラーのリキッド、もうひとつはスチールホワイトカラーのリキッドだ。

 これらの意味する事を、紫乃はすぐに理解して顔を上げる。

 

「晴明、一体これをどこやって!?」

『私がやりました』

 

 直後に鏡面の中から聞き覚えのある声が耳に入り、そこに目をやると、腰に手を当てて立つアリスの姿があった。

 

「まさか、こいつの手を借りたのか? 美玲は敵と言っていたぞ?」

「確かに手放しで全てを預けられる手合でないのは間違いない。でも、私が思うに彼女の燐くんを助けようという気持ちは本物だろう。そこだけは信用しても良いはずさ」

「……まぁ、晴明がそう言うのなら」

『ところでこの胡散臭い方、何者なんです?』

「オレの育ての親だ」

『へぇ~……。……狐が!?』

 

 困惑した様子でアリスが目を見張り、しかし今は詳しく話している場合でもないので紫乃はそのまま二人に尋ねる。

 

「じゃあ、作戦を聞かせてくれ」

 

※ ※ ※ ※ ※

 

 そして、現在。

 仰向けに倒れたツルギの喉元に、魔縁が逆手に取るダインスレイヴの切っ先が突きつけられようとしていた。

 愉快そうな女神(ヘル)の声が、その場に響いてくる。

 

「やれ魔縁。ツルギを完全なる死者にしてやれ」

「ええ……少々味気ない幕引きだが、一思いにトドメを刺してやろう」

 

 まるで断頭台の刃を綱で引くように、目の前で徐々に剣を持ち上げていく。

 ツルギの方も、剣を握る事さえ覚束ない異様な疲労感と寒気に苛まれ、認める認めないに関わらず、敗北を突きつけられてしまった状態だ。

 自らの死を目前に感じながら、仮面の奥の瞳が閉ざされていく。

 その時。

 

「ぐあっ!?」

 

 魔縁の短い悲鳴と同時に、金属同士がぶつかりあう音がその場に木霊した。

 死に引かれ手放しそうになっていた意識が、すんでのところで留まるのを感じて、ツルギは音の聞こえた方に目を凝らす。

 見れば、魔縁は僅かに裂けた胸の装甲を手で押さえており、自分の倒れているすぐ傍には一振りの剣が突き刺さっている。

 AウェポンT/G-SSS。仮面ライダームラサメの使っていた太刀だった。

 なぜここに、この剣があるのか。疑問に思っていると、足音と共に声がかかる。

 

「何をしている、燐」

「紫乃、くん……?」

 

 身を起こして振り向いて見れば、そこにいたのは紛れもなく紫乃だった。

 唖然とする二人の戦士を差し置いて、倒れているツルギに向かってゆっくりと歩いていき、右手を差し出す。

 

「勝つぞ」

 

 確信に満ちた、静かながらも力を感じる一言。

 ツルギは感覚が失われつつあった自分の腕を奮い立たせつつ、彼の手をグッと握って、それが寒さや絶望から来た幻ではない事を実感する。

 対して、立ち並ぶ二人の戦士を前にヘルと魔縁は狼狽していた。

 

「ムラサメがなぜここに!? 生者ではないお前は、私の許可なしには乗船できないはず!!」

「いや……そもそも、どうやってミラーワールドに入り込んだ!? たとえ仮面ライダーでも、デッキを持たない者にその権限はないはずだ!!」

 

 それらの疑問に対して、紫乃は

 

「ひとつ目の理由は簡単だ。オレたちLOTには結界術のスペシャリストが在籍している。そいつの力を借りて、オレと燐の間にある『繋がり』を辿って転移した。だから不浄の瘴気も、ナグルファルの乗船制限も無視できた」

「LOT日本支部長、安倍 晴明……か!! くっ、ヤツも紛れ込んでいたとは……!!」

 

 しかし、それでもヘルには納得できなかった。

 一口に『繋がり』とは言うが、ナグルファルは現世に存在しながら内部は黄泉に近い状態にある。その境界を超えられる程の繋がりなど、余程のものでなければ実現不可能だ。

 だがそこに疑問を挟み込む前に、紫乃は口を開く。

 

