アリスちゃん要素薄めです。
体育祭のルール系は考察wiki様を参照してます。
リーダーと中間管理職
その日の午後からの授業は、2時間連続でホームルームというスケジュールになっていた。
1年Aクラスの担任である真嶋先生が教室に入ってき、出欠確認を行い、それから淡々と説明を開始する。
「今日から改めて授業が始まったわけだが、2学期は9月から10月初めまでの1ヶ月間、体育祭に向け体育の授業が増えることになる。新たな時間割を配るためしっかりと保管しておくように。それと同時に体育祭に関するプリントも配っていく」
体育祭という単語を聞き、運動が得意な複数の生徒から嬉しそうな声が上がった。
──体育祭かぁ···走る系ならいいけど、純粋な筋力を競う感じなら嫌だなぁ。
「では、順を追って説明していく。すでに目を通して気づいた者もいるだろうが、今回の体育祭は全学年を2つの組に分けて勝負する方式を採用している」
あー原作でもそういう感じだったよね。この学校にしては珍しい協力系で、確かDと同じチームだったよね?
「お前たちAクラスはDクラスと同じ赤組に配属された。そのため、この体育祭の間はDクラスが味方というわけだ」
···やっぱりDといっしょだ。清隆くんといっしょに挑める数少ないイベントだ。やる気めっちゃ出るね。
学生や組はどうでもいい。清隆くんと隣で戦えることが嬉しい。
「体育祭の内容を説明する前に、体育祭がもたらすことについて教えておこう。それを知っているかどうかで、体育祭への意欲や取り組み方も変わってくるはずだ」
···なんかあったっけ?あー確か、クラスポイント関連だっけ?
当たりをつけて配られた紙を見た。
全員参加競技での点数配分
結果に応じて1位15点、2位12点、3位10点、4位8点が組に与えられ、5位以下はそこから更に1点ずつ下がっていく。
団体戦の場合は勝利した組に500点が与えられる。
赤組対白組の結果が与える影響
全学年の総合点で負けた組は全学年等しくクラスポイントが100引かれる。
学年別順位が与える影響
各学年、総合点で1位を取ったクラスにはクラスポイントが50与えられる。
総合点で2位を取ったクラスのクラスポイントは変動しない。
総合点で3位を取ったクラスはクラスポイントが50引かれる。
総合点で4位を取ったクラスはクラスポイントが100引かれる。
自分に関係するであろうところに目を通していると、興味がなくなっていった。──多分僕が頑張らなくとも勝てそう。···アリスちゃんも退屈そうな顔してるし、僕らの出番ではなさそうだ。
その後に個人競技の報酬が説明されたけど、気が惹かれるものではなく聞き流した。
話半分に手元の資料に目を通していると、少し気になるところがあった。
反則事項について
各競技のルールを熟読の上遵守すること。違反した者は失格同様の扱いを受ける。
悪質なものについては退学処分にする場合あり。それまでの獲得点数の剥奪も検討される。
──んー、これ結構曖昧だね。怪我させたときの対応とか、自クラスの情報を流出させたときの処罰とか書かれてないから、結構好き勝手やれそう。特に龍園くんが。というか、原作では櫛田さん使って妨害してたんだっけ···?
流石にもう覚えてないけど、多分そんな感じだった気がする。···まあ清隆くんが水面下で止めそうだし大丈夫そう。
あと、気になったことだとペナルティのことだ。
全競技終了後、学年内で点数の集計をし下位10名にペナルティを科す。
ペナルティの内容は各学年ごとに異なる場合があるため担任教師に確認すること。
──あー、アリスちゃんは確実にそうだよね。
そう思いながらアリスちゃんの方を見ると、仕方ないって感じの顔をしてた。
そんな顔をしながら口を開く。
「真嶋先生、この学年下位10名に科せられるペナルティとはどのようなものなのですか?」
真嶋先生の答えは、次回筆記試験におけるテストの減点だった。総合成績下位10名の生徒は10点の減点を受けるらしい。まあ、アリスちゃんや勉強が得意で運動が苦手な人にとっては、大した問題にはならないだろう。
また、欠席などにも適応されるとのことなので、アリスちゃんは確定してしまった。
「···仕方ないね」
「仕方ないですね。私の分は白兎君に託すとしましょう」
「···ほんとに?──走ること以外はダメダメだから期待しないでね」
「ええ、貴方のその体で肉体を使った種目をやらせようとはならないですし安心してください」
よかった。ドSなアリスちゃんでも常識があったらしい···った!!僕の小指が···っ!!
