町の中央に立てられた会議室。
障子で外界と仕切られた空間には畳が敷き詰められている。
ぱっと見は和風だが、オーガの文化とリムルの記憶にある和の文化組み合わせた新しいスタイルの建物である。
いつでも会議を開けるように準備されているこの部屋は会合にうってつけだ。
そこへジュラの森大同盟とドワーフ王国、両陣営の幹部が続々と集まっていく。
ドワルゴンの王ガゼルとジュラの森大同盟の盟主リムルの会合が行われるのだ。
会議室へ向かう集団の中にはマツリの姿もある。
リムルの子供である以上、マツリもこの町の幹部だ。
しかもリムルに次ぐ二番目の実力者。
会合に相応しい人選ではないのだが、外すわけにもいかなかった。
会合が始まる直前、リムルは誰も居ない部屋へマツリを連れて入った。
注意事項の確認だ。
「いいかマツリ。これは大事な話し合いであって、宴じゃない」
「宴じゃない」
「沢山の魔物や人が集まっているが、お祭りじゃない」
「お祭りじゃない」
「俺達がドワーフ王国とどう接するかを決める大事な会合なんだ。真剣にな」
「うん。分かった」
真面目な顔でマツリが答えた。
どうやらマツリなりに真剣に臨むつもりのようだ。
あまり期待は出来ないが、その決意だけでも生まれたばかりの子供にしては上出来である。
遅れてリムルとマツリが会議室に入り、出席者が揃った。
リムルの着席と同時に会合が始まる。
「先も言ったが、オークロードを倒した謎の魔物集団がいると報告を受けたものでな。どうしても俺自らが調査に出向く必要があった。連れて来た騎士たちは俺の護衛で、初めから戦闘の意思は無かったのだ」
「俺もいきなり武装集団が向かってきた時は慌てたが、何事も無く収まって良かったよ」
和やかな雰囲気で会合は進んで行く。
リムルはオークロードの争乱から森の盟主となった経緯を語った。
それを受けたガゼル王は、謎の魔物の出現に国の首脳陣が大いに混乱していたことを明かす。
こうして互いの事情を詳しく語り合い、確かな信頼関係を築くことに成功したのだった。
今やリムルは大国の王が相手とは思えないほど気軽に言葉を交わしている。
そんなリムルの態度を受け、ガゼル王は怒るどころか機嫌を良くしているようにも見える。
弟弟子だからというのもあるが、元来の性格としてこういう砕けた雰囲気が好きなのだろう。
「そもそもだな、ドライアドが出てきた時点で貴様らが邪悪な存在でないことは分かっておったのだ」
「そうなのか? ジュラの森なんだからどこに居てもおかしくないだろ?」
「何を言う。ドライアドは公明正大な魔物で邪悪な存在には肩入れしないことで有名なのだ。森の盟主のくせにそんなことも知らんのか」
「いやぁ、あはは」
「生まれたばかりの子供……マツリと言ったか。奴ならともかく、お前までものを知らないのでは先が思いやられるぞ」
リムルだってまだ0歳なのだから、これは無茶ぶりというものだった。
前世の記憶はあってもこちらの世界の事は良く知らないのだ。
さて、これは真面目な会合である。
当然ながら聞いていて面白いものではない。
出席者はトップの会話の邪魔にならぬように大人しく座っている必要がある。
ひどく退屈な空間なのだ。
リムルは気づく。
どこからともなく聞こえてくる規則的な音……いびきの音に。
会合の最中なのでガゼル王から視線を外すことは無いが、非常に気になる。
あーあ、マツリの奴やっぱり寝ちまったか。流石に退屈だよな。
まあ仕方がないか。
そもそもオークロードの争乱も町の成り立ちも生まれる前の話だし。
そんなことを思っていると、背後からシュナの声が聞こえてきた。
会合の邪魔にならない程度の囁き声なのだが、どこか緊迫感がある。
「シオン、シオン! 起きなさい!」
「リムル様は今日も素敵です……むにゃむにゃ」
まさかのシオンである。
お前は駄目だろ!? 仮にも俺の秘書なんだから!
