お久しぶりです。遅くなって申し訳ございません。
年度末忙しかったです。
それとロボトミーコーポレーションにハマってました。これが1番の理由です。
「綾小路君──言いましたよね?白兎君に何かあったら容赦しませんからと」
「ああ」
「覚えているのにも関わらず、貴方は白兎君をどうしましたか?」
「なぜ、オレが怒られているのか意味がわからない」
「──私は彼を抱き抱えたことないんですよ?なぜ貴方がそんなことをしてるんですか?」
本当にオレはなぜ怒られているのか分からない。
オレに理解できないことはこれまで何もなかった。
学問であれ、武術であれ、なんであれ理解はできた。
しかし、
「坂柳の体格では、どうやっても白兎を持てないと思うが」
「そんなことは分かっていますよ?だからといって白兎君の初めてのお姫様抱っこは私がしたかったんです···それをまさか貴方に取られるなんて···自分の犯した愚行をどう償うつもりなんですか?」
「······」
なんだこいつは?言ってることの理解ができない。
お前は絶対白兎を抱きかかえられないし、それができないことは分かっている。
なのに、俺に対して嫉妬心を向けてきている。
意味が分からない。
「あまつさえ、白兎くんと恋バナをしたんですよね···貴方はどれほどのことをしたのか分かってるんですか?」
「恋バナはしてない。ただただ坂柳の良さについて語られただけだ」
「それを恋バナと言うんですよ?」
「ただの惚気を恋バナといっしょにしないでくれ」
一段と顔が怖くなりながらも、白兎に抱きつく力は緩めず、白兎の方を向くときは幸せそうな笑顔を見せる。
──これが女性か。本当に恐ろしいな。
今までどんな人の思考回路も分かってきた自負はあるが、坂柳は本当に分からない···主に白兎が絡んだときだけは奇人になる。
「それに、私だけの話だけではないでしょう?」
「お前の話だけだ」
「いえ、先ほど白兎君が言っていたように、貴方の恋バナもしたのでしょう?」
白兎頼む、どうにかしてくれ。この女本当に面倒くさい。
「···したが、お前には関係ないだろ?」
「白兎君、夜に綾小路君とどのような会話をしていたのですか?」
オレの話を聞かず、にこやかな笑みを浮かべながら白兎に問いかけた。
「どんな···んー、アリスちゃんのお話と綾小路くん周りの女性関係のお話だよ〜」
幸せそうな白兎を見るのはいいが、いかんせん後ろの悪魔が怖い。
「綾小路君、嘘をついたことは気にしません。その代わり、白兎君が貴方の女性関係についてどう話していたか聞かせてください」
「どう?···あー白兎話していいか?」
一応白兎に許可を取っておかないとな。
「んー別にいいよ。眠たかったから何話したかイマイチ覚えてないし、僕も気になるかも」
体調があまり良くないなか走ったからか、確かに昨夜の白兎は眠たそうだった。
「ならいいか。昨夜は白兎に惚気られた後、堀北や一之瀬周りをよく聞かれた」
主に堀北関係の話を振られてたな。
「堀北さんや帆波さんですか?綾小路君の好みが分かりませんね。彼女らは真反対ではないですか?」
「そうかな?彼女たちはどっちも芯が強くて、人を惹きつけるカリスマ性があると思うけど」
「お前は人のことを高く評価しすぎだ。龍園と出会う前の
「あれとは何ですか?」
「あれって何?」
──コイツ無自覚か。それに坂柳も白兎のその悪癖を把握していないのか?
「堀北のことを褒めちぎっていたヤツだ。お前は第二、第三の一之瀬を作り出す気か」
「白兎君、少しお話ししましょう」
「うん?──はい、ごめんなさい」
どうやら標的はオレから白兎に移ったようだ。白兎すまないな。だが、その悪癖は治していた方がいいぞ。いつか後ろから刺されるかもしれないしな。
「貴方のその正直に人を褒めるところは美点ではありますが、女性にそのようなことをすると、あらぬ誤解を招いてしまいますよ?」
「誤解?」
「ええ。貴方みたく下心を持たず素直に褒められる人なんて限られてますし、自身の外見のことも相まって愛らしく感じられてしまいます」
激しく同意だ。あの堀北の様子を見ていると白兎が女性キラーなのは分かる。
「···そういうもの?」
「はい。誰しも褒められることに悪感情を抱いていませんし、好意を持っているのかと錯覚させてしまう恐れすらあります」
あー多分堀北に関しては手遅れ感あるな。
「そっか、これから気をつけるよ。僕にはアリスちゃんが隣にいてくれればいいし」
そう言って、少し離れていた距離を縮め坂柳を強く抱きしめた。
本当オレ邪魔だな。
坂柳も白兎に抱きしめられて、幸せそうな顔をしているし、オレのことなんて眼中になさそうだ。
今抜け出さないと、また坂柳に苦言を呈されてしまう。
「白兎また後で」
「うん、また後で」
坂柳からの返答はなかったが、止められなかったし大丈夫だろう。
ゆっくり扉の開閉をし、廊下に出る。
本当にあの2人を見ていると、「恋人」や「幸せ」とは何かと考えてしまう。
この学校内のカップルしか知らないが、多分あれほどお互いのことを気遣い、尊重し、依存しているのはいないだろう。
それほど互いが互いを必要とし、「幸せ」を与え合っている。
オレは「幸せ」を知らないのに、あの2人が久しぶりに会ったときの顔を見れば、「幸せ」とはどういうものか分かる。
そんな2人だから、いっしょにいて少し羨ましいと感じる。お互いを信じ合い、お互いのために行動できるオマエら2人が本当にオレには眩しい。
──少しじゃなくて、かなり羨ましいな。
今まで友達すらまともにいないオレにとって、オマエら2人は1つの指針だ。
「人間」になるために、多分オレが目指す場所はあれなのだろうなと感じる。
白兎にとっての坂柳のような存在を、オレは作れるのだろうか?
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これからもよろしくお願いしますね!