テキストベースで読む千年祭はテンポが悪く、またアレンジを効かせて設定を広げようとしまいがちになり、後々展開との繋がりに影響がでる為に、一番書きたかった中世から書き出しました。
話の流れ的に主人公達は中世において武器を所持していない状態である可能性が高いということに気付いて、急遽、ボッシュがお守りをくれて中世での災難を逃れた設定を加えました。
【AD2025のガルディア建国1000年祭】というリアル現代をテーマにしていたので、そもそも銃刀法違反の問題で武器類を持つ事が困難という環境にありました。
とはいえ、中世に来たクロノ達は初めて見る魔物の存在に対応することになるので、街中を移動中には、各家庭に置かれた松明棒等を武器のように扱い、身を守ろうとするでしょう。クロノが王宮を訪ねる際は物騒であろう棒はどこかに捨て置いたと思います。
~ボッシュのお守りについて~
千年祭会場でマールはどこでお守りを買った?
クロノはどこで?
ルッカは?
ボッシュはテレビにも出る有名人で◎◎鑑定団に出演し、骨董品の目利きをしている。
ボッシュ特性のお守りは会場の入り口、手荷物検査前の人が並んでいるところで押し売りされている。
値段は50円と安く、買わない若者にはしつこく粘り値下げして押し売る。
ルッカとクロノは入場の際に購入させられ、マールは式典から逃げ出している最中に購入させられる。
ボッシュの勝手な販売行為については補導ものでありマナー違反であるので、警備員等に止められることもしばしばだが、そういうとき警備員に、認識阻害の魔法をかけることでボッシュを認識できなくさせている
~本来一話目に入れる予定だったもの~
本文
2025年7月、中東と北欧の中間にある国ガルディアにおいて建国千年を祝う祭典が開かれていた。
祭りの期間は半年を予定していて、会場とは別にオンラインのバーチャル空間が設定され、世界各国から営利、非営利問わず様々な個人、団体が出店する。
リアル会場は収用人数10万人規模のドームにて展開されていた。入場には金属探知機による手荷物検査が義務となる。
当日出店の企業は、その半分はスポンサーとなっている。
スポンサーには各国の上場企業が連ねる。アメリカからはアップルやマイクロソフト等のNASDAQ指数に関連した大型企業が名が連ね、日本からはトヨタや日立等の企業がスポンサーとなって出店契約を結んでいる。
当日、人々が最も注目しているのはテレポート装置を開発したとの噂が流れていたルッカのブースだった。ルッカは大学生でありながらAIに関する特許をいくつも所有する発明家であるが、その生活素性は報道される事はあまりなく、謎に包まれた人物だった
ルッカは機械工学に特に詳しく、商業用AIカラオケロボットや軍事兵器に転用できそうなロボを開発したりで、政府や企業が一目置いている。中学生の文化祭で作ったAIリュックサック(リュックサックの中をAIが監視し、欲しいものを言えば自動的に上の方に持ってきてリュックも開けてくれる。)が爆発的ヒット。ファンが数万人規模でいて、当日はルッカが出店するという事で会場はルッカのファンでごったがえしている。
ルッカはある意味アイドル的な存在でボディガートが必要とされた。千年祭委員会はルッカのブース周辺に警備員を30人配備し、観客が雪崩れ込まない様に非常線をはっていた。
ルッカはテレポート装置のテスト段階からマスコミのインタビューを受けていて、その装置の完成度がテレビで報道されていた。当日はルッカ特集の番組を組まれていて、お茶の間ではリアルタイムの実験映像が流される。ガルディア人の殆どはチャンネルをルッカに合わせていた。
ブルーインパルスが上空を駆けると飛行機雲にてガルディア言語で建国千年の文字が浮かび上がる。そこからオリンピックのようなセレモニーがはじまり、それが終わるとガルディア陛下の挨拶があり、8時丁度に千年祭は開幕される。
その日、マールは父の公務に同席していたが祝辞の最中に席を抜けだし、護衛の監視をふりきった。マールは王族の立場から逃げようとしていた。
王家のしがらみに不満があったマール。