などと怒鳴りたくもなるが、会合の最中である。
ここは真面目な顔でやり過ごすしかない。
ああ、ドワーフたちの視線が痛い。
シオンは外すべきだっただろうかと思うリムルだった。
ではマツリはどうかと魔力感知で見てみれば、しっかり背筋を伸ばして話を聞いているではないか。
出来た子供である。
(ねえパパ、シオン寝てるよ? 良いの?)
(良いわけないだろ。後でお説教だよ)
(ふーんそうなんだ。ねえシンラ、ガゼル王が言ってた『公明正大』ってなに?)
《『公明正大』とはーー》
(ふむふむ)
リムルの予想に反し、マツリは静粛に話を聞くことが出来ていたのだった。
しかし実際は体の制御をエイコ*1に任せてカイ*2に会議の内容を記録させていただけである。
そしてマツリ自身はシンラと楽しくお喋り。
スキルも本人の実力なのだからこれで問題はないのだ。
会合もようやくひと段落ついた。
盟約とか後ろ盾とか交易路とか、マツリには良く分からない言葉が多くて内容は分からない。
しかしガゼル王とリムルのやり取りが少しずつ親密なものとなっていることは肌で感じていた。
要するにパパに新しいお友達ができということだ。
実にめでたい事である。
「もう結構な時間だな。一旦休憩して飯にするか」
「ではお食事をお持ちしますね」
リムルの一言で会合は終わり、そのまま食事の流れとなった。
いつの間に用意したのか、シュナと給仕のゴブリナ達が続々と料理と酒を運び、テーブルに並べていく。
マツリはリムルの横でその様子を眺めていた。
毎日の楽しみ、ごはんの時間だ。
(でも皆やけに楽しそうだな。まるでお祭りの前みたいな……)
しかし雰囲気がいつもの食事とは異なることに気付く。
どこか浮ついた雰囲気があるような気がするのだ。
よくよく周りを見てみるマツリ。
並べられるのは料理……だけではない。お酒もある。
そのお酒の量がいつもより多いような……。
そしてそれを見て大人たちが喜んでいる。
やがてマツリは理解した。
これは、そう……宴会!
つまらなそうな顔をしていたマツリが一転して笑顔となる。
「パパ!」
「ああ、もう小難しい話もお終いだ。これからはお楽しみの時間だぞ」
「お楽しみ!!」
水を得た魚。
いや、宴を得たマツリ。
待ち受けるは酒を得たドワーフである。
一瞬にして絶好調になったマツリは、早速ドワーフの重鎮たちへと歩み寄る。
「俺はマツリ! よろしくね!」
「おお、お前が酢ダ……じゃなくてもう一匹のスライムか。元気が良いな」
「黒ミt……リムル殿とは違って素直なものだねぇ」
「貴公ら。欲望が抑えられておらぬぞ。仮にも他国の幹部にその言い方はよせ」
「酢ダレ? 黒ミツ? そんな料理は出てないけど?」
言葉の端々から食欲が漏れ出ており、魔物たちどころかドワーフの間にまで緊張が走る。
スライムを前にして食欲が刺激されるのは仕方ないが、ここはそのスライムが治めるジュラの森の真っ只中、その中枢である。
スライムをドワーフに、そしてジュラの森をドワルゴンに置き換えて考えてみてほしい。
とんでもなく無礼な発言だと分かるだろう。
意味が分からないのはリムルとマツリだけだ。
遠目から見ている町の幹部たちは声こそ出さないが戦々恐々の心持ちでそれを見守っていた。
スライムを食す文化は世界中に存在し、当然ジュラの森にも深く根付いている。
リムルが台頭してきたからと言って急にそれが無くなるはずもない。
今でも町ではスライム料理が振舞われているのだ。
勿論リムルの見ていないところで。
しかもこの町ではこの件でちょっとした事件も起こっている。
以前ゴブタがうっかりリムルの前でスライムを食していると漏らしたことがあったのだ。
それを聞いたリムルは顔面蒼白になり一目散に逃げだした。
しばらくの間、仲間を見る怯えた目が痛々しかった。
リムル様とマツリ様の前でスライムを食してはいけない。
これは魔物の町では知らぬ者のいない鉄の掟となった。
