「ヌゥゥゥゥン! ボッチ・チャン! オヌシはウチでバイトせい!」
シモキタザワの物語を覚えている者は幸せである。シモキタザワは、酒と金の間にあるバンドマンの心のふるさとである。ヨウキャスレイヤーことボッチ・ザ・ロックの筆舌に尽くしがたいアルバイトはここに書き記すことはできない。故に、ここでは新メンバー募集の物語を語ることにしよう。
「キタサン! バ・ギ・ボ!」
「え? 2組のゴトゥーさんだよね? 何の用かしら?」
「バ・ギ・ボ!」
「ツーツクパーツク……ツクツクパーツク?」
キタサンの意外すぎる返しにゴトゥー困惑。
「えっと、ヒップホップ部に入りたいの? サササ・サンはもう帰っちゃったから、明日出直したら?」
魔法の言葉で楽しい仲魔がポポポポーン!! ギタマガにもそう書かれている。しかしこれではコウボウエラーズである。これではギターボーカルではなくエミネェム。
「す、すみませんー!」
「え、ちょっと待って!」
ゴトゥーの秘術マンガ走り。疾きことハグレメタルの如し。中世のギタリスト、ズミヘンの言葉である。
「聞いてください。ダブル黒歴史(ボッチ弾き語りバージョン)」
ナムアミダブツ! ガッコ1番の美少女を無謀にも勧誘し爆散、それどころかクラスメートにも話しかけられず憤死するゴトゥーのカラダハドボドボダ! 咽び泣くレスポォル。
「感動! ゴトゥーさん、珍……ギター上手いのねー!」
「え? い、いま珍って……」
「キニシナイデ! いいね?」
「アッハイ」
重金属酸性雨降りしきるシモキタの街を往くゴトゥーとキタサン。ナンダカンダあってギターを教えるハメになってしまった。陽キャの恐るべき計画を陰キャが断れるはずがない!
「ヌーン! ボッチ・チャーン! よく分からぬけど、バリキドリンク沢山買ってきたよー!」
遠方よりレインボーサマー・サンの声が響き渡る。その声、霹靂の如し。
「ごめんやっぱり帰る! ここに来たことはレインボーサマー・サンたちにはどうか内密に……」
「うぶぅ!」
ツブレあんまんボッチ。カワイイ・イズ・ジャスティス。ギタマガにもそう書かれている。
「あー! ニゲタギター! ヌゥゥゥゥン! 逃がすか! 鹿分身!」
レインボーサマー・サンのジツでクリーチャーが大量発生。キタサンに襲い掛かる!
「アィエエエエエ!」
令和の遷都君による襲撃に怯え竦むキタサン。陽キャの面目丸つぶれ、モハヤコレマデカ!
「ヌゥゥゥゥゥン! ニゲタギター殺すべし! 慈悲はない!」
雲鷹の速さで迫るニジカたち! キタ・サン絶体絶命! 後半へつづく。