UA100000ありがとうございます!
このお話はあったかもしれないし、なかったかもしれない話です。
未来のお話かもしれません。
「いつも疑問に思っていたんです」
お互いがお風呂に入り終わり、そろそろ寝に入ろうかというときだ。いきなりアリスちゃんが口を開いた。
「何に?」
こういうときのアリスちゃんは大抵碌なことは言わないけど、聞かないという選択肢はない。
「白兎くん、貴方はなぜ寝てる私に抱きついてこないのですか?」
あ、ほんとに聞かないが正解だった。
そう思うほど今後がめんどくさくなりそうな問いだ。しかも返答難しいし···
「···なぜって言われたら、寝てるアリスちゃん起こしたくないからかな?毎日遅くまで考え事してるし」
嘘である返答しかできない。アリスちゃんが僕のハグで起きるわけがない。
けど、ほんとの理由は言えないし···
「あら、私に嘘が通じるとでも?」
「だよね···」
アリスちゃんに僕の嘘は通じない。小学2年生くらいのときから通じなくなった。
けど、この場で本当のことは言えないし···どうしよ?
僕が悩む姿を見て、アリスちゃんは満足そうな笑みを浮かべた。この子ほんとに性格いいね、ほんとに。
「貴方が嘘をつくときは何かを守るときが多いですが、今回は何を守ってるのですか?」
男の尊厳です、なんて言えないし困った。
「まあいいんじゃない?起きてるときはいっぱいハグしてるじゃん」
起きてるときは別にそこまで思わない。何日も処理していなかったり、アリスちゃんが変な格好してたりしてなければ大丈夫だ。
だけど、寝てるときのアリスちゃんは違う。
なにか男を誘うようなそんな感じがしてしまうほど魅力的だ。警戒なんて一切せず、僕に身を任せてくれているのがよく分かるから無理やり襲うなんて考えはしない。
けど、心はそう思っても身体はそうじゃない。
普通に反応してしまう。それが嫌だから、寝てるときは距離を取っているし、朝も見ないようにしてる。
──そんな理由を言える訳がない。
僕が考えてると、アリスちゃんの顔が悲しそうになった。
──あ、これヤバいやつだ。
「よくありませんよ。寝てるときでも白兎君を感じてたいんです──ダメですか···?」
「いいよ···今日だけね」
今までがんばってた僕ほんとにごめん。でもこの子ほんとに反則すぎる。その表情でその言葉言われたら、誰だって「いいよ」って言うに決まってるじゃん。
今日だけは耐えよう。そのために自分で処理してきていいよね?最近してないから、確実に処理しなかったらヤバいことになるのは明白だし。
···アリスちゃん?その手はなに?
「今日はもう寝ましょうか、ベッドまで連れて行ってください」
「────お手洗いだけしてきていい?」
「もう今日は眠たくてしょうがありません。もうソファーで寝てしまいましょうか?···いつもありがとうございますね」
「こちらこそ、ちゃんと掴んでてね」
あー、もう身体反応しないこと願うしかできないじゃん。
耐えてくれよ、僕の体!
─────────
「白兎君は存外初心なんですね」
「──なんでそう思ったの?」
寝ている私を抱きしめてくれないことに疑問を持っていましたが、そういうことですか。
暗くても分かるほど顔赤らめて、可愛いですね。
それがバレてないと思ってる白兎君は本当に愛おしいです。
いつものように身体を密着させてこないのは少し不思議ですが。
──もしかして男性の部分が反応してしまうんでしょうか?
「私の下腹部に硬いものが当たってますから。誰でも分かりますよ」
「嘘っ?!···当たってた?」
「ふふ···本当に硬くなってるんですね」
私のことをそういう対象として見てくれてるのは非常に嬉しいです。白兎君はそういう目で見てくれてないと思ってましたから、頬が緩んでしまいますね。
「···カマかけたの?」
「ええ。白兎君の判断能力が鈍っててよかったです」
「···男だったらこうなっちゃうんだよね。気分悪くさせたんならごめん」
表情は細かく把握できませんが、おそらく申し訳なさそうな顔をされてるのでしょうね。
本当に白兎君は優しいですね。貴方ならばそのようなこと気にしなくてよろしいのに。そこが白兎君のよさでもありますが。
···さて、どうしましょうか。このまま少女漫画みたく押し倒されてもいいですが、彼はそういうことはしてくれそうもありませんね。···初めては白兎君がリードして欲しいですけど──
···誘ってみましょうか。今この眠たく思考がまとまってない状況でないとできそうにないですしね。
私も大分心が持ちそうにありませんが。
「そんなに可愛い顔されてますけど、白兎君も男の子なんですね」
「うん、アリスちゃんは知ってるでしょ?」
「いえ、貴方が男と自称してるのは知ってますが、確証は持ってませんね」
「は?」
え?何を言ってるの??アリスちゃんは僕が男性なの知ってるでしょ?
···猛烈に嫌な予感がするけど聞くしかない。
「···どうやったら信じてくれるの?」
そう言ってアリスちゃんの顔を見るといつもの微笑ではあったが、目が怖かった。
暗がりの中で細部は見えないけど、目が笑っていないのは分かる。
こういうときのアリスちゃんは何か企んでいるときか、僕に不満があるときだ。
──今回はどっちかな?ってえっ??
「アリスちゃん?!」
「もう夜なのに声大きいですよ?」
「それは、そうだけど···」
「ふふ···本当に逞しいのですね」
「ッ!!──そんなに身体押し付けないでよ···」
下半身はくっつけないようにしてたのに、この子はほんとに···
アリスちゃんと
アリスちゃんの匂いや体温、女の子らしい柔らかい体。そういうのを感じる度、変なことを考えてしまうし
思考がまとまらない。体全体が熱く感じる。
思考が沼に浸かる。自分の体が自分ものではない感じがする。
「口ではそう言ってますが、貴方のはそうではないようですよ?」
「···ごめんね。
おとことはそういう生き物だ、仕方ない。──ん?今僕なんて言った?今好きって···
「アリスちゃ···」
弁明しようとアリスちゃんの顔を見て全て理解した。
「────────」
「アリスちゃんの顔熱っ···ショートしたのかな?」
顔が熱いまま、意識を失っている。どの単語、どの行動がそれを引き起こしたのかは分からないが、まあいいだろう。
今はただ、
「···助かったぁ···」
安堵し、明日の対応を考えながら眠るしかない。
誤字報告など待ってます。
モチベーションにめっちゃ関わるので、評価とお気に入り、感想よろしくお願いします!
欲望に負ける白兎君とショートしなかったアリスちゃんがいる世界線もあるかもしれません。