町の幹部たちが見守る先では酒に酔ったドワーフたちがマツリと話している。
その口ぶりから察するに、リムルが黒ミツ、マツリが酢ダレという事らしい。
確かにマツリの鮮やかなオレンジ色は唐辛子を連想させる。良く冷やして酢ダレと一味で食うのが良いだろう。
リムルも酢ダレで良いかも知れないが、どうせ2匹いるなら黒ミツでも味わうべき。
ドワーフたちはきっとそんな事を考えていたに違いないのだ。
見れば何も知らないマツリが元気よくドワーフと話している。
「マツリや、こちらへおいで。おばあちゃんが良いものを見せてあげるよ」
「なになに?」
宮廷魔導士のジェーンが手招きし、マツリを呼び寄せた。
テーブルの小皿には黒い液体。手にはスプーンが握られている。
不穏なシチュエーションである。
マツリが食われる……はずもないのだが、不吉な妄想は止められない。
しかし仮にも国の重鎮である彼らが森の盟主の子供であるマツリを食べるなどあり得ないし、疑う事すら失礼だろう。
魔物サイドの幹部たちはマツリの様子を静かに見守るのみだ。
だが、やはり内心は穏やかではない。
(マツリ様が食われる!)
(もしそのようなことがあれば俺があの老婆の首を撥ねて──)
(お待ちなさいソウエイ。いくら何でもそんなことは)
「マツリ様は私がお守りします! ああっ離してくださいベニマル様!」
心の外も穏やかではなかった。
一人だけ心の声が駄々洩れである。
「ほれ、お近づきのしるしじゃ。この首飾りをお前さんにやろう」
「わぁ綺麗! ありがとう」
ジェーンが取り出したのは、紅い宝石がはめ込まれた大人しめのネックレス。
それなりに希少な物と思われた。
何のことは無い。
森の盟主の子供とお近づきになるべく贈り物をしているだけだ。
多少の打算はあるのだろうが、マツリが喜んでいるのならそれで良い。
胸を撫でおろすベニマル達。
しかしこのままでは終わらないのがマツリという魔物である。
「じゃあお返しに……」
「おや、お返しとは嬉しいねぇ。一体何をくれるんだい?」
ジェーンからすればお返しとは予想外の展開だ。
しかし子供の思いつくことだ。綺麗な小石とか森で摘んできた花とかそんなものだろう。
可愛いものである。
何にせよ笑顔で受け取ろう。盟主の子供とお近づきになるために。
そう思い、ジェーンはお返しの品を待つ。
「はいどうぞ」
「え?」
ジェーンに差し出されたのはお皿だった。
その上に乗っているのはオレンジ色のぷるぷるとした透明感のある物体。
ご丁寧に黒ミツまでかけられている。
「召し上がれ!」
「待て待て待て待て!」
割って入ったのはリムルだ。
屈託のない笑顔で自分の一部を差し出すマツリから皿を奪い取った。
「あ、パパも欲しいなら後であげるよ?」
「そうじゃない! ったくもう……とりあえずこっちに来い」
「? まあいいけど。ジェーンおばあちゃんお返しはまた今度ね」
「あ、ああ。待ってるよ」
バタバタと宴会場を後にするスライム親子だった。
その様子を見送り、会場は静まり返る。
多くの者が呆気に取られて出入口のドアを見つめたままだ
「あー、なんと言いますか。魔物の町の皆様も苦労されているようで……」
「違いない。まあそれも含めてリムル様とマツリ様の魅力ではあるんですがね」
騎士団長ドルフがやっとのことで言葉を発し、リムルの配下を代表してベニマルが答える。
うんうんと頷く魔物たちと、何か思う所がある様子のドワーフたち。
考えることは同じだ。
主が自由人だと配下が苦労するのである。
思わぬところで共感を覚える両陣営。
ただ一人ガゼル王だけが楽しそうに笑みを浮かべていたのだった。
別室にて。
「おいマツリ。なんであんなことしたんだ?」
「何でって、スライム食べたそうにしてたから」
「あのなぁ、お前はもっと自分を大事に──」
マツリに説教するリムルだったが、唐突に言葉を止めた。
自分の言おうとしていることに違和感を感じたのだ。
自分を大事に?
