今回で体育祭準備が終わりですかね。
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「
Aクラスの熱気が凄すぎて教室から逃げてきたら、なんか清隆くんと軽井沢さんがいた。僕のことを見るや否やすぐ軽井沢さんは逃げて行ったけど。
「さっきいた軽井沢と堀北が水と油って感じにした。──堀北とDクラスのためにな」
「へー、清隆くんの考えてることはよく分かんないけど、Aクラスになるためのことだもんね」
「ああ。──あと、体育祭に出る裏切り者への対応がしやすいからな」
裏切り者?あー、確か櫛田さんがCクラスにメンバー表を流したんだっけ?一枚岩じゃないのも大変だ。
「···Dクラスは大変だね。そう簡単に一枚岩にはならないよね」
「Dクラスだしな。で、Aクラスはどうなんだ?こっちと違って、葛城が先頭に立って指揮を取っているんだろ?」
「そうだよ〜。まあ、その分やる気がえぐすぎて、色々疲れるんだけどね···今回は僕そんなにできることないし···」
「そうか?瞬発力系、短距離走とかは白兎の独壇場じゃないのか?」
「まあそれはそうなんだけど···すばしっこいだけでカッコよくてはないよね」
「──白兎がカッコよさを求めてたなんて、明日は雪でも降るんじゃないか?」
「ぶっ飛ばすよ?」
そうやってパンチを繰り出したが、簡単に止められた。
···こういう強さがあるのかっこいいなぁ···
「オレには白兎みたいな可愛さはないし、ないものねだりだろ」
「何にも言ってないんだけど?」
────────
初練習の日。
いくら成長したとはいえ、まだ柔軟性を持って相手のことを考えた言動ができるなんて思っていなかった。
「──堀北さん速いけど、今くらいのペースならなんとか···!」
「ならあと少しペースを遅くするわ。二人三脚はお互いのペースが合わないと話にならないし、少しでもやりにくかったら言って」
「迷惑はかけたくないし、頑張るよ!」
「そう、ならついてきて」
──「妥協なんて許さない」と、「私に合わせなさい」と、「あなたはペースを合わせることすらできないの?」と相手のことを考えず言いそうな堀北がそう言った。
···相手を見ずに自分のことだけを考えていたであろう堀北の変化が気掛かりだが、良い変化であることは間違いない。
間違いないが、堀北が成長してる原因が分からない。何がアイツをそうさせた?──1人いるな、アイツの心に響く言葉をかけられるヤツが。
あらかた練習が終わった堀北に近づいて、話を聞いてみるか。
「堀北」
「なに?」
「その意識は白兎からの入れ知恵か?」
「──貴方たちって本当に仲が良いのね。ええ、そうよ。以前、兎月くんに言われたの。···『相手のことをよく見て、柔軟性を持たないとリーダーにはなれない』って。確かに、あの試験のときも、彼は私のことをよく見て体調が悪いことを見抜いた。···Aクラスになるためにはこういうことも必要でしょ?」
「ああ···」
「そのことを貴方も分かってたけど、この体育祭中にペアでする競技で気づかさせようとしてた。──違う?」
しかもオレのことまで見られているのか。···本当に良い成長だ。
「さあ、どうだろうな」
「言っておくけど、私は貴方のやりかたの方が合っているわ。···兎月くんのは優しすぎる」
そう言って堀北は少し顔が赤くなった。
──何に照れる要素があったのかは分からないが、まあ良い成長になったのは間違いない。···少しイラッとは来るが。
···なら、裏切り者についての予想はできているのか?
「話は変わるが、堀北。明日少し付き合ってくれ」
「···なに?」
「オレとお前と、もう1人で白組の偵察に出る」
「もう1人?」
「櫛田だ」
「──なぜ?」
なんだ、そこまでの視点は持ち合わせてなかったか。
「船での試験の裏切り者はアイツだ。今回も他クラスに情報を流すのは簡単に予想できる」
「···確かに、私も平田くんも彼女が優待者だと漏らすはずかない。···クラスを裏切ってまで、プライベートポイントが欲しかった···?」
「まあ何かしらの理由があるんだろうが、なんであれ裏切り者を抱えたクラスに勝ち目はない。──クラスを率いていくつもりならよく考えておくんだな」
まだまだ足りてはいないが、確実に育ってはいる。──オレが求めるリーダーになってくれよ。
────────
体育祭当日。
「気合い入れていけよォー!!」
アリスちゃんといっしょに座っていたら、Dクラスのテントから大きな声が聞こえてきた。
···元気いっぱいで良いけど、張り切りすぎじゃない?
