一人歩き型スタンドなオリ主と承太郎   作:ラムセス_

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成長性A

 

 インディラ・ガンディー国際空港のあるデリーに到着した後、予定通り宿にチェックイン。

 SPW財団を通して押さえた宿だ。

 信用はそこそこ置けるだろう。

 

 窓から見える街並みはカルカッタほどでなくとも雑多で、不安と未知の両方を感じさせる。

 異国情緒と呼ぶにはちょっとばかり騒がしいが、これもまた「良いところ」とはアヴドゥルの談である。

 

 二人部屋を二つ取り、割り当てはジョセフ&アヴドゥル、花京院&承太郎。

 学生同士仲良くな、というジョセフの気遣いだ。

 アルカナテラーこと俺はと言えば部屋の廊下で見張り役。

 寝る必要もないとなれば当然の配役だが、納得いかない気持ちも一欠片。

 俺も部屋欲しーい。

 

 なんて気持ちを抑えながら、今日も今日とてアドバイス日和だ。

 ジョセフとアヴドゥルを学生組の部屋へと呼び、今後の方針について話し合うとしよう。

 

「今日の夜はフマユーン廟まで遠出といこうぜ」

 

 俺の第一声にアヴドゥルが疑問符を浮かべた。

 理由も話してないから当然なのだが、それでも反対の色がないあたりそこそこ信頼してもらえているのだろう。

 

「確かにあそこは有名な観光名所だが……観光というわけでもないのだろう?」

「おうよ。DIOからの刺客が来ていてな。それで、あー、説明が難しいんだが……」

 

 ポルナレフ(肉の芽なし)がJガイルとホルホースの二人に囲まれて絶体絶命!というのはどこから説明したものやら。

 ここであの騎士を拾っておけば今後取れる選択肢が大きく広がるのだ。

 説明に悩む俺に、ちらっと目線を上げた承太郎が一言漏らした。

 

「あの電柱みてーな男を助けるためか」

「ぶっ」

 

 俺は思わず吹き出した。

 【目】だ!俺の【目】を使っている!

 

「いや承太郎どこまで見えてんだよ!?5時間は後の出来事だぜ?俺のかけたリミッターどうしたよ!」

「邪魔くせーから外した」

「こっのアンポンタン!!!脳が爛れ落ちるからやめろっつってんだろうがァ!つかなんでそんだけ見て普通にしてられるんだよ!お化けか!」

「ひでぇ言い草だな」

 

 実際これよりもう少しだけ深く見てしまった一般スタンド使いが、全身の穴という穴から血を噴いて死んでいる。

 俺に憑かれた人の死因のほとんどが【目】を暴走させてしまったことによる負荷のかかり過ぎだ。

 それをまさかこんなに早く使いこなすとは……。

 流石は最強のスタンド使い。

 とはいえ心臓に悪いからそんな無理しないで欲しい乙女心ならぬスタンド心。

 

「あれほどのスタンドパワーを持つアルカナテラーの力をもう使いこなし始めているのか…!凄まじい適応力だ」

「承太郎、無理だけはするんじゃあないぞ!」

 

 大騒ぎのスタクル勢に「やれやれだぜ」といつもの一言を呟いて帽子を下ろす承太郎。

 騒がれて当然の暴挙なんだよなぁ。若いって素晴らしい。

 

 話題を変えるためか、いつもより饒舌に承太郎が俺に話を振った。

 

「それで、何のためにあの電柱ヤローを助けるんだ」

「ふむ。一言で言えば利害の一致、かね」

 

 一番タイミングが遅かった場合を想定するなら、ハングドマンとエンペラーのタッグに敗れて倒れているところを保護し、波紋による治療で癒す……という筋書きだ。

 もっと早く到着できたなら戦闘中の乱入という形になる。

 

「多少恨まれるけどな。自身を差し置いて仇を討ち取りかけるんだから」

「俺たちには関係のねー話だ。だが、それで喧嘩ふっかけられるのも面倒だな」

「そこは交渉の余地ありだよ。神秘を語る者として俺が譲歩を引き出してみせるさ」

 

 じゃあ、敵スタンドの解説に入ろう。

 

 そう言うと、全員の視線が集まる。

 ごくごく狭いホテルの二人部屋には頭と胴の少ししか入れられないが、視線の圧はそれを考慮しないシリアス一色だ。

 

「ハングドマンは光のスタンド。反射面に潜んで光と共に移動する機動力に優れるやつだ。スタンド像が反射面にしか存在しないから、本体を殴ったほうが早いかもしれない」

「厄介じゃなァ。光という事は、ほぼ実体が無いということじゃろう?光自体を攻撃するのは相当に難しい」

「俺のスタープラチナで移動中を叩くか」

「そうだな。私のマジシャンズレッドだと炎の光によって逃亡先を増やしかねない」

「エンペラーとかいうスタンドの方はどうなんだい?」

「そっちはもっとシンプルだ。拳銃型のスタンドで、銃弾の軌道を自在に操ることができる」

「なるほど……どちらも本体をたたくに限るな。単発銃ならエメラルドスプラッシュの弾幕で物量押しできるだろうし、問題はハングドマンの方か」

 

 まあハングドマンの方は俺が実は特効を持っているので心配はいらないのだが。

 反射面に潜むという性質を逆手に取られるとは夢にも思うまい。

 

 それを悟ったらしい承太郎が宇宙色の【目】を煌めかせてはっ、と小さく笑った。

 

「えぐいこと考えやがる」

「一番簡単な方法なんだから文句言うなよ。勝手に俺の【目】の中に入ってくる方が悪いんだ」

「違いねぇ」

 

 反射を以て移動し、光を映すものにその姿を浮かび上がらせるスタンド、ハングドマン。

 そいつは鎧や窓ガラスや人の目の中に映り込んでは一方的な攻撃をしてくるのだ。

 

 常に多重の未来を見る俺の瞳に、奴は映り込む。

 その時、Jガイルが何を体験するのかはお楽しみという奴だ。

 




 実は、アルカナテラーの英語表記はarcanaTeller(神秘の語り手)ではなくarcanaTerror(未来という恐怖)です。
 ジョセフが到着して会話が英語になった後は、普通に発音の違いでバレて「おい蛇」ってなった承太郎だったり。
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