アニメで見ると誰が誰かほんとに分かりません。
今まで自分の中で勝手に積み上げてきたイメージが邪魔してきます。
原作の小説やアニメから見るべきでした。
投稿予約がうまくできておらず、一瞬でましたが気にしないでください。
アリスちゃんの「深い仲」発言から数時間。
入学式を終え、敷地内の施設について説明されたのち、解散となった。
僕を困らせる発言を聞き、女子を中心に皆が騒ぎ出してしまったが、すぐに入学式の時間が来たため助かった。
タイミングがもう少し早かったら、──邪推されまくっていただろう。
···もうAクラスに彼女をつくることは不可能に近くなってしまったように感じる。
「色々と揃えたいものものが多いので、解散が早いというのは助かりますね」
帰る準備をしてる隣で、座っているアリスちゃんが嬉々として語った。今までとは考えられないほどの機嫌の良さだ。ちょっと怖いまである。
それはそれとして少し気になることがあった。
「──なんでいっしょに帰るって言っちゃったの?···橋本くんたちからカラオケ、誘われたのに」
解散した後僕たちに「女子とカラオケ行くけど一緒に行こうぜ」と橋本くんから誘いを受けた。
しかし、アリスちゃんが「申し訳ないのですが、
せっかくのチャンスだったのに······まぁ、それ以上に後ろで見ていた女性陣から生暖かいような、少し興奮しているような目を向けられて居心地が悪かった。
周りへのアピールが初めからフルスロットルだった。この子にはブレーキはないのだろうか。いやなかったね。──それにしてもアクセルを踏み続ける必要はなくない?
そこまでして僕を自分のモノとして置きたいのかな?そんな価値が僕にあるとは思えない。
「最初から無理する必要はありませんよ、まだ名前を覚えてすらいない相手に合わせるのは辛いはずですよ?」
「なんで名前覚えてないって思うの?···結構小中のときから、人の顔と名前覚えるの早かったけど?」
なんでこの子は僕が覚えていないと確信しているのだろうか?確かに覚えてないけど···
「···あら?もう覚えていたのですか?···女の子に夢中で男性の名前なんて聞いていないと思いましたよ」
──神室さんを見てたときの怖い目は気のせいじゃなかったのね。···これは久しぶりの嫉妬アリスちゃんなのか?!
アリスちゃんは、僕の方を向き微笑んでるようで目は微笑んでいない。むしろめっちゃ怖い···でもそれが嫉妬なら可愛いね。
「──まあ確かに全員は覚えられてないよ」
「でしょう?そんな状態で行ったとしても楽しくなんてありませんよ」
ふふんって感じられるほどのドヤ顔だった。なんだこのドヤ顔は?···ペットのことは主人が1番分かっていると言いたげな顔をしている。
──こういう顔も可愛いね。思われてることは癪だけど。
いつまでもこの話をしても分が悪くなるだけだ。
早めに話題変えないと。
「で、今日はこれから何するの?」
多分買い物とかだろうと目星を付けていたから早く教室から出たかったが、アリスちゃんの返答は僕の予想にはなかったものだった。
「まず、他のクラスを見て周りましょう。どんな人がいるのか、白兎くんは気になりませんか?」
「うん気になる」
「そうですよね、もしかしたら好みの女の人が見つかるかもしれませんしね」
自己紹介時の嫌味のないアリスちゃんを返してください。この子、機嫌がジェットコースターのように変わってしまいます。
──さっきまで普通に機嫌良かったのに······女の子を見てたヤツが悪いね!