「あ、アリスちゃん??」
「白兎君が変ことを考えてる気がしましたので、自業自得ですね」
「ごめんね···久しぶりに足の小指踏まれた気がするよ」
そんなことを話してると、次は競技の話に入っていた。そのため、種目に目を向けると想像以上に多かった。
全員参加種目
1. 100メートル走
2. ハードル競走
3. 棒倒し(男子のみ)
4. 玉入れ(女子のみ)
5. 男女別綱引き
6. 障害物競走
7. 二人三脚
8. 騎馬戦
9. 200メートル走
推薦参加種目
10. 借り物競争
11. 四方綱引き
12. 男女混合二人三脚
13. 3学年合同1200メートルリレー
──いや本当に多くない?原作全然覚えてないけど、こういう感じだったんだ。···これ1日で終わるの?
そんな不安を抱えていると、参加表の説明が始まった。
確か櫛田さんが自クラスの参加表を龍園くんに売ったんだよね···?確かにメンバー表が分かってれば簡単に勝てるし、良い作戦だね。···その参加表が合っていればの話だけど。
その後に、二人三脚で欠員が出た場合はペア諸共失格、騎馬戦なら騎馬が少ない状態で対決開始など、アリスちゃんが確定で出れない分のことが話されていた。
多分、クラスが1つにまとまってなければ、葛城くん派閥から野次が飛んできてたと思うけど、そんなことにはならなかった。──1つになってるクラスの居心地めっちゃいいね。
何度か質疑応答があった後に、「あとはお前らで決めろよ」と言って、真嶋先生は出ていった。
さて、これからが本番だね。
────────
まあやっぱりと言うべきなんだろう。真嶋先生が出て行ったあとに、みんながアリスちゃんの周りに集まってきた。まるで、女王の命令を待つ兵士のような雰囲気で少し笑ってしまいそうになった。
そんななかで、僕らの女王が口を開く。
「まずリーダーを立てることが先決でしょう。何事も力を合わせるためには先導する者が必要です。──本来なら私が務めるところですが、見ての通り役には立てません。そのため、代役として一時的に別の方にリーダーをしていただきたいと思います」
そう言って、葛城くんの方を向いた。まあ当選の帰結だよね。
こういう体を使うイベントなら葛城くん派閥の方が力持ってるし、なにより葛城くん自身が力を発揮できる。
そうなのに、葛城くんは渋い顔をしていた。
「俺にAクラスのリーダーが務まるのか?坂柳は適任ではないしろ、兎月がいるだろ」
「運動系で葛城くん以上に適任はいないよ。リーダーっていうのは自分が誰よりも成果を出して、みんなを引っ張る役割なんだよ?僕にはそういうことはできないし、士気が上がる1番の適任者は葛城くんだからね。駆け引きとかそういうのはアリスちゃんとかがやるだろうし、競技に関しては自信持ってみんなを引っ張ってね」
リーダー務めるのが嫌すぎて、全力で葛城くんを薦めた。その甲斐あってか、葛城くんは渋々ながらもリーダーになることを承諾してくれた。
そして、アリスちゃんと葛城くんが言葉を交わし、アリスちゃんに薦められるがままに、リーダーに就任した葛城くんがスピーチをするために教壇の前へと行った。
前へと行った葛城くんの表情を見ると、さっきまでの渋い顔とは違い、憑き物が取れた良い表情をしていた。多分何かしら吹っ切れたのだろう
彼は全員の方を向いて口を開く。
「無人島ではDクラスに負けた。船上試験でも他のクラスに遅れをとる形になってしまった。これらは全部俺の責任だ」
そう言うと、葛城くん派閥の人たちが何か言いたげな表情になったが、それを手で制し言葉を続ける。
「──だからこそ、今回は俺の力だけでじゃなく、坂柳や兎月の力も借り、この体育祭に挑む。報酬が良くない、テストの点に余裕があるからどうでもいい、そう考えるかもしれない。しかし、俺らは直近2つの試験で他クラスに負けている。──それで
久しぶりに聞いた自信満々な葛城くんの言葉にクラスのみんなが呼応した。
···ほんとに彼は中間管理職が向いてる。リーダー争いでボコボコにされるかれも良いにはいいけど、やっぱり自信持って話せてる葛城くんの方が好きだ。
──アリスちゃんも満足気だし、このクラスは本当に強そうだ。
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