「贖罪の天使キタチャン参上! ……すまんな、本当にすまん! 私をメチャクチャにしてください。リョウセンパイ! エロドウジンミタイニ! エロドウジンミタイニ!」
ここぞとばかりにマッハドゲザするキタチャン。その胸は平坦であった。
「ドーモ。セカイノヤマダです。心配してた。死んだかと思ってマイニチオセンコ焚いてた」
「ヌゥゥゥゥゥン! レインボーサマーです。これはキタチャンのケジメ案件だ! ドゲザぐらいではすまされぬ! セプクものぞ!」
ライブ直前でのニゲタギターは実際重罪。エンコツメルぐらいでは済まされぬのだ! ロキノンにもそう書かれている。
「ドドド、ドーモ! ボッチ・ザ・ロックです! まま、まずはスターリーでおおお、話しませんか?」
「ヒトリチャン……」
ウルウルと涙を浮かべるキタサン。
「ヌゥゥゥゥゥン! 何事も暴力で解決するのが一番だが、ボッチ・チャンが言うなら仕方あるまい。命拾いしたなニゲタギター!」
「ここがイクヨのオブツダンにならずに済んでよかった。安心したので草を食べよう」
「クサタベテル!!!」
たとえ相手が親の仇であっても、ニゲタギターであっても挨拶を欠かしてはならない。ギタマガにもそう書かれている。本来バンドマンは何事も暴力で解決するのが宿命だが、ゴトゥー・ヒトリは平和裏に解決する異端の感性を持つギタリスト。その胸は豊満であった。
「なら今日一日ライブハウス手伝ってくれない? もちろんノーギャラで」
キタチャンへの罪滅ぼしを提案する妙齢の美女。テンチョーことスターソングである。今はバンドマンではないため形式的なアイサツは不要。レインボーサマーの姉であり、あたまおそろいである。着ているシャツには『後藤の可能性』と書いてある。
ちなみにレインボーサマーの上着には『ぼっちちゃんだいすき!』と書かれている。彼女たちはゴトゥーがだいすきなのだ。
現にバーカウンターには『陰キャ美少女、これが好き!』と書かれているではないか! 季節のヤクザフラワーを添えて。
「それだけじゃ罪滅ぼしに足りません!」
「じゃあ恥ずかしい恰好してもらおうか」
サイバーオイランめいたアトモスフィア、ネコネコカワイイのコスチュームだ!
「あああ、あの、ななんで、私まで?」
「ボッチ・チャンはかわいいからいいんだよ」
未成年の少女にこれを着せて働かせるのはほとんど違法行為だ! ネオシモキタザワでなければマッポに逮捕されているところである。ゴトゥーは長女だから耐えられたが、次女だったら耐えられなかっただろう。
「今日は一日これで働いてもらうぞ!」
「はーい!」
「ムムムムムリデス!」
乗り気なキタサン、満身創痍のゴトゥー。
「私たちも着るんだからさ」
「なんで私まで……」
それぞれイメージカラーのネコネコメイドコスチューム。同調圧力先輩であった。