「ふたつ目の理由だが……魔縁と言ったな。お前、勘違いしているぞ」

「なに?」

「ミラーワールドに入れるのは、()()()()()()()じゃない……ミラーモンスターと()()した人間だ」

 

 瞬間、彼の言葉とその手にあるものが示す意味を理解して、魔縁はハッと息を呑む。

 

「ま、まさか……!?」

 

 カードと太刀が刻印されているファントムホワイトカラーと、全身に刃を宿す翼竜の姿が印されたスチールホワイトカラーの弾丸(カートリッジ)

 紫乃はそれらをひとつずつ、起動する。

 

「少々イレギュラーではあるだろうが、ここにあるのはアリスによってもたらされたミラーモンスターの力。ならばオレがここに来れない道理はない」

《ツルギ!》

《ドラグスラッシャー!》

「魔縁、お前を塗り潰す色は……決まった!」

 

 そう言った後、二つのリキッドは腰に装着されたレリックドライバーのスロットにセットされ、光に照らされた刃のような白い輝きを放つ。

 

Loading Color(ローディング・カラー)! GRADATION(グラデーション)!》

「変身!」

BRUSH-UP(ブラッシュ・アップ)!》

 

 ドライバーのトリガーを引いた瞬間、紫乃の背後に大きな鏡が出現し、その中から白いインクで形作られたワイバーンが飛び出す。

 そしてその姿が紫乃の身体と重なり合い、砕けた鏡が転じて装甲となった。

 頭部に三本の角が生えている、龍を思わせる白いスーツの戦士。その姿は、隣に立つツルギに良く似ている。

 

《研磨されし白刃の龍! ツルギドラグスラッシャー!》

「これ以上……オレの友に、手を出すな!」

 

 魔縁とヘルに対し叫ぶムラサメ ツルギドラグスラッシャー。

 隣に並び立つそんな友の姿にツルギは、燐は……暖かさを覚えた。

 これまで感じていた冷たさを溶かすような、暖かさを。

 そしてもう一つ奇妙な感覚。

 

「紫乃くん……。ありがとう」

 

 ツルギの傍らに突き刺さる友の剣、AウェポンT/G-SSS(ティー・ジー・トリプルエス)

 ツルギと剣が、惹かれ合う────。

 

「燐……? なにを……」

「使えって言ってくれてる……」

 

 AウェポンT/G-SSSに手を翳すツルギ。すると、AウェポンT/G-SSSはあたかも生きているかのように鼓動した。

 確信する。

 この剣は、自分に力を貸してくれると。

 AウェポンT/G-SSSを力強く握り、抜き放つ。

 

「うおぉぉぉぉ!!!!!!」

 

 雄叫びと共に掲げられたAウェポンT/G-SSSが天に向かい放つは紫電。

 昇り龍の如く空を翔けた稲妻は七つに分かたれ、ツルギ目掛けて落雷。

 七つの紫電が、七つの星をツルギに穿つ。

 左右の肩と胸、腹部に一つずつ、右足の下腿には三連星。

 その身に刻まれた星を結ぶ灰色のラインを辿れば浮かび上がる、北斗七星。

 

七星紋(セブンスタークレスト)を身体に……!」

 

 七星紋。

 AウェポンT/G-SSSの刀身にも描かれる北斗七星をその身にツルギは宿した。

 そして、七星紋が七つの色を発し変化するツルギの姿。

 鋭角的に、メカニカルに。

 両腕と両足の装甲がスライドして煙を吐き出す様はムラサメの世界の仮面ライダーのよう。

 

「その姿は……!」

「────仮面ライダーツルギ・七星」

 

 AウェポンT/G-SSSと共鳴し、七星紋を宿した仮面ライダーツルギ。

 仮面ライダーツルギ・七星。

 仮面ライダームラサメ ツルギドラグスラッシャーと並び立ち、二人は頷き合うと静かに剣を構えた。

 静かに、然れど、確かに燃えている。悪を許さぬ闘志と剣気が、燃え上がる────!

 

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