白兎とアリスちゃん   作:パッチワーカー

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 昼間めっちゃ読まれていてビックリしました。
 お気に入り1,000ありがとうございます!


龍と兎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2日目の朝、

 Aクラス拠点の洞窟前にCクラスの人が来て、「龍園さんから話がある」と言われてきた。

 

 紫外線を完全にカットできるように、手袋までCクラスの拠点、浜辺近くまでこうしてやって来たけど暑いなあ···

 目の前、清隆くんと···誰だろ?···後ろ姿しか見えないし分かんないな。

 清隆くんが絡んでるってことは原作の流れだから邪魔したくない。

 ···ちょっとだけ近づくか。

 

「ああ···いや、少し待ってくれ」

 

 清隆くんはそう言って後ろを、僕の方を振り返った。

 えっ?大分足音出さないように気をつけたんだけど? 

 さすがホワイトルームの最高傑作。

 

「···1日ぶりだな、元気か?白兎」

 

「1日ぶりだね。まあ元気だよー···さすがにこの格好は暑いしからキツイけど···」

 

「···日傘に帽子、そして長袖長ズボンか···この夏のバカンスには不向きだな」

 

 いやほんとにそう。僕はこの試験向いてないにもほどがあるよ。

 

「知ってる···だから、がんばってアリスちゃんといっしょに休もうとしたんだけどね···中途半端だったらしい」

 

「そうか···堀北、こいつはオレの友だちの兎月白兎だ。こう見えて男だから間違えないでやってくれよ」

 

 あー、そういえばそんなイベントもあったね。

 やっぱり堀北さんって目キツい感じなんだね。神室さんや堀北さんみたいに性格キツい人は、目もキツくなる傾向あるっぽいね。

 

「···あなたが、兎月白兎くん?」

「はい、僕が兎月白兎です。えーっと、この綺麗な女性が堀北さんで合ってる?」

 

 初対面ではあるから一応ね。

 2次創作で綺麗とか美しいとか評価されてたけど、実際見てみると本当に綺麗だ。

 

「ああ、合ってるぞ」

 

「やっぱりそうなんだね!堀北さん、はじめまして。Aクラスの兎月白兎です。清隆くんとは仲の良い友だちで、清隆くんからよく『堀北さん』のお話聞いてて気になってました!別のクラスでも仲良くしてくれると嬉しいです!」

 

 初対面はいつもより元気でテンション高めな方がいいって誰かが言ってたから、このくらいでいい。

 

 ──僕は結構堀北さんのことが好きなんだ。

 できれば君とくっついて欲しいから、ちょっとくらいは頑張るよ。

 

綾小路くんにも別クラスに友だちが···って、え?わ、私の?」

「はい!···Aクラスに必死に上がろうとしている真面目な努力家。そして、自分の苦手なことから逃げずに克服しようとする、そういう強い精神の持ち主だって聞いたので!その精神の持ち主がこんな綺麗な方だったから驚きました!」

 

 大分美化したけど、言ってることはこういうことだったから何も間違いじゃないよ。

 

「···そう、なのね···ありがと···それは、誰から聞いたの?」

 

「今までのは全部綾小路清隆くんから聞いたよ〜!」

 

 好感度は上げれば上がる分だけいいとは言えないけど、堀北さんの清隆くんへの好感度は上げておきたい。

 ──叶うことなら、清隆くんがハーレム築くのは阻止したい。

 彼には、真剣に1人と付き合うことの楽しさとか重要性とか分かって欲しいし···

 

「その類の話はしたが、そんな綺麗な終わりではなかっただろ?···お前は美化しすぎだ···堀北、こいつの言うことは話半分でいいからな···堀北?大丈夫か?」

 

 堀北さん本当に調子悪そうだ。顔めっちゃ赤いし、誰でも気づきそうなもんだけど、気づく人いなかったの鈍感すぎでしょ。

 

「···そう、なのね···綾小路くんがそのままのことを言うわけがないけど···そういう話はしてたのね···」

 

「うん。確かに僕の中で美化されてたのかもしれないけど、堀北さんのこと褒めてるのは事実だからね」

 

「──で、白兎ここに何しに来たんだ?」

 あ、逃げたね。まあ仕方ないか。

 今日はこの辺で勘弁してあげましょう。

 ただちょっと待ってね。

 

