白兎とアリスちゃん   作:パッチワーカー

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 無人島でアリスちゃんといっしょにいれない分、いちゃいちゃする白兎君です。
 画像生成aiさんによると、白兎君はこんな感じらしいです。
 
【挿絵表示】




無人島
他愛もない会話とお風呂


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさまでした」

 

「お粗末さまでした···って言っても、アリスちゃんも作るの手伝ってくれたけどね」

 

 食材やら何やらを買った後に、僕の部屋に置くであろうアリスちゃんの生活用品を買いに行った。

 ──ほんとにこの子はここに住むらしい···

 

「そうは言っても、お手伝いしただけですので···料理の面では白兎君には勝てませんね···あら、白兎君に1つ負けてしまいましたね」

 

 僕らの望む勝ちはそんなんじゃないでしょ?──っていってもアリスちゃんに勝てるものは思い当たらないけど···

 

「そんな悔しくない顔で言われても何も嬉しくないし、そもそも努力してないでしょ?これで勝ったなんて思わないよ──お皿拭いてくれてありがと」

 

 

 長い間いっしょに夕飯を食べているため、お皿洗いが僕。お皿拭きがアリスちゃんという分担ができた。

 

『普通に食器乾燥機を買って乾燥させればいい』、とアリスちゃんに言ったら『白兎君は何も分かってませんね···』と呆れられた···何でだろ?

 

 

「さすがですね···本当に白兎君は昔から料理上手ですよね。小学校のときの調理実習ですら手際良くできていましたし──こちらこそ、お皿を洗ってくださってありがとうございます」

 

「昔から親の手伝いをしたり、親が作る姿見たりしてるからね──こんな風に役立つなんて、あのときは思ってなかったけど···」

 

「あら、そうなんですか?私はなんとなくこういう光景があのときから見えてましたよ?」

 

 さすがにそれはないでしょ?

 

「えっ?···調理実習って小3くらいのときでしょ?···なんでそんなときから?」

 

 そのときのアリスちゃんはもうドSロリ化してたなぁ···というか多分会ったときから、この子はそうなんだろうね。

 

「ええ、『この人なら私の側にいてくれる』という確信がありましたから」

 

 ──いや、ない。揶揄うような表情で言ってるしそれはない。

 そう分かってるけど、信頼を口に出されるとにやけるのは止められない。

 

「···早すぎでしょ。まあ確かにアリスちゃんの側にいれるのは、アリスちゃんが会ってた仲で、小学生の段階だったら僕と清隆くんくらいかな?」

 

「そうなります──しかし、綾小路君は敵というか正面から相対したい相手ですからね。私の隣を安心して任せられるのは白兎君だけですよ?」

 

 

 我慢しなくなった弊害か、ただ単に僕を揶揄いたいだけなのか···どちらにせよやめてほしい。顔あっついなぁ···

 

 

「そんなに僕の顔をジロジロと見ながら言わないで?···顔赤くなってるのは分かってるよ。最近意地悪度増してきてるね」

 

「あら、ふふっ···最近、ですか?」

 

「──いや、ずっとだね。アリスちゃんは変わらないよ。あのとき、チェスで僕をボコボコにしたときくらいから変わってないね」

 

「初めて会ったときや小学1年生時は違いましたか?」

 

「普通に猫被ってた···というより素を見せる必要がないって思ってたんじゃない?」

 

「ふふふ······本当に私のことを理解してくれていますよね······」

 

「まぁ、どれだけいっしょにいると思ってるのさ」

 

「初めて会ってから今日で9年と48日ですね」

 

 えっこわ···なんでそんな即答で答えられるの??

