新作日間の上位にいてめっちゃ嬉しかったです!!
評価やお気に入り、しおりなどありがとうございます!!
食堂での昼食後、僕は1人で適当に歩いた。
「本日、午後5時より、第1体育館の方にて、部活動の説明会を開催いたします────」
とアナウンスがあったが、平穏を噛み締めつつ歩いた。
一応2次創作の小説や前世の友達との会話の知識しかないため、実際はどこに何があるのかを確認したいという目的がある。
──というのは建前で、ほんとはAクラスに帰りたくない。
橋本くんというコウモリが、一之瀬さんとの会話をアリスちゃんに動画送ってるんだ。
何か言われるに決まってる。
「橋本くん可哀想に···絶対アリスちゃんに言われて電話かけてきてるでしょ···」
さっきから何度も橋本くんからかかってくる電話を無視してる。
かけているのは橋本くんだとしても、出るのはラスボスアリスちゃんだ。
──出るわけがない。
僕は今自由なんだ···!自由に飛び立てているんだ···!!
この先どこまでも僕はいける···!!!
······けど現実はそんなに甘くない。
その後すぐに予鈴が鳴り、僕はギリギリのタイミングになるようにAクラスに入っていくしかなかった。
「────ごめんね」
「あら、何を謝ってらっしゃるのですか?」
怖い。ちゃんとアリスちゃんから可愛さを感じられない怖さって久しぶりだなぁ···
──がんばれ、僕の小指。
後の世界史の授業では、事あるごとに無言で足の小指を杖で殴打されまくりました···
誰だ?この子をドSロリに仕立て上げたのは?
···過去の自分ですよね···
────────
「······今回の授業はこれで終わりだ。しっかりと復習してくるように」
授業の終了を知らせるチャイムが鳴り、僕はこの地獄から抜け出せた。
──杖で小指を殴打されるのは百歩ゆずっていい。けど、殴るだけで無言なのは怖い···なんか話してくれないかな?
「白兎君」
「はい···」
どうやら話してくれる気はあるらしい···
よかった。これからずっとあんな感じになるなんて考えたくもなかったし。
──さて、何が来る?
「今日の放課後、白兎君の部屋行きますので」
「···はい──あの部活動s「行きますので」はい···」
ここで分からないの結構怖いなぁ···
刃物を首に当てられて生かされてるみたいな感覚になる。
「···そんなに怖がらないでください。
ただ白兎君のご飯が食べたくなっただけですよ?」
「──お弁当食べたよね?
あれ僕がつくったご飯なんだけど···」
「···そうですね、なら言い方を変えましょうか」
そう言ってアリスちゃんは、僕の耳に口を近づけた。
──ち、近いって、橋本くんのときはもっと離れてたよね?
目は相変わらず怖いけど、種類の違う怖さになったし···さっきまでは射殺さんと言わんばかりの目だったのに、今は蛇みたいな目してる···
「ふふ♪···そんなに怯えないでください···私は白兎君、あなたといっしょに食べる料理が大好きです。
なので、いっしょに食べませんか?」
ふぅーと耳に息を吹きかける徹底ぶり。
しかも誤解されるところだけ声大きくして···!
──ほんとにこの子は···!!
ガタンッ!!
「ッ〜///!!──ぼ······くっ!!」
僕には脱兎のごとく逃げるという選択肢しかなかった。
──あのままあのクラスにいたら揶揄われるのは分かってるし、勝ち目なんてこれっぽっちもない。このまま最後の授業だけ出ないって選択は···取れないよね···
僕のせいでみんなの評価下がるのはダメだし···
──はぁ、またギリギリに入ろう。
────────
「姫様揶揄いすぎじゃない?」
「ええ、少しやりすぎてしまいました」
「あれ次の授業帰ってきます?」
「──ご心配なさらず、白兎君は帰ってきますよ」
「···あんなに顔真っ赤にして、
「ふふふ、そうですか。なら、こんなことをした甲斐がありました」
「は?──あー、そういう···意外でもなんでもないけど、嫉妬心強めなんですね」
「彼の主人は私ですからね、
他の女性に尻尾を振る駄犬にはおしおきしませんと」
(おっかねぇー!!)
────────
「──さて、昼に放送でもあった通りだが、17時から部活動説明会がある···そこでは生徒会の説明も合わせて行われるため興味のあるものは行くように。では、解散」
「白兎君、行きますよ」
「···はーい」
放課後になり、確定事項になっていたアリスちゃんからの呼び出しを受けた。
──授業前に僕が入ってきたとき、生暖かいような、面白がるみたいな目を向けられた。
今もそんな感じの目を向けられてて鬱陶しい!!
「でも、ほんとにいいの?···生徒会とか興味ない?」
「少しはありますが、今は興味ありません」
「そっ」
確かにこの子はそういうの1年生からはしなさそうだけど、
今だけはその予想を覆して欲しかった。
「帰る準備できましたか?」
「ん···では、お嬢様、お手を」
「ふふ♪ええ、参りましょうか」
僕はアリスちゃんより先に立ち、
アリスちゃんの方を向いて跪き、手を差し出した。
──こういう従者的な振る舞いはアリスちゃんの機嫌が良くなることは分かってるからね。
今日は仕方がない。
──え?なんで?
