(無事に戻ってこれて良かったわ。流石天才の私)
「こほっん。マール王女様、私の装置が至らないばかりに、この用な面倒に付き合わせてしまって…」
謝罪の言葉を述べようとしたとき
『…まって! これ以上は言わないで』
手を前に出しで謝罪を静止させる。
『色々あったけれど、今日のこと、私にとって特別な思い出(刺激的で楽しいもの)になったから、お礼を言いたいくらいです。』
(特別な思い出…。何やら意味深ね…。まさか装置のトラブルについてを大事にされて、その礼を返すということでは無いわよね?…)
手を差しだすマール。ルッカにファンとしての握手を求めている。
恐る恐る手を伸ばすとマールはその手を握り、とても喜び跳ねた。
それをみて安心したルッカは今日の出来事、ゲート先の世界をできるだけ誰にも言わないようにお願いした。
異世界存在、言ったとしても人々は信じてくれないだろうし、仮に信じて貰っても、またゲートを開く再現実験をして、次こそ元の世界には帰れなくなるような事故が起これば取り返しがつかない。
今日の出来事をできるだけ誰にも言わないようにお願いしつつ、クロノに帰り道をエスコートするように頼んだルッカ。
クロノは首を縦にふるが、マールを首を横にふり。
「…わたしの事は大丈夫よ。護衛の人がまだ私のことを探していると思うから。その辺りを探せば直ぐに…」
「うんうん、大丈夫。それに年の近い男の子と一緒にいるのが記者に人とかに見つかったら、多分面倒な事になると思うから…」
「え? 面倒事になっても構わないの?」
クロノのおおらかさに、マールは嬉しくなり、少しだけエスコートして貰うことにした。
マールに連れられ千年祭をうろうろするクロノ。委員会関係者、王家の来賓席へ来たとき、黒い服の数人に声を掛けられる。
「あ、この人達は私の護衛の人で…」
マールはプチ家出をして逃げてしまったことを護衛達に説明した。
すると護衛の一人はクロノへと近づくと指を鳴らす仕草をした。
クロノの視界がその音と共に暗転すると、男の肩へもたれ込むように倒れた。
つい数時間前にも似たような感覚を経験していたクロノ。それが催眠術によるとのだと気付いた頃には完全に意識は眠りの状態になっていた。
目の前で起きたことの異常事態について、マールはいつも感じていた護衛から発せられる違和感についての意味を理解した。
中世で大臣に扮したヤクラに出会ったときの違和感に似ているかもしれない。ヤクラが扮した大臣から受ける違和感は人生で体験したことのない強烈なインパクトのあるものだったが、思い出してみると日々の日常生活の中で小さな違和感を感じていた。
【今までも何も問題なかったらそのこと気にもしていなかった】
護衛達から感じられる小さな違和感についてそれは護衛という職業上、特殊な訓練を積んだ屈強な者達だからこそ感じられる威圧のようなものであり、マールはてっきり、自分以外の人々も同じ様に感じるものだと思っていた。でもそれは違う。
ゲート先の世界で魔物世界を経験したからこそ、はっきりと理解した。
それと同時にルッカと別れ際に教えて貰った言葉を思い出す。
『マールはきっとこのゲートの世界からやってきたのかもしれない。この世界の住人ではないから、リーネの身に危険が及んで子孫であるマールは消えてしまった。何か事情があって出自のことを王家は隠してるのかもしれない』
だけどそれは違う。ゲート先の中世の世界はこの現代と歴史と繋がっている。魔物や魔族はこの世界でもいる。中世には人に化ける魔物がいたのだから、人に成り済ました魔物が現代にいてもおかしくない。
この世界のリーネが危険だったからこそ、自身は消えていたのだと考えれば、全ての辻褄が合う。
そう理解するが、今さらどうにもできない。マールも黒服に催眠術をかけられ眠りに落ちていく…
◎
(ルッカ)
そういえば私を取材していた記者はどこへ行ったのだろう?
ゲートに入るときにカメラ撮影していたはずの記者がいない。
てっきり、ゲートの情報が記者を通じてニュースで発表され、世界を混乱状態に陥れていて、ブース前には多くの取材陣や自身のファンが集まっていて、その混乱を沈めるべく警察が介入したり、あるいはゲートが異世界通じるかもしれない件が国際的な大きな問題となって軍が出動したりすると思って、かなり化粧に気を使ってからゲートに飛び込んだのだが、誰一人ブース前にいない。自身のファン達であるならば行儀良くブースの外で並んでいてもおかしくない筈なのに、そのファン達も見当たらない。
誰もいないことの不自然さに困惑していると、黒服が突然目の前に現れた。
さっきまで視界には誰も居なかったはずなのになぜ…
ルッカの天才的を頭脳を持ってもその答えは判らなかった。
時系列に戻して説明すると、まず記者はゲート発生の映像を動画のニュースサイトに投稿しようとパソコンを操作していたが、ルッカと同じ様に黒服の男が突然現れ、意識を失う。
マールには監視の護衛が複数人ついていた。その護衛の正体は魔族であり、魔法によって景色の模様に擬態している。
ゲートの発生とマールが吸い込まれるのを目撃していた護衛らは王家の相談役にどうするべきなのかを相談。マールの家出と不可解なゲートについて、不要な混乱や誤解が広まることを恐れ、記者は口封じに処分されることとなった。
マールの処分は王族の意見待ちにて処分保留。
ルッカはその希少な頭脳にて処分保留。
クロノについてはルッカを国を働かせる為の人質役として処分を保留。三人各々、監禁、または軟禁状態に。
結局、コウモリが過去の歴史を変えなくとも似たような状況に陥ってしまった三人。
(あとがき)
この処分がマザーブレインのような人間シュレッダーのようなものであるなら。ゲートの存在が知られたことを危惧(歴史改編されるリスクを恐れて)、ゲートを知る者全てを処分するのかもしれない。
この処分が人間を食糧として人間界支配している魔族が主導するのものであるなら、過去の歴史を知りつあるクロノ達を口封じする的な理由と、魔族への食糧事情があいまって、屠殺されるかもしれない。屠殺されたクロノは替え玉の魔族が成り済ましてクロノとして生きるか、クロノの親も食糧として利用するのかもしれない。
なんか、似たようなの過去に書いてたなあ。
どうせなら原作沿いで裁判ルートに持ってく方がオーソドックスで面白いのでは?
https://syosetu.org/novel/375404/
既にハーメルには、現代なのに中世ぽい司法『サンマリノをサンドリノ』のやつを投稿してるから。別にいいかな。
マールをエスコートして捕まり、裁判ルートになる展開も、ある意味リアルといえばリアルな世界観であるが、リアルさを醸す為に説明(文字数)増やして読みにくくなるのもなんだか本末転倒のような…
そもそもそこに説明がなきゃ違和感を解消できないような読者はいない気がする。
原作の裁判はコミカルな印象が強く、そこから死刑になるにしても、そこが突っ込みどころにはなっても、リアリティとしてはあろうが無かろうが、そこをプレイヤーは気にしないのが一般的かも。
改めて思うになぜリアリティの無さを気にしたのかな私
リアリティが無くても面白い展開に持ってくることはできるだろうし