「白兎くんもああいう元気があっても良いのですが···」
「···アリスちゃん本気で言ってる?」
「どうでしょう?ですが、いつもよりは元気ですよね?」
なんかいつもよりちょっとテンションが高くて、ちょっと怖い。──まあ僕もテンションは高いんだけどね。
「まあね。ようやく、清隆くんとちゃんとした味方って形で肩並べて戦えるしね」
「私としては綾小路くんとは戦っていたいのですが、こういう形も時には良いですね」
「ああ、オレもお前らと戦えるのは嬉しいぞ」
Dクラスのテントが近いところにあるし、やっぱり清隆くんは来てくれるよね。
「同じ気持ちで良かった。──堀北さんとはいっしょじゃないの?」
「なんで堀北が···って、そういえば白兎。お前堀北に助言しただろ?」
「助言?···あー、無人島のときにちょっと。彼女の真っ直ぐなところは好きだけど、それだけじゃアリスちゃんを超えるリーダーには絶対ならないからね」
そう言って堀北さんの話題出した瞬間に一気に距離を詰めてきたアリスちゃんの頭を撫でた。──今アリスちゃんへのフォローしなかったらヤバかった気がする。···目も寒気がするほど怖かったけど、頭を撫でてなんとかなったかな?
「及第点ではありますが、まだ機嫌は悪いですよ」
流石にまだ戻ってはなかったみたいだ···何が機嫌を悪くしたんだろ?よく分かんないけど、頭撫でるのは続けとこ。
「···そっか、んー。清隆くん何か良い案ある?」
「知らない。お前がまいた種だろ。なんとかしろ」
「清隆くんもなんか機嫌悪くない?──あっ、堀北さんおはよ〜」
さっき話題に出た堀北さんが多分綾小路くんを呼びにきていた。
アリスちゃんを撫でている手ではない逆の手を振った。
「え、ええ。兎月くんおはよう──綾小路くん、どういう状況なの?」
「ただの痴話喧嘩だ」
「痴話喧嘩ではないんだけど···って、そうだった、堀北さんにアリスちゃんの紹介してなかったね」
前のとき名前は出したけど、実際に会ったことはないと思う。
撫でていた手を止め、アリスちゃんを紹介しようと立ち上がろうとしたが、肝心の彼女は立ってくれなかった。
「ん?──あの、アリスちゃん?」
「先ほど足を怪我してしまったので、私1人では立てません」
いや、どういう嘘?さっきまで普通に歩いてたじゃん。
「え?···んーと、
「はい、私たちの
僕らのいつも通りは多分これだろう。
僕がアリスちゃんの正面に立ち、左腕を彼女の背中側から肩の下に通して、右腕を膝の裏に差し入れる。
しっかりバランスをとりながら、膝と背中を同時に支えるようにして、万が一にでも落とさないようにゆっくりと体を持ち上げる。
──別にアリスちゃんは僕の首に腕を回す必要はないんだけど、今はそういう気分らしい。
「──こういう形での挨拶になり申し訳ありません。こうしてお話するのは初めてですよね?いつも綾小路君がお世話になっています」
「お前はオレの親か」
「??」
「ふふ···僕らは清隆くんの友達だから安心してね。ほら、アリスちゃん自己紹介は?」
僕がそう促すと一層首の回している腕の力を強めた。アリスちゃんの強さだから全然痛くはないけど、密着度が増して恥ずかしい。
「堀北さん、初めまして。私坂柳有栖と申します。──白兎君は何があっても渡さないので諦めて、綾小路君にしてください」
「「は?」」
「···え?」
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