「──堀北さん、握手しよ?友好の証ってことで!」

 

「え、ええ···大丈夫よ···兎月くん、よろしくね」

 

 僕に差し出された手はお世辞にも綺麗とは言えないけど、努力跡がはっきりと残っている手をしていた。

 

「うん、よろしく!···堀北さんってほんとに努力家だね。手が物語ってるよ、すごいね」

 

「手?···確かに昔からまめはあるし、傷もたくさんあるから···あまり好きじゃないの」

 

「そう?僕は好きな手だよ?···こうやって努力して何かを目指せる人だって分かるから」

 

 何かを目指して努力できるのはすごいよ。君の場合は特に、完璧な兄に近づくための努力だし···

 尊敬するよ。

 

 ──結構堀北さんって表情柔らかいね。こんな感じの人だったなんてイメージと違うんだけど?

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

「──なるほど、お兄さんに憧れてそういうのしてたんだ!」

 

「ええ、あなたには兄や姉は「白兎、堀北そろそろ行くぞ。白兎をこんな炎天下の場所に居させたくないし、Cクラスのやつが迎えにきたぞ」···確かにこんな暑い場所で長居するのは危険ね」

 

 部活のことや生徒会長のことを話していたら、もうCクラスの人が来ていたらしい。

 日傘さしっぱなししんどいから、パラソルの中入りたかったからちょうどいいね。

 

「確かに、そろそろ日傘置きたいね···あ、Cクラスの人いるじゃん。僕龍園くんに呼ばれたんだけど···どこにいるの?」

 

「あ、龍園さんのところに案内しますね···」

 

「うん、ありがと···あ、堀北さんも日傘入る?──そんなに白くて綺麗な肌してるんだから、紫外線はお肌に悪いよ?」

 

 体調も悪そうだし、日焼け対策とかしてない格好だから心配だよ。さすがに日焼け止めは塗ってるのかな?

 

「──兎月くんは私のことを一々褒めないと気がすまないのかしら?──本当に?」

 

「うん、結構広い日傘だからね、入っ···?清隆くん?」

 

 えっ?なんで清隆くんが?···もしかして嫉妬なのかな?堀北さんのことちょっとでも気になってるの?

 

「早く行くぞ、隣にはオレが入るから堀北は1人で行ってくれ」

「──ええ、そうするわ」

「大丈夫なの?──大分体調悪そうだから、心配だよ」

 

 僕がそう言うと、堀北さんは驚いた表情をになった。普通にバレバレだよ?

 

「···なんのこと?」

「だってずっと顔赤いし、熱ありそうだよ?···それに手握ったときの体温低かったし、脈も安定してなかったし···」

 

 アリスちゃんが体調悪いときに言わないことが多いから、脈とかで体調測ってたからそういうの得意だよ。

 

「堀北、安心しろ···白兎はそういうことを他人に言うようなやつではない」

「···兎月くん、私の体調話さないでもらえるかしら···」

「うん、大丈夫だよ···でも、気をつけてね···」

「ええ、気をつけるわ」

 

 そこで会話を切り、Cクラスの王が待つところへと行った。

 清隆くんとの相合傘も悪くないね。日傘持ってもらえるし。

 

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

 

「よう、こそこそ嗅ぎ回っていると思ったらお前だったか。俺に何か用か?」

 

 この豪遊を指示したと思われる龍園くんは、水着姿でチェアーに寝そべりながら僕らを出迎えた。

 視線は堀北さんの方にしか向いてなく、相合傘している清隆くんと僕のことは眼中にないらしい。

 

「随分と羽振りがいいようね。試験の内容を正しく理解していないのかしら」

 

 ツンな堀北さん初めて見るね。

 ···なんでこうも、神室さんや堀北さんのような目がキツい人は性格もキツいんだろうか···

 さっきまでは柔らかかったのになぁ···

 

「試験の内容だぁ?ハッ、なんだお前ら。まさか必死こいてたかが100だか200だかのポイントのために我慢しようってか?···くだらねえな」

 

 堀北さんが煽るような物言いをしても、龍園くんには一切効いてなく、カウンターまで喰らっていた。

 ほんとに彼は強いね。

 