常に護衛をつけられ監視され何事もスケジュールに合わせてしか動けない。外出には申請書類が必要でその都度審査に時間が奪われる。外出したいと思った時、直ぐに外出できない生活。別にそれらの生活に嫌気がさしたという訳ではない。むしろそれらは生まれながらの習慣として当たり前のものであり慣れていた。
しかしマールは一般人の生活スタイルに憧れていた。庶民を体験する機会に恵まれなかったマールはテレビや漫画、アニメが発信する一般人像(主人公)に魅せられ、強い影響を受けていた。
マールは自宅に置き手紙をした。【一人立ちする。仕事が決まって生活が安定したら連絡するから安心してね。】との一文を書き残して家出をした。
マールは変装のつもりで髪型をポニーテールにして結び、正装服を脱ぎ捨てた。そして憧れのルッカを真似て丸眼鏡をかける。
自由になるオカネを持たされていなかったマール。出店企業の中から当日バイトの面接を受けるつもりで走っていた。マールはキャンディー屋さんや、スイーツ屋さんで働きたかったのでそのブースへと走った。
7時45分、セレモニーは終わっていて、ガルディア王は演説の最中だった。その隙にマールはキャンディー屋さんで面接を持ち掛けるものの撃沈。嘘にまみれた履歴書(見てすらも貰えなかった)を握りしめつつも心機一転。別のスイーツ店に走っているところで少年とぶつかり、リーネの鐘がなった。
少年はぶつかったマールに謝ると直ぐに走り出した。 千年祭は開演したばかりで、まだリーネの鐘の前に多くの人はいなかった。鐘の場所はとにかく目立つ場所であり、マール自身この場にいてはSPに見つかるリスクが高いと思い、少年と並走しながら走った。
遠目から見ればマールは出店する関係者の仲間に見えなくもない。少年に紛れてマールもブースへと向かった。少年が向かったブースはルッカのブースだった。
マールにとってはルッカを間近で観覧できるタイミングでもあった。開演と同時刻であり、まだルッカのファンで会場はごった返していない。最前列でルッカの発明ショーが観られる。
程なくしてルッカのファンでごったがえしたブース。マールはルッカファンの人混み紛れて完全なるカムフラージュが成功する。
◎少し前から
午前7時、プルーインパルスの騒音に驚きベットから転げ落ちたクロノ。
クロノは寝不足だった。連日ルッカの発明のテストに付き合い、昨日はゴンザレスのバランス調整やルッカのプレゼンスピーチに付き合ったりで寝不足だった。
幼なじみが世紀の大発明をした。それが自分の事のように嬉しかったクロノはその件で興奮して当日は眠れないだろうと思っていたが、疲れた身体には正直であり、しっかり眠れた。
ルッカの発明はテレビやマスコミの取材が殺到するはずでルッカは更に世界からチヤホヤされるだろう。ルッカが調子に乗るのは仕方ないとしても幼馴染みとしてクロノもテレビのインタビューを受けるかもしれない。鏡で身だしなみをチェックする。
その傍らでジナも身だしなみのチェックしていた。彼女もルッカを会場で応援する為にめかし込んでいた。二人は車で会場へ向かう予定だったが、渋滞のニュースを聞き徒歩での移動に変更。会場までは徒歩で10分程度の近場であり、クロノはジナを置いて先に出るという。
会場入口、人々の行列の横を抜けていくクロノ。関係者証を提示し、金属探知のボディチェックを受け、所持品をカウンターに預ける。航空の手荷物検査のようなセキュリティを抜けていくと中央付近にルッカのブースがある。
「来たわね。開演ぎりぎりで申し訳ないのだけど…試作機の小型サンプルを私の家まで行って取ってきてくれないかしら? 懇意にしている記者が本体プレゼン前にどうしても取材させて欲しいって煩いのよ…。お願いクロノ! バイト代はずむからさ~」
ルッカの父親タバンは別のブースを管理していて頼めない状況だった。母親も新型義足のブライダルショーの準備に忙しく頼める状況ではなかった。
開演まで残り15分、クロノはルッカ宅に急いだ。
ルッカ宅は登録された友人の指紋と網膜を認証して入場させる。
セキュリティはいくつかの段階があり、クロノが家に入った情報は即座にルッカのスマホへと送られる。もしそれがクロノでない場合、ルッカの指示の元セキュリティロボが起動する仕掛けになっている。