 

「······さすがに覚えてないよね?適当···じゃないの?──えっ、ほんとに覚えてるの?」

 

「ええ、覚えてます。話しかけてくださって嬉しかったですよ?──本だけを見て話しかけてくれたみたいでしたので、私の姿を見たときはかなり驚いていましたよね。あのときの白兎君が懐かしいですね」

 

「そんなところまで?···ほんとに記憶力いいね···まぁでも、僕も結構覚えてるなぁ···アリスと白兎(しろうさぎ)で縁感じたし···」

 

「『不思議な国のアリス』のアリスと白兎ですよね。確かに、私たちの関係もそれに似たところがありますよね」

 

「似たところ?」

 

 

 彼女らの関係と、僕らの関係としては真逆だろう。

 僕はアリスちゃんに釣られてこの学校に迷い込んでしまったし、アリスは白兎を追いかけて不思議な世界に迷い込んだ。

 それなのに、なんでアリスちゃんはそんなこと言うんだろう?

 

「白兎を追いかけてきたら、新しい世界が見れたところですね」

 

 僕を?──逆じゃない?

 

「『不思議の国のアリス』のアリスはそうだったけど、アリスちゃんは違うでしょ?···この学校に無理矢理連れてきたのはアリスちゃんの方じゃ···ん···」

 

 ──あれ?アリスちゃんの機嫌悪くなってない?さっきまで楽しそうだったのに···?何が引き金??

 

「──こういうところは鈍いですね」

 

「?···何がいっしょなの?」

 

「──自分で考えてください」

 

「···えーっと、ご、ごめんね?」

 

「···とりあえず謝る姿勢も変わってませんね。私の機嫌が悪くなったと感じるやいなや、昔からすぐ謝りますよね」

 

「まぁ、アリスちゃんの機嫌が悪くなるときって、僕が何かしたときだからさ···謝る癖がついたんだよ」

 

 昔から偶に、アリスちゃんと話してて、原因が分からないけど機嫌が悪くなってしまうときがある。

 話してるのは僕だけだし、機嫌が悪くなる理由は分からないがとりあえず平謝りをしていた。こうすると、まぁ機嫌が戻る。

 ──こういうところに前世の経験が活きてくるなんて思わなかった。

 

 そんなことを思ってると、アリスちゃんがはぁ···とため息をつき、機嫌が戻るどころか悪化してる感じで口を開いた。

 

「──『なんで機嫌が悪くなっているのかは分からないけど、とりあえず謝っておこう、アリスちゃんは僕が謝れば機嫌が戻るだろうし』···貴方が考えてるのはこんな感じですよね?」

 

 長い付き合いってすごいね──ほぼいっしよです。

 

「······はい······」

 

「──白兎君には女性の気持ちというのを一度勉強していただきたいです」

 

「頑張ります···」

 

「これからそれの勉強をするのもいいですが、もういい時間ですね。今日は湯船につかりますか?」

 

「アリスちゃんは浸かるんでしょ?···僕はシャワーだけでいいよ」

 

「あら、白兎君は私が入ったあとの湯船に浸かりたくはないんですね···このままだと、また機嫌が悪くなってきてしまいそうです」

 

「──ほんとに意地悪だね···お風呂入れてくるね」

 

「ありがとうございます」

 

 この子に勝てるときは来るのだろうか、と真剣に思いながらお風呂のお湯をはりにいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お湯張りから帰ってきたら、少しいつもと違う光景だった。

 

「──珍しいね、アリスちゃんがソファーに座ってるの」

 

「そうですか?」

 

「いつもベットのところに腰掛けてるからさ、なんか新鮮だったよ···それにしてもなんでそんなに端っこに座ってるの?

 結構大きいソファーがいいって言うからこれにしたのに、勿体なくない?」

 

「ふふふ···勿体ないですよね···白兎君の言う通りです。そこまで言われるのなら仕方ありません──ほら、白兎君ここに」

 

 アリスちゃんがポンポンと膝を軽く叩いた。

 ──そういうこと?そのためのこの大きさ?