「あ、アリスちゃん?···その、手の握り方は?」
「今日はこういう気分なんです♪」
「そうなん···だね」
いつも僕を揶揄うときしかしない恋人繋ぎを初めからして寮に向かうらしい···これどういう仕打ち?
「あら、これが罰だなんて失礼ですよ」
「──なんで僕の考えてること分かったの?」
怖いって···
「しっかり授業に来られたので、それのご褒美です」
「なるほどね──ならよかった」
あーそういうことね···で、なんで分かったのかな?まぁ、昔からこういうのは答えてくれないし無駄だよね。
帰り道、大勢の人から好奇の目で見られた···そういうのは慣れてるけど、仲良しカップルを見るような感じで見てこないで!!
普通に恥ずかしい!!!
────────
「よ、ようやく座れる···」
色んな人から変な目で見られてダメージを受けたが、
ようやく自分の部屋へと帰ってこれた。
僕の部屋にアリスちゃんが入るのは、昨日食材を少し持ってもらっていたので2回目だ。
「あら、そんなに長いこと歩いてませんが、どうしてそれほどお疲れになってるのでしょうね?」
まぁ、何はともあれアリスちゃんが楽しそうでよかった。
──流石に昼食後の機嫌がずっと続かれると生きにくかったし。
「···はいはい、僕が悪かったですよ」
全面的に僕が悪いとは胸を張って言えないけど、今はそう言っておく方がまるい。
「──そうですね。そんなに悪いと思われてるなら仕方がありません···何か貴方に与えましょう」
──あ、やっばいミスった。
アリスちゃんが悪い顔してる···なんだ?何がくる??
「···そんなに身構えなくてもいいですよ···そうですね、そこに正z···いえ、胡座をかいて座ってください」
「──正座じゃなくてね···はい、座ったけ···ど────ごめんね」
「ふふ♪···こうするのも大分久しぶりな気がしますね···」
「──こうするのは、お互いが何かしちゃったときだからね···もう、前したときはどんなことがきっかけでしたのかは覚えてないけど」
胡座の中にストンとアリスちゃんは腰を下ろし、そのまま僕のことをギュッと抱きしめる。──まるでぬいぐるみを抱く小学生のように。
僕も弱く抱きしめる。
──この子は僕のことをどう思ってるのか、ほんとに分からない。
それに僕が彼女のことをどう思ってるのかも分かってない。
思考がぐちゃぐちゃになっていくと、頬を手で包まれたことで意識が明瞭になっていく。
そして、息の温かさを感じられるほどの至近距離で、僕の顔や首?をじっくり見られた。
そして数秒···数十秒?──数分かもしれない沈黙が流れた後に口を開いた。
「先ほど、白兎君が『僕が悪かった』と仰りましたので──何がいいでしょう?」
「首輪とかは嫌です···」
ほんとに首輪は勘弁してほしい。一度小学生の時に付けられて惨めな気持ちになった。
···さすがにもう一度あの気持ちは味わいたくない···
僕がそう言うとアリスちゃんは薄く笑って、こう提案をした。
「それが嫌だと言うならそうですね···では少し目を瞑っててください」
そう言って僕の頬に片手を置いた。
──さすがにキスじゃないと思うけど何するんだろ?まあ、でも仕方ないね。
そう思い、僕は目を閉じた。
何をするのか考えていた時だ。
────首に柔らかく、けれども強い刺激を感じた。
「え?···あ、アリスちゃん??」
ここまでのことをされるなんて思ってもなかったから、動揺が僕の体を巡った。そんなに一之瀬さんとの会話が気に障ったの?
僕の首に赤い印をつけたことで満足そうなアリスちゃんが口を開いた。
「頭を撫でられることを拒否してたみたいでしたから···しっかりとマーキングしておいた方がいいと考えました」
「──まぁ確かに、アリスちゃん以外に撫でられるのは嫌だけどさ······そんなに一之瀬さんとの会話嫌だった?」
「ええ、心底嫌でした──貴方が誰かのモノになるなんて考えたくもありません」
「···そっか」
あ、この子も僕と同じなんだとこの時気づいた。
多分アリスちゃんも分かってない。
僕らが今どんな関係なのか、将来どんな関係になるのが正しいのか。
だからこんなに曖昧なんだろうね。
「ですので、ここはお預けです」
そう言い、僕の唇に人差し指を置いた。
あーなるほどね。
「──いつか僕らの関係が
「ええ、待っていますね」
今はまだ、大事な幼馴染という関係でしかない。
──あっちは主従関係を結びたいのかもしれないけど、恋人やその先にも
──僕もそう思ってるよ。けど、僕が君と並べるとは思えない。大人になった君の隣を歩いてる僕を、僕自身が想像できない。
だから、今はまだ、高校生の間だけは隣を歩かせてほしい。
──負けないよアリスちゃん。どんなことでも僕は
そうじゃないと、僕は君の隣を歩く資格がなくなる気がしてしまうから。
誤字報告など待ってます。
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