ウマ娘 ハルノナナクサ   作:ウマ侍

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第15話 中央へ

「ハルノナナクサ、東京大賞典制覇おめでとう!乾杯!」

「「「「かんぱーい!!」」」」

トレーナーの提案で、東京大賞典制覇のパーティが開かれた。参加しているのは、チームいも天のメンバー達だ。

「本当によく頑張った!君ならGIまで届くと思ったんだが本当に制覇するとはな……!」

「えへへ…トレーナーのお陰だよ。怪我が無いようにトレーニングメニューとかも組んでくれたもんね」

それを聞いて、トレーナーも照れくさそうに笑う。にやにやと笑うオータムコードの顔は面白そうだ。

「そういや、これからはどうするんだ?ナナクサも目標達成しただろ?」

「それは気になりますね。やはり新しいGI制覇を目標に?」

「そうだね。脚が持ってくれる限りはGI複数制覇を狙いたいかな!」

脚部不安の事もあるので、無理な出走は出来ないが、まだまだGIを狙う気持ちはあるようだ。トレーナーも脚への心配はあるが、まだ走らせてやりたい気持ちが強かった。

「うむ。期待大だな」

こうして、東京大賞典を制覇したハルノナナクサ。目標としていたGI制覇を果たし、大喜びの中、パーティは進んで行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「中央からの招待状?」

初詣を済ませ、のんびりしていたナナクサの元へ中央トレセンから招待状が届いた。東京大賞典の激走を見て、中央トレセンからウチで走らないかという招待が届いたのである。

「君さえ良ければ、俺としても向こうで走った方が良いと思う」

「中央の方が施設も良いみたいだもんね。ちょっと考えてみるね」

「分かった。すぐじゃなくても良いから返事を決めておいてくれ」

「はーい!」

彼女は悩んでいた。カスタードちゃんを筆頭に大井トレセンにも友達が沢山できたし、移籍した場合は彼女らとはお別れになってしまう。高知から移籍した際も、交友関係が変わってしまうのが辛かった。

「(でも、中央に行けるなら行っとくべきだよね……)」

高知の友達ともなんだかんだ連絡は取り合っているし、大井の友達もそれで行こうという事になった。それに、大井と府中はそんなに離れていない。週末に開催される大井トレセンフリーマーケットにでも顔を出せば友達にも会えるだろう。

「(……よし!中央に行くぞ!)」

決断をして、中央に行く数日前。ハルノナナクサは同室のカスタードを遊びに誘った。幸か不幸か、カスタードは休養に入っていた為、遊ぶことが出来た。一通り遊んでから、ナナクサは話した。

「まだカスタードちゃんに言ってなかったね。…私、中央に行くんだ」

「……そうか。中央に挑戦するのか」

「うん。カスタードちゃんとはお別れになっちゃうけど…今まで、本当にありがとう!」

「礼なんて良い。私こそ、お前に感謝しているところだ」

「私に……?」

「ああ。お前のようなライバルと競えたからこそ、今の私がある。だから…その…なんだ…ありがとう」

「…どういたしまして!」

「……中央に行っても頑張れよ」

「もちろん!」

親友(ライバル)との別れの挨拶も済ませ、ついに中央へ向かう準備を済ませたハルノナナクサ。その後、大井の友人達に見送られながら、大井トレーニングセンター学園を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ついに来たね…トレーナー」

「そうだな…遂に来たか。日本ウマ娘トレーニングセンター学園…!」

東京都府中市。全国のウマ娘達の中でも、ずば抜けた才を持つエリートだけが通う事を許される、まさに日本ウマ娘達の中央。そこに所属する事を許されたハルノナナクサも、圧倒的な才能を持つエリートと言っても良いだろう。

「おうおう、懐かしい顔が来てるじゃねえか!」

「その声は……!」

振り返ってみれば、狐の面が特徴的なウマ娘。かつて、自分を大井トレーニングセンター学園に招待してくれたイナリワンだ。

「「イナリワン(さん)!」」

「おう!東京大賞典、見させてもらったぜ。見事な走りだったな!」

「えへへ、ありがとうございます!」

ウンウン、と嬉しそうに頷くイナリワン。

「それで、ここに来たってえ事はアレだな。中央にスカウトされたな」

「はい!その通りです!」

「やっぱしな。ちょうど良い。今しがた退屈してた所なんだ。学園を案内してやろうかい?」

「是非お願いします!」

「よし来た!それじゃあ彼女は借りてくぜい!」

「ああ。ナナクサをよろしく頼む」

そんな訳で、イナリワンが学園案内を行うことになった。ハルノナナクサは再び熱心に案内を聞き、トレセン学園の概要を覚えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「とまあ、こんな所だな。後は使ってる内に慣れると思うぜい」

「ありがとうございました!」

イナリワンにお礼をし、学園案内を終える。ハルノナナクサは用意して貰った自室に向かい、自室で荷物を開けていく。

「あれ?そういえば同室の子がいないような……」

この部屋も二人で一部屋を使うタイプなのだが、どうも隣に誰かが住んでいる痕跡が無い。とはいえ誰かが使っているかもしれないので、そっち側は占拠しないようにする。

「まいっか!そのうち会えるかもしれないし」

今はひとまず、引越しで溜まった疲れをとるために休みたい。荷物を片付け終えると、ベッドに横になってひと休みする。

「はふ〜……柔らかくて気持ち良い……」

ずぶずぶと沈むベッドに包まれているうちに、彼女はだんだん眠たくなってきてしまい……ぐっすり眠り込んでしまった。その寝顔は、なんだか満足そうであったとか。

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