スライムであるマツリとって、体の一部を失う事のどこに危険がある?
すぐに回復して元通りではないか。
実際、自分だってその程度は全く平気だ。
いつもの癖で常識でものを語ろうとしたが、それはマツリには通じないのだろう。
リムルは思い直し、自分や周囲の魔物たちが抱く忌避感を説明できないか試みる。
「いや違うな。お前の心配をしてるんじゃない。どうせ平気だろうからな。問題はそこじゃない」
「じゃあ何がダメなの?」
「嫌なんだ」
「何が?」
「お前が食われることが」
「俺は平気だけど? すぐに元通りになるし」
「それは知ってるよ。俺だってそうだ。でも、それでも嫌なものは嫌なんだ」
徹頭徹尾、嫌なだけである。
実際の所何の実害も無いし、何ならマツリを食した魔物は強くなる可能性さえ秘めているのだが、人の道……いや魔物の道を踏み外しているような気がするのだ。
「仲間が食われたら嫌だろ?」
「嫌だけど……それは痛がったり、死んでしまう様子を見たくないって事でしょ? 俺の体をあげる分には何の問題も無いよ」
「いやある。何度も言うが、嫌なんだ」
「なにそれ意味わかんない」
しかしリムルの努力も空しく説得は失敗に終わるのだった。
マツリの為にも魔物や人間の常識を知るのは大事な事だが、教えるのは難儀しそうである。
もうこのままでも良いかな? 可愛いし。などと現実逃避をしたくなるリムルであった。
場所は再び宴会場。
「おお戻ったかリムルよ。さあ、早くこっちに来て酒に付き合え!」
「出来上がってんなぁ。今行くから待ってろ」
「楽しそうだね!」
上機嫌なガゼル王が手招きする。
かなり飲んでいるように見えるが、実際の所どうなのだろう。
シラフでも結構軽いノリなので酔っているのか分からない。
リムルとマツリは空席となっていたガゼル王の対面に腰を下ろした。
宴会とは言え一応は公式の場である。ガゼル王と気楽に話せるのはこの二人だけ。
ようやく話し相手が見つかりガゼル王は嬉しそうだ。
「リムルは剣鬼殿の弟子という事だが、マツリはどうなのだ?」
「いや俺は剣はやってないよ」
「む、そうか……」
上機嫌だったガゼル王だったがこの一言で露骨に落ち込んだ。
かと思えば無駄に気迫のこもった声でリムルに言う。
「息子に剣術を教えないとは貴様一体どういう教育をしておるのだ」
「どうしたいきなり!?」
やはり酔っているんだろうか?
「どうもこうもあるか。剣鬼殿がこの町に居るのだから剣を教わるのは当然だろう」
「だからなんで?」
「剣を教わるのに理由など不要。素直に兄弟子の言う事を聞くのだリムル」
「本当にグイグイ来るな……!」
「一緒に稽古するのも良いコミュニケーションとなるであろうしな」
ここでリムルがピクリと反応した。
鬱陶しそうな表情が一変、何か物凄く大事な事に気付いたような顔でガゼルに聞き返すのだ。
「……今何て?」
「一緒に稽古すれば良かろう、と言ったが?」
「それだ! よしマツリ、パパと一緒に訓練しよう!」
ガゼル王の何気ない言葉はリムルの心に突き刺さった。
新米パパのリムルは子供と共通の話題が欲しいのだ。
マツリの事となると気合の入り方がまるで違う。
「まあいいけど」
「よしっ!」
ガッツポーズを決めるリムル。
相変わらずマツリが可愛くて仕方ないのだった。
その後ガゼル王からの申し出により盟約を結ぶことになった。
国家の危機に際しての相互協力と相互技術提供の確約。
この二つを条件に協定が結ばれることとなる。
かの大国、ドワーフ王国と正式に国交を結ぶのだ。
元は魔物の集団が今や国家。
そしてリムルは一国の王というわけだ。
洞窟で草を食ってたスライムがここまで出世するとは驚きである。
マツリも驚いた様子だ。
「パパ王様になるの!?」
「そういう事になるな。そしてお前は王子様ってわけだ」
「お、王子様……!」
王子様とは言ったものの、実際はどうなのだろう?
