一人歩き型スタンドなオリ主と承太郎   作:ラムセス_

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明日はようじょりーん回……
明日って今さ!!!!!(集中線)


ようじょりーん

 

 幼い徐倫にとって、その存在──蛇さんという──は一番大切な友達であり、お父さんの代わりであり、唯一の理解者でもあった。

 

 アメリカにある空条の家はこじんまりとしてはいるもののセキュリティは万全で、何かあればすぐにSPW財団系列のセキュリティがとんでくる厳重さだ。

 その家の中、徐倫のためのおもちゃスペースは家の中でも特に広い。

 大きな怪獣でも通れるようにでもしたかったのか、直通の玄関は一般の家よりずっとずっと大きかった。

 

 あのドアはきっと蛇さんのためにダディが作ったんだろうな、なんてふうむと考えこむ徐倫を蛇さんはぬっとのぞき込んでから抱き上げた。

 腕もないのに器用に胴と尾を使って徐倫を天井近くにまで運び、徐倫へと笑いかける。

 

「高い高ーい。よーし、蛇さん列車だぞぉー!」

「じょりーんも乗る!」

「おっと、早く乗らないと出発しちゃうぞ?」

「まって、まって!すとーんふぃー!!」

 

 徐倫の言葉でするすると解けた体が縄状になって徐倫を持ち上げる。

 これは父の命名した「すとーんふりー」という力。徐倫が物心つかないうちから使えた不思議な力だ。

 

「へびさん出発!しんこー!」

「しゅっぽっぽ!速いぞ凄いぞ大きいぞー。それそれ!」

 

 徐倫は楽しくて楽しくて、流れる景色にたくさん笑った。

 こうしてダディがいない時も遊んでくれる彼を、徐倫は家族の一員だとも思っていた。

 

 するとちょうどそのとき、ママが2階から降りてきた。

 ママはキッチンの方を覗き込んだ後、こちらへ早歩きでやってきて笑顔で優しく微笑む。

 

「洗い物片付けてくれたのね。いつもありがとう、アルカナさん」

 

 ママの手伝いは徐倫だけでなく蛇さんも得意とするところであった。

 持ち運び用のホワイトボードを尻尾で持ち上げて、蛇さん専用に持ち手を長く作られたぺんを使ってさらさらと文字を書いていく。

 これが蛇さんのことが見えないママとの唯一の交流の方法であった。

 

『いやいや。承太郎もいないし、これくらいは当然ですよ。それと、電球切れてたんで替えときました。古い電球はそっちにまとめてあります』

「まあ、本当に何から何まで」

 

 ママは本当に感謝しているようだった。

 最初は慣れないのか泡だらけになって皿洗いにてこずっていた蛇さんも、今ではすっかり家事手伝いの上級者だ。

 風邪で辛そうなママの代わりに家のことを全部やっていたこともある。

 

 徐倫はなんだか戦いごっこの気分になって、蛇さんへファイティングポーズをとった。

 

「てあー!すたんどごっこしよ!」

「はいはい、徐倫のあるかなてあーですよ。スタンドごっこは家の中では危険だからお外でやろうね」

「やだ!やるの!!おらおらおらおら!」

 

 しゅっしゅとダディを見習って拳を振る。

 それと同時にすとーんふりーも出てきて、蛇さんの鱗にポコポコと当たる。

 蛇さんは苦笑いした。

 

「わかったわかった。ラッシュを決めない。ほら、着替えてお外行くぞ」

「……赤いクマさんの上着がいい」

「よし。じゃあクマさんとってくるから、いい子で着替えられるな?」

「うん」

 

 ホワイトボードでその旨を丁寧な字で書き連ね、蛇さんは階段をうねうねと登ってゆく。

 その道中、少しだけママと話をしたようだった。

 ママは少しだけ寂しそうだ。

 

「私は貴方の姿が見えないし、娘の力もわからない。私も夫や徐倫みたいな力があれば、と思わずにはいられないわ」

『俺らが例外なだけですよ。気にしないでください。こんな超人が沢山いたら世の中大混乱でしょう?』

「ふふふ、そうね」

『貴方みたいな普通の人がいるから世界は回ってるんです』

「ありがとう、アルカナさん。夫もそう思ってくれているかしら」

『勿論。スタンドでしかない俺なんかよりよっぽど承太郎の方がありがたく思ってますよ』

「……そのスタンド?というのの退治にいっているのよね、夫は」

『そうですよ。正確にはスタンド使いですが。近場だからもうすぐ帰ってくるかと。とはいえ……』

 

 その時。

 がちゃり、と大きな玄関扉が動いた。

 大きいけれど意外と軽くて、徐倫が前に頑張って開けたことのある扉が軽々と太くたくましい腕で開かれていく。

 その向こうにいるのはダディだ。

 怒っているのか悲しいのかわからないいつもの仏頂面で、ダディは大きな荷物を床に置いて靴を脱いだ。

 

「今帰った」

「あなた!」

 

 ママが駆け寄るが、ダディの表情はピクリとだって動かない。

 声も低くて怒っているかのよう。ママは途中で立ち止まってしまった。

 

「着替えてからすぐまた出る。SPW財団から要請が入った。アルカナテラーも連れていくから徐倫を頼んだ。泊まりになるから帰るのは明後日だと思ってくれ」

「……徐倫と遊園地に遊びにいく予定はどうするの?」

「当然キャンセルだ。俺はもう行く、いいな」

 

 するとそこで勢いよく蛇さんがのびあがって首を振った。

 母には聞こえない声でカンカンに怒鳴っている。

 

「承太郎のアンポンタン!!もう少し言葉を補足しろ!足りねーんだよ!」

「……?」

 

 ダディは何のことかわからないみたいで、一度蛇さんの方を見て目をぱちくりさせてからもう一度ママの方を見た。

 

「次の依頼はオハイオ州に出没する連続殺人鬼だ。これ以上放っておけば更なる被害が予想される」

「違うっつーのどこ補足してんだ!?キャンセルするから代わりの予定入れるねごめんだろうが!?!?」

「!」

「もういい、今言ってもリカバリーは利かねぇ!『すまない、君のことも徐倫のことも愛しているんだ』と情感たっぷりに言え!!」

 

 言えーッ言えーッ!と野球の試合の応援みたいに蛇さんは声を荒らげている。

 ダディは気持ちいつもより優しく聞こえる声色で蛇さんの言う通りのセリフを唱えた。

 ママは「あなた……!」と言ってようやくダディへと抱き着いた。

 

 何が何だかわからなくて、徐倫は蛇さんへと問いかける。

 

「てあー、むずかしい話?」

「おうよ。難しすぎて蛇さん困っちゃう話。割とマジで」

 

 蛇さんはげっそりと息をついたようだった。

 




アルカナテラー「ここを、こうして、こうじゃ」

未来確定にて生まれつきのスタンド使い徐倫誕生!

承太郎「これで徐倫も自分の身を守れるな(満足げ)」
ジョセフ「ワシちょっとそれはどうかと思うんじゃが」
承太郎「娘が監獄で変態スタンド使いに襲われるよりマシだろ。蛇も徐倫に一時的に貸し出しておくか」
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