一人暮らしとは思えない大きな家(ラボ)にて小型のテレポート装置を手に入れると急いで会場へ走った。ドームの入口で再び関係者証を提示し、手荷物検査を受ける。品物を受けとる頃には汗が目に入り視界がぼやける。階段を登りリーネの鐘の前を通る頃、少女とぶつかりそうになる。避けようとした勢いでサンプル機を落としそうになるクロノはそれを守ろうしてバランスを崩し盛大に転げてしまう。
少女は心配そうに声を掛けた。
「あの~、大丈夫ですか…
ゴメンなさい、私、急いでて前をよく観ていていなくて、どこかケガとかありませんか?」
クロノは立ち上がると自分こそ悪いのだと頭を下げると人にぶつからないように小走りで向かうクロノに何故か少女もついてくる。
少女をよく見ると関係者証のネームプレートが無かった。
この先どこかのブース関係者だろうと思ってたクロノは疑問に思い聞いた。
少女の返答は
「実は私、働くところを探しているんです」
◎
千年祭の関係者は厳正なる審査で選ばれる。祭り開催中であっても各ブースでは適時求人の可能性はあるものの、当日会場での仕事探しというのは世間知らずというか空気が読めてない。開演寸前とはいえ、関係者しか入れない会場に証明プレートもなしに入場しているのは不法進入者くらいしか思い付かなかったクロノ。マニュアルに沿えば少女を委員会へ通報する義務があったが、急いでいたクロノはこの問題を放置した。
「クロノ、その隣にいる子はだれ?」
「あ、私、実はルッカさんの大ファンで…マールと言います。いつもテレビで観て応援してます!」
「そう、ありがとう。その眼鏡、良く似合っているわ」
ルッカが眼鏡をくいっと上げてはほ笑むとマールも一緒に眼鏡をくいっと上げて喜んだ。
「でも観たところ、関係者ではなさそうね…。」
ルッカはマールの顔をまじまじと見つめた。マールの顔と名前に見覚えがあるようなないような。変装しているとはいえ、顔テレビで広く認知されていたマール。天才ルッカの記憶力と洞察力があればマールの正体が王族なのだと気付くのは時間の問題だった。しかしルッカは発明マニア、オタクであり、世間の事情にはやや疎かった。だがマール自身、嘘をつくが嫌いな性格なので実名を名乗ってしまっている。正体がばれるのを恐れたマールは話題を変えるべく…
「実は私、仕事を探しているんです。」
意表をついた会話の流れにルッカの意志は全てそちらに向き、流された。
「仕事? それまたどうして?」
「ちょっと自立してみようかと思いまして…。」
「なるほど、それはいい考えね。」
「でもキャンディ屋さんやスイーツ屋さんの面接では落とされてしまいまいして…」
」
「ちょっと履歴を書見せて貰えるかしら」
マールはバックから履歴書を取り出した。
「なるほど、マール・アレクシス(母方の性)というのね…16歳…」
マールは切実そうな顔をしていた。迷子の子猫のような。
「マールさん、良かったらウチで働いてみる?」
「え?」
「発明の実験に付き合ってくれればそれなりの報酬は払うわ」
「いいんですか!」
マールは大喜びだった。
「元々この装置、最初にクロノが実演して魅せる予定だったのだけど、実は両サイドで同時に瞬間移動の物質交換ができるの。一人でやるより二人でやる方が花がありそうだし…良かったらやってみる?」
マールは好奇心旺盛だった。
「開演3分前ね…。リハーサルを兼ねて、一回やって貰うけどいい?」
「はい」
「じゃあ、マールはあっち側に座って。瞬間移動が成功したら喜びのポーズでもしてくれたら尚良しよ。」
クロノとマールが座席に着席するとルッカが起動装置をオンにする。取材記者が数人その光景をカメラで追っている。
5m離れた装置から2人の交換が起こる予定だった。しかしマールが装着していたペンダントが異常反応し、周囲からプラズマが発生しはじめる。緊急事態に気付いたルッカは直ぐに装置の電源をオフにするもの装置は起動しつづけ唸りをあげた。
叫んだルッカ。異常事態に気付いたクロノはマールに駆け寄り、座席から降ろそうとする。