「そうだね。アリスちゃんこそ、
「??」
本気で分かってない顔をしてるアリスちゃんは珍しいね。けど、それ以上に見たいのがあるんだよ。
綾小路くん、君しか頼れる人がいない。
僕を困らせまくる、このドSロリを沈静化できるのは、君しかいないんだ。
ちゃんとDクラスにいてくれよ。
────────
「アリスちゃん、そんなに急いでどうしたの?」
「──いえ、少し気になっただけです」
「そっか」
「え?」
Dクラスの誰かの声が漏れた。その人の視線に釣られるように多くの人がそこを見た。
扉越しに、物語の主人公やヒロインのようなファンタジー感強めの2人が手を繋ぎ、Dクラスを見てきていた。
異質、異様。いる世界が違う。
そんな言葉でしか表せないような2人だ。そんな2人が他クラスに来てしまったのだ、その衝撃は大きい。
「で、その人はいた?──そっか、ならよかった」
「────何も言ってませんが······白兎君はいましたか?」
「ん、そうだね──いないかな」
アルビノに加えて低身長で可愛い顔で男の子?中性的な美しい見た目をしてる子とどこかのお嬢様かお姫様のような見た目をしてる女の子。
その2人が仲良く手を繋ぎ、Dクラスを扉越しから少し見て去っていった。
時間にすれば一瞬だったが、見た人全てにインパクトを残して仲の良さをアピールする形になった。
────────
「···Dクラスだけでもういいの?」
「ええ、私の見たいものは見れました──それをなぜ知ってるのかは疑問ですが、白兎君はやはり、好みの女性を探しに行くのですか?」
「んー、いやいいかな。それより早く最低限ものを揃えたいかな──誰かさんのお弁当作らないとだしね」
「ふふ···期待してますね」
「はいはい」
いつも通りのやり取りを繰り返しながら歩く。入学式で早く帰れるのは1年生だけじゃないのか、寮へ向かう道には上級生と思われる生徒も少しいる。
「学校から寮への道が近いのはありがたいですね」
「そうだね、その間にコンビニとかもあるからお金使いすぎちゃいそうだね。
でも、まぁ毎月10万ポイントも貰えるから大丈夫かな?金払いが良いのはほんとにありがたいことだね」
「本当に、そう思いますか?」
アリスちゃんが少し笑みをこぼしながら質問してきた。
──やっぱりアリスちゃんはこの段階で気づいてるんだ···僕じゃ敵わないな、ほんとに。
バカなフリをしても結局アリスちゃんに対して、僕の嘘は
「絶対あり得ないね、10万ポイントを高校生が毎月もらえるなんて甘い話があるわけない」
「どうしてですか? 先生は毎月1日にポイントが貰える、と説明しておられましたよ」
どこまでも楽しそうなアリスちゃん。
僕が期待通りの回答したからなのか、ポイント制度を活用する策を考えてるのかは分かんないけど、やっぱりアリスちゃんは楽しそうにしてるときが1番可愛い。
「確定してるのはポイントが貰えるだけでしょ?先生は10万なんて一言もいってないよ。このお金は初期投資みたく基盤を整えるのに配られたポイントだと思う」
僕が「よう実」を全く知らないのならこう思う。
さすがに高校生に10万を毎月なんてことはないと考える。けど、この学校はおかしいから普通にそれに近いポイントくれるんだけどね。
「そうですね···確かに先生は10万とは言ってませんが、それだけですか?」
僕を試すような、期待するようなそんな目で上目遣いで見てくる。
──純粋に反則じゃない?自分が知り得る全てを話したくなるよ、そんなの。
「あとは、先生の『入学を果たした君たちにはそれだけの価値と可能性がある』って発言かな」
その発言からは、現時点の市場価値についてしか言及していない。
──ということは、これからの行動で価値が変動することを示唆している。
こんなところでいいかな?