「最底辺ってのは大変だな。そんなちっぽけなポイントのために暑さや虚しさ、飢えに耐えなきゃなんねえなんてな···想像するだけで笑えてくるぜ」

 

 相手を馬鹿にするような笑みをしながら、龍園くんは堀北さんを鋭い目で見た。

 

 ──堀北さんには分が悪い相手だね。君のことはキャラクターとしては好きだけど、助けたいとは思わないよ。

 その真っ直ぐで自分の悪いところを直そうとする健気な姿は尊敬するけど、

 原作の流れを下手に弄りたくないしね···だから、タイミングずらしたかった。被っちゃったときは焦ったなぁ···

 

 龍園くんの鋭い目を睨みながら、堀北さんが口を開いた。

 

「今回の試験は、耐え、工夫し、協力し合うのがテーマよ。

 ···あなたみたいな人には最初から無理そうね。計画すら満足に立てられないのだから」

「協力?笑わせんな。人なんざ簡単に裏切り、嘘をつく。信頼関係なんざ最初(はな)から成り立たねえ。信じられるのは自分だけだ」

 

 ···本当に両極端な2人だね。

 人を信じようと、頼ろうとし始めている少女と、

 人のことを信じていたのかは知らないけど、いつしか暴力しか信じられなくなった少年。

 

 

 この2人はいいね。CとDの象徴って感じがして、すごくいい。

 

 

「偵察が済んだなら帰りな。ま、お前が望むなら歓迎してやってもいい。肉を食おうが水上スキーを楽しもうが好きにしてくれて構わねえ。俺は忙しいから参加しないがな···で、そっちは何の用だ?兎野郎」

 

「君が呼んだんでしょ?···朝に君の遣いが来たよ。で、話って何さ?」

 

 今まで堀北さんに向いていた鋭い視線が、いきなり僕の方にきたからビックリした。

 

「お前の主人、姫気取りに言っとけ。『お前らは最後に潰す。精々他のクラスのやつらに潰されるなよ』ってな」

 

 宣戦布告?···ほんとに君は素晴らしい···!

 是非ともアリスちゃんの遊び相手になってね。

 

「ふふっ···いいね!アリスちゃんと戦ってくれるんだね?···君の挑戦を、アリスちゃん共々心待ちにしてるよ!」

 

「チッ···やっぱお前イかれてんな」

 

 君と清隆くんだけが頼りなんだ。清隆くんはもう友達になったから、正確には君だけなんだよ。

 アリスちゃんと正面からじゃなく、全方向から戦ってくれるのは龍園くん。君だけなんだ。

 

 精々アリスちゃんが楽しいと思ってくれる勝負にしてね?

 

 

「ありす?」

「坂柳有栖、白兎の幼馴染でAクラスのリーダー候補···それにオレの友だちだ」

 

「正確には、リーダーだがな」

 

「あれ、龍園くんいいの?他クラスに情報与えて?」

 

「ハッ、こんな安い情報なんざ価値なんてねえだろ」

 

「まあ確かにね···ってことで昨日ね、アリスちゃんがAクラスのリーダーになったから、よろしくね」

 

「Aクラス···!」

「···ということは白兎、お前もクラス間の争いに参加するのか?」

 

「んー、まだ分かんないね···まあアリスちゃんが必要としてくれたら力を貸すくらいかな。だけど、今はそんなに参加しないよ。

 ──今の君たちに1つになったAクラスは落とせないだろうし」

 

 本気を出そうとしていない清隆くんや、まだ他クラスを潰せていない龍園くんには無理だよ。

 堀北さんもまだまだこれからだしね。

 

「姫気取りのペットのくせに威勢だけはいいな。ちゃんと主人に躾けてもらえよ」

 

「僕はペットじゃないよ?···首輪とかついてないでしょ?」

 

「あー多分そういう意味じゃないぞ···白兎、Aクラスは1つになったんだな···」

 

「うん、恨むんならそこの龍園くんにお願いね。彼が詐欺に来なかったらまだ纏まってなかったよ?」

 

「ハッ、詐欺なんて人聞きの悪い。ただの契約だろ」

 

「ま、なんでもいいけど、君が引き金になった事実だけは変わらないよ?責任は君にあるから苦情は受け付けないよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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