ストライク・ザ・ブラッド 月の真祖のお姫様   作:熾烈

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 実際のアルクェイド・ブリュンスタッドを入れるには、私の力及ばず。
 憑依、転生という素晴らしき便利な言葉があります。つまり、アルクェイドの姿をしたオリジナル真祖で、性格などがアルクェイドに則したものです。
 もっと言えば、ストブラの世界だけ(・・)のアルクェイド・ブリュンスタッドという名前の真祖であるということ。

 ご了承ください。


第1話

 

 

 

0/それ以前。

 

 それはとてもむかしむかし、

 まだ地上がわりあい静かで、それなりに火がともりはじめた頃のお話です。

 

 

 その星はいろいろあって、たくさんの子供たちと付き合ってきました。

 

 

 ですが、いつのまにかおかしな子供が生まれました。ソレが今までの子供とどこか違うのか。 説明するコトができません。

 ただ、この生き物は違うものだと星は思い、 初めて、自分の行く末を案じたのでした。

 

 

 その声を聞きつけて、月の王様がやってきました。

 

 「動くことのできないアナタの代わりに、私がアナタを守りましょう」

 

 

 星に呼ばれた月の王様は、その赤い赤いこわくてやさしい目で約束します。 星は喜んで月の王様を子供たちの一員と認めました。

 

 星は月の王様をおてほんにして、地上の王様を作ります。 けれど、どんなに工夫しても王様は生まれません。 そればかりか、自分の分身であるはずの月の人たちはタイヘンなけっかんがあったのです。

 星は自分の子供たちが大好きです。

 

 その分身である月の人が、地上の生き物を愛するのも当然です。

 

 けど、大好きだからって食べてしまうのはどうかな、とは疑問に思いました。

 

 

 星は知らなかったのです。

 月の王様が星を守ろうとするのは、星が可愛そうだったからではなく。

 

 

 なんにもなくなってしまった自分の国の代わり、きれいな世界が欲しかっただけだという事を。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

1/絃神島

 

 

 南の海の上、人工の島。そこは人と魔族が入り混じる場所。

 

 「ねぇ、君が第四真祖ってやつ?」

 

 きらめく金の髪に赤い眼、驚くほど美しい整った顔が見ていた。

 

「うおっ」

 

 白いフードを被った男、晩古城は何者かにつけられているところ、いきなり目の前に出てきた女性に驚いた。

 

 「ふーん、吸血鬼と言っても大したことがないのね。そこそこな使い魔がいるだけで」

 

 じろじろ古城を見回す女性。満足したのか、変な吸血鬼。と言って去っていった。

 

 「何だったんだ?」

 

 古城の困惑の呟きは灼熱の太陽が照らす街へ、誰に聞き取られることもなく消えていった。

 

 

◇◇◇

 

 

 「貴様、何者だ?」

 日傘を刺した低い背丈の少女と向かい合う。

 

 「私? そうね、貴女から見てどう見える?」

 

 可愛いらしく小首をかしげるが、その血のように赤い目は道端の石ころを見ているようだ。

 

 「質問を質問で返すな。·········とてつもなく強大な何かという大雑把な事しかわからん」

 

 「まあ及第点といったところかしら。私はアルクェイド。アルクェイド・ブリュンスタッド。吸血鬼のお姫様よ」

 「アルクェイド。そんな名前の吸血鬼は聞いたことがないぞ」

 

 自称真祖の女はその言葉に嗤う。

 

 「そりゃそうよ、この世界にたった一人の吸血鬼の真祖だもの」

 

 にっこりと誰もが見惚れる笑顔で高らかに言うのだった。

 

 「それで、私は名前を言ったのよ。貴女も名前をいいなさい」

 「悪かった、私は南宮那月だ。いやそれよりもだ、真祖とはどういう事だ。世界に真祖は4体だけのはず」

 

 南宮那月は目の前にいる自称真祖をどう扱うか考えていた。

 

 「私以外の真祖?」

 心底分からないという顔をするアルクェイド。しかし、重い至ったのか、ポンと手槌を打つ。

 「ああ、あの羽虫の事ね」

 

 あれらを羽虫と形容するのはアルクェイドからしてみれば当然のこと。

 血を吸うためには欲情しなければならないというふざけた生物。それに、あれらは個が強い訳ではなく、飼っている眷獣(けんじゅう)というペットが強いだけであって、吸血鬼はただ魔力を多く持ち、不死身の体であるというだけ。聞いて呆れる。

 

 「あんな拍子抜けな生き物は初めて見たわ。あんなモノと私を一緒にしないでくれる?」

 

 いままでの雰囲気にほんの少しの怒りが混じった。

 

 「……………それで、目的は何だ?」

 

 那月はそれ以上考えるのを止め、自称真祖にこの絃神(いとがみ)島に来た目的を訪ねた。

 

 「うーん、強いて言うなら観光かな。なかなか面白い所よね此処って」

 

 頭が痛くなってきた那月。

 

 「ねえ、那月。寝泊まり出来る場所知らない?」

 

 頭を抱える那月に能天気に聞いてくる彼女。

 正体不明のこの女をどうするか迷った後、苦渋の決断を下した。

 

 「いい場所を知ってる。ついてこい」

 

 

 

 

 その場所とは。

 

 

 「ここだ」

 

 南宮那月の自宅であった。

 高級マンションの一室、サンルームのような場所に那月はアルクェイドと転移した。

 

 那月は彼女を自分の目の届くところに置いておくことにしたのだ。

 

 「ここホテルじゃないけど?」

 

 ついてきたアルクェイドが生活感のある部屋を見て言う。

 

 「私の家だ。お前はここで私の監視下にいてもらう。正直、存在が厄介だ。新たな真祖の誕生なぞ世間に知られると非常に危ない。私は教員だから平日は空いていないが、夜と日曜日は空いているから外出はその時に私の同伴のもとだ」

 

 新たな真祖という超のつく爆弾案件に、彼女に条件を与える。そしてアルクェイドは少し考え、まあいっか。と了承した。

 

 

 

 こうして南宮那月とアルクェイド・ブリュンスタッドの生活が始まったのだった。

 

 




0/それ以前。・・・・月姫読本より一部抜粋。




意外と型月とのクロスオーバー作品が少ないことに驚き。
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