「実力主義を謳ってる学校が、成長しようとする生徒と、堕落していく生徒を同じ扱いにするのは考えられない。──現時点の評価は10万で、そこから成績や態度、行動で変動するんじゃない?異常なほどついてる監視カメラがそれの裏付けなんじゃないかな?」
多分このくらいでいい。
これ以上張り切ると前世知識まで出てきてしまうかもしれない。ここが僕、兎月白兎として出せる精一杯だと思う。
「流石白兎君ですね。私も同意見です。他に気が付いた生徒は居なさそうでしたが」
君はナチュラルに人を下に見るよね、どこまでも支配者気質なんだろね。
「先生の言い方が意地悪だったからね、監視カメラの量がこんなに多いことに気づいてなかったら僕もここまで疑わないよ」
この学校に入ってから見てきた全ての場所に、死角がないように監視カメラを設置されていた。防犯のためにしても過剰すぎる。
「教室ですら角4つ全てについてますからね。防犯目的なら1つで十分のはずです。しかし1つでは、授業中こっそりスマホを弄る生徒や隣の女の子を凝視する生徒を特定するのは不可能ですから」
「そんなに見てた?」
「ええ、まるでご主人のことを待っている子犬のようでしたよ」
「──だから子犬じゃないんだけど」
「そうでしたね、白兎君は兎さんでした。申し訳ありません」
「────で、これからどうするの?確認しに行くんでしょ?」
そう言うと、アリスちゃんは満足そうに頷き、にこっとした。
この子は無駄な説明をすることを嫌がる。隣にいればひしひしと伝わってくる。だからアリスちゃんが「こういう時はどうするのだろうか」や「何が目的なのか」ということを考える癖がついた。
たとえそれが間違っていたとしても、機嫌良さそうに微笑むだけだから遠慮なく考え発言している。
どうやら今回は正解したようだった。
「そうですね。後で先生に確認しに行きましょうか。あの場では説明されませんでしたが、質問は歓迎とのことなので」
「···一応聞くけど僕はいk「はい?」いつ行くの?」
ほんとに過去の自分を恨みたい。
なんでここまで圧の強い女の子になってしまったのか、ただの短い一言で、僕は降参するようになってしまいました。
「──心配しなくても大丈夫ですよ。先生が気づけるようにヒントを残してくれているのですよ?···もしかしたら気づいてほしいのかもしれません」
確かに茶柱先生は気付いてて嬉しそうな2次創作多かったよね。僕らの担任もそうなのかな?
──まあ、優秀な生徒がいるってなると嬉しいのは当たり前か。
「仕方ないね、とりあえずモールに食材買いに行こうよ」
「···すぐ近くにあるコンビニでいいのでは?」
お嬢様なこの子は分かってないね。モールの方が安いし、品揃えが多い。それに買わないといけないものもあるしね。
「フライパンとかの調理器具買いたいからね。明日からお弁当作らないとだし」
今は多様性の時代だ。僕が主夫になってアリスちゃんが働く形になるかもしれないね。
──そんな
「ふふふっ♪いつもありがとうございますね──これから3年間よろしくお願いしますね?」
アリスちゃんが普通に繋いでいた手を恋人繋ぎに変え、目を合わせてきながらそう言った。
身長の問題で上目遣いになってしまうから破壊力が高い。僕は何度もこういうことをされてるのに、顔が赤くなってしまう。顔が白いのが悪い。
けど、そんなことはしないでほしい。
──あぁ、そんなことをされるとほんとうにこのぬるい関係を続けていきたくなる。
ぬるく曖昧な今の関係が、
友達とも主従とも、恋人とも取れるような今の関係を僕は一生続けたくなる。
けど、それじゃ僕も君も幸せにはなれない。
暖かい幸せじゃなく、ぬるく泥に沈むような感覚になるだけだ。
──早くなんとかしないと。
「──うん、これからもよろしくね」
複雑な心境が悟られないように本気で隠し、僕は赤い顔を隠さず照れたように笑った。
僕を見て、アリスちゃんは驚いたみたいで少し顔を赤くして笑った。
僕が素直に笑ったことに驚いたみたいだった。確かに僕はこんなにしっかり笑うのは少ないけど。
···アリスちゃん、君は僕のこの感情は気づかないでしょ?
どれだけ昔からこの感情を持ってると思う?──分かんないよね。
ただのペットに近い感情を持ってる君にはさ、僕の気持ちは分からない。
天才である君に、僕の気持ちは分かるはずがない。
ま、僕にも君が何を考えてるのかは分かんないけど。
評価やコメント、誤字報告など待ってます。