今後の展開どうしよっかな?と考えていたら7月になっていました。本当にごめんなさい。
船上試験。
正式名称を「夏季グループ別特別試験」
全クラスの生徒が入り混じってグループを組み、優待者を見つけ出す試験。
そこに僕やアリスちゃんが介入するほど、このクラスは脆くなかったらしい。
しかし、原作とは違い一致団結したAクラスではあったけど、
肝心の優待者の当て方は葛城くんたちは必要なときまでに突き止められなかった。
アリスちゃんが「この試験までは葛城くんに一任します」と言ってたのが裏目に出てしまった。
そう言うよりかは、「Aクラス」としての完全敗北をさせたかったんだと思う。僕ら以外が力を合わせたとしても、他クラスに勝てるわけではないことを。
僕らのクラスは
結局、Aクラスで優待者の当て方が分かっていたのは記憶がある僕とアリスちゃんだけだったし、僕ら2人はずっと違うことを考えていただけだった。
「──いいの?Aクラスのポイントが少なくなっても?」
「ええ。これもAクラス全体の授業料だとすれば安いものです」
「授業料ね。確かに、Aクラスの人たちは他クラス見下す傾向があったからさ。彼ら、彼女らには良い薬になったかな?」
「考え方が少し変わるだけで人の本質はそう簡単に変わりませんよ。一度の
「···いや、アリスちゃんがそういうの言うのが珍しくて···今は楽しくない?」
「いえ、そうではありませんよ。今は充分楽しめてますし、何より白兎君が隣にいてくれますからね。これ以上を望むのは欲張りというものです」
「アリスちゃんは欲張りだと思うけどね」
「そうかもしれんませんね···だって白兎君が隣にいてくれる以上のことを望んでしまってますから、私は
「うん。椎名さんみたいに謙虚なアリスちゃんが見れて新鮮だったけど、やっぱり強欲な方がアリスちゃんっぽいよ。ずっとそっちでいてね」
「···強欲なので命令しますね。今日はずっと隣で手を繋いでいるか、おぶってください。分かりましたか?」
「?···ごめんね?」
「何で私が怒ってるのかが理解できたら許してあげましょう」
「強欲って自称してたのに人に言われるの違う···とか?」
「はい、私のことを何一つも分かっていないようで···まあそういうところも白兎君の良さではありますが」
「···やっぱりアリスちゃんは分かんないな···」
「簡単に分かられては困りますが、これほど長い間いるのですからそろそろ分かってくださいね?」
「ちなみに答えは?」
「ちゃんとご自身で考えてください」
「はーい」
「···それでどちらにしますか?」
「なにが?」
「前者か後者、どちらにしますか?」
「──手繋いでデートしよっか」
「はい♪」
「この船内だと映画や舞台を観るのも無料だし、プールとか食事するのもタダだしね。この1週間食べてなかった分体心配だから運動とかはできないけど、色々食べさせて前の体重くらいには戻ってもらうね」
「あら、私は白兎くんの料理をたくさん食べさせてもらいたいのですが···作ってはくれないのですか?」
「せっかく色々食べられるんだからさ、僕の料理はいつでも作ってあげられるからここにいるときくらいは外で食べない?」
「···もう一声欲しいですね」
「──アリスちゃんと色々思い出つくりたいから、特別なこといっぱいしよ?······満足そうな笑み見れてよかったよ」
「ふふ···ええ。少し顔赤くしながらそのようなことに言ってくれる貴方が見れて満足です。では、エスコートお願いしますね?私の騎士さん」
「僕は君の騎士ではないね。ただの白うさぎだよ」
「隣にいて守ってくれるのですから、騎士で合ってますよ。それとも···旦那さんの方がいいですか?」
「ッ···ごめん僕が悪かったです──で、今どういうテンションなの?アリスちゃん??」
「ふふふ···少し見せつけたくなりまして」
「···あーなるほどね···じゃあまぁ、久しぶりだし、いつも以上に気合い入れてエスコートするね──こんなに手も細くなっちゃったし、転ばないでね」
「大丈夫です。白兎君が隣で繋いでてくれますから。これからもずっと隣にいてくださいね」
「···ほら早く行くよ」
「ふふ···白兎君、顔はいつも通りですけど、お耳が真っ赤で可愛いですね」
「あーもうっ!!アリスちゃんッ!!!調子崩れるって!!」
(((こんなの見せられたらっ!!!気分悪くなる!!!龍園さん!!!)))