喜ぶマツリを見ながらリムルは想像する。
姫……っぽくはあるよな。なんたって見た目は俺と同じ美少女だし。
でも王子も行けるか。どちらかといえば立ち居振る舞いは男だし。
マツリの事だからその日の気分で変わりそうだな。
どっちもお似合いである。
マツリも細かいことは気にしないだろうし、好きにさせようと思うリムルだった。
王という言葉に浮かれるスライム親子。
しかし今は真面目な話の最中だ。
ガゼル王が問う。
「で、お前たちの国の名はなんというのだ?」
ガゼル王の言う盟約とは、二国間協定に該当する。
それはつまり書類上に国の名前を記載しなければならないわけで……
「え?」
リムルの反応がこれだ。
国名? 考えている訳がない。
というわけで再び会議である。
しかし今は宴会中だ。アルコールも入っている。
国名を考えるような真面目な話し合いをする雰囲気ではなかった。
「では明日の朝までに国名を考えておけ。そして今夜は酒に付き合え」
「考える時間くれないのかよ!」
結局ドワーフ達との宴会は朝方近くまで続き、考える時間はほとんど残らなかった。
それでも国名は決めなければならない。
宴会明けの皆には悪いがもうひと働きしてもらおう。
主だった幹部を集めて会議を始めた時には、既に空は明るくなっていた。
「よし、これで全員集まった……けど、お前ら大丈夫か?」
リムルの招集で部屋に集まる幹部たち。
酔っぱらった者と眠い目をこする者がちらほら見受けられる。
しかし待ったは無しだ。
明日、というか数時間後に迫る調印式までに国名を決めなければならないのだから。
だがリムルに焦りはない。
既に良い候補が浮かんでいるからだ。
リムルは集まった幹部たちを見回し、さも当然のように言った。
「ドワーフ王と盟約を結ぶにあたり国名を決める必要があるわけだが、まぁどう考えても『マツリ』だよな」
ですよねー、と声には出さないが幹部たちの気持ちは同じである。
幹部たちが国名を『リムル』と定めたいのと同じで、リムルとしてはマツリが一番大事なのだ。
反応するのは当のマツリである。
リムルが『マツリ』を推すという事は逆も然りだ。
「いやいや、それを言うならパパ……じゃなくて『リムル』でしょ?」
「何言ってんだ。自分の名前が国の名前になるのは誇らしいことなんだぞ? ここは『マツリ』しかありえない」
「それならパパの名前にしなよ。カッコいいよ?」
「『マツリ』だ」
「『リムル』が良い!」
「だめだ!」
「いや!」
仲良く親子喧嘩を始める二人。
幹部たちは置き去りである。
「では、『テンペスト』でいかがでしょう。お二人の共通のお名前ですし、丁度いいのではありませんか?」
見かねたシュナから提案があり、やっと喧嘩は終わる。
リムルとマツリも渋々納得し、国名が決定した。
名付けて『ジュラ・テンペスト連邦国』、略して『
ついでにリムルとマツリが親子喧嘩に夢中になっている隙に、この町の名前が『リムル』に決まった。
『中央都市リムル』である。
リムルは恥ずかしがったがこれは幹部たちの熱のこもったプレゼンとマツリの笑顔に押し切られてしまうのだった。
そして迎える調印式。
盟主改めテンペスト国王リムルテンペストとドワーフ王ガゼル・ドワルゴとの盟約は成立した。
これが──歴史に『ジュラ・テンペスト連邦国』が登場する、初めての出来事となるのだった。
次回はついにミリム登場ですかね。お友達が増えそうです。
長編にスイッチするにあたり、のんびり書くと言いましたがさすがに放置が過ぎました。このペースだと生きている内に完結しないのでもうちょっと頑張ろうと思います。(これがフラグにならないように気を付けます)