クロノの夏休みのバイトはルッカのサポート及び被験者の安全を守る事である。しかしプラズマがバリアのように邪魔をして近付けない。
マールはペンダントが怖くなり、外した瞬間、中央にテレポート移動する。同時に中央の空間が歪み渦が生まれ、マールはその渦に呑み込まれようとしていた。
何が起きているか判らなかったクロノだったが、咄嗟に中央へ飛んでマールの腕を掴んだ。
ゲートに呑まれた二人は青き渦のトンネルに流されていく
流れは緩い渦巻き状にあり、クロノとマールはゆっくりと回転していく。
腰のベルトに差していた無線機器からルッカの声が届き、取ろうとするが手から滑り落ちた。
無線機は装置の異常を発見したときやテストモニター達の忘れ物等がないかをその都度ルッカに確認報告する為のものであった。その無線機は予定通りに使われる事が無く、クロノのベルトポケットに差し込まれたままだった。その無線が離れていて、離れた無線機に手が届かない。
クロノはマールから手を離してでもその無線機を取らなければいけない気がした。今起きている異常事態の先に必ず必要になる気がしたクロノはその無線機を両手で取った。
その行為によって二人の間の距離が開く。距離はどんどんと開き、マールがクロノの視界から消えてきく。
そして、しばらくすると突然、空気の味が変わる。
そこは400年前であり大気がまだ科学物質で汚染されていない世界であるという状況をクロノはまだ知らない
とにかく命が助かった事に安堵するクロノ。
既にゲートは閉じていて、空気の揺らぎとして、ぼんやりとしか存在が見えなかった。
恐らく事故の原因となっただろうペンダント。ルッカは実験の過程であらゆる金属を試してして万が一にも事故が起こらない様に検証していた。だが未知の物質に関しては検証できていなかった
無線に語りかけるが反応がない。
携帯を取り出して助けを呼ぼうとするも電波が入らなかった。GPSも受信しない。
GPSの電波が入らない場所なんて地球上のどこにも存在しない。もし故障でないとすれば、地球外、異惑星に転送されたという意味になる。そんなバカな。と考ていたら茂みから何かが此方を見ていた。
頭がツルツル、頭が真ん中から縦に割れた生物が三体(全身青)それらは牙からヨダレを流しながら迫ってくる。
ここが異惑星の可能性。目の前にいるのが見たことない動物。エイリアンなのだと自身を納得せざる終えないクロノ。
生物から危険を感じたクロノはとっさに足元あった石を拾った。
敵の正体は魔族であるがクロノは魔族について何も知らない。身一つに氷河期に適応した彼らの祖先について、元来人間よりも遥かに強靭な肉体をしている。巣手での戦いなれば知性の高い熊を相手にしているようかなもので100%勝てない。石を武器にしたとてそれは同じ事である。原作のクロノが木刀でやつら魔族(ジャリー)を撃退できたのは訓練を詰んだ武人であったからであり、ジャリー自身も三体で一人を囲めば確実に勝てると予想していたからだった。
現代人は魔族の驚異を知らない。迫るジャリー石を投げたとて、怯むことなく襲ってきた。
咄嗟にジャリーの隙間に入るクロノはジャリーを避けた。
とっさに攻撃を避けたというより、ジャリーに投げて跳ね返った石を再度拾い上げた状態。
弱き現代人のクロノがジャリーに勝っているのは身長差のみだった。ジャリーは身体能力がこそ高かったが、身長差によりクロノとジャリーのスピードに大差はなかった。差はないといえ、逃げ切れる程のスピードはない。原作のような訓練された強筋がないクロノは逃げる選択肢でさえジャリーには勝てない。
よってクロノは逃げながら橋の下に隠れた。足場は川である。川の上流へ向かって石を投げ、再び橋の上に戻ると、ジャリーは石の方向、クロノとは真逆の方向へ向かいクロノを見失った。
クロノが命からがら下山し、そこが400年前の世界であることを知るまで、紆余曲折あるが、現代に戻るまでの時間は5時間程度だった。
ルッカに頼まれてテレポート装置の模擬機(ミニチュア)を渡したが、それが携帯型のゲート開閉装置を作るのに役立ち、1時間もしない内にルッカが追いかけてくる。