と、まあCクラスの監視を逆手?に取って会えなかった分のいちゃいちゃをしていた。
この分には別に僕としては良かった。原作にはいないアリスちゃんを僕で止められていたから、ほぼ原作通りに進むと思ってた。
けど、やっぱり天才は天才らしい。
僕の記憶にはないことがこの船内で起きていた。
この試験が終わる日の朝、僕が知ってる光景ではなかった。
僕の記憶にないほど、晴れやかな笑顔で平田くんに抱きついてる軽井沢さんがいた。
何かが根本的におかしいと思った。僕の記憶にある軽井沢さんと平田くんのカップルは偽であったはずだ。
それなのに2人から、特に軽井沢さんからは純粋な好意が滲み出ている。それに平田くんも戸惑いや困惑といった色がなく恥ずかしがりながらも受け入れている。
そして、それを見ながら満足気な清隆くんが隣にいる。彼が何かをしたことは明白だった。
「···え?────清隆くんもしかして何か唆した?あの2人見てちょっと満足そうだけど」
「···よく分かるな。ああ、その通りだ。アイツら2人を、特に軽井沢を焚き付けた」
「···貴方はイチャイチャしてるカップルが好みなんですか?」
「そういう訳ではないが、結果的にああさせた」
「?···どういう狙いがあったの?」
「オレにはお前らという指標しかないからな。身近な目標が多い方がいいだろ?」
「なるほ···ど?──え、清隆くんもしかして堀北さんのこと好きになった??」
「──貴方があのような交際をしたいと言うとは、人は変われるものですね」
「···堀北のことは好きになっていないし、オレも変わっ···いや、変わったな」
「貴方が変わった?今日はエイプリルフールではありませんよ?」
「アリスちゃん茶化さないの。けど、清隆くんがそういうこと言うの珍しいね。いつも言葉濁したり黙ったりするのに」
「···白兎、オレに恨みか何かあるのか?」
「ん?いや全然ないけど?1人だけで考えて相談とか全然してくれないなー頼りにされてないなーとか思ってないよ?」
「──今回のことは悪かった···あと坂柳は笑うのを隠そうとするなら隠しきれ。バレバレだ」
「綾小路君がそのようなバツの悪い顔をしてるのが珍しいですから、つい」
···清隆くん、君が何を考えてそうさせたのかは知らないけど、これで1人清隆くんのハーレム要員がいなくなったと考えれば良い方に進んでると捉えられる。
原作との乖離に目を瞑れば、僕の思い通りではあるしね。
あとは、特定の相手を見つけてもらうだけだ。
真っ直ぐで人間的に成長している堀北さん。
気弱で引っ込み思案、意外に饒舌な助けたグラビアモデルの佐倉さん。
物静かな文学少女ではっきりとものを言う椎名さん。
姉(偽)で大天使、後ろめたい過去ありの帆波さん。
多分まだまだ作ってたはずだけど、今はこのくらいしか交流がないはずだ。
上2人に関しては多分何かのきっかけがあれば恋人手前くらいにはいける。
···僕としては恋人をつくってくれればどうでもいいけど、やっぱり堀北さんの方を推したい。努力でき人として成長しようともがいている健気な姿を見てしまっているから尚更応援したい。
けど、結局決めるのは清隆くん。君だ。君の選択が絶対だよ。
──まぁ1人に絞らずハーレム作ろうとした瞬間に殴り飛ばすから気をつけてね。
────────
この試験の結果としてAクラスとBクラスの大敗、Cクラスの勝ち、Dクラスの大勝という形で幕は落ちた。
思い返すと、この世界は大きく変わってしまった。
始めはこの学校に来る気すらなかったのに、
そして、アリスちゃんの父親のせいでAクラス、すなわちアリスちゃんとの3年間が決定してしまった。
僕個人としては嬉しいけど、確実に原作に関わってしまうし流れを変えてしまう恐れがあった。実際清隆くんやほなみさん、葛城くんとの関係が大きく変わってしまった。
アリスちゃんだけで考えれば非常に良い変化ではあるけど、原作知識持ちの僕としてはよくない。
アリスちゃんに唯一勝っていた部分を自ら破棄してるのと同義だ。
ただ、僕の矮小な存在でもこれほどまでに世界は変わってしまう。
──こんなにも簡単に世界は変わるんだ。僕も変われる···のかな?
アリスちゃんといっしょにクルージングから降りてるときにふと、そう思った。