 

「···じゃあ失礼します···」

「はい♪」

 

 プールの授業のときもそうだけど、アリスちゃんは膝枕するのが結構好きらしい。

 

 昔からよくされてるけど···男女逆だと思ってるし、恥ずかしいとも思ってるけど、僕に拒否権なんてものはない。

 普段でさえあってないようなものなのに、今みたいにアリスちゃんの機嫌を損ねた後に要求されることが多く断れない。

 昔から僕が断れない状況を作ることに長けてるんだよね···

 

 

 そんなことを考えつつ、頭をアリスちゃんの膝の上に乗せた。

 ほんとに心配になるほどの細さだなぁ···

 

 

「──昼と夜はさ、いっしょに食べてるから知ってるけど、朝もちゃんと食べてる?」

 

「いえ、元々朝にしっかり食べるタイプではないので、基本的に軽くしか食べませんね」

 

「···そ、でもやっぱりこの細さは心配になるよ」

 

「これからは白兎君の朝ごはん、お弁当、夜ご飯を食べますから大丈夫です」

 

「──栄養バランスとかこれまで以上に気をつけるね」

 

「ふふふ···白兎君は野菜好きですけど、魚とかは苦手ですもんね」

 

「そうだね···んー、冷凍食品で魚系の美味しいの見つけようかなぁ」

 

「付き合いますよ」

 

「ん、ありがと」

 

「···で、膝枕の感想はそれだけですか?」

 

 ちょっと拗ねたように言われてしまうと、僕は弱くなってしまう。

 

「···あとは安心する、かな」

 

 こういった恥ずかしいことでも、口から出てしまう。

 

「安心?」

 

「アリスちゃんが隣に居てくれてるんだなって思えるから、安心する」

 

「ふふっ♪女の子はそういうことを言って欲しいんですよ?」

 

 分かってるけど、恥ずかしい。

 

「──ん、これからはちゃんと言うね」

 

「がんばってください。──それにしても、白兎君の髪もサラサラですね」

 

「そう?···結構気をつけてるから、そう言ってもらえてよかった」

 

「気をつけてるんですね」

 

「アリスちゃんがいっぱい撫でてくれるから。アリスちゃんは硬いのだと嫌でしょ?」

 

こういうところは分かってくれてるんですけどね···

 

「聞こえてるよ···鈍くてごめんね」

 

「いえ、そこも白兎君のいいところなので気にしないでください」

 

「そ」

「ええ」

 

 そこからは静かに頭を撫でられていた。

 

 ──ほんとに気持ちいいなぁ···

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「······?んぅ···、みず?」

 

 顔に水がかかる感触で目が覚めた。

 

「白兎君、起きてください」

 

「ありすちゃん、おはよ···あれ、ぼく、ねてた?」

 

「はい、ぐっすりと眠っておられたので、先にお風呂いただきました」

 

「···そっか、ならぼくもはいってくるよ」

 

「そんな寝起きでは行かせられませんが、まぁ今日はいいでしょう···楽しんでくださいね」

 

「ん、いってくる〜」

 

 そう言い、着替えを適当に取ってお風呂場に向かった。

 

 そのときは忘れていた、アリスちゃんがこのお風呂に入ってたことを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?────アリスちゃん!!!

 

 お風呂場から白兎君が叫ぶ声が聞こえてきました。

 

「あら、なんでしょうね♪」

 

 寝起きで思考が回っていなかったですよね。だから、警戒心も何もなく洗濯機の中を見てしまいましたか?

 考えれば分かることですよ?洗うのを分けるという案を出さなかった白兎君が悪いです。

 

 そして、それを見てしまったら、私がお風呂に浸かったと考えてしまうでしょう?

 

 そういうことを考えながら浸かってくださいね。

 今日私の機嫌を損ねた罰です。

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────

 

 

 

 

 

 

 

 

「アリスちゃん??なんで脱いだ服をそのまま僕の洗濯機に入れてるの??」

 

 お風呂から上がってすぐに、ニヤニヤしているアリスちゃんを問い詰めた。

 この子確信犯すぎない??

 

「あら、分けるなんてことはお聞きしていなかったので、いっしょに洗濯してくれるものだと思っていましたよ?」

 

「──洗って乾かすのも僕でしょ?」

 

「白兎君の下着類を私に扱わせたいというなら仕方ありませんね」

 

 そんなことされる訳にはいかないでしょ···

 

「ごめんなさい···衣類乾燥機買おっか」

 

「そうしましょうか」

 

 あーほんと、この子にこういうので勝てるのかな?絶対無理なんだけど···

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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